岡山ではどうやら風邪が流行しているようでございます。インフルエンザも流行しているということですが、今年のインフルエンザは、最初にドっと熱が出て(聞いたところでは38℃台だと)、治りがけに喉が痛くなったりするんだそうです。
怖い怖い鳥インフルエンザの噂も、海の向こうから聞こえてきたりしますから、くれぐれも厚生省なり保険所なりには頑張っていただいて、万全の態勢を整えておいてくださいね。間違っても自分たちだけが助かろうなんて思わないように。だっていろんな人がいて、日本という国が成り立っているんだから。
さて今日は久しぶりに『中国の鋼鉄刀剣』と参りますか。紹介するのも残り少なくなってしまいました。今日は清代の民間剣のうち、最も有名な龍泉剣についてが中心になると思いまする。
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『中国の鋼鉄刀剣』・38 ~第七章 鋼鉄刀剣の最後の輝きと衰落・清代(17)第二節 清剣4~
☆★☆民間剣☆★☆
清代は民間にあった剣は、単に数量、種類だけでなく形式も含めて、皇室宝剣や職官剣よりもはるかに多かった。武人や武術界の人間では、剣を操る者は大変多く、文人や上層階級の人間にも、文武ともに修める風潮が強く、貴族、商人も剣を鑑賞することが流行した時代であった。そういった中で、大層な金額を費やして宝剣を作らせる者も多く、自分で鑑賞したり、贈り物にしたり、家の守りとして置く風俗もあった。
宝剣は、私的に購入し長期的に使用するもので、当然品質は精良であり、護身用の武器になると同時に、典雅な工芸品になっており、吊るし帯、装飾のすべてに優れており、この種の剣を称して佩飾剣と呼ばれている。
その他にも清中・晩期には、人民蜂起や戦乱が頻発し、地方の義勇軍の多くは、それぞれの地方で作られた武器を持っていて、実戦で使用された。これら佩飾品、実戦用の武器としてだけでなく、道士、術士、巫医(巫術で病を治す人)たちも剣を最も重要な法器としており、これらは俗に法剣と呼ばれている。
他の分類方法では、長剣と短剣、重剣と軽剣、撃刺剣と劈斬剣、単剣と双剣、単手剣と双手剣などなどがあり、方式は単純ではない。同時に各種の分類も絶対的なものではなく、実際はこれらの分類上の特徴がいろいろと入り混じった剣が多かった。
一般に剣客は長剣を持ち、民間で最も流行したのは佩飾剣が多く、文人の剣の中には、純粋に壁にかけて飾るためだけに作られたものもあったら、これも決して実戦能力のない剣ではなく、民間で贈り物とされるものは、家の守りとしての短剣が主体であった。
道教で用いる剣でさえ完全に桃木で作られていたわけではなく、木制の鞘の中にはちゃんと鍛えられた鋼鉄の刃を持つものも甚だ多く、完全に標準的な剣と同じものも少なくなかった。ただしその刃の上には、画符や宗法図案などが彫られていた。このような状態だったので、それぞれの剣の分類はきわめてあいまいなものにならざるを得ず、単純に分類することにこだわるべきではないかと思う。
☆★佩飾剣☆★
佩帯、装飾、愛玩物、贈答品、家に置く魔よけの剣として用いられたが、武器として用いられた剣と比べれば、実戦効能は弱かった。しかし清代の民間剣では最も品種が豊富で、形式も多様であった。
この類の剣は剣身の幅が狭く、切っ先に向かって細くなっており、剣脊がはっきりしていたり、切っ先が円く、脊が弧になっているもの、あるいは広刃で先細りになっているものなどの区別がある。
多くは8つの装具を持ち、そのうち3つは柄に、鞘には5つがあった。剣首は三波段塔頂形か笠帽形をしており、胡蝶形の護手で、多くは柄側へ反り返っている。
鞘口、鞘頭は比較的長く、断面は楕円形のものが多い。鞘の中段には3つの銅箍を持ち、前の2つは吊るし帯を通すための孔があいている。装具の材質は、多くは銅で、鉄などもある。ごく少数ではあるが紫同、白銅、あるいは白銀が用いられたものもある。多くは両側の箍が作られた後、銅でつないだものである。
装飾は透かし彫り、レリーフ、陰刻、縁取りなどであり、豪華なものの中には錯銀鎏金(水銀に溶かした金をブラシで塗り、乾燥させた後、炭火で炙り、瑪瑙で磨くという技法)などがあったが、基本的には地味なものが多かった。
剣鞘は軟木(コルク)で作られ、表面は漆が塗られて、鮫皮やタイマイ(べっこう)で覆われいたりする。南剣では鞘に硬木を用いたものが多く、通常、花梨木(ベニマメノ木属の常緑小高木)が用いられた。凝ったものの中には鶏翅とか酸木、もっと上質なものとしては黄花梨や紫檀が用いられることもあった。
剣柄も多くは木制で、軟木の表面を巻き紐で巻いたものや、硬木に縦横の細線を刻んだものがある。また牛の角、獣骨を用いたものもまま見掛け、中には犀の角を用いたものさえある。
長剣は全長3尺前後で、短剣の多くは2尺5寸から2尺の間であり、現存するものからみて明らかに、短剣の方が長剣よりも多かった。
清代の民間佩飾剣は、品質的には乾隆期が最高であり、配飾の上品さや造型のお洒落さを除き、剣身の品質も優れていた。大多数は鍛造が精良で、すぐれた技術が使われている。
剣体の大多数は鉄挟鋼の三面複合構造をしており、精良はものではさらに花紋鋼工芸技術が採用されている。また乾隆晩期のものの中には、西洋の純鋼打造を採用したものもある。
生産量は道光年間が最多であり、その中の相当量が広州などから、焼き物、絵画、茶葉、絹織物などの芸術品とともに、西洋や東アジア各国に流出した。19世紀中葉以降も民間の佩飾剣に対する需要量は相当数あったが、全体的に品質が低下し、外装は以前のレベルを保ってはいたが、剣刃の優秀性は保証できなくなっていた。そして伝統を守るためには、純鉄打造に挟鋼するしかなくなり、西洋の鋼を使わざるを得なくなってしまった結果、作剣は形骸だけのものに成り下がった。
清代の民間佩飾剣の中で最も人気が高かったのは、龍泉形式と福寿形式である。龍鳳と蝙蝠の紋飾や造型を装具にしたものが相当数に上った。これ以外にも、巻草、花卉、雑宝、如意、太極など民間の吉祥図案を主題としたものが流行した。
☆龍泉装剣★
龍泉装剣は、清代の佩飾剣の中でも最もよく見かける形式の一つで、福寿装剣に次ぐ数量を誇り、品質面では福寿装剣やその他の形式の剣を凌駕するものである。
装具に『龍泉』の文字、あるいはそれに関連した紋飾をつけた剣が現れたのは、明末から清初にかけてであった。その後、外装形式はさまざまに変化したが、清中期に一定の形式に統一され、標準的な龍泉外装になった。それ以後民間に広く流行し、その中の一部は海外に流出することになり、民国初期にいたった。
龍泉装剣は短剣を主体とし、全長2尺前後のものが多い。少数の長剣には2尺5寸から3尺に達するものもある。現在でも世界中にかなりの数量が存在しているが、品相が完全なものは少なく、大部分はさびていたり、柄や鞘が壊れていたり、装具が失われていたりする。
不思議なことに現存するものの多くは、広東、広西、福建にあり、もっとも刀剣を多く産出した北京、河北、山西、山東などの地には極めて少ない。さらに龍泉剣の産地とされている浙江省龍泉県では、この類の龍泉装剣は見つかっていない。数年前の龍泉刀剣博物館で収蔵品を集めたとき、唯一の清代龍泉装剣を収めたのは、著者(皇甫江氏)自身だけであった。
☆ 清中期龍
泉装剣……この剣の装具は大らかで、一般的に知られている標準的龍泉形式の装具に比べて広く、分厚い。8つの銅鋳部品には龍紋飾が浮き彫りにされており、これは非常に精細であり、立体感を持ち、銅の質もすぐれ、硬木鞘の保存状態も良好である。
刃長49㎝、厚みは0.8㎝、鍛紋ははっきりとしており、鋼の純度は高い。手に持った感じがよく、清
代龍泉剣の中でも優れたものの一つである。
☆ 清中、晩期龍泉装剣三把……この3振りの剣の装具は、標準的な龍泉形式であり、全体で8つの部品を持ち、銅鋳で浮き彫りにされた龍紋飾がある。護手は下湾していて龍頭の形をしており、鞘前箍にはレリーフで『龍泉』の二文字が、鞘の中箍には龍のデザインがある。この種の装具の成型は清中期に始まり、清晩期に流行した、清代龍泉装剣での古典であり、最もよく目にかかるものである。中間の1振りは双剣で、両側のものはそれぞれ単剣である。
☆ 清中、早
期陰刻草龍龍泉装剣……これは何度も折り畳まれて丁寧に鍛えられたものであり、全体が重厚飽満で、造型と質感は明剣に近い。装具などのつくりは標準的な龍泉装剣とよく似ているが、工芸技術はさらに精緻である。篆書の『龍泉』および立体的な螭龍(角のない龍)は別に作られ、後から剣箍上にリベットで固定されており、後期の一体鋳造された標準的龍泉装剣と異なっている。装具は鎏金で草龍紋飾が陰刻されており、優美であり、細部にいたるまで生き生きとしている。
☆ 清晩期
素龍泉装短剣……この剣は剣身は軽く、専門的研磨を受けていて花紋が現れている。折り返して鍛えた紋は緻密で、挟鋼線がはっきりと出ている。剣身の前部には七つの銅点画はめ込まれており、柄近くには双龍の図案が嵌めこまれている。黄銅の装具は鞘の2つの箍にリベット止めされた『龍泉』のマークと螭龍以外は何の飾りもない。
☆★☆龍泉装剣、龍泉銘剣と龍泉制剣☆★☆
龍泉剣は唐代に興り、天下にその名を轟かせ、清代には『龍泉』の名を剣に冠せることが広く流行した。龍泉剣といえば宝剣の代名詞であり、浙江省龍泉県あるいは河南省西平県で作られたものをさすだけでなく、その源流は一つでなく、産地は様々であった。清代の龍泉剣で有名なものは、龍泉銘剣、龍泉装剣、龍泉制剣の3つである。
龍泉装剣は装具に『龍泉』の字を持つもので、龍泉剣の形式を守って作られた相当量の剣である。ただし龍泉で作られたものであるかどうかには関係がなく、むしろ龍泉で作られたものにはこのような外装を持たないものが多数ある。清中晩期には盛んに輸出されたが、産地の多くは広東省や福建省一帯であった。
龍泉銘剣は龍泉を以って剣名をしたか、あるいは剣身に『龍泉』『龍泉県』と彫られた剣である。その中には龍泉県で作られたものも含まれ、南北各省官民が注文して作らせたものも含まれている。この剣は一般的に品質が高く、配飾が凝っている。剣身には『龍泉』以外にも様々な形の龍や、雲水のデザインが刻まれることもあり、七粒の銅点がはめ込まれたものもあるが、これは七星宝剣であることを意味している。装具は派手なものも地味なものもあるが、銅製で多くは龍紋で飾られていた。『龍泉』の文字だけでなく、様々な龍泉装具があった。
龍泉制剣は浙江省龍泉県あるいは河南省西平県で作られた剣であり、正規の製作所および製作者(名手)の手になるもので、正統な龍泉剣といえる。明晩期、浙江省龍泉県産の剣の名声が高まり、清朝の龍泉県の制剣業は急速に発展し、清末民初には相当の規模に達した。
龍泉氏政府編纂の『龍泉大事記』『龍泉県志』その他の資料によれば、清の乾隆13年(1748年)、鉄匠、鄭義生は県城の東街に『千字号』剣舗を開設し、灌鋼法を用いて刀剣の製作を行い、剣刃鋭利で錆びにくいものを作った。その後道光年間の『廖太和剣舗』、咸豊年間の周兄弟による『万字号』剣舗、光緒年間、沈広隆の『壬字号』剣舗などが龍泉制剣を製作したところとしては有名である。
清末に銃砲が刀剣に取って代わると、龍泉制剣も武術器具としてでなく、道教の法器、舞台道具や鑑賞工芸品として使われるようになったが、まだ相手を殺傷したり、護身のための武器としての機能は保っていた。その剣刃は精良で、「鋭利」「硬靭」「青光」の三大特徴を持ち、玉を飾ったりして美術工芸品としての方向にも進んだ。民国早期にわたり、龍泉制剣製造業は最高峰に達したのである。剣舗も増え、『天字号』『金字号』『永字号』『本字号』『禾字号』などの十数家になった。1933年『中国実業志』記載によれば、「当時の龍泉県では毎年2000振りの剣を産し、温州、杭州、上海などに出荷されている」とある。
☆ 清中、晩期
陰刻草龍龍泉装具……この剣装は陰刻花卉草龍紋飾で、細工は手が込んでいる。首の部分には鎏金の痕がかすかに残っている。このような装具は龍泉剣の中では比較的少ない。
☆ 清晩期
素龍泉装具……清晩期には龍泉装具は日を追って簡略化された。保護手の龍頭と鞘の箍の螭龍は残っているものの、造型は写実的ではなく抽象化されている。鞘箍上の『龍泉』の文字も篆書体から行書体に変わっている。その他の装飾もすべて簡略化されていて、図案がない。
☆ 清末太
平天国時期龍泉制剣……この剣は刃の長さが60㎝を超えている。鋼質は硬く、挟鋼線ははっきりしており、剣身には黄銅の七星が嵌められ、剣根の片方には龍紋が、他方には「六夫子祝我景」という銘文があり、太平天国期の特色を漂わせている。剣全体の印象と、銘文の意味するところから判断して、この剣は太平天国期に作られたものであろう。装具は銅製で、柄と鞘のバランスがよく、デザインや飾られた文字などから、意味するところは「吉祥」であろう。
☆ 清末
民初千字号龍泉剣……龍泉千字号剣舗は鉄匠・鄭義生が乾隆13年(1748年)に始めたもので、当時は著名な龍泉剣剣舗の一つであった。この剣は千字号剣舗の早期の作品の一つで、鋼質は優秀、鍛造は精良、刃口は挟鋼工芸を採用している。剣を鞘に収めた全長は84㎝、刃長が61㎝、柄長は18㎝、鶏翅木の鞘である。装具はすでに清中期の剣装に比べて大きくなっており、簡略化されている。この剣の保存状態はよく、龍泉剣の一時期の 代表的なものである。
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あ~しんど。龍泉剣であるが、やはりさすが中国というか、どこかで売れ始めたら、各地で真似をして作るんだね。それを龍泉装剣だとか、龍泉銘剣だとかと呼んで、龍泉剣に含むわけだから大らかだ(??)。
でも実際に使われなくなったら、次第に品質が低下していくのは、どうしても仕方のないところだろうね。実戦こそが、道具と、技術を鍛え、品質を向上させていくものだろうからね。どんなに外見を飾ってみても、質的な低下はいかんともしがたいものらしい。何を見てもやっぱ
りいい勉強になるよ。
http://review.rakuten.co.jp/rd/2_213310_13086398_0/
http://item.rakuten.co.jp/book/5911594/
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