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2009年1月31日 (土)

ちょっと変わった食性・31 ~香蕉薄餅~

 最近、車が家に突っ込む事故が多いように感じる。先日など、私の仕事場のすぐ近くで、見事に一般家屋に車が突っ込んでいた。ちょうど雨で見えにくかったのかも知れないが、それでも道がありそうに見えなかったし、家にめり込むくらい勢いよく車が突っ込んでいたから、何か勘違いでもしたのだろうか。

 世の中不景気で、先行きが明るくないような感じばかりが強く、いらいらすることも少なくないが、落ち着いて安全な運転を心がけたいものである。結局は自分がやったことの尻拭いは、自分がしなければならないのだから。自分が目茶をやっても最後は政権を放り投げてすむと思っているのは、一部の特権階級だけだ(この国って、みんな平等なんてことをうたっていたはずなんだけど)。

 さてさてそんな暗いことを考えていても、よけいに気分が悪くなるだけだから、美味しいもののことでも考えよう。美味しいものをいかに安価に作って、いかに楽しく味わうか、これは人生を豊かにしていく上で、けっこう重要なポイントになると思う。昔N先生に、貧しい食卓を豊かにするための条件として、礼儀・作法が必要と聞いたことがあるが、確かにどんな贅沢をしても、それを粗末にして食べれば、心は豊かにはならない。逆に粗末な食事でも、それを大切に思って食べれば、食事によって心は豊かになる。物事に対する姿勢は大切である。

 年に何度か楽しむ『魯山人風牡蠣雑炊』であるが、先日はちょっとばかり贅沢をした。牡蠣はいただいたばかりの、その日の朝揚がったものの殻を打っておいたものである。だから鮮度については折り紙つきだ。これをお粥さん(日本風)を作っておいて一緒に混ぜ、それにセリを添えていただくのであるが、この日はセリとミツバを両方とも食べ比べてみた。Photo Photo_2

 左がセリバージョン、右がミツババージョンである。だいたい牡蠣も季節のものなので、美味しいのが手に入る時期は限られている。だから牡蠣が入った日は、牡蠣のフルコースになるのではないかと思うくらいで、たいていお酒を飲みながらたくさんの牡蠣をいただくわけであるが、普通、我が家でいただくのはセリバージョンであった。

 これは我が家の庭にはセリが自生していたりするからだが(最初は野生のを移植した。セリは雑草なので、生命力が強く、あっという間にランナーを伸ばして、庭一面になってしまった)、今年は霜にやられたりして背が低かったりしたので、めんどうだからスーパーで買ってきた。そのときひょいと隣を見たらミツバがあったので、「これは食べ比べの好機」とばかりに買って来たのである。

 お酒を飲んでいるので、細かい違いはわかるまいとは思ったが、どちらもそれなりの美味しさがある。でもミツバの瑞々しい香りの良さは、酔っ払った鼻腔にもとても効いた。これはさっぱりしているなあと感心するに十分だった。セリが野趣であるとすれば、ミツバは清冽(冷たくはないよ)という感じであろうか。

 我が家で楽しむ『魯山人風牡蠣雑炊』の作り方は、すでに随分前に紹介していると思うので、改めては載せないが、簡単に出来て、結構上品な味で、栄養はたっぷり、消化が良いよいった多くの条件を満たすように思う、お勧めの一品である。

 さて、随分Photo_3前から紹介しようと思っていたのが、中国で食べた『香蕉薄餅』である。日本語に直すと、「バナナのクレープ?」くらいになるかなあ。簡単に出来そうなので、ここで紹介しておきたい。これは前回訪中したときに、福海港酒楼というところのレストランでいただいたものである。

 作り方は大きくわけて2通りあるみたいだけれど、私が食べたのはだいたい次のようにするらしい。材料はバナナ1本、小麦粉、鶏卵1個、塩、化学調味料である(これはネットで中国の作り方を覗いたもの。分量などはバナナの本数と、鶏卵の数しか書いていなかった)。

 まず鶏卵をよくとく。それに潰したバナナを入れ、水を加えてさらにそれに小麦粉をいれ、均一になるようにといておく。次にこれに刻み葱と、塩、化学調味料を入れ、よくかき混ぜておき、平底鍋(フライパンで可)に薄く油をひき、これを少量(1枚につき3勺…1合は10勺…が目安)入れ、薄く延ばす。両面を黄色になるまで加熱して出来上がり。

 食べた感じが、バナナの香りが好ましく、薄い甘さが私にも食べられるくらいでよかったよ。今度うちでも作ってみようと思ったまま、なかなか忙しくて作れていないんだけど。まあ、これを主食にするわけにもいかないからねえ。

 それとこれは作り方がまだ調べられていないんだけど、『榴蓮餅』も旨かったなあ。『餅』とはいPhoto_4ってももち米を使っているわけではないから、ぽろぽろとこぼれたりするんだけどね。『榴蓮』というと何を隠そう、ドリアンのこと。臭さが「う○ち」みたいなので、私は好きくないんだけど(これを持ち込み禁止というホテルも少なくない。強引に持ち込んで、ホテルから締め出された日本人を、私は知っている。禁止事項は破らないようにしましょうね。海外で「日本人は無茶ばかりする」といったマイナスのイメージが広まりますから)、なんとこれはドリアンのいいところばかりが上手に取り出されていて、美味しゅうございました。まあ無理して日本で再現しようとまでは思わない味だけどね。

 いろいろと安上がりで楽しめるものもあるみたいだよ。世の中いやなことばかりが多いけれど、1日に1度くらいこんな能天気な楽しみ方をしてみてはいかが?

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2009年1月30日 (金)

漢字の読み間違い

 一時、現総理の漢字力があれこれ言われていた。今回は総理と仲良しの大臣さんも、漢字の読み間違いをじゃんじゃんやっていると報道されている。そういえば懐かしいねえ。我々も「漢字の読みとり」「漢字の書き取り」なんて、学生時代(特に高校時代まで)にけっこうやらされた記憶がある。

 今でも漢字についての本はたくさん出ているんでしょ? 大体私の頃は、理科系の学生の中には漢字に弱い人もいたような記憶がある(もちろん、強い人もいたけど)。でも公の場で、多くの人を前に話をしなければならない人にとって、漢字を正確に読むということは、どうしても要求される能力なんじゃないだろうか。

 もともと漢字ってのは日本の字ではないんだけど、遥か千数百年前に、中国から漢字を入れたのは事実で、高官は漢文が書けるのが当たり前のように思われていた時代があったようだから、漢字力=教養のバロメーターと考えるのも仕方がないことかも知れないねえ。

 以前も某政党の党首だったおじいさんで、なんでもかんでも難しい四文字熟語ばかりを並べ立てる癖がある人がいたけれど、結構用法は間違っていたんだよね。確かに四文字熟語を上手に使うのは、けっこうカッコイイことに思えるかもしれないけれど、用法を間違えてしまうと、ちょっと聞いているこちらが恥ずかしく感じることがあった。

 きっと私の高校時代の漢文の先生、(孫悟空というあだ名を持っていた)だと、ニヤニヤ笑いながら、「その使い方はおかしい」って言ったことだろう。でもまあだいぶ前の政治家とは言え、この人は四文字熟語だったからねえ。単発の単語を読み間違えると、「え~っ、この人漢字のドリルで何点取れるの?」なんて思われちゃうよ。

 いや誰でも間違いはあります。私も当然やっています。でも国会答弁などでやっちゃうと、ちょっとねえ。私の中国の知人も言っていたよ。「今の日本の総理はマンガばっかり読んで、字(中国には漢字しかない。字と言えば漢字のこと)が読めないんだろう」って笑っていた。こんなこと言われたら、日本人としての私は苦笑するしかないよ。

 普通の人が少々間違えても、ちょっと恥ずかしい思いをするだけだけど、「字も読めない男が総理をしている国って何?」って言われたら、「う~ん。彼は貴族みたいなもので、世襲制で政治家になったような男だから」なんて弁解しても、相手は「何それ?」みたいな顔をしておしまいだ。

 名家の出で、いい教育を受けているはずなんだから、せめて恥ずかしくない程度の一般常識は身につけておいてほしいよね。きっとこの常識のなさが、漢字を読ませなかったり、カップ麺の値段がわからなかったり、市民の窮状に対して冷淡だったりできる原因につながっているんじゃないだろうか。

 なんでもかんでも体制が変わればすべてがよくなるとは思わないけれど、あまりにもひどいレベルのことを見せられたら、ポーカーになっちゃうね。「え~い、全部替えちゃえ」って。でも次に替わって出ようって人たちは、せめてこんなひどいレベルの話にならないですむように、常識くらいは身につけておいてくださいね。

 換えても換えても「金太郎飴」だったら、明日に対する希望がなくなってしまうからね。人は希望なしには、明日を生きる気力が沸かなくなるから。まああんな最低限度の常識もない人間を養うために、我々の税金が使われているのかと、今でもいい加減いやになっているんだから。

 ああ、全身がけだるい。今日くらいはさっさと寝てしまおう。お休み~……Photo

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2009年1月29日 (木)

至福の時・2

 ということで(何が「ということ」なのか不明だが)、昨夜は至福のひと時を過ごさせていただきました。ある身体の使い方について、Y先生と、平野選手と、S選手と、さほど遠くない某所で練習していたからでございます。

 人の身体ってのは不思議なもので、いろんな使い方ができるものです。でも凄い感覚が鋭い人たちなので、いい加減なことは何一つとしてダメでございます。今の私にできる最高のものを出すしかありません。動きの原理は簡単なのですが(言葉で説明すれば、多少長くなってしまいますけど)、そんな次元の話ではなくなってしまいます。

 で「アクセス」する以外ないんですね、方法として。でもアクセスの最大の長所であり短所が、もし変な動きを私がしたら、その「変」な部分の伝わってしまうんですよね。いわゆる「下手が伝染る」というやつです。だから私自身が最高に集中した状態になければなりません。

 それこそ久しぶりではないかと思うくらい集中いたしました。でも早矢香ちゃんはいつだってあれ以上に集中してやっているんだよね。凄いなあと、いつもながら感心してしまう私でしたが、凄い元気をいただいたみたいで、昨夜はあまり眠れませんでした(「おっと、7時か」と思って飛び起きたら、午前4時でした。こんなこと久しぶりだよ)。さもあろうと予想して、いつもよりお酒を倍くらい飲んだんだけどね。(当然、美味しかったデス!)

 私も一人っきりで練習するときには、たまに凄く集中していることがあるけれど、なかなかそこまで毎日は上げられないので、相変わらず凄いなあの嵐(心の中で)でした。でも久しぶりの真剣勝負みたいでしたね。その証拠に、今日がきつい、きつい。

 昔もそうでした。私はどうも試合の時には、体力とか集中力とかを前借するらしく、試合が終わると極度の虚脱状態に陥るんですよね。もう完全に昼行灯状態です。ほけーとして、大体動き始めるのに1ヶ月近くかかっていたと思います(練習は1週間くらいで再開するのですが、心がこもった練習でなく、ただの習慣でやる練習になってしまうんですよね)。

 こういった『三昧境』を、今でも味あわせていただき、幸せなんてものではありませんでした。『至福の時』というのは、きっとこういうことを言うのではないかと思います(これもそのときではなくて、後でわかるんですよね。その時はただの一所懸命ですよ)。

 最後には友人(おじさん。今でも卓球の練習を一所懸命やっている)から頼まれていたサインも快くしてくれ、感謝感謝でございました。きっと「家宝」にするのではないかと思います(しないと、私が怒るからね)。

 それから練習場を貸してくださったS学園の監督の先生方、選手の方々、ご親切にどうもありがとうございました。最後にいただいたお茶がとても美味しかったです(粗茶などととんでもないご謙遜でした。私にはものすごく美味しかったです)。お陰で持参していた中国茶を飲む気にもなれませんでした。そしてなにより、こういったチャンスを与えてくださったY先生に、大感謝でございます。ありがとうございました。

 練習が終わったらとりあえず記念写真の撮影会になっていたけど、それも私には好ましく思えるくらい、いい雰囲気でした。そして最後いきなり「挨拶」をふられたのに、早矢香ちゃんの挨拶は、すごく良かったです(インタビューなんか聞いていても、凄いなあと感心しているけど)。私なんかだったら、まず日本語が怪しくなっちゃうのに。凄いなあ、名実ともにチャンピオンですね。

 練習中は、なんたってあの緊張感が嬉しかったです。過剰な緊張は(時にはそれも快く感じられることもあるけど)息苦しいこともあるけど、神経を動くことに集中させたほど良い緊張感は、動きに「必然」を求めるには不可欠ではないでしょうか。

 楽しく練習していても、この緊張感さえあれば、十分練習効果は上がります。でも「楽しさ」を履き違えると大変なことになるけどね。これは以前私達のチームが子供達ばかりでたくさんいすぎた頃、練習をたくさんしてもらうために楽しい練習で組んでいたら、「楽しければいい」と勘違いする人がたくさん現れて、トレーニングでなく遊びに変えられたことがありました。こういう状態が何回か続くに及んで、ついに私が大喝したことがありましたが、私に大喝されなければならない人がいい選手になることなどありえません。

 だいたいいい選手になる人は、私が感心する人ばかりです。平野選手ほどでなくても、「凄いなあ、この子には頭が下がるなあ」と思った人だと、いい選手になった人が大変多いですね。私もいつもそういった人から多くのものを学ばせてもらいながらここまで来たんだからね。

 だから私は「誰かに何かを教える」って意識は希薄ですね。一緒に練習する、一緒に何かしてもらう、私が知らないものを教えていただく… 私の基本姿勢は、だいたいこんなところです。そして多くのものを学ばせていただいているので、実は一番練習になっているのは私だったりするんですよね。

 昨夜があまりに至福の時だったので、今朝がちょっと嫌でしたけどね。まあ、至福の時から日常の生活に戻る時ってこんなもんでしょう。そういえば昔、道場を借りて指導していたときも、いい時間がありました。稽古が終わって下の自動販売機で缶ジュースをゴトンと落として、いろんなことをだべりながら過ごす時間。

 ベンチがあってそれに座っていろいろとダベくるわけですが、ここのベンチを立つときが嫌だったなあ。それってまた日常生活に戻っていくことを意味していたから。そんなこんなで、いろんな至福の時を味わってきたものだなあと、感謝しております。今日もこれから練習なんだけどね。また至福の時…?

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2009年1月28日 (水)

至福の時

 世の中、嫌なことがたくさんありますが、それでも楽しいときはあるものです。嫌なことは考えまいと思う人もいるみたいですが、嫌なことを考えまいとしてもなかなか嫌なことに限って、逃がしてはくれません。そこで嫌なことはとりあえずその存在を認めてあげて、楽しいことをもっと楽しくしてたることで、人生にメリハリをつけてやろうというのが、基本的な私の考え方です。

 楽しいときでも、とことん楽しいと何もかもがわからなくなる時があります。客観的な自分が消えてしまって、なんとなく自分がやっていることそのものになりきってしまっているような時ですが、これがもしかすると「○○三昧」といった境地かもしれません。

 若かった頃は結構こういう経験をしました。きっと体力があったので、自分の理性が飛んでしまうくらい自分を追い込めたのではないかと思います。私の場合は身体を使っている場合にそういったことが起こることが多かったですが、なに頭脳労働中にもちょくちょくありましたから、人間何でそんなに打ち込めるような状況ができるのかわかりません。

 ただただ目の前にあること、自分が取り組んでいることなんかが面白くて、その時には楽しいなんてこともわかりません。楽しいなんて思い始めたら、すでに客観的に自分が見え始めていますから、「○○三昧」の世界から出かけています。

 ある面白い本を読んでいて、こんなことがありました(『中国刀剣』なんかにも同じような感覚を憶えた。別に日本の本でなくても、読んでわかり始めれば、どんな国の本でもこんな状態は訪れる)。残りあと僅かになってしまった時、「うわあ、もうこんだけしかない!!」。そこからは1ページ、1ページをまるで重箱の隅を舐めまくるように味わいながら読みましたが、実はこの「うわあ…」と思った瞬間から客観的な自分が目覚めてしまっているので、なかなか三昧境には戻りにくいようです。

 そういえば昔、初めて腰が自由を得た瞬間がありました。ちょうどそれは私達のクラブチームが冬の合宿をしていたとき、ミーティングの最中に、他の人に喋ってもらいながら、私と事務長のN氏は、ジムニックボールに両足を床につけないで、腰掛けておりました。まだジムニックボールなんか、多くの人が見向きもしていなかった頃ですが、当時私は強度の腰痛持ちで、腰が痛くないという感覚を忘れてしまうくらいだったのですが(だから腰の周りはいつも緊張しまくっていたのではないかと思います。ただそれがいつも、あまりに当たり前になっていたので、動いていないということすら気がつかないような状態だったのではないかと思います)、突然腰がなくなったように感じました。

 いや正確に言えば、気がついたら腰がなかったというべきでしょうか。そして快い「ジンジン」とした感覚が腰に生じていたのです(きっと「ジンジン」が発生したので、腰に何か起こっているのに気がついたのだと思います)。「うわあ、何これ? でも気持ちいい」 暫く私はその感覚を楽しんでいましたが、あまりにも不思議だったので、存在を感じなくなった腰を恐る恐る手を背後に回して触ってしまったのです。

 当時は今のようにボールなんかを器用には使えませんでしたから、態勢が崩れて私はボールから落ちてしまいました。落ちたあとも暫く、「ジンジン」は続いていましたが、やがてその感覚が弱くなり消えていったのです。「あ~、もうちょっとあのままでいれば、もっと気持ちよかったのかも知れないのに」と悔やみましたが、それ以後その感じは二度と私の腰には訪れていません。

 ただそれ以後、頑固だった私の腰痛はどこかへ行ってしまいました。きっとあの「ジンジン」した感覚が起こったとき、それまでの私の腰が変化してしまっていたのではないかと思います。でもあの時も、後からわかる「至福」のときだったと思います(これはN事務長もまったく同じ経験をしており、同じような感想を述べています)。すべての人に同じことをすれば、同じように腰痛が消えるかどうかは検証していないのでわかりませんが、似たことは背中でもありました。

 背中もこれに比べれば、ほんの短い僅かな時間でしたが、この「ジンジン」が起こったことがあります。それからは少しは背中も動いているのではないかと思います(きっと標準的な人よりは、激しく動いていることでしょう)。こういった動かなかった部位が動くようになるとき、(動いてはいけない部位は動いてはいけませんよ。例えば大腿骨の真ん中あたりが動いたら、これは正常な動きでなく異常です。普通骨折していると考えたほうがいいでしょう。こういう時には、人は「気持ちよさ」を感じないで、痛みを感じるのが普通です)なぜかしら私の身体は「至福」を感じることが多かったように思います。

 不思議なんだけど、人は自分の以って生まれた機能のうち、長年使われていなかった機能が稼動しはじめると「嬉しい」と感じるのかも知れません。そして暫くはそこが山の下敷きになって動けなかった孫悟空がやっと脱出できたみたいに、とにかく動くことを楽しみ始めます(動かしすぎて整骨院に行った失敗体験もあります。大昔の話ですが。私の場合、成功体験は山のようにありますが、失敗体験もなかなかたくさんあって、それが人生に彩りを与えてくれています)。

 そしてよく考えてみると、何かに打ち込んでいたのがわかったとき、それをやっているときには「楽しい」なんて思うどころか「苦しい」とさえ感じていたことすらあるのに、後で振り返ってみると、「ああ、いい時間を過ごしたなあ」と幸せな気分になれるとき、もしかしたらそれが「何かに没頭できる幸せな時間」であったのだと懐かしく感じてしまうのです。

 私はよく幸せな時間が来ると予想できるとき、表情が引き締まったりします。いつもよりは厳しい顔になったりするのに、実は大変その状況を楽しんでいるのです。いろんな解かなければならない問題や、超えなければならない難関があったりするので、表情は厳しくなるのですが、実は心は楽しくてしかたがありません。今までの経験から、解かなければならない問題や、超えなければならない難関に立ち向かっているときこそが、何もかも忘れてひとつのことに集中できている時だからです。

 あとからそれをきっと「至福の時」と感じることができるでしょう。今までもそうでしたから。そしてそれを迎えるたびに私は、それまでに解決できていなかったことを、ほとんど必ずといっていいほど解決してしまっていますし。

「艱難汝を珠にする」という言葉がいつでも、どのような場合にでも、誰にでも当てはまるとは限らないでしょうが、自分がそれについて否定的に捉えないようなものであれば、問題を解決したり、障害をクリアしたりすることは、自分を高める絶大な効果があると思います。

 さて今日はこれから、きっとそういう時間が展開するのではないかと思っていますので、今からわくわくしています。試合でもそうだったけど、あらかじめわくわくするような時には、ほとんどいい結果に終わりました。そしてその次へとつながっていったものです。さあ、来い、未来! なんてとてもハイな気分で、これからきっと「至福」となるであろう時間に突入いたします!!

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2009年1月27日 (火)

何でも実験癖・16 ~ぷりぷりエビのニラ入りお粥~

 先日から、ちょうど一年前の冷凍餃子事件を蒸し返すような報道が、新聞紙上を賑わしている。中国当局が一旦、日本国内でメタミドホスが混入したのではないか、などといった見解を示したので、中国国内では毒物は混入されなかったという解釈が大手を振ってまかり通り、日本へ出荷できなくなったものが、中国国内で配られ、やっぱり中毒が起こったという。

 ご丁寧にもそれについては、中国当局は、中国内では報道させていないということだが、中毒して困るのは、日本であれ中国であれ、何も知らない消費者だ。生産者と消費者の間には、やはり信頼関係が不可欠だと思うのだが、そこに政治的都合とか駆け引きとかが介入すると、どんどんおかしな現象が起こっていくんじゃないかな。

 でも今度の中毒事件は、中国国内から一歩も出ていない冷凍餃子が原因らしいから、これでも日本国内で毒物が入れられたと主張することは難しいよね。もしもそんな器用なことが日本にできたら、日本という国は世界最強になれるもん。だって相手の国で作ったものに、数百キロ以上離れたところから毒物を混入できるんだよ。暗殺したい人物なんかがいたら、その食事に触れることなく、数百キロかなたから毒物混入したら、もう誰だって防げないもん。

 まあ、そんなオカルトな現象を起こすことは、今のところ不可能だろうから、誰もそんなことは想定していないんだけどね。それに最近ちょっと不健康な話題が多すぎるよね。インフルエンザも昨年のピークをすでに超えて、凄く蔓延しているらしいし。今日のニュースを見ると、なんでも岡山県は全国で3位なんだそうな。

 インフルエンザはウィルスが起こすから、やはり体力が落ちないようにしておかないといけない。体力を維持するには、適度な練習と、きちんとした食事と、たっぷりの休息が不可欠だ。私的にはとにかく喉が乾燥しないようにしながら、寒い目に遭わないように気をつけている。寒い目に遭わないためには、大好きな練習でも減らしているくらいだ(「0」にならないところが私らしいけど)。

 そして今はいつもよりは睡眠時間も長めにしているよ。お風呂もじっくりと暖まった方がいいし(温まりすぎは逆効果があるかも?)。お酒も熱燗だね。食事も暖かいお粥だ。これも身体を暖める材料を入れて作るので、食べた後がとても気持ちいい。この気持ちいい状態のままお風呂に入り、そのまま寝てしまう。後は昼近くまで寝坊をすれば完璧なのだが、そうはいかない。このあたりはどうしても寒い目に遭ったりするけど、それでもできるだけ冷え続けることと、喉を乾燥させ続けるのは警戒している(喉の渇きは熱い中国茶で癒す)。Photo

 元気を出すのに、『韮菜鮮蝦粥』を作った。まず例によって、テキストの紹介からである。 材料は新鮮なニラを30~60g、生エビ30~50g、お米を100g。調味料としてお塩小匙三分の一、生姜と葱を10gずつ。

 作り方は、① まずニラは小さく刻む。エビは洗って殻を剥き、背ワタを抜いておく。② お米を鍋で煮てお粥にする。煮あがる直前にエビ、ニラ、調味料を加え、エビが煮えあがったら完成、なんだそうである。

 もちろんこれは一つの例でしかないので、私は好きなことをやる。まず準備物である。Photo_2 奥からお塩(小匙三分の二)、お米5勺(半合)、生姜(約3g)、ニラ(なんと100g。我が家はニラ好きなので、これは許される範囲である)、それからエビ(これは200g)、そして刻み葱(きっと20gくらい?)、そして刻んだ生姜(3g程度)である。寒いときは、生姜と葱は不可欠だね。体があったまるよ。

 この日は殻つきの牡蠣を、母がいただいてきたので、ここから牡蠣打ち。軍手がなかったので、「ええい、ままよ」と始めたら、案の定、左手まで打ってしまう始末。でも今年は倉敷の「ふじわら」のマスターが教えてくれたとおり、ケチャップの変わりにトマトピューレーを小指の先くらい落とし、その上からK先生にいただいたレモンを絞っていただくと、これがまた、Good!

 その間にお米をといで、土鍋に入れ、まずは強火で加熱。噴いたら(噴きそうになったら)弱火にするのだが、もうこのへんで缶ビールをプシュっ! 生牡蠣でぐいぐいやりながらのお粥Photo_3つくりである。ビールは「あっ」と言う間に終わってしまうので、ここからは熱燗の出番である。

 お酒を飲みながらお粥を作るのが、このところの私の夕食スタイルになってしまった感があるが、少なくとも健康には悪くないらしい。 ニラは我が家ではみんなに好まれる食材なので、面倒だから買ってきたままの一袋分をそのまま全部使ってしまう。全部刻んでしまえば、後片付けは食べてしまうだけである。Photo_4

 生姜は寒いときにはものすごく効果がある。食べたあと身体がぽかぽかするから、風邪の予防には好適だ。ただし使いすぎると、自己主張の強い味をした食材だから、適当にしておかねばならない。でも必ずといっていいほど、「隠し味」的に使う。ほんのりした風味が、なんとも捨てがたい。たくさん使うと苦味が出たりするけどね。

 そんなこんなで飲んだり、準備をしたりしていると、お米Photo_5が噴きそうになったので、とりあえずエビと生姜と葱とお塩を入れる。とりあえずというのは、テキストにもここでエビや調味料を入れろと書いていたからである。旨くできなくても相手は中国の出版社なので、文句の言いようがないのだが、まあテキストはテキストだ。判断に困ったらテキストを尊重する。一応テキストなのだから。Photo_6

 それからやや強火にして下がった温度を上げておいて、蓋をすこしずらしてから弱火で加熱を続ける。あまり加熱しすぎてエビのぷりぷり感をなくしてはいけない。エビはあくまでぷりぷりで甘くなくては、エビとは言えないもんね。Photo_7

 エビが適当に煮えたら、今度は刻んでおいたニラをドギャっと入れる。美的かどうかなんて考えない。私はニラが好きだ。それだけで大量に入れるのに十分な理由になる。あとの仕事は土鍋がやってくれる。  果報は寝て待て。お粥は酒を飲みながら待て。

Photo_8 こんなもんで出来上がりかな。ニラの量が多すぎたので、ちょっと加熱時間は長めにしておいた。ニラの風味は大事だし、歯ごたえも必要だが、食べにくいほどであってはいけない。何度も作っているうちに、自分に対する要求が高くなってくる。まあそれもこれもいいことだ。慣れることは絶対に上達には必要である。これは身体運用であろうが、料理であろうが、試合であろPhoto_9うが同じである。

 さて、後は食うべし! 食うべし! 食うべし!である。脇を締めてえぐりこむように食うべし!(何のこっちゃ?)

 これがまたしても旨かったんだなあ。確かに材料費は昨夜のに比べたら高かった。でもエビのプリプリと甘いのが、とてもいいんだよね。それにニラの風味ときたら! おっほっほ…… 思わず笑みがこぼれる旨さでございました。

 またしてもお粥メニューが増えちゃった!

 さて、焼き芋をおじさんが売りに来たので、さっそく買った。焼き芋を食べながら、明日の資料(内容は、ヒ・ミ・ツ)をつくらなきゃ!

Photo_10

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2009年1月26日 (月)

何でも実験癖・15 ~とろりと美味しい小米鶏肉粥を作る!~

 来月から岡山ではゴミ有料化が始まるのだそうである。袋が有料で売り出されるのだが、こうすることでゴミを減らすことを目論んでいるんだそうである。またしても人の心理に詳しくないことを始めるんだな、とあきれてしまうが(ゴミを減らそうという試みが間違っているというのではない。有料化したら減るだろうという、しょうもない発想にあきれているのである)、まあやって御覧なさい。いろいろと他の問題が起こってくるから。いくつも予想できるけど、お役人がこれを読んでいたら面白くないので、ここには書いてあげない。自分で考えなさい!

 ゴミ有料化する前に、採算が取れないという予測も無視して、勝手にしょうもない事業を進めて、勝手に大赤字に転落して、いろんな方向に経済的なツケを回している、ゴミのような人たちを処分することを考えるのが先ではないかな。こういう人たちには、くだらない案を出すときにお金を取ったら。いわば、「ゴミのようなアイデア有料化」だよね。自分たちが勝手にやって大赤字を出したツケを、市民や、県民、国民にまわしてくるのは、絶対にやめていただきたい。

 なぜ我々が黙って税金を納めているのかというと、この国や、県や、市や町が、我々を守ってくれるからでしょ。快適な暮らしを保証してくれるから、みんななけなしの収入の中から税金を納めているんだよ。もしもお金だけ取って(しかも何かあるたびにその金額が増えて)、どんどん守ってくれる範囲が狭くなって、むしろ搾取ばかりされていると感じるようになったら、それは政治の死を意味するよ。歴史的には、それでひっくり返った社会が少なからずあるはずだからね。

 まあ、こんな殺伐とした美味しくない話は止めにして、お金があまりかからず、美味しくて、健康にもいいお話にしよう。昨夜チャレンジしたのは『小米鶏肉粥』簡単に言えば、「鶏肉を入れた粟のお粥」なんですな。作ってみた私が驚いたくらい、美味しかった。寒い季節にPhotoは好適な一品でござりました。

 まず例によって、テキストをそのまま紹介しよう。材料は粟200g(何人前作るんじゃ?)、鶏肉100g、香葱10g。調味料としては片栗粉(普通の小麦粉でも可)大匙1杯、お塩小匙1杯、鶏精(中華スープの素で可)小匙1杯。

 作り方である。① 鶏肉を薄く切り、表面に片栗粉をまぶしておく。香葱は刻んでおく。 ② 粟を洗い、鍋に入れ、適量の水を加えてから加熱する。アクが浮いたら取り除くこと。沸騰したら火を弱め、30分程度過熱を続ける。 ③ これに鶏肉を加え、色が白くなったら、お塩と鶏精を加えて味をつける。(葱はいつ入れるか書いていないけど、食べる直前くらいに入れるのだろう)これでOK。

 一応Photo_2これを頭の中に入れておいて、寒かったので、例によって少し変更を加えることにした。まずは準備物である。 まず右上から、お塩(小匙三分の二)、その手前が粟(5尺=半合)、隣の奥が片栗粉(大匙1杯)、その手前が鶏精(小匙半分)、その前が葱の白根(30g少々か?)、鶏肉(胸肉。なんと160g)、それから葱の緑のところを15gほど刻んでいて、さらにその手前に生姜を2g足らず刻んでいる。寒いときは葱と生姜のコンビネーションがよくて、とうとう私は嵌っちゃいました。

Photo_3 粟はさっさと洗い、10倍量の水を入れる。我が家では粟が5勺なので、水は5合である。火にかけておいてから、鶏肉をさらに小さく切っておく。これで歯が弱い母も、いくらでも食べることができるようになる。ちなみに左のほうにあるのは、皮である。この皮は裏側に着いた脂肪が大変美味しいので、Photo_4これも入れちゃおう。

 ここで缶ビールをプシュっとやり飲みながらの製作となる。10分もたたない で沸騰が始まるので、 弱火にしておいてことことと、最初から25分くらい煮る。その間に片栗粉を鶏肉にまんべんにつけておPhoto_5き、おもむろにお粥に入れるのであるが、このとき葱の白根と生姜を刻んだのは入れておく。

 ここで注意しておかなければならないのは、葱は少しくらい多くてもどうってことはないが、生姜の量はほんの少し、隠し味程度でいいということである。入れすぎたらくどい。ほんの僅かに香るくらいがベストだと、私は思う。Photo_6

 それから少しだけ火を強くして、煮立ってきたらお塩と鶏精を入れ、さらにことことと煮る。時間にして5分くらいだったかな。もちろん蓋をして、噴かない程度にする。このあたりになると、私はビールから熱燗に移行している。こういう流れは身体をとてもよく暖めてくれるので、Goodである。ビールで食欲を増進しておいて、熱燗で身体を暖め、お粥で更に暖める。栄養補給はお粥でも行うが、大体はお酒のアテでやってしまう感じである。Photo_7

 適当に煮えたら、今度は火を止めて葱を入れ、土鍋の蓋をして1分間ほど蒸らす。これだけで十分。だいたい葱を加熱したときって、とてもいい香りがするよね。これだけでも十分だと思うくらい、葱はいい仕事をしてくれる。Photo_8

 これで出来上がり! あとは食うだけである。いいにおいがしている。最近私は粟を見ても、「鳥の餌」だとは思わなくなってしまった。どえらい変化である。熱燗は残っていたが、ちょっと早めに出来上がってしまったので(このあたりがまだ経験不足なんだなあ)、装って食べ始めてしまう。でも一緒にお酒を飲んでも、あまり味覚的に抵抗がないんだよね。これは不思議だなあ。Photo_9

 こいつである、母の判定では、「☆12個」である。隠し味の生姜と、柔らかい鶏肉と、かすかなとろみが絶賛を浴びてしまった。それに粟にちょうどいいくらいの塩味が、鶏だしとあいまって、なかなかいいお粥に仕上がってしまいましたよ。

「いいPhoto_10加減シェフ」の私の腕も、お粥に関する限り、少しずつ上がってきたみたいである。最近は粟も道の駅なんかでちょくちょく売っているのを見かけるようになったので、興味のある方は、お試しになったら?

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2009年1月25日 (日)

疑心生暗鬼

 信じる者は救われるんだそうである。でも最近の世の中では、「信じる者(これは信仰ではないが)」が狙い打ちにされて被害者になったりする事件が少なくない。例えば「振り込め詐欺」なんてのは、最初はたしか「オレオレ詐欺」と言われたよね。電話に出て「オレ」と言ったら、だいたい「オレ」と一人称を呼ぶときに使う人間を思い浮かべるのが、普通の反応であろう。そのココロの隙間を衝いた、巧妙なやりくちだったんだよね。まるで喪黒福造?

 人は「善人」だと思えば人生は簡単だ。相手を疑う必要がなければ、その人が言った言葉をそのまま鵜呑みにしてしまえばいい。疑うという行為は、疑わないよりもエネルギーを使わない行為なので、楽だと考えられないこともない。相手を信じ続けるのもかなりパワーがいる行為だけど、相手をまず疑ってかかるという行為も、なかなかにパワーが必要だ。一番パワーがいらないのは、とりあえずその言葉を受け入れてしまうことかもしれない。

 でも「人が善人」だなんて誰が決めたことなのかな? 世の中には様々な人(もちろん、善人も悪人も)がいるし、悪人だからといっても、いつも悪人ではないかも知れない。誰かに対しては善人かもしれないし、何かの瞬間には、天使のような心になることだってあるかも知れない。人は一色ではないからね。生きていることは変化するということだし、誰かが言ったように、「ころころ変わるから心」なのかも知れないし。

 昨日Y先生とも話したことだが、「根性がある」といわれる人は、果たしていつも根性があるのだろうかという問題もある。何に対しても、いつでも「根性」があるとしたら、私はその人とつきあい続けるのは息苦しいと感じるんじゃないかな。いかにも根性があると思える人でも、ある瞬間、あることに対しては、とても諦めがよかったりするんじゃないだろうか。私は自分が根性なしだと思っているが、やろうと思ったことに対しては、結構持久力があるタイプだ。でも根性があるからじゃないよ。純粋にそれが好きだったり、それをすることに何かの意味を見出しているからかも知れない。

 どうしてもこれを続けるんだ! なんて強烈な意志は、今はもうないんじゃないかな。ただ好きだから、毎日の生活の中に自然に溶け込んでいて、それをするのが当たり前になっていて、やらなかったら気持ちが悪くなるような感じがしたりするだけで、まるで水を飲んだり、ご飯を食べたりするのと同じになっているだけのような気がするよ。だから「続ける」ことに却ってパワーが必要ないんだね。続けないことの方がパワーが必要だったりして。

 昔は「人を見たら泥棒と思え」とか「知らない人について行ってはいけませんよ」なんていわれた。もしかしたら皆さんの中にも、そんなことを言われた記憶がある人がいるかも知れない。これは他人を「善人」だと、理由もなく信じるなということだったのかもしれないが(だから他人に信じてもらえるようになるには、時間と努力だ必要だったのかも)、こういった基本姿勢を身につけてしまったら、なかなか無条件に他人を信じたりはしないかもしれない。これまたパワーが必要ないやり方だよね。

 だから昔は身なりに気を使うのが当たり前だった。私も今はラフな服装ばかりだが、昔はたいていピシっとスーツを着て、いつもネクタイを締めていた頃もなくはない(社会人の常識だと仰る方もきっとおられるよね)。外見はその人の心の内面の現われだという考え方もなくはないからだ。もちろん今の私の身なりも、心の内面の現われなんだけどね。いつでもどこでも身体を動かせる格好でいようという(これもまたパワー不要)。

 外見がピシっとしていると、なんとなくその人がしっかりしているように見える。だから営業関係の人なんかだったら、常識中の常識かも知れない。いきなり見ず知らずの人を相手に営業をしようと思ったら、外見などには関係ない内面を信用してもらう時間が惜しいかもしれないからだ。まず外見で相手に嫌悪感を抱かせない、できることなら好感を持たせようなんて考え方をすれば、外見はいつもピシっとしていなければならないことになる(こいつは結構パワーが必要かな)。

 でも私のように、外見がいくらピシっとしていても、中身はまったく信用できないというような人間にたくさんであった人は、最初から外見は気にしないことになる。もちろん、その場にあまりにも適していない格好は、「この人はここに何をするためにいるの?」と感じるだろうけどね。

 必要以上にピシっとした服装をしている人を見ると、却って「う~ん…」となってしまうのは、私が比較的、服装と内面、立場と行動にずれがあり、時としてそれが「裏切り」に近い印象を与える人と、たくさん出会ったこととも無関係ではないんじゃないだろうか。いい人にも本当にたくさん出会ったけれど、そうじゃない人とも結構出会ったからね。

『列子・説符篇』に、「疑心生暗鬼」という言葉が出てくるけれど、これは大変面白い話なので、少し紹介してみたい。

 あるところに斧(原文には鉄とある)をなくした男がいた。この男、隣の男が盗んだに違いないと疑い、その歩く姿を観察したが、やっぱりどうも斧を盗んだように見える。顔色を見ても斧を盗んだように見えるし、言葉遣いも斧を盗んだように見える。動作もなにもかも斧を盗んだようにしか見えない。ところがある日谷を掘っていると、盗まれたと思っていた斧が出てきた。その後隣の男を観察してみると、その動作態度のすべてが、斧を盗んだりするようには見えなかった。

 おいおい…という感じの話であるが、実際こんなことはちょくちょく我々の身近にもある。私の知っている話だと、学校もサボってふらんたらんしている子供がいた。当時この子は「不良」と言われて、誰もがあまりよく思っていなかった。ところがある日、やはり学校をサボってふらふらしていたところ、用水に落ちたおばあさんを見つけ救助した。すると警察がこの子を人命救助で表彰した。すると一躍この子は、人助けをした大変いい子だということになってしまった。

 ここまでなら誰でも「そんなもんかなあ」と思う話だろう。でももっと違うことが起きた。あまりいい子だという評判が立ってしまったので、本人も学校をサボってふらふら出来なくなってしまい、まじめに学校へ行きだしたのである。そして「人助けをしたことのあるいい子」として、めでたく学校を卒業したということだ。

 疑う心には鬼が出るのかも知れないが、あんまり信じられてしまうと、その人間が変身してしまわなければならないこともあるという、面白い話を思い出したので、とりあえず書いてみた。どんな人にもいいところはあるんだろう。そしてそのいいところを、上手に評価してあげたら、人の中には悪くはなれないで終わる人もいるのかもね。安易に信じることはとんでもない被害者になる危険もあるけれど、周囲のみんなに「あんたは良い人間だ」といわれ続けたら、これはもう「ほめ殺し」ではなくて「ほめ活かし」かも……

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2009年1月24日 (土)

はるかなる山陽インター

 朝から岡山におりませんで、やっと先ほど仕事場にたどり着きました。そうです。今日はお招きで、神戸に行っておりました。前回よりも参加人数が少なかったので、今回はだいたい一人ひとりの手をとってのアドバイスができました。う~ん…

 Y先生から、先日の全日本卓球選手権女子シングルス決勝の裏舞台(表に出ない部分)の話を伺いましたが、単純な根性の勝利とかといったものではなくて、「勝つべくして勝つ」だったんだなあというお話を伺いました。ただ、同じことをやったら誰でも王輝選手みたいな強豪に勝てるというわけではありません。そこにはそれ、平野早矢香ちゃんならではの力量が絶対に必要だったわけですが。

 やはり「勝負はこうでなくては」というお話を伺って、今日の私はこれだけでも大満足だったのですが、参加してくださった皆さんの素晴らしい反応や、習得能力の高さに、改めて舌を巻く思いでした。ついついあれもこれも言い過ぎてしまいそうになる私にブレーキをかけ、内容の精選に心を砕いてくださったY先生をはじめ、様々な私自身も物事を考え直したり、いろんな角度で物事を見直すきっかけを作ってくださったT先生、いつもお世話になっているM先生ほか、多くの先生方にも感謝の気持ちで一杯です。

 午後の部では、現在日本のトップクラスにいるF選手(平野選手と全日本の決勝で試合したこともある)もお見えになり、お知り合いになれました。さすがにトップレベルは凄いと思わせられる優れた感覚をお持ちで、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。来る世界選手権での活躍を祈念しております。

 昨夜から急に冷え込んでしまって、今朝など「雪が積もっていたらどうしよう」と心配していたのですが、朝はいい天気で、車を運転していても太陽がまぶしく、お陰で高速を降りてはいけないところで降りてしまったりしたのですが、帰りは寒かった。明石SAで今回も助手をつとめてくれたS君(ありがとうね!)と食事をし、それでやっと寒気がなくなるといった具合でしたが、心はいつものように高揚しておりました。

 この高揚感が消えたのは、兵庫県と岡山県の県境を越えてからです。いつも東から山陽自動車道を帰ってくるときに感じることですが、県境を越えて山陽インターまで23㎞(だったと思う)が出てからがやたらと長く感じるのです。まるで40㎞、50㎞とあるみたいに、車をいくら転がしても山陽インターに到達しません。

 まさかこのあたりの山には狸が何千匹もいて、山陽自動車道を作るのに山を追われて、反撃のために化かしているんじゃないだろうな、という感じさえします。それにやたらとトンネルが多い。S君は、「トンネルが多いのと、微妙に上り坂になっているためではないか」と言いますが、それにしても、赤穂・日生を過ぎてからが途方もなく遠く感じてしまいます。

 山陽新幹線に乗っていたら、このあたりまで帰ってきたら「ああ、もうすぐに家だ」と思えるのですが、車を転がしていると、ここからがなかなか難物なのです。まあ「百里の道を行く者は九十里を以って半ばとせよ」とありますから、そういった心がけを身につけるには好適かもしれませんが。

 そうそう、勝負事がそうなんですよね。勝負は下駄を履くまでわからない(ただしこれは相撲のお話らしいですけど)。先日の平野早矢香ちゃんと王輝選手の決勝でも、平野さんは圧倒的不利な状況になっても、過去のそこから逆転したことを思い出していたり、そこからとどめのような攻撃をした相手に、「さすがにやるな」と感心する余裕があったという話ですから(今日、Y先生から伺ったレアな話)、「百里の道を行く者は九十里」どころか「百二十里」を以って半ばとするくらいの気持ちがなければならないのかも知れません。

 いろいろと大変勉強になった一日でした。ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

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2009年1月23日 (金)

『中国の鋼鉄刀剣』・38 ~第七章 鋼鉄刀剣の最後の輝きと衰落・清代(17)第二節 清剣4~

 岡山ではどうやら風邪が流行しているようでございます。インフルエンザも流行しているということですが、今年のインフルエンザは、最初にドっと熱が出て(聞いたところでは38℃台だと)、治りがけに喉が痛くなったりするんだそうです。

 怖い怖い鳥インフルエンザの噂も、海の向こうから聞こえてきたりしますから、くれぐれも厚生省なり保険所なりには頑張っていただいて、万全の態勢を整えておいてくださいね。間違っても自分たちだけが助かろうなんて思わないように。だっていろんな人がいて、日本という国が成り立っているんだから。

 さて今日は久しぶりに『中国の鋼鉄刀剣』と参りますか。紹介するのも残り少なくなってしまいました。今日は清代の民間剣のうち、最も有名な龍泉剣についてが中心になると思いまする。

      *      *      *      *

『中国の鋼鉄刀剣』・38 ~第七章 鋼鉄刀剣の最後の輝きと衰落・清代(17)第二節 清剣4~

☆★☆民間剣☆★☆

 清代は民間にあった剣は、単に数量、種類だけでなく形式も含めて、皇室宝剣や職官剣よりもはるかに多かった。武人や武術界の人間では、剣を操る者は大変多く、文人や上層階級の人間にも、文武ともに修める風潮が強く、貴族、商人も剣を鑑賞することが流行した時代であった。そういった中で、大層な金額を費やして宝剣を作らせる者も多く、自分で鑑賞したり、贈り物にしたり、家の守りとして置く風俗もあった。

 宝剣は、私的に購入し長期的に使用するもので、当然品質は精良であり、護身用の武器になると同時に、典雅な工芸品になっており、吊るし帯、装飾のすべてに優れており、この種の剣を称して佩飾剣と呼ばれている。

 その他にも清中・晩期には、人民蜂起や戦乱が頻発し、地方の義勇軍の多くは、それぞれの地方で作られた武器を持っていて、実戦で使用された。これら佩飾品、実戦用の武器としてだけでなく、道士、術士、巫医(巫術で病を治す人)たちも剣を最も重要な法器としており、これらは俗に法剣と呼ばれている。

 他の分類方法では、長剣と短剣、重剣と軽剣、撃刺剣と劈斬剣、単剣と双剣、単手剣と双手剣などなどがあり、方式は単純ではない。同時に各種の分類も絶対的なものではなく、実際はこれらの分類上の特徴がいろいろと入り混じった剣が多かった。

 一般に剣客は長剣を持ち、民間で最も流行したのは佩飾剣が多く、文人の剣の中には、純粋に壁にかけて飾るためだけに作られたものもあったら、これも決して実戦能力のない剣ではなく、民間で贈り物とされるものは、家の守りとしての短剣が主体であった。

 道教で用いる剣でさえ完全に桃木で作られていたわけではなく、木制の鞘の中にはちゃんと鍛えられた鋼鉄の刃を持つものも甚だ多く、完全に標準的な剣と同じものも少なくなかった。ただしその刃の上には、画符や宗法図案などが彫られていた。このような状態だったので、それぞれの剣の分類はきわめてあいまいなものにならざるを得ず、単純に分類することにこだわるべきではないかと思う。

☆★佩飾剣☆★

 佩帯、装飾、愛玩物、贈答品、家に置く魔よけの剣として用いられたが、武器として用いられた剣と比べれば、実戦効能は弱かった。しかし清代の民間剣では最も品種が豊富で、形式も多様であった。

 この類の剣は剣身の幅が狭く、切っ先に向かって細くなっており、剣脊がはっきりしていたり、切っ先が円く、脊が弧になっているもの、あるいは広刃で先細りになっているものなどの区別がある。 

 多くは8つの装具を持ち、そのうち3つは柄に、鞘には5つがあった。剣首は三波段塔頂形か笠帽形をしており、胡蝶形の護手で、多くは柄側へ反り返っている。

 鞘口、鞘頭は比較的長く、断面は楕円形のものが多い。鞘の中段には3つの銅箍を持ち、前の2つは吊るし帯を通すための孔があいている。装具の材質は、多くは銅で、鉄などもある。ごく少数ではあるが紫同、白銅、あるいは白銀が用いられたものもある。多くは両側の箍が作られた後、銅でつないだものである。

 装飾は透かし彫り、レリーフ、陰刻、縁取りなどであり、豪華なものの中には錯銀鎏金(水銀に溶かした金をブラシで塗り、乾燥させた後、炭火で炙り、瑪瑙で磨くという技法)などがあったが、基本的には地味なものが多かった。

 剣鞘は軟木(コルク)で作られ、表面は漆が塗られて、鮫皮やタイマイ(べっこう)で覆われいたりする。南剣では鞘に硬木を用いたものが多く、通常、花梨木(ベニマメノ木属の常緑小高木)が用いられた。凝ったものの中には鶏翅とか酸木、もっと上質なものとしては黄花梨や紫檀が用いられることもあった。

 剣柄も多くは木制で、軟木の表面を巻き紐で巻いたものや、硬木に縦横の細線を刻んだものがある。また牛の角、獣骨を用いたものもまま見掛け、中には犀の角を用いたものさえある。

 長剣は全長3尺前後で、短剣の多くは2尺5寸から2尺の間であり、現存するものからみて明らかに、短剣の方が長剣よりも多かった。

 清代の民間佩飾剣は、品質的には乾隆期が最高であり、配飾の上品さや造型のお洒落さを除き、剣身の品質も優れていた。大多数は鍛造が精良で、すぐれた技術が使われている。

 剣体の大多数は鉄挟鋼の三面複合構造をしており、精良はものではさらに花紋鋼工芸技術が採用されている。また乾隆晩期のものの中には、西洋の純鋼打造を採用したものもある。

 生産量は道光年間が最多であり、その中の相当量が広州などから、焼き物、絵画、茶葉、絹織物などの芸術品とともに、西洋や東アジア各国に流出した。19世紀中葉以降も民間の佩飾剣に対する需要量は相当数あったが、全体的に品質が低下し、外装は以前のレベルを保ってはいたが、剣刃の優秀性は保証できなくなっていた。そして伝統を守るためには、純鉄打造に挟鋼するしかなくなり、西洋の鋼を使わざるを得なくなってしまった結果、作剣は形骸だけのものに成り下がった。

 清代の民間佩飾剣の中で最も人気が高かったのは、龍泉形式と福寿形式である。龍鳳と蝙蝠の紋飾や造型を装具にしたものが相当数に上った。これ以外にも、巻草、花卉、雑宝、如意、太極など民間の吉祥図案を主題としたものが流行した。

☆龍泉装剣★

 龍泉装剣は、清代の佩飾剣の中でも最もよく見かける形式の一つで、福寿装剣に次ぐ数量を誇り、品質面では福寿装剣やその他の形式の剣を凌駕するものである。

 装具に『龍泉』の文字、あるいはそれに関連した紋飾をつけた剣が現れたのは、明末から清初にかけてであった。その後、外装形式はさまざまに変化したが、清中期に一定の形式に統一され、標準的な龍泉外装になった。それ以後民間に広く流行し、その中の一部は海外に流出することになり、民国初期にいたった。

 龍泉装剣は短剣を主体とし、全長2尺前後のものが多い。少数の長剣には2尺5寸から3尺に達するものもある。現在でも世界中にかなりの数量が存在しているが、品相が完全なものは少なく、大部分はさびていたり、柄や鞘が壊れていたり、装具が失われていたりする。

 不思議なことに現存するものの多くは、広東、広西、福建にあり、もっとも刀剣を多く産出した北京、河北、山西、山東などの地には極めて少ない。さらに龍泉剣の産地とされている浙江省龍泉県では、この類の龍泉装剣は見つかっていない。数年前の龍泉刀剣博物館で収蔵品を集めたとき、唯一の清代龍泉装剣を収めたのは、著者(皇甫江氏)自身だけであった。

☆ 清中期龍219泉装剣……この剣の装具は大らかで、一般的に知られている標準的龍泉形式の装具に比べて広く、分厚い。8つの銅鋳部品には龍紋飾が浮き彫りにされており、これは非常に精細であり、立体感を持ち、銅の質もすぐれ、硬木鞘の保存状態も良好である。

 刃長49㎝、厚みは0.8㎝、鍛紋ははっきりとしており、鋼の純度は高い。手に持った感じがよく、清219_2代龍泉剣の中でも優れたものの一つである。

☆ 清中、晩期龍泉装剣三把……この3振りの剣の装具は、標準的な龍泉形式であり、全体で8つの部品を持ち、銅鋳で浮き彫りにされた龍紋飾がある。護手は下湾していて龍頭の形をしており、鞘前箍にはレリーフで『龍泉』の二文字が、鞘の中箍には龍のデザインがある。この種の装具の成型は清中期に始まり、清晩期に流行した、清代龍泉装剣での古典であり、最もよく目にかかるものである。中間の1振りは双剣で、両側のものはそれぞれ単剣である。

☆ 清中、早Photo期陰刻草龍龍泉装剣……これは何度も折り畳まれて丁寧に鍛えられたものであり、全体が重厚飽満で、造型と質感は明剣に近い。装具などのつくりは標準的な龍泉装剣とよく似ているが、工芸技術はさらに精緻である。篆書の『龍泉』および立体的な螭龍(角のない龍)は別に作られ、後から剣箍上にリベットで固定されており、後期の一体鋳造された標準的龍泉装剣と異なっている。装具は鎏金で草龍紋飾が陰刻されており、優美であり、細部にいたるまで生き生きとしている。

☆ 清晩期Photo_2素龍泉装短剣……この剣は剣身は軽く、専門的研磨を受けていて花紋が現れている。折り返して鍛えた紋は緻密で、挟鋼線がはっきりと出ている。剣身の前部には七つの銅点画はめ込まれており、柄近くには双龍の図案が嵌めこまれている。黄銅の装具は鞘の2つの箍にリベット止めされた『龍泉』のマークと螭龍以外は何の飾りもない。

☆★☆龍泉装剣、龍泉銘剣と龍泉制剣☆★☆

 龍泉剣は唐代に興り、天下にその名を轟かせ、清代には『龍泉』の名を剣に冠せることが広く流行した。龍泉剣といえば宝剣の代名詞であり、浙江省龍泉県あるいは河南省西平県で作られたものをさすだけでなく、その源流は一つでなく、産地は様々であった。清代の龍泉剣で有名なものは、龍泉銘剣、龍泉装剣、龍泉制剣の3つである。

 龍泉装剣は装具に『龍泉』の字を持つもので、龍泉剣の形式を守って作られた相当量の剣である。ただし龍泉で作られたものであるかどうかには関係がなく、むしろ龍泉で作られたものにはこのような外装を持たないものが多数ある。清中晩期には盛んに輸出されたが、産地の多くは広東省や福建省一帯であった。

 龍泉銘剣は龍泉を以って剣名をしたか、あるいは剣身に『龍泉』『龍泉県』と彫られた剣である。その中には龍泉県で作られたものも含まれ、南北各省官民が注文して作らせたものも含まれている。この剣は一般的に品質が高く、配飾が凝っている。剣身には『龍泉』以外にも様々な形の龍や、雲水のデザインが刻まれることもあり、七粒の銅点がはめ込まれたものもあるが、これは七星宝剣であることを意味している。装具は派手なものも地味なものもあるが、銅製で多くは龍紋で飾られていた。『龍泉』の文字だけでなく、様々な龍泉装具があった。

 龍泉制剣は浙江省龍泉県あるいは河南省西平県で作られた剣であり、正規の製作所および製作者(名手)の手になるもので、正統な龍泉剣といえる。明晩期、浙江省龍泉県産の剣の名声が高まり、清朝の龍泉県の制剣業は急速に発展し、清末民初には相当の規模に達した。

 龍泉氏政府編纂の『龍泉大事記』『龍泉県志』その他の資料によれば、清の乾隆13年(1748年)、鉄匠、鄭義生は県城の東街に『千字号』剣舗を開設し、灌鋼法を用いて刀剣の製作を行い、剣刃鋭利で錆びにくいものを作った。その後道光年間の『廖太和剣舗』、咸豊年間の周兄弟による『万字号』剣舗、光緒年間、沈広隆の『壬字号』剣舗などが龍泉制剣を製作したところとしては有名である。

 清末に銃砲が刀剣に取って代わると、龍泉制剣も武術器具としてでなく、道教の法器、舞台道具や鑑賞工芸品として使われるようになったが、まだ相手を殺傷したり、護身のための武器としての機能は保っていた。その剣刃は精良で、「鋭利」「硬靭」「青光」の三大特徴を持ち、玉を飾ったりして美術工芸品としての方向にも進んだ。民国早期にわたり、龍泉制剣製造業は最高峰に達したのである。剣舗も増え、『天字号』『金字号』『永字号』『本字号』『禾字号』などの十数家になった。1933年『中国実業志』記載によれば、「当時の龍泉県では毎年2000振りの剣を産し、温州、杭州、上海などに出荷されている」とある。

223_3

☆ 清中、晩期223_2陰刻草龍龍泉装具……この剣装は陰刻花卉草龍紋飾で、細工は手が込んでいる。首の部分には鎏金の痕がかすかに残っている。このような装具は龍泉剣の中では比較的少ない。

☆ 清晩期223_4素龍泉装具……清晩期には龍泉装具は日を追って簡略化された。保護手の龍頭と鞘の箍の螭龍は残っているものの、造型は写実的ではなく抽象化されている。鞘箍上の『龍泉』の文字も篆書体から行書体に変わっている。その他の装飾もすべて簡略化されていて、図案がない。

☆ 清末太225平天国時期龍泉制剣……この剣は刃の長さが60㎝を超えている。鋼質は硬く、挟鋼線ははっきりしており、剣身には黄銅の七星が嵌められ、剣根の片方には龍紋が、他方には「六夫子祝我景」という銘文があり、太平天国期の特色を漂わせている。剣全体の印象と、銘文の意味するところから判断して、この剣は太平天国期に作られたものであろう。装具は銅製で、柄と鞘のバランスがよく、デザインや飾られた文字などから、意味するところは「吉祥」であろう。

☆ 清末225_2民初千字号龍泉剣……龍泉千字号剣舗は鉄匠・鄭義生が乾隆13年(1748年)に始めたもので、当時は著名な龍泉剣剣舗の一つであった。この剣は千字号剣舗の早期の作品の一つで、鋼質は優秀、鍛造は精良、刃口は挟鋼工芸を採用している。剣を鞘に収めた全長は84㎝、刃長が61㎝、柄長は18㎝、鶏翅木の鞘である。装具はすでに清中期の剣装に比べて大きくなっており、簡略化されている。この剣の保存状態はよく、龍泉剣の一時期の 代表的なものである。

      *      *      *      *

 あ~しんど。龍泉剣であるが、やはりさすが中国というか、どこかで売れ始めたら、各地で真似をして作るんだね。それを龍泉装剣だとか、龍泉銘剣だとかと呼んで、龍泉剣に含むわけだから大らかだ(??)。

 でも実際に使われなくなったら、次第に品質が低下していくのは、どうしても仕方のないところだろうね。実戦こそが、道具と、技術を鍛え、品質を向上させていくものだろうからね。どんなに外見を飾ってみても、質的な低下はいかんともしがたいものらしい。何を見てもやっぱPhoto_3りいい勉強になるよ。

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2009年1月22日 (木)

落差

 今朝の新聞に、都道府県別の小中学生の体力検査の結果が出た、と出ていた。それによると、学力が低い県ほど、体力の低いのだそうな。それを受けて、熱血(少なくとも外見は)大阪府の某知事は定例会見で、「大坂は学力が低かった。体育も低かったら何が残るのか。ふつうは勉強が出来なかったら体育ができる。どっちかなのにどうすんねん」(知事と仲が良くないといわれる某A新聞)

 いやあ、それを「固定観念」と呼ぶんだけどね。確かに一昔、二昔前なら、「お前は勉強ができないのだから、せめて体力くらい」という声があったように記憶している。でも世の中は変わった。勉強できる子もできない子も、平等に同じことをするように求められているのが現代という時代じゃないのかね。それは「平等」の履き違えではないかと思ったりするが、なかなか世の趨勢には勝てない。

 きっと某知事がお子さんだった頃は、勉強ができない子は体力があることが多かったんだろうね。でも。もしかしたら、それはすでに「古き善き時代」になってしまったのかも知れないよ。現代は専門的なスポーツの指導ができる人は、我々が子供の頃より遥かに大勢おられると思うけれど、「遊び」ということばで代表される行為の中で要請できる体力をつけられる指導者は、さほど多くはいないからね。かりにいたとしても、重用されないと思うし。

 今の子供達の場合、あまりにも勉強、勉強と言われすぎているような気がしないかなあ。岡山県の公立進学高校の先生と話をしたら、上の人が「とにかく勉強をさせてくれ」の一点張りなんだそうな。じゃあ、勉強をしても出来ない人はどうすればいいんだろう? ぜんぜんわからないことを、1日に数時間も聞かされたら、これはだいぶん苦痛だと思うよ。苦痛だけでなくて、「時間の無駄」だと思う人がいてもしかたがないかなあ。

 世の中、いろんな人がいるんだから、いろんな道があると思う。それぞれの人間が歩く道は異なることが多いだろうから、できるだけ「他人の邪魔をしない」ということを最低限度守るのならば、自分に適した道を探させるもの一案じゃないかと思うね。だいたい何をやっても人間を管理しようとするから、人材、労力、お金、時間などに不足が出るんじゃないかと思うし。

 ある程度は「自己責任」だよね。それぞれが自分の人生を生きていかなければならないんだから。保護しなければならない部分と、保護してはいけない部分と、必要な人には保護が、助力が不必要な人には自分の意思でやらなければいけない部分は、絶対あると思うよ。問題はその「放牧」の感覚を、今の多くの大人は持っていないということかも知れないね。

 某知事は学力同様、上からの命令(支持? 要請? 懇願?)で体力面も向上させようと思っているんじゃないかね。人の体力なんて、そんなお仕着せの、無理やりの方法でつけたとしても、自分が義務教育の歳を過ぎたら、何もしなくなるんだよ。動くことの喜びを教えなければね。

 身体運用などというものを研究して一番感じるのは、いろんな人がいるなあということである。私がいくら「身体運用的にレベルが上がったら、楽に動けて、大きな仕事ができるようになるよ。それにはこんな簡単な練習から入っていけばいいんだよ」と言っても、「どうして動かなければならないんだ?」って人も、結構いるからね。

 もしもこんな人がたくさんいたら、府知事クラスがどんなに頑張っても、学校の先生がどんなに必死になっても、体力なんかちっとも上がらないよ。今という時代は、肉体を使わなくても生きていられると錯覚させるには十分なほど、文明が発達した時代だからね。こういった時代と社会の変化を鳥瞰しないで、ただ学力が低かったら学力を上げろ、体力が低かったら、体力を上げろでは、何の問題解決にもつながらないと思うよ。

 S新聞に書いていた「学力が高い県は体力面でも高い傾向があった」という言葉には、ちょっと注釈をつけておいたほうがいいかもしれない。確かに何でも前向きに努力しようとする人間は、学力や体力の面で伸びやすい。でも必ずしも、同じ人が文武両道を達成しているわけではないということだ。

 全国的に進学やスポーツ、文化活動などで優れている学校はあるが、一人の人間があれもこれもやっているわけではないということだ。大抵のところでは、二重構造になっていて、勉強を頑張る生徒と、クラブや部活動で頑張る生徒の両方がいられるようになっているということだね(時に両道というスーパーマンもいるけど)。

 データは必要な注釈をつけないと、「科学性」を失ってしまうから、気をつけないとね。科学的に解析していかなければ、どんなデータをとっても、役には立たないと思うよ。でもそこまでして何でもかんでも、データ化しなければならないことかな? その人が充実した素晴らしい人生が送れたと感じれば、それで十分だと思う気持ちも、私の中にはあるんだけどね。

 さてさて海の向こうでは、バラク・オバマ大統領が大統領に就任したのだそうである。素晴らしい演説で大統領選挙を乗り切ったわけだが、「経験」のなさには、私は一抹の不安を感じているよ。「経験」がないことはマイナス面だけではないけれどね。今までにはなかった新しい発想があるかも知れないし。でも長期的に見れば、「経験」のなさは不利だね。

 競技会や試合でも、実は似たようなシーンはよく見た。伸び盛りの新鋭が、ベテランと言われる強豪たちを破って、どんどん勝ち進んでいくことはある。でも一旦、状況が膠着してしまうと、あちこちに綻びが出たりするんだよね。もともと政治なんてのは、海千山千の人たちがするものだから、僅かな綻びも見逃してはくれないだろうし。

 就任式前から続いている熱狂的な催し物を見て、彼がいかに期待されているかはよくわかったけれど、期待が大きいってことは、もしもうまくいかなかった時(あるいは成功しても、期待されたほどではなかった場合)、失望も大きくなる。高さ30㎝の台から落ちても大した怪我はしないだろうけれど、2mくらいの台から落ちたら、かなりダメージがあるし、10mの高さの台から落ちたら、これは間違いなく大怪我だ。100mの台から落ちたら、これはもう生きてはいられない。似たようなもんなんだよね、何でも。

 歴史を勉強すれば、口がうまい将軍が必ずしも戦上手ではなかったということがわかるだろうし、格闘技やスポーツの試合場に行けば、いかにも強そうに語る選手が、必ずしも強いわけではない。「大賢如愚者(大賢、愚者の如し)」という言葉があるように、いかにも賢そうに語る人が必ずしも賢くなく、一見愚者のように見える人が本当に賢かったということはよくある(選挙では勝てないかも……)。テレビや新聞や雑誌によく掲載されている人が、必ずしも優れたモノを持っているとは限らないしね。

 いかにも混迷の時代を乗り切れそうなことを言っていた政治家が、必ずしも言ったとおりのことができないというのは、最近の日本の政界を見なくてもわかることだろう。親切で優しそうに見えたり、語ったり、振舞ったりしている人でも、よくつきあってみると、親切でも優しくもなかったということはよくあるよね。

 願わくば、アメリカ国民の熱狂が、数ヶ月後、数年後も続いてくれることを、である。なんたって今の不況の遠因には、アメリカにあるらしいからね(詳しいことは知らないが)。ただ今までのアメリカが、つまるところ自国の利益しか考えないで活動したから斜陽になっているとしたら、バラク・オバマであろうが、誰であろうが、なかなか打つ手が難しいだろうね。好き勝手したおっさんの後で、政権放り投げが続いた日本の場合とは、かなり違うとは思うけれど。

 まあ、精一杯頑張っている人を見るのは嫌いではないので、日本を粗末にしたり、日本が不利になったりしない範囲で、しっかりと頑張ってほしい。

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2009年1月21日 (水)

何でも実験癖・14 ~小米紅薯粥を作る!~

 夜の食事をお粥にするということは、酒盛りではいいおかずを食べなければならない。だいたい昔から本当の酒飲みは、肴は質素なもので、純粋にお酒の味を楽しむものだと言われたらしい。でも残念ながら私の発想はこれとは違う。「酒は百薬の長」という用い方をするので、酒を楽しむ(のも嫌いではないが)よりも、快調に生活するために飲む感じが強い。

 だからお酒のアテは、あれこれ食べる。ご飯のおかずなんか漬物でいい、こういう考えである。時々その漬物が美味しすぎるのがあって、ご飯を食べ過ぎたりするけれど。食事は本来、我々が生きていくための活動力のもとになったり、身体を作ったりするものだ(時々作りすぎて、下腹あたりになにやらぷよぷよのものが付着したりするけれど)。だからまず活動しやすくするために食事する(だからと言って、美味しいものなどは人類の敵だ、などといった考え方はしない。美味しいものは大好きである)。

 そういう観点から見ると、2009年に入ってから始めた、夕食はお粥で、という試みは、今までのところ大成功のように見える。ただ早急に結論を出す必要もないから、もう少し気長に見ていくつもりである。いつだったかS氏に奨められて、体調を崩してしまったような「完全菜食生活」なんかのようなドジは踏まない。一度踏んだドジは、二度と踏まないようにすれば、まったく無駄にはなっていない。

 というこPhotoとで「小米紅薯粥」に挑戦してみた。日本風に言えば「粟とサツマイモのお粥」といったところだろうか。いつも通り、まずテキストの内容を、出来るだけ忠実に掲載しておこう。 準備する材料は、サツマイモ150g、粟80g、干しナツメ50gである。これを次のような手順で作っていく。

 ① サツマイモは洗い、皮を剥いて、1.5㎝角の賽の目に切っておく。 ② 粟は洗った後、水を切っておく。干しナツメは洗っておく。 ③ 鍋に適量の水を入れ、加熱する。粟を入れて強火で加熱、噴いたら弱火にして10分ほど似る。アクは取ること。その後でサツマイモと干しナツメを入れ、沸騰させてから弱火にして粥状になるまで煮る。なお、この粥の特徴として、甘く食欲をそそる。サツマイモの質を選ぶとなお良くなる、なんてことが書いてあった。

 もちろんこれは今の私にとっては「参考」程度のものである。食べ物は自分の好きなように作るのが一番だ。そして私は私の味覚がある。私の味覚が「好」と言わなければ、どんなお偉いさんが書いた料理本でも「不好」である。

 まず私が準備したもPhoto_2のを紹介しよう。 右上からお塩、これは小匙半分使った。反時計回りに粟、これもいつも通り5勺(半合」である。サツマイモ、これは相方の家で取れたものを使わせてもらった。なかなかいい芋でございました。それから干しナツメ、これは訪中した際に買って来ていたもので、種などは抜いてある。大層重宝である。最後に鶏粉だが、これも小匙半分使った。

 まず粟Photo_3をとぐ。面倒いので土鍋の中でといでしまう。水でとぐと大して何も出てこないが、お湯でとぐと、なんともにごった汁が出てくる。これをあまり取らないと、加熱したときにアクが出てたまらないので、八分めくらいの感じでといでおく。テキストには水を切っておく、などと書いてあったが、これまた面倒いので、そのまま10倍量の水を加えて加熱を始める。 左の写真ではアクが出ているが、これは丁寧に取り去っておく(減った分の湯は足しておきました)。

 その間に15サツマイモの準備である。テキストには皮を剥くなんて書いてあったが、サツマイモの皮を剥くくらいならサツマイモを食べる資格はないのではないかと、私は思っているので、遠慮なくどんどん賽の目に切っていく。量はおよそ250g、テキストよりもかなり多いが、何サツマイモを残しておいても仕方がないので、全部使っちゃう! その間に、干しナツメは水洗いして(中国産なので、特に入Photo_4念に洗った。そして水に暫くいれておいた)おく。

 粟が噴いたので弱火にするが、その前にお塩小匙半分と、鶏粉小匙半分を入れた。そうこうしているうちに10分経過したので、面倒とばかりにサツマイモと干しナツメを投入する。これで鍋の中の温度が下がるので、結局弱火にはする暇もなく、とりあえず蓋をして、湯気が激しく出始めた(噴く寸前)Photo_5ので、初めて弱火にした。

 あとはことこと煮込むだけである。待ち遠しいときにはビールに限る。ビールから熱燗へと移行し始める頃、なんということか、 お粥も完成に近づいていた。だが私の家では相方以外は酒大好き人間なので、飲む飲む、どんどん飲む。相方が待ちきれず、鍋蓋を取って食べるというので、あわてて記録写真を撮らせてもらった。Photo_6

 こんな感じである。以前、粟とカボチャのお粥を作った時、絶対にサツマイモとは合うと思っていたが、まさかというくらいのできばえであった。美味しいよ! 私と母は、お酒を飲みながらお粥を食べるという変則モードに入ったが、それでも美味しかった。ご飯ではなかなか出来ない芸当である。こんなところにもお粥の利点があったとは!

Photo_7  とりあえず私が食べたもの(おかわりをしたけど)である。中央の真っ赤の丸いのがナツメであって、これは随分甘かった。テキストには50gだなどと書いてあるが、我々日本人にはナツメが多すぎると思う(ちなみに干しナツメはだいたい6個で10g前後。今回は9個しか使わなかった)。これが結局功を奏し、なんとこのお粥は絶賛を浴びたのであった。

 サツマイモは多少多くてもいいと思う。もちろん今回の成功の裏にも、サツマイモの質の良さがあるのは間違いない。

 それにしても、いまさらどうして粟などという小鳥の餌を食べているのか?といぶかるむきもあると思うので、今回使った食材の薬効を書いておこう。もちろん私が詳しいのではなく、これも別のテキストに書いてあったことなのだが。

 まず、粟である。滋陰養血、健胃安眠、促進消化とある。含んでいる栄養素は、糖質、ビタミンB類、ビタミンE、カルシウム、リン、カリウムなどで、老人には特に良いのだそうである。このほか不眠、虚弱、脾胃虚弱および産婦の滋養によいのだそうだ。ただし胃寒体質の人は食べすぎにご用心とあった。

 次にサツマイモである。これは肌を保護し、抗癌作用があり、便通をよくし、ダイエット効果があるのだそうな。栄養素としては、糖分、タンパク質、食物繊維、カロチン、ビタミンA、B類、ビタミンC、カルシウム、カリウムなどなど。一般的な人にはすべて適すし、便秘気味の人にはなお良いのだそうだ。ただし胃潰瘍、胃酸過多の人や、腹部飽満に悩む人は控えたほうが良いらしい。

 最後に干しナツメでが、これは気を補い、血を養うんだそうな(私的にはまったく実感がわかない言葉だが、あくまでテキスト通り翻訳している)、血色を良くし、老衰を防ぐ。健脾養胃、安眠、抗癌などの作用があるんだそうである。栄養成分としては、糖類、ビタミンC、E、B類、鉄、カルシウム、カリウム、マンガン、食物繊維などで、特に女性には好適な食材。虚弱体質の人はたくさん食べてよいのだそうな。ただし糖尿病の人は、少なめにしたほうがよいとのこと。

 まあとPhoto_8んでもなく健康的な食材だといいたいんだろう。また気が向いたら作るよ。

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2009年1月20日 (火)

コンビニエントなインスタント・カップ麺

 忙しくてお昼が食べられなかったり、次の食事なでにはちょっと間があるけど、お腹すいたなあなんてことは誰にでもあるものだ。私なんかでも、トレーニング前に、「これは空腹すぎて、胃がおかしくなるな」と感じることはよくある。

 こういう時には消化が悪かったり、重いものを食べるのはよくない。だいたい重いものなんか食べたら、その時の気分しだいでは、練習するのが面倒くさくなってしまったりする。以前の私なら、食べ始めたら必ずある程度満ちるまで食べる癖があった。腹が減っては戦ができぬ、とは言うが、満腹でもやっぱり戦を始める気にはなれない。

 この空腹でも、お腹が重くもない、ちょうどいい頃の状態が大変大切である。昔はこの状態を作るのに苦労した。中学生時代には、下校時に「登下校時には、買い食いはいけません」という校則よりは、生理的欲求に勝てなくて、肉まん、カレーパンなんかよく食べていた。校則も大切なんだろうけど、育ち盛りの人間にとっては、何よりも「生理的欲求」の方が強いと思う。

 さすがに今は「育ち盛り」ではないのだが、それでも空腹具合は上手にコントロールしていかないと、体調管理に失敗してしまうかも知れない。そこで現在私の強い味方になってくれているのが、Photo各種カップはるさめやら、なんやらのカップ食品である。お値段も、まあそんなに懐に強烈なダメージを与えるほどではない(総理大臣、400円もしないんだよ!)。

 だから練習前に上手に使わせてもらうことにしている。カロリー数なんかが親切に表示してあるが、私はこんなものは大して気にしていない。ただ少ないカロリー数が表示しているのを裏付けるように、食べてからお腹がすくまでの時間が短い。これが嬉しい。いつまでもお腹が重たかったら、練習に気合が入らないからである。

 昔から私は、様々な競技会(いろんなスポーツや武道関係で)に参加したが、試合はお腹を空っぽにして出ることにしていた。きっと超長時間の競技をやらなかったからだと思うが、今でもその習慣はある。試合は前日までにきちんとした食生活を送って、その勢いで乗り切ってしまう。もちろん2日、3日と連続で開催される場合は、1日めが終わると2日めがあっても気分的に解放されるから、案外夜は食べることができるよね。それでも朝は控えめ(トイレは長め。お食事中の方、久々にすみません)。こういったパターンが私のパターンだった。

 練習もだいたいこのようにして行うのであるが、練習はだいたい試合の何倍もの時間行うのが当たり前なので、途中でスタミナが切れてくる。だから少し食べておくのは、必要な準備なんだよね。だからこのカップはるさめの類は大変重宝している。

 いったい誰が考えたんだろうね。私的には、最初にこれを考案した人には、「小森賞(中身はヒミツ)」を進呈したいくらいである。しかも現在進行形で種類がどんどん増えているし。これだけ競争が激しかったら、ますますいいモノが出来てくるだろうしね。

 素晴らしい仕事をしている人たちは、いつの時代にもいるもんだけど、ここにもいい仕事をしている人たちがいるんだよね。素晴らしい。

 もちろん、個々の品物を食べてみれば、それぞれに長所もあれば、若干物足りない点もなくはない。だいたいカップはるさめ共通の欠点は、お湯を注いでからの時間が少し長くなると、はるさめが柔らかくなりすぎたりすることではないかと私は思っているけど、私はよくブログを打ちながらカップはるさめを作っていたりするから、よく時間を見間違えて、1分くらいは長くなったりするんだよね。あとは食べた後のカップの始末かなあ。でも入れ物がないとねえ……

 でもそこそこには旨いよ。作りそこないは製造会社の失敗ではなく、買った私の失敗なんだからね。それに少々はるさめが柔らかでも、スープが温かく、特に冬は身体が温まるし。不思議なことに、寒くても身体が温まると、心まで温まったりするし。まあこれは人間が心身を切り離して考えることができない生き物だから、当たり前のことかも知れないけどね。

 食べて少し時間がたつと、お腹は軽くなる。これが大変便利だ。ちょっと元気が出た身体で、練習を乗り切ってしまう。100kcal前後のエネルギーで練習の全体を乗り切ることは不可能だが、最初のエンジンをかける助けにはなる。後は私の身体には、多くの燃料が日ごろから備蓄してあるから、どちらかといえばそれを燃焼してくれたほうがいい。

 そんなこんなで、カップはるさめなどに代表される、最近の低カロリーのインスタントカップ食品は、大変便利だと感じている。もっともっと頑張って、いい製品を作ってくださいね!!

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2009年1月19日 (月)

イメージトレーニングにおける「現実」と「妄想」

 イメージトレーニングというものがある。いろんなレベルのいろんな選手がやっている。昔、私もやったことがあるが、この頃は、正しいイメージトレーニングのやり方など、誰も教えてくれなかった。「試合に勝って自分がガッツポーズをしているところをイメージしろ」なんていう人がいたけど、こんなのは勝ちに対する意欲を強化することはできても、実際に競技の場では何の役にも立たない。

 むしろこんなイメージトレーニングでいい人なら、もう相当の力量があるわけで、特にイメージトレーニングなんかやらなくても、かなりの成績をおさめることができるはずである。まあ、自分が勝つシーンをイメージするのは気分がいいから、それはそれで精神的に好影響があるのかもしれないけれど。

 でも相手と比べてぬきんでた地力がない選手がこんなイメージトレーニングばかりをやったら、マイナス面も出てくるんじゃないかな。だって相手だって必死だからねえ。必死の相手を軽々と捌いて、かっこよく決めるなんてイメージが沸き始めたら、これは危ない兆候だ。

 イメージトレーニングを、いかに気分よくやったところで、「ない力」は出せない。出せるのは自分が持っている力だけである。イメージトレーニングをしようがしまいが、やることはただ一つ、自分の持てる力を最大限発揮することだけだ。

 一般にイメージトレーニングでは、物の重さとか、距離だとか、時間だとか、周囲の雰囲気だとかが欠けていき、自分だけがやたらと高揚した感覚が沸いてきやすい。でもこれも「妄想」にはまりつつある兆候だ。

 実は「重さ」「距離」「時間」などといったものは、「現実」の最たるものである。つまりイメージトレーニング中に「現実」が欠けてき始めたら、すでに「妄想」トレーニングになりつつある。「妄想」トレーニングは、いくらしっかりやっても、現実にはまったく効果が期待できない。競技とか勝負とかは何よりも「現実」である。「現実」を相手にするのに、「妄想(本来「妄想」を抱くのは、自分にそれを実現する力がまだないから)」が少しでも混じり始めたら、もう役には立たない。

 私は日ごろの練習をあまりしないで、競技会や実戦だけで好結果を追い求める選手に、「人事を尽くさず、奇跡を待つか?」と冷やかすことがよくあった(今、こんな不届き者は、私の周囲にはいない)。これなどまさに「妄想」トレーニングの最たるものであろう。

「強者」は「妄想」する必要はない。「妄想」が必要なのは「弱者」である。誰だって競技会や試合、実戦は怖い。これが「怖くない」といったら、その人は実戦をやっていないか、あるいはとんでもなく強くて自信があるかだ。天と地くらい差があるけれど、だいたいこういう傾向が強い。

「弱者」は「妄想」でもしないと、自分の恐怖に負けてしまいそうになり、心の安定を損なってしまうからね。逆に「強者」は「現実」を見つめ、それに現実的に対応することができるから、むしろ超現実的でいいんだよね。そして現実的であるがゆえに、自分の思惑通り物事を進める場合がおおい。「強者」はますます強く、「弱者」はますます弱くなってしまうんだね。

 でも「強くなろう」と思ったら、「現実」から目を逸らしてしまうとダメだ。「現実」の世界で通用するようになるためには、まず自分を客観的に見なければ、スタートラインにつくことすらできない。「客観的な認識」は、「現実」の第一歩なんだよね。

 そして仮に負けても負けても、「現実」を知る為にも、様々な経験を積んだほうがいい。これは現実の情報をたくさん得ているってことだね。精度の高い情報が豊富にあれば、「現実」を見るのに大変有利になる。逆に多くの客観的情報を手にいれようとしない人は、現実から逃げているのと同じである。

 イメージトレーニングは、精度の高い情報をたくさん持っている人間には、かなり有効なトレーニング方法なんだよね。イメージを作るとき、その場の状況が現実に近くなるからね。実際には滅多にないシチュエーションでも、イメージトレーニングでなら何度でも経験できるからね。

 たとえば野球なんかでも、9回の裏、1点負けていて、2アウト満塁で自分の打席なんてケースは、そう何度も巡ってくるものではないだろう。でもイメージトレーニングでなら、何百回でも経験できるんだよ。で、こういった極度に緊張する場面でも、あらかじめ経験していれば、緊張は少なくなる。緊張による自分の力が発揮できないという事態は減らせるんだよね。

 こういったとき、自分に都合のいいことを考えては、いつまでたってもイメージトレーニングの成果は得られないかもしれない。もちろん、だからと言って、不利なことばかりイメージすれば、戦う前から萎縮してしかねない。まあ、いろんなケースを想定すればいいのだけれど、最初は自信をつける意味からも、自分が好結果を出しやすい状況から始めてもいいかも知れない。でもあくまで発展するにつれて、いろんな状況を設定しなければならないよね。

 ここで自分に都合のいい状況や、こうありたいという希望的観測を出してくると、現実は往々にして自分が想定していない状況を出してくる。特に相手側は、こちらが想定していない状況を作り出そうとするものだから(当たり前だ、相手だって勝ちたいのだから)。

 自分がまったく想定していなかった状況が、突然眼前に広がると、時として人はどう反応すればいいのかわからなくなる。いわゆる「うろを来たす」という状態だ。こうなったら、まあ勝てないと思わなければならない。

 こんなことにならないためにも、「現実」から様々な「生きた情報」を得るようにすべきだ。そのために一番大切なのは、「経験」「体験」である。「経験」と「体験」を得るにはどうすればいいか、それは簡単である。実際にやってみることだ。これは「試す」と言ってもいいかもしれない。

「試す」ことをしなければ、永遠に得られる情報は「現実味」を帯びてこない。そんな状態でイメージトレーニングをしても、何の意味もない。今朝の新聞を見ても、平野早矢香ちゃんが昨日の決勝で不利な状況になったときもあったが、「日本で一番練習している」という自信があったと書いてあったが、これなど最も「現実」から精度のいい情報を、抱負に受け取っていることを現す言葉だと、私は理解した。

 昔から私は自分が指導している選手によく言っていた。「日本一になる選手は、日本一の練習をしているんだよ」と。それは質・量ともにである。最高の練習をする人が、最高の結果を得るのは「必然」ではないか。でなかったら、誰も「努力」という言葉を信じなくなる。「努力」なんかダッセェー!! という人もいるかも知れないが、「努力」こそがすべての始まりなんだよね、やっぱり。

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2009年1月18日 (日)

平野早矢香ちゃん、全日本三連覇、おめでとう!!

平野早矢香ちゃん、全日本卓球選手権、女子個人三連覇、おめでとう!!

 いやあ、凄い試合でしたね! こんなことを言うと失礼かもしれませんが、心臓に悪かった。でも、最後まで諦めないのが彼女の一番凄いところだから、本当の彼女の、一番素晴らしい姿を見ることができたのかも知れませんね。ここ6年間で5度の全日本選手権優勝という数字も凄いですが、毎回、大きな感動をいただけることのほうが、もっと凄いです。

 特に今回は石川選手と組んでのダブルスも優勝しているので、2冠ですね。素晴らしいと思います。ますます上を目指して頑張ってね!(なんか今年の年賀状で書いたのと同じ言葉になっちゃいました!)

 誰でも「最後まで諦めない」という言葉は知っている。でも本当に「最後まで諦めない」かというと、どこかで妥協することもなくはない。少なくとも私に関しては、若かった頃は、どこかで妥協するところがあった。だから私は自分のことを、「根性なし」だと思っている。

 特に今回は、用具の問題で、試行錯誤を繰り返しているなんてことが、某雑誌に載っていたので、ずいぶん心配していました。さすがですね、やっぱりどんな困難も乗り越えていかれるのですね! きっとその陰ですさまじい努力と研鑽を積まれているのでしょうが。

 でも平野さんは凄いよねえ! 本当にどんな時も、自分のすべてを出して、諦めないで頑張ろうとする。ますます熱狂的なファンになってしまいますよ。これは単に、身体能力が優れているとか、技術的に優れているとかといった問題でなく、人間としての「存在そのもの」に関係することかも知れない。

 もちろん身体能力も大切だし、技術も大切だ。どんなことをやろうと思っても、身体能力がそれを可能にしなければ、できないことだし、技術がなければ、自分が表現しようとしていることを十分に表現することはできない。これはいつもこのブログで言っていることだよね。

 もしもピカソがあんな絵を描いても、それはきちんと自分の表現したいものを表現するに足りる技術を持ち、その上で独特の方法や観点で描いているから値打ちがあるわけで、絵の基礎も基本もできていない子供があのような絵を描いても、何の意味もないのと同じだ。

 やろうとしたこと、表現しようと思うものを十分に表現」するには、必要な能力や技術(技術も能力の一つだといえば、その通りだろうけど)が不可欠だ。技術や必要な要素の存在を無視して、実戦を語ることはできない。それが現実というものだと、私は思う。実戦を知らない人は、いろんな妄想をするのかも知れないけれど。

 でもそのような能力をすべて備えているからと言っても、見ている人を感動させられるかどうかはまた別問題だ。その点、平野選手は間違いなく、見ている人を感動させられる人だと思う。普段から凄い練習をしているのだろうけれど、それ以上のモノを持っていると感じますね!

 いつも彼女の試合を見るたびに、勇気を貰う。精神や意志の強さを、感動させられると同時に、私がもらっているような気がする。『あなたにもできる! 超人の動き』は、冒頭の部分で、彼女自身と、大島監督との三者鼎談で始まったけれど、私のほうが実は多くのことを学ばせていただいていると、感謝していますよ。

 これからまたビッグゲームが相次いでいると思いますが、体調に気をつけて力量を上げられ、ますます素晴らしい試合を見せていただけることを期待しております。

 ともあれ今回の素晴らしいゲームは、感動モノでしたな!! 素晴らしい感動をありがとうございました! 私もまた明日から、一所懸命生きて、努力する元気をいただきました。最後の挨拶も素敵でしたよ。

 一人の勝利はその人だけのものではなく、その人を支えた全員のもの。平野さんの優しい心が、とてもよくわかりました。ありがとうございました。ますますのご活躍を期待しております。頑張って!!

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何でも実験癖・13 ~実験結果は速やかに…レンコンのお粥・ほうれん草もお粥~

 いやあ、実験結果はできるだけ早くまとめておかなければならない。これは学生時代からの鉄則である。私の出た大学は実験に臨む姿勢が大変厳しかったので、なかなかしんどい経験を積ませていただいた。もちろん理由のないしんどさではない。正当な理由をもったしんどさであった。今ではその頃しごいていただいた先生方に、深く感謝している。

 しかし、当時親元を離れて東京で大学に通う身には、生活に関することもしなけらばならず、週に5日(三年生の前期)の実験は厳しかった。私は池袋に住んでいたが、大学は品川にあった。いい加減な実験をしていると、中には怖い先生がいて、「君らがちゃんとした結果を出すまでは、私も帰らない(本当にお帰りにならず、学生と一緒に大学に泊まられていたそうである)」で、我々は何とか山手線の終電に間に合うように、必死に頑張ったものである。

 結果的には、のろいようでも、最初から丁寧にやった方が、ひどく遅くはならないということに気がついた。きちんとやった実験は、概ねきちんとした結果が出るので、かえってその方が早く追われるのである。いい加減なことをやっていると、いい加減な結果しか出ないので、そんなことは詳しくご存知の先生方には通用せず、何度でもやり直しをいいつけられてしまうから、ご宿泊ということになってしまう。

 でも週に5日、異なる実験をやるということは、毎日、行った実験をまとめてレポートに仕上げておかなければ、記憶が混乱してしまう。当然、メモは取ってはいるが、それでも記憶の混乱はどうしても起こる。そうなれば、せっかくやった実験が、パアになってしまうのである。だから終電で帰った日でも、アパートでカリカリとレポートを書き上げなければ眠ることすらできなかった。

 これは、生活のためのすべてを一人でやらなければならない学生には、結構きつかった。当時、自宅から通っている学生を「うらやましいなあ」と感じたことはある。でもその地獄の半年間をなんとか乗り切って、4年生に進むことができたから、今となってはいい思い出どころか、感謝すらしている。

 何故こういうことを思い出したかというと、今勝手にやっている「お粥」についても、2種類ためてしまうと、もう記憶がいい加減になっていることに気づいたからだ。昨夜、一昨夜と作ったのが、すでに記憶がいい加減になっている。当時の実験のように、メモなどを取ってはいないから(写真を撮っているけど)、できるだけ早く書いた方が、正確な記録になる。この「何でも実験癖」も、当時の大原則に則って、出来るだけ、作った記憶が薄れないうちに載せておきたいと思う。

 一昨夜は「レンコンのお粥」を作った。本当は新鮮なレンコンがほしかったところであるが、相方から「レンコンが残っているから、何かいいお粥がないかなあ」と言われて調べていたのである。とりあえず私が作ったのとは異なるが、テキストに載っていたのをそのまま忠実に掲Photo載しておきたい。あちらの名前は『鮮藕粥』という。

 まず材料である。新鮮なレンコン30g、粳米100g、調味料は氷砂糖大匙2杯。

 作り方は① レンコンはよく洗い、スライスしておく。粳米はといでおく。 ② 粳米、レンコン、氷砂糖を鍋に入れ、水を加えて粥になるまで煮てできあがり、だそうである。

 私はおPhoto_2粥に砂糖という組み合わせを忌み嫌っている。ほとんどナメクジかヒルを嫌うのと同じである(私が地球上で最も嫌っている生物は、ナメクジとヒルである)。そこでここは塩に変えた。まず材料である。

 レンコンは鶏肉と相性がいいので、相方のアドバイスもあり、これでダシを取ることにした。なんと量は130gもある! あとは反時計回りに、お塩小匙半分、お米5勺(半合)、レンコン約60g、葱(わりと多め)に生姜4gである。葱は刻んでおき、生姜は千切りにしておく。何で生姜かというと、寒かったからだ。生姜と葱は人体を暖めてくれる。冬の健康を保つ上では、身体を温めることは重要だ。

Photo_3  鶏肉は手羽元を使った。これに水900mlを加え、ことこと煮る。一応アクを取る。見た目が良くないからである。油がギトーっと出てくるが、油も体を温めてくれるので、こいつは取り除かない。とにかくなんでもいいところだけを取るといった発想だ。 もちろん蒸発して減った湯は、熱湯を足していく。

Photo_4 今回は待ち遠しかったので、だいたい30分でダシが出たと勝手に判断し、お米を入れた。このまま強火にして加熱を続ける。もともとが熱湯になっているので、噴くまでの時間は、水から加熱したときよりも遥かに短い。噴いたあたりからこれにお塩を加える。 お塩を入れる時期については、そのうち詳しく考えてみたいと思う。

 噴いたPhoto_5ら弱火にして、更にPhoto_6ことこと煮込む。そうして6分目くらい煮込めたら、レンコンをドバっと投入する。何しろ敵はレンコンである。今まで使ったものに比べて遥かに柔らかくなりにくい。だから少なくとも20分程度は加熱を続けるつもりであった。またレンコンを投入した後は、中火くらいにして加熱しておく。噴きそうになったら、再び弱火である。

Photo_7  こんなふうになったら、最後の仕上げである。葱と生姜を入れ、1分だけ加熱し、あとは蓋をして2分ほど蒸す。これでうまくいったはずだ。あくまで「はず」だけど。

 外見はきれいでしょ。で後は食べるだけ。でも一抹の不Photo_8安はあった。レンコンは果たして十分柔らかくなっているかである。お粥というくらいだから、ご飯は柔らかい。柔らかいというのは、お粥の必要条件かもしれない。するとその中に固いものが入っていたら、違和感があるんだよね。もし違和感があったとしても、快い違和感であるのなら問題はないのだが……

Photo_9  さていよいよ試食である。味は…… まあまあである。別に砂糖を使わなくても、美味しい。むしろ砂糖を使ったと考えると、やはり我が家向きではない。ただし、レンコンはやや固めであった。お粥として考えれば、もう少し柔らかくてもいいだろうか。

 でも収穫はあったよ。レンコンなんへお粥には似つかわしくないものでも、お粥になるんだってね。きっとお米を入れて最初に噴いた時、レンコンを入れておいたら、柔らかさも適度になっていたと思う。

 ついでだから、テキストにある薬効を載せておこう。熱をさまし、消化器官の通りをスムーズにするのだそうだが、胃とか肺とかに出血がある人には好ましくないのだそうである。

 次は昨夜作ってみたもの、「ほうれん草のお粥」である。ほうれん草と言っても、現代社会の組織などでよく言われる「ほうこく(報告)」「れんらく(連絡)」「そうだん(相談)」、つまり「報連Photo_10相」の略ではない。

 まずはテキストの紹介だ。 材料はほうれん草250g、粳米250g(いったい何人前作るのじゃ?)。調味料はお塩と化学調味料それぞれ小匙三分の一ずつである。

 作り方は、① ほうれん草を洗い、熱湯をくぐらせたあと、適当な大きさに切っておく。② 米をとぎ。鍋に入れ、水を適量加えて加熱し、適度に煮詰まったらほうれん草を加え、暫く加熱を続ける。③ お塩と化学調味料を加えてできあがり、だそうである。

 以前にPhoto_11も書いたが、私は化学調味料を好まない。そこで今回はここを変えた。化学調味料の換わりに、鶏粉を使ったのである。こいつはだいだい何にでもあうし、少量しか使わない。まずは準備物の紹介だ。

 右上からお塩(小匙半分)、ほうれん草(本当はここで切ったのでは、後々やりにくかった。約120g)、お米5勺(半合)、葱の白根(千切りにしてある。少々)、よくは見Photo_12えないが生姜の千切り(ほんの2g程度)、鶏粉(小匙三分の一 )。

 まずはほうれん草を湯通しする。湯がいただけではアクが抜けきらないのであれば、少し水にさらしておく。ほんの1~2分でアクが抜けていく。ほうれん草という植物は、アクが強いので、この作業は不可欠ではないかと思う。 この後、私はほうれん草の水を切っておいた。

Photo_13 次はお粥を炊く。いつも通り、米5勺(半合)に水5合(900ml)である。最初は強火、噴いたら弱火にしてことこと煮込む。ただそれだけのことである。毎晩のようにやっていたら、もういい加減慣れてきた。でも慣れてきた頃が失敗をしてしまいやすい、危ない時期である。気をつけなければ。人は歳をとると用心深くなる。ふん、だ。

Photo_14  だいたい8分目くらい出来上がったなと感じたら、ほうれん草を加える。ついでに葱と生姜も加えたが、葱と生姜は、実は隠し味兼、身体を暖めるためのものである。でもなんとなくこの写真を見たら、ほうれん草の量が多くない? 湯がいたら体積が劇的に減ると思っていたのだが、テキストではお米とほうれん草の重量費が1:1.私のは実に米の2倍のほうれん草を入れている。どうなることやPhoto_15ら… 

 一応こんな風になった。いかにもほうれん草が多い。これを食べたらどうなるのだろうか。私は「青虫になる、青虫になる」と言いながら、とりあえず作った人間の責任で、一口口に入れた。

Photo_16「ほう、なかなか…」 案外イケる。ほうれん草の風味は強いが、それもアクがあるというほどのものではない。何よりも僅かに加えた生姜が、かすかな風味を出してくれている。こんなんがほしかったんだよ。ただ難点を挙げれば、やはりほうれん草の量と、切った大きさであろうか。もう少しほうれん草を少なくしてもよかったし、大きさはこの半分程度でよいのではないだろうか。

 でも後口はさっぱりと、美味しくいただきましたよ。ついでのことだから、薬効を載せておく。五臓六腑を整え、血液の循環をよくし、胃腸の活動を活性化する。胸のつかえをなくし、渇きを止め、解毒し、肺を潤す働きがあるんだと。まるでポパイだね!

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2009年1月17日 (土)

不時着

 アメリカで旅客機が不時着したのだそうである。しかも死者、行方不明者がいないということで、「奇跡」と言われているらしい。たいした腕のパイロットさんだったのだろう。そして気候条件、地理的条件などなど、いろんな条件が整っていたのだろう。いずれにしても、大惨事になるところを、最小限度の被害で食い止め、さらに乗客の安全を確認して最後に脱出したというのは素晴らしい。

 こういった立派な人もいるのに、世の中にはくだらない人間も多い。自分が望んで一国の総理大臣になりながら、少しややこしくなると、野党に責任をなすりつけて、政権を放り投げる人物が連続して現れているわが国の一部政治家センセイには、ぜひとも見習ってほしいものである。

 もしもここ何代かのわが国の総理が、こういった事故機の機長さんだったら、やったことといえば、まだ飛行機(日本という国)は飛び続けているのに、操縦桿を放り投げてしまったわけだからね。そして今は知らん顔して客席(? 時々テレビの国会中継などに映ることがあるが、もう何も知らないという顔になっている)に紛れ込んでいる。

 困ったもんである。もうだいぶ以前のことになるが、わが国でも御巣鷹山での事故があったよね。私はあのときいくつだったかなあ。でも「機長さんは、凄い人だったんだろうなあ」と、事故の直後から言っていたら、あれから時間が経過し、真相が明らかになるにつれて、機長さんの素晴らしさ、凄さがどんどん明らかにされて、私は二度も三度も泣いた。感動してしまったのである。

 事故機に乗っていた被害者、関係者の方々には気の毒だが、それでも最後の瞬間まで、必死に、自分の持てる能力を振り絞って対応したに違いない。そんな人の心の素晴らしさに、私は激しく感動していた。そして生存者がいたとき、またしても感動してしまった。あの時は今回のケースより、状況がまだ困難だったのかも知れない。でも人ってのは素晴らしいと感じた。

 素晴らしい人がいることを知るたびに、その反対側に存在しているのではないかと思う、素晴らしくない人たちの姿が、よけいにくっきりと醜く見えてくる。もちろん人間だから、「運の良し悪し」はある。でも最後の瞬間まで、ベストを尽くすという姿勢は、我々に感動と、生きる力を与えてくれる。

 文部科学省も、子供達に「生きる力」を教えたいのなら、こういう姿勢で教育に取り組んでみてはいかがなものか。漢字の読み方や使い方を微妙に変えたり、受験制度を微妙に変えたり、ゆとりだ学力保障だなどと小手先のことばかり言わないで、もっと根本的なところから考えるべきだと思うよ。

 もっとも、政治の一番上に立つ人が、ここ何年かのような有様なら、それをマスコミを通じて知っている国民の士気が上がらないのは、当然かもしれないけどね。好きなことを喋ったり、やったりして、後々の総理に大きな負担ばかり残し、さらに数日前も好きなことを言っていたライオン頭(ライオンの雄はあんな髪型をしてはいないけど。ライオンに悪いね)の爺さんや、「お腹の具合が悪い(とは言わなかったけど)し、野党の党首が対談に応じてくれないから」と涙目になって辞めた「貴公子(?????)」さんや、「あなたとは違うんです(普通の人なら激しく恥ずかしいと思うことでも、私は恥ずかしいとは思わないんです)。私は客観的に自分を見(ても恥ずかしいことをしているのがわからないんです)ることができるんです」などと言い放って放り投げた人、もしあんたらがあの機長の立場だったらどうするんだろうね?

 あくまでこれは「もしも」という話だけど、一番に自分が逃げるんじゃないかな。そしてそんなお上の姿勢を見て暮らしていけば、みんな自分が責任を取るなんて態度は失ってしまうんじゃないかね。だって責任を取るのは、きついことである場合がほとんどだからね。でも普段一番上で、良かれ悪しかれ一番脚光を浴び、いみじくもライオン頭の爺さんが与党の党首に、「あなたも(総理大臣に)なってみたいんでしょうが」と言ったような立場なら、やっぱり最後は自分が責任を取らなければならないと思うんだがね。

 それとも大昔の貴族(が全員腰抜けだったわけではないよ。歴史上、勇猛果敢だった貴族だって、いることはいるんだけど)が、「まろはどうなる? まろをたすけてくりゃれ」などと言っていたように、最後は情けなく逃げているんじゃないのかね。(責任を取りたくなくて、政権を放り投げているように、私には見えるんだがね)

 私は何でもかでも政治の責任にするのは良くないと思っているけれど、現在の日本の社会を見ていると、政治の責任は小さくはないと思うよ。責任は取らない。いざとなったら放り投げる、これだけでも大きな悪影響を与えているんじゃないかね。

 仕事をしてもそうだが、責任を取りたくなければ、最低限度守らなければならないルールがある。それは出世を望まないことだ。出世してしまったら嫌でも責任が大きくなる(平だからといって、責任がないわけではない)。出世ということは背負う責任が大きくなることだ。ましてや総理なんていったら、昔で言う「位人臣を極めている」わけだから、その責任の大きさは大変なものがあると思うんだがね。

 だから総理になろうなんて考える人は当然、最低限度の条件として、「責任を負うことの意味」を知っていなければならないと思うんだ。自分がそれに適しているかいないかなんて、知っていて当たり前の年齢だろうし。いや世襲でもいいんだよ。爺さんや親から「責任を負うことの意味」をきちんと受け継いでいればね。

 私が子供の頃、「政治家は一代で家を潰す」と聞いたことがある。事実、私の住んでいる岡山にも、自分一代で財産をなくしてしまった、清廉で有名だった政治家はいた。だから本来本当の意味で政治活動をしていれば、お金は儲かるはずがないんだよね。もともと市民や国民の為に奉仕しているような職業なんだから。だから我々の税金から、少なからぬ給料が支払われているんだろうし。

 だから世襲できるなんて、よほどの大金持ちか、あるいはお金が出ていくばかりのはずのところで、儲けてばかりいるんじゃないかな。ではその「儲かったお金」はどこから出てくるの? 後は考えればわかることだよね。どこかでなくなったお金が、どこかに集まっているんだよね(それで先日「紀文(紀伊国屋文左衛門)」の話を書いた)。最近私のお金もどんどん出ていっているみたいだけど、帰ってくるようには見えないぞ。いったいどこに集まっているんだろうね?

 やれやれである。上手に不時着させ、乗客の安全を確認して、最後に自分が脱出するなどといった素晴らしい機長さんの話を聞いただけで、よけいに今の世の嫌らしさが見えてきてしまった。誰がこんな世の中にした! 責任者、出て来い!(人生行路師匠か?) おっと、お上が責任を負いたくないから、今のようになってしまったのか!

 腕のいい機長さんが、事故ではありながらも、様々な好条件に恵まれて「奇跡」は起きた。では腕の悪い機長さんが、様々な悪条件に囲まれて、事故にあったらどうなるんだろうか? 悲惨すぎて考えるのが嫌になってしまうよ。でもそれって、今の日本じゃないという保証はあるのかなあ……? あ、あ…… 操縦桿を放しちゃダメだって!!

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2009年1月16日 (金)

『中国の鋼鉄刀剣』・37 ~第七章 鋼鉄刀剣の最後の輝きと衰落・清代(16) 第二節 清剣3~

 週末である。疲れが溜まっている。普通はここでお休みとなるところだが、あいにく私は土日の予定がびっしりという人間なので、疲労回復はあまり期待できない。お陰で今日の練習は軽めで済ませた。反対にお腹が空いてたまらなかったので、お昼はがっつり食べた。

 そんなこんなで今日は何も思いつかない。でも毎日1話(ただし、私が岡山にいるときという条件つき)という誓いを立てた以上は、守らなければならない。当選した後は、公約など何処吹く風なんて議員さんとは、一緒になりたくないからね。

 そしたらもう1ヶ月以上も『中国の鋼鉄刀剣』をやっていなかったことを思い出した。久しぶりであるが、残り少なくなったこの名著の紹介をやってみようと思う。名著というのは読み終えるのがなんとなく寂しいもので、最初に「こんな大作をどうしよう?」なんて途方にくれたことなど、すでに忘れ去っている。やはり私のおつむはだいぶおめでたくできているようである。

      *      *      *      *

『中国の鋼鉄刀剣』・37 ~第七章 鋼鉄刀剣の最後の輝きと衰落・清代(16) 第二節 清剣3~Kun

☆ 乾坤双剣……清乾隆款宮廷礼儀佩剣 

 この双剣は、刃の長さが88㎝、柄16㎝で、正味1000gの重さを持ち、規格形制が定められたものと完全に一致している。剣身の正面は円形の脊を持っているが、反対面には脊はなく、一つの鞘に収まるようになっている。また柄も同じように半円形に作られているので、二つ合わさった時に円形になるように作られている。

 剣身は厚く、刃Kun2がつけられてはいないことから、この双剣が純粋な儀礼 宝剣だということがわかる。剣身全体にはびっしりと銀船の網紋があり、上面の錯金銀紋飾とあわせて、金銀細工技術のレベルが最高峰に到達していたことを示している。

 双剣の正面のKun3紋飾は、基本的に同じであり、剣先から五爪行竜が北斗七星を追うデザインがあり、この竜の髭と爪は錯金である。また剣根には『大清乾隆年制度』と刻まれていて、陽剣の中段には四大金剛が杵を持ち、陰剣の中段には四大美女がまじめな顔をした様子が描かれている。

 双剣の裏側の紋Kun4飾は完全に一致しているが、方向は逆になっている。すべて手作りの黄銅透かし彫り装具は、裏面に『大清乾隆年造』、正面に五遊竜と海水江崖紋飾が刻まれていて、表面は純金でできている。木製の鞘は漆が塗られており、保存状態も良い。

☆★☆職官佩剣☆★☆

 清代に、剣が職官にとっての正規の佩飾的制式武器であったかどうか、は定かではない。それは各代の書籍などに記録が残っていないからである。『獣剣』というのが清職官の儀衛的規定の中に見られるが、これも職官が佩帯したものかどうか、その形制がいかなるものであったかなどについても、詳細は不明のままである。

☆ 清早Photo期陰刻竜紋「紫雁」職官佩剣……刃長61㎝、厚さ0.7㎝で剣脊は高く、厚さは均一で、剣根の両側には「紫雁」の2文字と、「米」字形の印が一つある。「米」字形の印が何を意味しているかは不明である。

 鞘も含めると全長は88㎝あり、総重量1100gで、保存状Photo_2態は良い。なかでも漆を塗った鞘の保存状態は完璧に近く、漆の質がよく、光沢はこの剣が作られた頃と変わっていないように見受ける。ただ鞘の下部には、長い時間の経過を示すような自然な裂け目があるが、それがこの剣が生き延びてきた世の移り変わりの激しさを物語っているようである。

 剣身の配件は手が込んでいて、包漿も分厚く、その下にはかすかに鎏金の痕跡が見て取れる。鞘装上には「xi(山かんむりに習)e(山かんむりに我)」という繁体字が見られるが、これは「習e(山へんに我)」であり、昔、彝族が住んでいた地区の県名である。これは現在の雲南省e山彝族自治県であり、この剣が「習e」県と何らかの関係を持っていたと推測できる。しかし今となってはそれがどのようなものかは調べる手立てもなく、なんとなく神秘的な感じを与える。

☆ 清乾隆期loPhoto_3u(金へんに楼の右)空浮彫銅装緑鮫魚皮鞘職官佩剣……この剣の剣身は、同種の剣よりも長い。装具の透かし彫りの遊竜および海水江崖紋飾の細工は相当に凝っている。剣体の鋼質は大変固く、刻まれたトケイソウのデザインは極めて流暢で、たいそう華麗である。緑の鮫皮の鞘をしており、柄の巻き紐がほどけている以外は、全体的に保存状態はよい。

☆ 清中期鎏金八宝紋飾合口装職官佩剣……この剣は官造の雰囲気を持っている。つくりは精Photo_4良で、剣脊は高く、剣格から十数㎝のところから剣脊の両側に2本の短い血槽を持っている。血槽のつくりは手が込んだもので、柄の上には八宝紋様が刻み込まれており、鎏金で、装飾は華麗である。

 最も特徴的なのは、剣格に合口装を採用していることで、このような装具が見られるようになるのは清中期よりも少し後のことなので、この剣ももしかするともう少し後代のものかも知れない。鞘は後から組み合わされたものであり、装飾は少数民族の持つ雰囲気がある。

☆ 清中晩Photo_5期「勅魔」銘職官佩剣……全長90㎝、重さ1斤2両である。剣身に僅かに錆があることを除けば、保存は完璧である。三面複合挟鋼構造をしており、剣刃部位の挟鋼線ははっきりとしている。

 折鍛花紋な密で、無数にあり、紋飾は真っ直ぐに刻まれており、剣身には「勅魔」の字符が刻まれており、剣身全体にわたって黄銅の七星がはめ込まれている。黄銅鎏金装具は滅多にお目にかかれないものであり、竜の紋飾および海水江崖紋飾のレリーフとともに、金細工のレベルの高さを物語っている。木製の鞘には黒漆が塗られ、これも保存状態が良い。

      *      *      *      * 

 ふい~……  いつも言うことだが、道具はそれを使う技術と切り離して考えることはできない。日本刀には日本で発達した剣術・剣道で、長年受け継がれてきた技術が最も適しているし、中国の刀剣には中国の刀剣が持っている特徴が生かされた剣術ないしは、刀術が存在している。

 これらの間に何らかの関係はないかと言えば、かつて明代で取り上げた『辛酉刀法』やら『単刀法選』などが、日本の『陰流』の影響でできたということを紹介したと思うが、この頃は明国では倭寇の影響を強く受け、日本の大太刀や野太刀に似たものがたくさん作られていた。

 同じような技術を使うためには、同じような特徴を持った道具を使わなければならない。これは「必然」である。こんな道具と技法の関係から見ても、それぞれの地域に伝わる刀に適した刀術が発達したと考えるべきだろう。

 日本剣道が発生したのが日本以外のところであったような、不思議な意見があると耳にしたが、果たしてそこに日本刀と同じような刀があったのだろうか? もしも日本刀と同じような刀が存在していたのなら、日本剣道のような技術も存在していた可能性がある。けれども日本刀と同じような刀がなかったとすれば、日本剣道のような技術はなかったと考える方が合理的だ。

 道具は技術を作り、技術は道具を発達させる。この関係には「必然性」が強く存在し、ある意見が矛盾を多く含んでいれば、当然その意見は正解ではないということになる。ものは武器であって、生命のやり取りをしたわけだから、案外判定は簡単だと思うよ。技術と道具の関係を、時空の広がりと軸の中で考えてみれば、私は中国の刀剣には、中国の刀剣術とそれにふさわしい道具があり、日本の刀剣にはそれに相応しい剣術・剣道があると思う。

 それはさておき、次回の『中国の刀剣』は、清代の民間剣である。これは官製のもののように規格に囚われないから(といっても、同じ人間が扱うわけだから、度肝を抜かれるようなものはないと思うけどね。特に清代の民間では、剣はまだ武器をしての側面を持っていたようだから)、面白いかも知れない(前回、阿片戦争のところで参考文献を入れたように、清末には刀剣は清の有力な輸出品の一つとなっていたからね)。

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2009年1月15日 (木)

何でも実験癖・12 ~う~ん、なかなか上品、山薬luo卜粥~

 コンビ二に寄って仕事場に向かう途中、コンビニの駐車場に停めた私の車の横に、一見ホストさんかなあ? と思える人の車が停まって、降りるなり私の車の窓ガラスを鏡代わりに、慣れた様子でおぐしを整え始めた。

 私は内心「あれ、あれ」と思ってしまった。どういうことか私の職場は、駐車しておくとやたらと砂埃が車にかかってしまうので、あまり鏡としては適さない状態だったからだ。でも暫くおつむをいじくって、いかにも現代風のヘアースタイルに整ったのか、ご自分の車にお戻りになった。

 私の車の、砂埃で汚れた窓を使わなくっても、使えるものは他にもいくらでもあるだろうにと思ったが、ご自分の車の、私の車よりはきれいな窓を使ったり、バックミラーを漬かったりはしないで、あくまで私の車の窓ガラスを使っていた。

 どうしてなんだろう? 暫く不思議に思ってしまったが、少なくとも私の車の窓ガラスは汚れていたから、もしかしたら欠点が見えないですむかも知れないということに気がついた。あまり自分がありのまま見える鏡を使うのも考えもんだ。アラも何もかもが見えるより、少しは克明に見えないほうが「救い」があるかも知れないもんね。

 で、勝手に納得して、ついでに安心して仕事場にたどり着いた。人の行動にはほとんどの場合理由があると考えているから(無意識にやっているように思うことでも、案外その行動をする瞬間には、ものすごく意思が働いていたりする。その意思が、自分の好き嫌いなんかに起因するものであっても)、理由を(極めて勝手に)考え付いたので、私の心の安定は保たれた。

 さて相変わらず健康(過ぎるか?)を保つ上で効果的な、夜のお粥であるが、昨夜は「山薬luo卜粥(山芋と大根のお粥)」を作ってしまった。材料からして健康になれそうではないか。いつもながら、テキストに載っている内容を、最初に紹介しておこう。Photo

 材料は、山芋12g、大根100g、粳米100gであり、調味料としてお塩小匙三分の一、化学調味料小匙三分の一、白糖少々である。

 作り方は、① 大根は3㎝角の賽の目切り、山芋は短冊に切り、お米はといでおく。 ② お米と大根と山芋を土鍋に入れ、水1ℓを加えて強火で加熱、沸騰したら弱火にして45分煮立てて完成 とある。驚いたことに、いつ調味料を入れればいいのかは書いていない。(だいたいこういったいい加減な本が少なくない)

 そこで我Photo_2輩は、例によって例の如く、好きにやらせてもらうことにした。まずは準備物である(一応準備するけど、使わないものもたまにはある)。 右上のピンク色のから反時計周りに、白糖、お塩、化学調味料、大根、お米、山芋である。

 量はお米が5勺(半合)、大根は200g(2㎝角にした)、山芋は60gである。漢方的な薬効などが出されているが、私は難しいことは考えない(テキストに書いてあるから、一応は紹介するけど)。美味しいものは基本的に身体に良いと考えている(嗜好の世界に引っ張られたらダメだけど)。だから大根も山芋も、テキストよりも遥かに多いのである。10

 いつも通り、お米をとぐ。そして土鍋に入れ、ついでのことだから水(900ml)を加えておく。 この状態で、今回は酒盛りを開始する。とにかく夕食はお酒からである。それが我が家の長年の習慣なのだから仕方がない。この習慣を変えたりしたら、きっと健康状態が狂ってくると思う。Photo_3

 適当に酒が回ったころから火をつける。最初は強火で、これが噴いてから弱火にし、賽の目に切った大根を約三分の一だけ入れ、ことこと煮込む。面倒だからここでお塩、小匙三分の一と化学調味料四分の一を入れておく。こうすれば忘れなくていい(極めていい加減である)。砂糖は入れなかった。これまた我が家の今までの伝統に従ったまでであって、最後にどうしても試してみたけれPhoto_4ば、雀の涙くらい個人的に入れてみれば? ということで、あっという間に満場一致してしまった。

 ことこと煮ている間に、酒盛りはビールから日本酒に変わる。そのうちに30分ほどたったので、ここで残りの大根を投入し、中火にしてとりあえず大根に熱を通す。さらに5分ほどたったころ、山芋を入れて弱火で2分ほど加熱し、火を止めた。後は余熱で勝手に煮えあがるはずである。 Photo_5

 案の定、火を止めてもかってにぐつぐつ煮立っていたので、相方が(相方はあまりお酒を飲まないので、手持ち無沙汰なのである)自分のお茶碗によそおうが、私と母も我も我もとよそおう(お陰で最近、お酒の量が少し減ったような気が……)。あとは食うだけである。Photo_6

「熱い、熱い」と言いながらも、こいつが上品な味なんだな。もう誰も砂糖のことなんか口にもしなかった。日本人にはやはりお粥にお砂糖を入れるよりは(本当は少し入れてみようかと、一瞬心が動いたのだが)、さっぱりとお塩だけで食べるのが合っているように思う。ついでに次回この「山芋と大根のお粥」を作るときには、化学調味料は使わないと思う。基本的に我が家では化学調味料は使わないことになっているのだが、あまりテキストに味精(味の素のこと)を使うと書いているから、最初だけはそれを尊重しているだけのことだ。

 味が少し上品過ぎたので、ちょうど傍にあった、塩焼きにした鯛の身を取って入れると、これがまた嬉しい味に変わった(シャケはちょっと味がくどかった)。漬物もまたぴったりと合い、嬉しい味になる。加熱時間を意図的に短くした山芋がしゃきしゃきと歯ごたえよく、とても満足な一品となってしまった。☆10個である。

 これでまた明日も元気でいられるとなると、美味しさもひとしおでありました。Photo_7

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2009年1月14日 (水)

何でも実験癖・11 ~これはこれはの蝦米粥~

 すでに実験ではなくなっていきつつあるお粥狂いであるが、身体の(内臓の)調子がいい、ということがわかってからは、実験であろうがなかろうがお構いなしになりつつある。本来私のやり方では、自分が活動しやすくなることが最重要で、この観点からみたら細大の実験は自分の人生だったりするので、たかが食べ物での実験など、「美味しくなる」方向へ変更していくのなら、何でも許される、いい加減な実験でしかない。

 さて、食べ物の最も重要な点といえば栄養補給であるが、人体に必要な栄養と一口に言っても、年齢・性別・体調・気分・どんな生活を送っているかなどなどに大きく左右されるはずだ。現代では「食育、食育」とうるさく言っているようだが、果たしてどこまで真剣に考えられているか不安が拭いきれない。

 どこかの誰かが目立とうなどといった下心を持って始めたことなど、穴だらけである場合が多いからである。本ブログでしょっちゅうぼろくそに言っているメタボなどその好例だし、今や国家を挙げて軌道修正に乗り出さなくてはならなくなった「ゆとり教育」なども、最たるものの一つと言えよう。

 こんなばかげたことにお付き合いしている暇はない。私は私が快適な人生を生きていこうと努力するのに忙しいからである。そして同時に私は、多くの人がその人なりに充実した生き方をしていてほしいと思っている。なぜかと言うと、そんな生き方をしている人を見ることは、私にとっても「実り」があることだからだ。勉強になることが多いんだよね。

 まあお粥を紹介し始めたのも、最初は面白半分だった(ということは真剣さも半分はあったんだよ)けれど、いざ自分でやってみると、これは身体にいいという実感を持ってしまった。身体運用でも同様だが、私という人間はいいことを見つけると、どうしても口に出したり文章にしたり、人にお知らせしたくなってしまうタイプの人間らしい。お粥もまさにこのパターンに嵌ってしまたんだよね。

 というPhotoことで今日紹介するのは、昨夜我が家で「実験」した、「蝦米粥(アミのお粥)」である。最初は例によってテキストに載っていたのをそのまま紹介しよう。

 材料はアミ15g、お米60g、ニラ60gで、調味料としてラード大匙1杯、お塩と化学調味料がそれぞれ小さじ三分の一ずつである。一応最初ということで化学調味料は使ったが、ゆくゆくは使わない方向へと考えていきたいものだ(大切な食育?)。

 作り方は、① お米をといでおく。 ② ニラは古い葉を取り除き、水洗いして3㎝くらいの長さに刻んでおく、アミは水に浸して戻しておく(ということは当然、乾燥したやつを使っていることになる)。 ③ お米を鍋に入れて適当量水を加え、最初は強火で加熱し、噴いたら弱火に変える。お米が粥状になり始めたら、アミ、刻んだニラ、ラード、お塩、化学調味料を加え、少し煮込んで出来上がり。なんとも簡単なことしか書いていないので、我が家では次のようにした。

 まず準備したものは次の通りである。Photo_2 右上から反時計回りに、化学調味料(簡単に言えば味の素だが、わざわざ中国から買って帰ったもの)、お塩、ラード、その両側がアミ、お米5勺(半合)、ニラであって、ニラは家族のみんなが好きなので、多めに使った(120gは超えていた)。アミは25gだが、お米と一緒に煮るものと、後から入れるものとに半分ずつわけた(12~13gずつ)。

 それPhoto_3からお米をざっととぐ。面倒くさいので、土鍋の中でとぐ。でもあまりに量が少ないので、とぐというよりはただ水を流しているだけみたいである。そしてこれに5合(お米の10倍が目安)入れ、ついでにアミを半分(12,3g)入れて加熱を始める。前日、ちょっとばかししくったので、今回は慎重であった。何しろ私が鍋の傍を離れなかったくらいだ。

 残ったPhoto_4アミは水に浸しておく。こうするとふやけてくるので、これはお粥が炊き上がったときに加えるようにする。こいつは相方の助言であった。こうすることでご飯にはアミのダシが十分利き、またアミ自身の味も楽しむことができる。前日の失敗に懲りて、まだまだ慎重である。

 そのわりには、ここで例によって缶ビールをプシュっとやる。我が家の毎晩恒例の「乾杯」である。強火で加熱しているので、のんびり酒で盛り上がっていたのでは間に合わなくなる。それでも数分で噴いたので、これに調味料を加える。Photo_5

 順番にこだわってもしかたがないので、お塩をいれ、化学調味料を加え、ラードを入れる。ラードはチューブ様のものから出るので、しばらくは融けない。一番心配だったのは、実はこのラードであった。果たしてアミの味と合うのかなあ……

これで一番Photo_6弱火にして、土鍋に蓋をし、本格的に飲酒を始める。時々覗いてみれば失敗はしないだろう(などとタカをくくっていて、前日は失敗したのだが……)。ただし今回は飲んではいても、いつも目線が鍋のほうを向いていた。母が時々視界をさえぎったが、それを嫌がるほどの注意ぶりだ。

 だいぶ煮上Photo_7がってきた。時間は最初からだと32分が経過していた。そこでまず水に浸しておいたアミを加える。当然蓋をして、少しだけ火を強くし、アミに熱を通す。時間にして約3分である。アミの匂いがしている。

 これに加えて最後にニラをドバっと投入する。そうでなくてもニラはいい香りがするので、いい香りがし始めるが、再び蓋をして、1分間だけ加熱し、後は火を止めて蒸らす。Photo_8

 こんな感じでございますな。お願いだから、二日続けての失敗はやめてよね。二日続いたら、私がいくら「お粥を」と言っても、私の意見が無視されてしまうかもしれない。毎回、次回のチャンスが残るか消えるか、言ってみればこれもまた「真剣勝負」だ(そんなに切羽詰ってはいないが、食材からみたらそうだろう。自分が美味しい料理に変えられて、みんなに喜んで食ってもらえるか、ネコがまたいで後ろ足、になるかは料理人次第なんだから)。Photo_9

 蒸らすこと何分だったかなあ(まだ酒盛りが続いていたので、すぐには食べなかった。でも3分も4分も放置していたわけではない)、こんな感じになった。これは美味しそうである。私は傍に置いてあったお酒を忘れて一口食べてしまったくらいだ。Photo_10

 はっきり言って「旨い!」。☆は12個くらいつけてあげてもいいと思う。アミの味がしっかりとしていて、ニラがまた泣かせる。一番心配していたラードが、なんと熱を伝えてくれるので、一発で身体が内部からあったまる感じである。違和感がない、昨日のように炊きすぎていないので、さらりと仕上がっているのがまた嬉しい。

 そして私は、またしても次のお粥作りへの意欲を強めたのだった。成功体験は人の積極性を増してくれる!

Photo_11 http://review.rakuten.co.jp/item/1/213310_13086398/1.0/

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2009年1月13日 (火)

何でも実験癖・10 ~香菇粥を香菇生姜粥に変えて作る~

 夕食のお粥は実に身体に良い(と思う)。食べてから睡眠まで時間が短くても、簡単に消化ができるようで、最近は下腹が軽く感じられる。おかげで先日の練習で、久々にスプリントトレーニング(短距離走)がしたくなって、身体がそこそこ動くものだからやりすぎてしまった。いつまでたっても若気の至りが治らないと、自分でもあきれ果てている。でも体調はいいよ。

 さて昨Photo夜は「香菇粥」を作ってしまった。日本語に直せば「シイタケのお粥」である。まずこれがどんなものか、テキストに掲載されているのを紹介してみよう。

☆ 材料:シイタケ30g、白米100g ☆ 調味料:お塩、胡椒粉各小さじ三分の一、鶏精(鶏がらスープの素)小さじ半分、ゴマ油小さじ1杯。 ☆ 作り方 ① シイタケを水洗いし、石つきを取り、スライスする。お米はといでおく。 ② お米とシイタケを鍋に入れ、適量の水を加え、強火で加熱し、沸騰したら火を弱火にして調味料を加え、30分程度にて完成。

 これはあくまでテキストに書いてあることであって、我が家でも同じことをする必要はない(と勝手に決めた)。美味しければそれでいいのである。私は美味しいものが好きだ。いくらテキストに忠実でも、美味しくなければ料理する意味がない(もはや実験ではなくなっている……)。

 まず同じように、シイタケを水洗いし、石つきを除く。Photo_2 最近私は気がついた。あちらのお粥料理の本を見ていると、具が少なめに書いてあるように感じるのだ。こういった欠点はどんどん改良していかなければならない(もはや実験とは絶対に言えない)。だいたいお店で買ってきた材料を残しても、あとあと邪魔になるばかりである。食べるのを一日延ばしにしていて悪くしてしまったら、元も子もない。そこでシイタケは1パック全部ぶちこむことにした。重さにして約130gである。

 テキPhoto_3ストの写真を見ると、確かにスライスと書いてあるのに、スライスには見えない。私はここはテキスト通りにスライスにした(変なところだけ、テキストに忠実である。でもここまできたら、絶対に実験じゃない)。 後は寒かったので、生姜も千切りにして加えることにした(6gである)。ついでにテキストには彩りみたくミツバが添えてあったので、ミツバが大好きな私はこの部分を拡大解釈して、25gも入れることにした。もう実験なんてくそ喰らえである。美味しければそれでいいんだよ!

 準備物を紹介しておくと、右上から白胡椒粉(普通の胡椒でかまわない)、、半時計まわりに鶏精(鶏がらスープの素)、お塩、ゴマ油、お米(5勺=半合)、ミツバと生姜、シイタケスライPhoto_4スである。

 次にすること(同時進行してちっとも差し支えない。私が不器用だから、一つずつやっているだけである)はお米をとぐ。これも大体でいい。あまりとぎすぎると。栄養分がなくなってしまうというのは、はるかな昔、小学校時代、家庭科の授業で習ったことだ。

 これにおPhoto_5水を5合(900ml)入れて強火で加熱する。基本的に噴くまでは強火である。そして噴いたら弱火にするのだが、そのときに調味料を入れておく。ちょっとお塩が少なかったような木がしたけど、そんなもん、味が薄かったら食べるときに加えればいい。だいたい中国では食べるときに塩を入れるのが多かった。「味は食べる者が好きにすればいい」という感じである。

 なおシイタケはテキスト通りには使わなかった。お米と一緒にぐつぐつ煮込んだら、シイタケがとろけてしまうかもしれないからだ。これは火を止める直前にすればいい。そしてここから酒盛りが始まってしまった。結果論になってしまうが、ここでの酒盛りは少しまずかった。というのは酒盛りを始めてしまうと、時間がいい加減になってしまう癖があるからだ。

 気がつくPhoto_6と、どうも10分がた長く加熱してしまっていた。お湯が少なくなって糊になる寸前である。あわてて熱湯を加えたが、いつものさらり感がない。「ええい、ままよ」とばかりに具材をどっと放り込む。これがまた失敗のもとである。一度失敗すると、集中力がなくなってしまうのか、どんどん破れ目が拡がっていく。とほほほ……

 でも外見はPhoto_7立派なもので、こんな具合で進行していった。 そんなにひどくもない。匂いはちょっとミツバの匂いが強すぎるかな程度だが、先日の「七草粥」に比べれば、むしろおとなしいくらいだ。3分くらい弱火で加熱して2分くらいは蓋をしたままで蒸らし、蓋を取ったらまだ沸騰が続いていた。 あとは食べるだけである。

 こんな感じPhoto_8で、ハフ、ハフと食べる。ちょっと加熱しすぎで、せっかくのミツバがキャラ立っていない。塩も量も少なかったのではないかと思ったが、相方は薄味好みなので「これでちょうどいい」と言ってくれる。私と母は、お塩を一振りして食べる。味は悪くない。ちょっとすっきり仕上がらなかったのは、やはり酒盛りのせいであろう。

 でも「寒いから」と入れた生姜の味は際立っていたね。それに身体が中から温まる。「う~~~~っっっ!!」って感じかなあ。まあ改善点はいくつか感じたけれど、決定的なのは、やはりミツバはお粥をよそおうときに入れるようにする、くらいかな。なんてったって、生姜がピカ一だったよ。

 でもいくつか失敗(ケアレスミス)があったので、☆二つと半分ってとこかな。漢方的効能は「胃を養い、体液の分泌を促し、むくみを取る」と書いてあった。だいぶ変形したから、効能も変わったかもしれないけど。

 いやあ、冬の晩御飯はやっぱりお粥ですわ! 今日も作るぞーっ!!

Photo_9

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2009年1月12日 (月)

内閣支持率

 内閣支持率が危険水域の20%を切ったのだそうだ。反対に不支持率は70%を超えたという。それでも現行内閣がそのままであるというのが不思議な現象だが、どんな人でも、自分がまったく相応しくない状況や、相応しくない時代に生まれ合わせてしまったら、どうにもこうにも仕方がないことかも知れない。

「乱世の姦雄、治世の能臣」と言われた、『三国志』で有名な魏の曹操のような、どちらでも自分の持ち味を出せる人物は、そうそういるわけではない、曹操だけに(すんません、疲れが溜まっているようです。駄洒落が増えるのは、私が疲れている証拠)。

 私自身は麻生さんに人間的魅力を感じないこともないから(前総理、前々総理、前々々総理に比べれば、人間的には愛すべき人物かも知れないと感じている。まあこれも大して根拠があるわけではないけど)、お気の毒に、程度の感想はある。

 でもいざとなった時には、「マンガ好き」とか、庶民的な感じを振りまいていた「オタク風」とか、学生と飲みながら話をするとか、スーパーなどに視察に出向くとかといったパフォーマンスは、大して力にはならなかったみたいだね。政治家としての能力や、行動に、うまく反映させることができなかったんだね。

 毎日をこの不況の中で暮らしている我々国民とすれば、現実的な政策が提示され、それが成果を挙げていかなければ、なかなかその人を評価するわけにはいかない。定額給付金問題にしても、あれこれ議論したりしないで、さっさと何かをやっていれば、こんなに面倒の種にはならなかったと思うんだがなあ。

『史記』に平原君と李同の話が出ている。天下統一を狙う秦の大軍に首都・邯鄲を包囲され、滅亡に瀕したた時、邯鄲の小役人の子、李同が平原君に進言する。「君不憂趙亡邪(あんた、趙が亡ぼうとしているのに、心配ではないのか?)」

 すると平原君は「趙亡則勝為虜。何為不憂乎(趙の国が亡んだら、私…勝というのは平原君の名前…は捕虜にされてしまう。心配でないわけがなかろうが)」と答える。これを聞いて李同は追い討ちをかける。

「邯鄲之民、炊骨易子而食。可謂急矣。而君之後宮以百数、婢妾被qihu、余梁肉。而民褐衣不完、糟糠不厭。民困兵尽、或剡木為矛矢。而君器物鐘磬自若。使秦破趙、君安得有此。使趙得全、君何患無有。今君誠能令夫人以下編於士卒之間、分功而作、家之所有尽散以饗士、士方其危苦之時、易徳耳(邯鄲の人間は、骨を燃料として燃やし、子供を取り替えて喰らわねば食うものもない。もう限界じゃ。じゃというのに、あんたの後宮には妾が百人もおるというし、きれいな着物で着飾っておるという。旨いものを食べ喰らっておるというじゃないか。物が不足して、木を削って矛や矢の代わりにしておるというのに、あんたの屋敷は銅の器で満たされておると聞いておる。もしも趙が滅びたら、あんたもおしまいじゃというのがわかっておるのに、何もせんでのんびりしとる。わしがあんたを冷淡じゃと言うたのは、ここのところじゃ。あんたは趙を救わにゃ生きていけんとわかっておるのに何もしようとはしておらん。じゃからあんたとこの女どもにも兵隊と一緒に働かせりゃあええ。物も供出しんせえ。みんな困っとる時じゃからこそ、あんたの徳が上がるっちゅうもんじゃろう)」

 平原君の偉いところは(この人は結構無能なところもあって、秦に趙攻撃の口実を与えてしまっていたりする)、李同の進言を入れて、言われたことをやったところである。すると兵士たちや邯鄲の市民は感動して、決死隊を募って秦に反撃し、楚と魏の援軍が到着するまで守りきったというんだね。李同は途中で戦死するんだけれども。

 まあ『史記』では有名なお話だが、要するに定額給付金などと言って、国家予算で全国民に12000円程度を配ったというだけでは、誰だって感動はしない。どうせ出所は、自分たちが払った税金なんだからね。でももしもこれが麻生財閥の個人資産からだったら、えらい反応は変わるだろうね。

 人は「心」で動くものだけれど、「心」を証明するものは、物的な援助であったりする。物資を援助する人間の「心」を感じるんだよね。もしも麻生さんの定額給付金に「心」を感じていたら、国民はきっと彼にとって望ましい反応をしたと思うよ(ちょうど太平洋戦争後、日本の最大の敵国であったにもかかわらず、アメリカ贔屓になった人間が多くなったのも、アメリカが復興の援助をしたことと無縁ではないだろう。その頃はまだ生まれていなかったからよくは知らないが)。

 前の「ふふん」爺さんだって同じだ。「あなたとは違う」と公衆の面前で質問した記者に言えるくらいなら、そして政治を放り投げて麻生さんに尻拭いをさせるくらいなら、自腹を切って現総理に協力すればよさそうに思うのだが(せっかく「あなたとは違う」んだから)。国民は、現総理も、前総理も、前々総理も前々々総理も、そのまた前の総理も、大金持ちだということを知っているんだよ。

 自分たちがやった政治のために国民に迷惑をかけているという反省があれば、少しは平原君の真似でもしてみたら。歴史教育が大切だと彼らは口では言うだろう。でもご自分はそんなことをしようとしないのなら、所詮歴史なんて、受験の為以上のものにはなれない。そんな学問なんか、やるだけ時間の無駄だよ。

 きっと麻生さんは、定額給付金をいうものを思いついたとき、これで国民を活気付けようとしたと思う。でも現実はそんなものではどうにもならないくらい、国民の心は冷えていたんじゃないかな。そうこうしているうちに政治家さんたちの中にも、「揚足を取る」人たちがたくさん現れてきたしね。

 根本的に社会の「うわべ」だけしか見てこなかったから、こんなミスをやっちまうんだろうね。前の「ふふん」爺さんのときにもあったじゃないか。「まさかGW中に(ガソリンの)値上げをするとは」と言った閣僚がいたよね。それだけ庶民の感覚とずれた世界に住んでいるんだよね、あの人たちは。

「それでも(ガソリンの値段が)ヨーロッパよりは安いんでしょ」なんてことを言った大馬鹿者もいたけれど、そんなことを言っているうちに、国民は車をは異なる交通手段を選択するようになった。すると車は売れなくなる。車が売れなくなれば、車を作っている工場は潰れる。それが今の姿だよね。だから車関連の大不況を作った犯人が誰かなんて、すぐにわかることだよね。大企業があることによってなんとかやりくりしている地方公共団体なんか、下手すりゃ生命取りだよ。これで一国の舵取りを間違わなかったと言える?

 でもすんだことは元には戻せないから、せめて罪を償ってほしいよねえ。今の内閣の支持率が低いんだって、今の総理大臣だけの責任じゃなくて、今までいい加減なことでお茶を濁していたツケが積もり積もったもんだからね。政権を放り投げた次の瞬間から、「あたしゃ関係ございません」なんて顔をされても困るんだよね、国民の一人としては。

 昨年の岡山県知事選挙でも、現職の知事に対して、新人の、とても政治などできそうもない方が立候補された。私はどちらにも投票できないと思っていたので、悩んだ結果、珍しく投票拒否をした。でも新人候補は大善戦したんだよね。当選した現職は好き勝手を言っていたようだが、これって現職の知事に辞めてほしいという人が多かったという、県民の意思表示だと思わなければならないよ。

 私だって3人目に、政治家としてそこそこ名のある人が立候補していたら、迷わずにその人に投票したと思うからね。「とにかく今のままではいけない」という意思表示は、いろんな形で出る。それに対して謙虚に理解して、対応してもらわなければ、給料の僅かな変化にも敏感にも対応しなければならない我々一般市民にとっては、とても生きていきやすい社会とはいえないよ。

 本当はこんなことを書かなくてもいい政治を期待しているんだけどね。一般市民が政治を気にしなくても軽々と生きていける社会が、政治が最も成功した社会だと思うから。でもそれって、空気や水と同じように、政治が大切だということの証拠なんだけどね。

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2009年1月11日 (日)

伝統文化……

 めっきり寒くなりまして、どうやら本格的な冬の到来かなと思わせる、ここ2、3日である。やっぱり私が散髪に行ったのが悪いのかなあ。以前から何度も告白しているように、私が冬に散髪すると、なぜかしら寒くなるという流れが起こる。今回の散髪は、覚悟の上だったんだけどね。

 でももっと心を寒くすることが、世の中にはいくつもある(財布を寒くする出来事なら、枡で測って、太平洋を埋め尽くすほどある)。今日はその中の一つを取り上げてみたい。それは横綱・朝青龍のことである。

 昔から憎らしいほど強い力士の中には嫌われる力士もいた。一時期朝青龍もそんなところがあったように記憶している。でも昨今の朝青龍に対する非難は、ちょっと度を過ごしているんじゃないかと思う。もちろん、彼の行動が、横綱に相応しくなかったとか、日本の相撲を舐めているんじゃないかと思っている人もいるのだろうけど。

 事実、今まで大相撲の横綱といえば、特殊な存在としてみなされていたみたいだ。人でありながら、腰に注連縄を巻いているんだもんね(注連縄でなかったならごめんなさいね)。これは人というよりは、むしろ神に近い存在の証拠(?)かなあ。

 だから横綱に「完璧」を求めるのはわからないではないよ。でも横綱は神様ではない人間なんだからねえ。ミスもすれば過ちを犯すことだってある。第一土俵でだって負けることがあるわけじゃない。だったら人間扱いをしてあげようよ。

 よく「日本の伝統」なんてことを耳にするけど、もしも本当に日本の伝統を最重要視するのであれば、日本に生まれ育った人だけで大相撲はやっていくべきじゃないかな。歴史と伝統なんて軽々しく口にする人はたくさんいるけど、同じような顔をしていても日本には日本の歴史と文化があるし、韓国には韓国の歴史と文化があるし、中国には中国の、モンゴルにはモンゴルの、ロシアにはロシアの、ハワイにはハワイの、トンガにはトンガの歴史と伝統文化が存在する。

 歴史と伝統なくして、その国や地域の現在はありえない。だから歴史と伝統が違えば、ものの考え方や価値観は違って当然だ。だからもしも大相撲が、「日本の歴史と伝統」を声高に唱えるのであれば、まず「日本の歴史と伝統」を身につけた人たちだけで行うべきだと、私は思うね。

 もしも外国から体格的に恵まれた人たちを入れるのであれば、体格的に恵まれた人たちは大相撲では有利だから、当然上のほうに上がってくるだろう。横綱にだってなれるかもしれない。すると彼らが生まれ育った地方や国の伝統や文化や価値観、考え方なんかが入ってくるのは、どうしても避けられないことではないのかな。

 それでも「日本の伝統文化」といいたいのであれば、それを身につけるに十分な教育をすべきだと思うよ。そうでなくても外国からきた力士は、言葉や食べ物の違いだけでも苦労しているのではないかと思うし。交通機関だとか読み物とか、テレビだとか、そういう、そこの国の人間にとって当たり前のものだって、理解できるようになるには、けっこう時間がかかるもんなんだよ。

 確かに大相撲では相撲のことを学ぶ学校があるのだそうだけど、それって日本人力士用のものではないの? でも外国から来た人たちは、着物の着方、履物の履き方、挨拶、お箸の使い方、トイレの使い方(外国へ行くと、これで戸惑い、ホテルのトイレ以外を使わなかったこともあるくらいだ)、電車やバスにどうやって乗ればいいか、お金はどれがどういう値打ちを持っているのか… 生活に密接に関係しているものになれるだけでも、問題はまだまだたくさんあるよ。

 それらは時間をかけて人の真似をすれば、何とか身につくかもしれないけれど、歴史とか伝統とかになると、その国で暮らしていれば、生活の中で知らず知らずのうちに、おぼろげながらも情報が入ってくるかも知れないものでも、育った地域や国が違ったら、まったく何の情報もないわけだからね。

 だから親切に教えてあげなければ、細かいところがわからないままになってしまうことだって、当たり前のことではないかな。まして若いうちから短時間で番付表を上の方に上っていく人たちは、稽古はへとへとになるまでやるだろうし、疲れきった身体に鞭打って、知らない伝統文化を学ぶことは、そんなに簡単ではないと思うよ。

 よく外国人力士について批判的なことばかりを口にする人は、もしもご自分が、その力士が生まれた口や地方に行って、そこの伝統的な格闘技をやってみたとしたら、なんて考えたことがあるのだろうか。大変なんだよ、体調を狂わせないことだけを取り上げてみても。普通の生活を送ることだけでも。その上に稽古を鬼のように積まなければならないとしたら、頭で考えただけのように簡単にはいかないものなんだ。まして最初はパシリみたいなもんだろうしね。

 私は特に朝青龍のファンだというわけではないけれど、彼が大相撲界に貢献した部分もあるわけでしょ。もちろん問題も多々あったように記憶しているけれど。でも今は初場所の出来が悪ければ「引退」なんて論調が多すぎると思わない?(そんな意見があってもかまわないけど、あまりに多すぎないかなあ?)

 横綱としての資質を問うのであれば、横綱に推挙した人たちもいるわけだし(最後まで反対した人もいるそうだが)、そういった人たちには責任はまったくないのかな? まるで今の日本の政治を見ているみたいだよ。ましてや今の朝青龍は不調で、言ってみれば「弱り目に祟り目」という状態なんだよ。これって一種の「イジメ」なんじゃないかと思いたくなったりするよね。

 もしも朝青龍の行動が相撲協会では許しがたかったことだとしても、日本の伝統文化を身につけさせてこなかったのは、相撲協会の落ち度もかなりの割合であるような気がするんだがなあ。横綱になったのは、さっきも言ったとおりだし。

 今後もこのような問題は、まだまだ起こると思うよ。「強さ」を最優先すれば、体格的に大きな、運動神経が発達した人たちが入ってきて、これは日本人以外の力士が増えることになるだろうから、「歴史と伝統」は軽くなるだろうし、「歴史と伝統」にこだわって日本人力士にこだわり続ければ、タレントの不足から、「強さ」のほうがどうしても軽くならざるを得ないように思うね。

 その中庸を歩くのであれば、やはり「伝統文化」についての指導も、親切に行う必要があると思うけどねえ。私はこの「歴史」や「伝統」「文化」というものの勉強は、何かを学ぼうと思う人には不可欠だと思っているけどね(だから武術関連のものはほとんど買ってこなくても、歴史・哲学・文化関連の書物は山のように買い込んでくる)。そこの国の人間になるつもりはなくても、学ぼうとするものを理解する鍵は、案外「歴史、伝統、文化」の中に隠されていることが多いから。Photo

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2009年1月10日 (土)

長いものには巻かれろ?

 世の中不景気で、定額給付金の扱いを巡っても、相変わらず景気が好転しそうにない感じが強い今日この頃だが、こういうときこそ「長いものには巻かれろ」という生き方について考えてみたい。

 基本的に私はマイペースで生きている人なので、「長いものには巻かれよう」などと考えたことはない。自分のペースで生きることができていれば、それだけで幸せな、幸福モノだからである。

 しかしガソリンが途方もなく値上がりしたときには、長年使っていたガソリンスタンドを見限って(高かったのだ!)、少しでも安いところを探した。ガソリンが安いということは、自分のフットワークを保障してくれやすくなるからだ。

 あまりにも情勢が厳しくなれば、どうしても人間は、自分が有利になるほうを選ぶようになる。その結果が今の政局なんかに影響を与えているのだろう。今のままであれば、生活はどんどん苦しくなってしまう。先行き不安だ、などという見方しかできないので、現在の政権に信用がなくなっているのだと思う。

 これも「徳」が欠如したために起こったと、私は思っているんだけどね。「徳」というと「道徳」の「徳」のように考える人がほとんどじゃないかと思うけれど、実際に政治を行う者の持つべき最高の「徳」は、国民・市民がいかに安定して、豊かな生活を保障することに他ならない。

 それがなくなれば、少々潔癖だろうが、ハンサムだろうが、気の利いた言葉を喋ろうが、「徳」は欠如している。逆に言えばそういう御仁を我々の代表として選んでしまったら、有権者のほうの間違いだったということになる。でも誰を選んでも同じみたいだったら、悩むけどね。

 もともと「長いものには巻かれろ」という考え方は、処世術として語られてきたのではないかと思う。強いもの、優勢なものについていくと得をするというのが一般的意味合いだと思うが(象の鼻…長いもの…に巻かれた猟師が獅子を石弓で倒し、象の墓場へ連れていってもらい、象牙で大もうけしたというのが原典らしい)、さて現代で象の鼻は何なのか、それがなかなかわからないから苦労するんじゃないだろうか。

 それで私は、たいていの場合、マイペースで生きることにしている。そして「長いもの」らしいものがあっても、「巻かれてよい場合」「巻かれてはいけない場合」を考えることにしている。というのは一見「長いもの」に見えたものの中に、とんでもない「食わせ物」がいることも少なくないからである。

 選手の指導をしていると、一見「長いもの」に見える指導者の中に、実は長くもなんともなく、有望な選手候補生を食いつぶすばかりしてきた人が混じっているのを見ることも少なくなかったからだ。

 明らかに「末はオリンピック代表クラスだろうな」というような選手を集めて、活躍させることもなく競技できなくしてしまう(無茶な練習をさせたり、自分の我を選手に押し付けたりして壊す)人も、見かけたからである。

 いいタレントを、一見「長いもの」に見える外見でかき集めるから、それなりに地方ではそこそこの成績を残す。でもその強さは、他のチームに優れたタレントが行かないようにしたために、相対的に起こった現象としての強さである。よそのチームが弱ければ、それより少し弱くないだけで、まるで「強い」かのように見えてしまうからである。

 特に地方ではこういったごまかしが通用する。全国レベルの競技会へ出場すれば、すぐにメッキが剥げてしまうけどね。そんなことを続けているうちに、どこかのチームが本腰を入れて強化しはじめたら、まったく勝てなくなってしまった。同時に「長いもの」に見えた本当の姿が、ぜんぜん長くもなんともないのがバレて、優秀なタレントも集まりにくくなってしまった。

 だから「長いもの」かどうかは、自分でしっかり見分けなければならない。「長く」は見えても、それが自分自身の属性でなく、他からの借り物であったり、何かを食いつぶして「長く」見せかけていたりしたら、そんなものに巻かれたら、大変な損をするのはあなた自身かも知れないからだ。

 私はマイペース人間だが、一応「巻かれてもよい場合」は、第一に自分が明らかに得をする場合。第二に自分も得をするけど、相手にも得をさせられる場合。第三に、周囲のみんなに得をさせられる場合、と決めている。これから外れていると、巻かれたことで後悔するから、巻かれない方を選択する。

「巻かれてはならない場合」は、相手が自分の利しか考えていない場合、みんなにとってマイナスになると思った場合である。自分のことしか考えていない人は、必ずこちらのマイナスになるかどうかを考えてはくれない。そしてもちろん、周囲の迷惑になっていても無視して自分の利ばかりを追いかける。こんなものに巻かれていたら、自分が一時的にいくらか利があったとしても、周囲から恨まれる。だから全体としてみればマイナスになっている。

 周囲のものをなんとなくひょいと利用して知らん顔をする人間っているじゃない。これはこちらに関係ないのに、勝手にこちらを巻き込んでいる人間達だけど、こういう人たちともあまり長く付き合う必要はない。人のものを勝手に利用する奴なんて、どうせ他人を便利に使って、使い捨てにする気しかないんだからね。

 今までそんな人間をたくさん見てきた。私の置き傘を勝手に(7本も!)使っていた男は、出世はしたけれど傘は一度として、私がもと置いていた場所に戻したことはなかった。そしてこの男との付き合いがなくなっても、私には何のマイナスも生じなかった(傘がなくならなくなっただけ、マイナスが減ったというべきだろう)。

「これをやっておいたら将来のあなたのためになるから」と言って、理不尽な仕事を引き受けてきて部下に放り投げ、苦労させた上司。言われたことをやっても「将来のためになった」人間は一人もいなかったけど、この男がいなくなって、誰も損はしなかった。病院通いをする人間が少なくなった分だけ、マイナスが減ったというべきだろう。

 私のところで開発した練習方法を、その意味も詳しく理解しないで、あちこちで、さも自分が考案したような顔をして披露してくれていた人たち(レベルの差はあるが、かなりいたね。相当な有名人も含む)。彼らと付き合いがなくなって私にマイナスがあったかというと、あったかも知れないが、残念なことに私の上達するスピードは、上がりさえすれ、鈍ったりはしていない。全体としてみれば、マイナスよりはプラスのほうが大きいと思うよ。

 一見「長いもの」に見えていても、「長い目」で見ればいろんなことが見えてくるから、やっぱりマイペースが一番かと思いますね。マイペースの中に、時には「長いものに巻かれたり」時には「長いものからは離れたり」という現象があってもいいと思う。

 だって滅多なことに、象の鼻に巻かれたりしないし、その状態で獅子と出会ったりすることもないし、石弓で獅子を倒すとこだってないだろうし、象が象の墓場まで連れていってくれたりはしないから。

 だいたいそういう前に、自分が猟師でなければならないし、石弓が上手で、しかもうまい具合に石弓を持っていなければならないし。ごく稀にそういった超ド幸運があったりはするんだろうけど。でもこれは宝くじに当たる確率よりは高くないと思うからね。

 だからマイペースが一番なんじゃないかと、私は思う。でもこれも、本当はどこかにゆとりがあって出る言葉ではないかと、自省したりしている。ちなみに今年私が標語に掲げているのは「余裕」という言葉なんだけどね。でも「余裕」がない状態も、実に私にとっては身近な状態なんだけど。だからこそ、今年は「余裕」を持って生きていきたいと思うPhoto。こうなったら、「武士は食わねど高楊枝」?

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2009年1月 9日 (金)

マンガ好き・9 ~懐かしい匂いの『柔道部物語』~

 いや、寒くなりましたな。にもかかわらず散髪に行ってきた私です。まあ、なんとか寒いめにあわないようにして、早く短い髪の毛に慣れることが先決ですな。

 時々「慣れ」は良くないとかいう御仁がおられますが、「惰性」に流れる「慣れ」は良くないかも知れませんけど、短い頭髪などには「慣れ」は絶対に必要です。ちょうどイヌイットの人たちが厳しい寒さに「慣れ」ているようなものですな。

 散髪した短い頭髪に「慣れ」ると、風邪はひきません。厳寒の気候に「慣れ」なければ、人は死んでしまいます。死んでしまっては何も出来ませんから、「慣れ」なければならないわけです。

 練習だって同じで、初めて体験する練習でものすごい効果が上がるかというと、私なんかはちょっと疑問符をつけますね。練習が効果をあげはじめるのは、その練習に「慣れ」てからだと思います。

 いつも例に挙げるように、どこかに行くにしても、道に迷わないように気をつけている段階では、道端に何があるかもわからないし、ちょっとした近道にも気がつきません。道がよくわからないうちに近道をしようとすれば、道に迷ってしまうことも少なくはありませんからね。

「慣れ」ると「勘」が利くようになりますから、いろんなことが気がつくようになり、何をしても得るものが多くなるわけですね。もちろん、完全に慣れ切っていない方が、新鮮味があるかも知れませんPhotoけどね。まあ、ジーパンを履いても、似たような感じはありますな。

 久々の『マンガ好き』ですが、今回は小林まことさんの『柔道部物語』でございます。このマンガは随分昔に出合ったように感じております。しかしながら最後のクライマックスを迎える高知インターハイの柔道会場には、実は私もいたんですな!

 ちょうどこの時は台風が来ておりまして、その中を、陸上競技のお師匠様K先生と、ルンペン旅行(我々の間ではこう呼んでいる。オートキャンプをしながらインターハイをやっている会場まで遊びに行ったわけ。今でもK先生はこのときのことを、とても楽しそうに語られる)としゃれ込んだわけですな。

 最初の日の夜は、四国山中で野宿いたしました。台風のお陰で蚊はいなかったけど、谷川の音(「せせらぎ」なんて生易しいものではなかった。台風による増水で、水音がうるさく、私はほとんど眠れなかった)を枕に過ごし、その次の夜は、インターハイのソフトボール会場(すでに春野に着いていたので、そこから移動するのが面倒だったから、あまり警備が厳しくなさそうな会場にもぐりこんだままで過ごした)で寝ていた。

 恐ろしかったのは春野の競技場の蚊である。小型のトンボくらいあったのではないだろうか(多少、誇張が入っている)。これに刺された私は、なんと半年間痒みがなくならなかった。夜はキャンプの定番、カレーを食したのであるが(なんとなくK先生が嫌そうだったのだが。まあ、カレーは後始末が大変だからね)、ビールをしこたま飲み、酔っ払った勢いでコンクリの通路で寝てしまおうと考えていたら、雨にぬれないところには蚊だっている。それで刺されてしまったのだ。

 痒みにも耐えてやっとうつらうつらし始めたと思ったら、今度は寝返りを打ったK先生に頭をけられて、結局寝られなかった。翌日の早朝、警備員の方が我々を見つけ、「おっ!!」と驚きの声を出されたのだが、すんません、シカトしてしまいました。今だから白状します(もうそろそろ時効が来ているだろうし)、あのとき河岸のマグロよろしく転がっていた片割れは、何を隠そうこの私です。

 陸上競技場でも観戦はしたのだが(K先生の解説付きで)、何しろ台風がほとんど直撃したのでびしょ濡れになってしまう。何度となくスタンドの陰に避難したけれど、隣をふと見ると、あら旭化成の宗監督じゃない。あらら、こちらはSBの瀬古監督。なんとまあ豪華な顔ぶれだったが、みんな同じように雨宿りをしていた。

 今だから言うが、あのとき隣にいた、あまり目立たない男(たぶん)が私だったんですぞ! それでも退屈なので、近くにあった柔道会場に顔を出したんですな。まさかそこが『柔道部物語』クライマックスの舞台になるとは知らなかった(だから連載は読んでいなかったんですな)。きっと作者の小林まことさんも、同じ会場にいたんでしょうな。まさか私のようにルンペン旅行はしてなかったでしょうが。今なら「ホームレス狩り」に遭うかもしれないわ。怖いこと、怖いこと……

『柔道部物語』の好きなところは、才能は否定しない、努力も否定しない、努力が必ず報われるなんて甘いことも言っていない、ただあるがまま(きっと作者もそんな経験をしたことがあるんでしょうな)を描こうとしていることだ。

 小林まことさんの作品は、最後には主人公が感動的な勝利をする(とってもストレスが溜まらなくていい!)けれど、そこへ持っていく道筋がいいよねえ。そしてライバルが悪役であったりすることもあるけれど、本作品では最後はライバル西野も本当はいじめられっこから努力で強くなってきた人間でなんてことが書いてあってとてもよい。

 たまにたいした努力もしないで強くなる人もいるけれど(小林まことさんの作品では『1,2の三四郎』シリーズなんか、そんなノリで描いているように感じるけど。結構苦しい練習を笑い飛ばしながら描いている部分があるからねえ)、やっぱり大抵の人は努力が不可欠だから。

 何かを間違えて高校で柔道を始めた、三五十五(主人公の名前である!)が、ド素人から様々な出会いを通じてインターハイチャンピオンになっていく過程が、とても楽しい(言っとくけど、小林まことさんの描き方が楽しいから、楽しく読めるだけで、実際にこんな練習をしたら、とてもきついと思うよ)。

 中でも私は、 五十嵐監督の「もう何もいうことはない。努力がむくわれるのか、勝負の厳しさを思いしらされるのか、じっくり見させてもらうぞ」という、金鷲旗大会の前の言葉が大好きである。(実は私も自分のところの選手を試合に送り出すとき、何度となく心の中で同じようなことを言ったことがある)

 勝負の世界を知らない人って、簡単に「努力はむくわれる」なんてことを口に出してくれるじゃない。でも大きな試合に出るくらいの選手なら、誰だって努力はしているんだよね。そこでは努力するのが当たり前。努力しなければ、その試合場にいることすら許されないってのがわからない人は、「努力してさえいれば…」なんてことを言うことが多いんだよ。

 頂点を目指す人間は、実際に凄い努力をしているものだ。その中で勝敗が決まっていく。だから勝つことが尊いわけだし。私もかつては、「ここまでやっても届かない人がいるのか」と思ったことが何度もあるからね。

 ……好きだなあ、こういう世界。「努力は必ず報われる」なんて言葉があっさり否定されかねない世界だよね。でも努力していなければ、そういった世界の門を開けることもできないんだ。だからきっと今の私がいるんだろうと思うよ。

 そういったことを読むたびに思い出させてくれるので、私は『柔道部物語』が大好きだ。先日からの大掃除で何処Photo_2からともなく現れて、読み返すことができてとても幸せだった。

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2009年1月 8日 (木)

おっと、びっくり!!

 お粥のお陰で、正月の運動不足、食べすぎによるダメージを小さくすることができた。このままお粥効果が進行して、体型がメタボ体型でなくなったらどうしよう。変なことで不安になっている今日この頃である。

 実は畏友、岡大医学部病院のI先生が、昨日のブログを読まれて、脂肪を落とすことと血圧との関係を教えてくださった。先生のお話では、体型は血圧とは直接には関係なく、痩せている人の中にも、血圧が高い人はいくらでもいるということである。

 なんでもかんでも痩せていればいいという短絡的な考え方が、我々一般人を変なダイエットブームとか、メタボ撲滅運動に走らせているのは事実らしい。年頃の男女が、自分のスタイルを気にするのは当然かもしれないから、このあたりのことはほどほどにしておいたほうがいいのではないかと思う。

 基本的に私は、「動きにくくなければ、どんな体型でもOK」と考えているので、個人差が大きいものではないかと思っていたけどね。でも岡山市が「メタボ検診」をやると言い出したとき、最初にウェストサイズを測定すると言っていたので、まず最初にこれでカチンと来たからね。

 ウェストサイズは数字で出る。数字というやつは、いいも悪いも、とてもわかりやすい。これだけで人間性まであれこれ(セルフコントロールがどうのこうのと、日本はアメリカじゃあないのだ)言われるに及んで(例えば、「あなた、メタボ体型ね。うふふ…」ってことばだって、十分に人を傷つけ得るからね)、絶対にこういった考え方を認めまいと思っていたからね。 

 まあいいや。世間でも「メタボ」という言葉を、少しずつではあるが、耳にする機会が減ってきたし。それにお粥を盛んに食べることで、もしも私がメタボ体型でなくなったとしても(もともと私は大変痩せていた。今の体型は涙ぐましい努力をした結果、手に入れたものだ。まさかここまで横に成長するとは思わなかったけどね)、それもまた自然な成り行きなのかも知れないから、容認しちゃおう。(その時はダイエット本でも書きますか……)

 お粥を食べるにも、次々に新しいメニューを開拓していかなければ、飽きがきてしまう。それで訪中したときに買っていた本を読んでみるのだが、先日相方が「これ、本当に食べれるん?」と言い出した。そこに書いてあったのを見て、私はこけた。「竹葉粥」と書いたものが載っていたからだ。Photo

 きっと私はこのお粥を作ることはないと思う。だがあまりに私の常識から逸脱したものだったので、紹介してみよう。

 材料は竹の葉60枚、石膏90g、粳米100gで、調味料は砂糖30gとある。竹の葉はジャイアントパンダのお国柄だからまあ許せるとして(私は絶対に食べようとは思わないが)、石膏ってのは何だ? これも最初に騒いだのは相方であった。で私はさっそく調べてみた。

 すると驚くべきことに、この建築の材料に使われたり、焼いて塑像や鋳型の製造に使われるものが、漢方では生薬として解熱、鎮静薬として用いられるんだって。これはぶっ飛びましたなあ。でもそれを読んだあとも、メラミンのお国柄だから仕方ないかと諦めたくらいだけど。

 誰かが本ブログを読んでためしに作ってみられても、健康上の責任は絶対にもてないからね(そのため作り方は載せないことにする)。何しろ秦の始皇帝だって、不老長寿を願って水銀の入った料理を食べて、それで寿命を縮めたという説があるくらいだから。

 これでびっくりしていたら、もっとびっくりすることを今朝のニュースで見た。なんと高額所得者(少なくとも私から見れば、高額所得者であることは間違いない)である政治家の先生方も、定額給付金を受け取ると公言されている方が少なくないのだそうな。以前は確かこれを言い出した本人が、「矜持がなんとか」と仰っていたように記憶しているが。

 もっと凄いことを仰った方もいた。定額給付金を受け取って、食事などに行き、そこで日本経済の活性化に貢献するのだそうな。この人、家は大富豪なんじゃないの?と私は思ったが、大富豪にして定額給付金を貰わなきゃ、食事に行くことすらできないのか。まったく呆れてしまった。

 もしかしたら深慮遠謀があって、定額給付金とは言っても、実際は低額給付金だから、さっさと使ってお金の流れを起こしてくれというつもりで仰ったのかもしれない。でも資産は何億あるのかわからないし、年収だって数千万はある人がこんなことを口にすべきではないと思うよね。

 どんなに庶民感覚のつもりで喋ったとしても、庶民は誰も彼らが庶民ではないことを知っている。あなたの立場でそんなことを言ったら、却って反感をもたれるだけですよと言ってあげたいけれど、きっと頭のいい人らしいから何か他にも意図があるのかねえ。

 江戸の大火事で木曽に走り、山ごと木材を買い占めた紀文(紀伊国屋文左衛門)は、儲けた金で豪遊し、お大尽と呼ばれたそうだけど、これだって紀文は木材を買い占めて市価の倍で売ったことによって儲けた金だ。もしも紀文が買い占めて倍で売らなければ、3倍、4倍と値段が高騰したかも知れない材木の価格を、買い占めることで安定させた功績(?)がある。

 でも市価の倍で売って儲けたから、その後ろめたさを、遊郭などで大盤振る舞いすることで、自分のところにある金を動かして、経済を活性化させたんだよね。現代の世に、紀文クラスの大物はいないのかもしれないが、私はそんな大人物ならば会ってみたいと思う。

 でも定額給付金では遊びにいくけど、自分のお金では日本経済の活性化を図らない人たちは、政治家としても小粒なんじゃないかなあ。少なくとも私は、あまり魅力を感じないよ。それにこれからの日本経済が上向くかも心配だなあ。こんな感覚の人が舵を取っているんでしょ?「竹葉粥」にも驚いたけど、国の舵取りをしている人たちの経済感覚にも驚いたよ。

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2009年1月 7日 (水)

けっ、血圧が~っ!!

 暖冬とはいえ、けっこう寒くなってきた。こうなったら立派な冬だ。冬は風邪を引きやすくなる。これは体温が下がって、人間の身体が最も自然に活性化できる温度ではなくなるからではないだろうか。それで少し疲れたりすると、抵抗力が弱くなっているから、いわゆる風邪をひいてしまうんじゃないかと思っている。

 私の風邪対策は、とにかく身体を冷やさないこと。うがいとか手洗いとかは常識の問題で、風邪ひきが多いところにはできるだけ行かないようにするのなど、原理原則の世界である。それから暴飲暴食も慎んだほうがいいね。身体に余計なストレスをかけると、どうしても免疫が機能しにくくなるから。

 でも運動はするんだよ。運動することは、身体を活性化してくれる。いくら予防を熱心にしても、抵抗力が弱ければやっぱり風邪をひいてしまう。だから運動をして、身体を活性化させておくのは大切だ。でもこの時期に最も気を配っていなければならないのは、運動後である。汗をかいた後をいい加減にしていると、疲れに体温低下が加わって、よけいに風邪をひきやすくなるからね。

 それに寒すぎるときは練習しない。現役の選手で、試合に追われている人たちはそんな呑気なことは言ってられないだろうけど、私は遥か以前に現役を引退した人だからね。引退して以降、試合などの日程に縛られないで、自分の満足がいくかどうかだけに的を絞った練習をしてきた。だからこんな融通もきくんだよね。

 練習した後、体温が下がりすぎるかなと思ったら、練習はお休みすることもある。練習直後は、身体の周囲が「ほんわか」するくらいがちょうどよい(猛烈に眠くなるけど)。その「ほんわか」の中で、汗が自然に乾くのがよい(もちろん、着替えは絶対に必要ですぞ! この時期には「着替え」がなかったら練習しないほうがいいこともある)。

 それから「ほんわか」と本ブログなどを打って、喉が渇いたら美味しいミカンなどを頬ばって(今日はもう6つ食べた)、帰宅したら熱燗で更に身体を暖めておいて、食後はお風呂でゆっくりと温まる。これもベストはちょいとぬるいめのから入って、ゆっくりと熱くしていくのがいい。こうすると古傷さえ痛みにくくなる。これが冬の生活の王道だと、私は信じている。

 こういう生活を確立するには、それなりに時間がかかった。引退したばかりの頃は、現役時代の、とにかくばんばん練習するくせが残っていて、つい練習のほうに力が入りすぎ、身体のメンテナンスがいい加減になり勝ちだったのである。でも身体のメンテナンスをし始めると、練習が計画通りいくことに気がついた。

 そして面白いことに、練習のときも体調がいい方が、いい練習ができるという、当たり前のことに気がついたんだ。時々いるよね、故障しても試合の日までに治ればいいって考えの人が。でもそれでは練習がお留守になっているんだよね。いい練習をしていないと、試合でベストは出せないもんだよ。もちろん勝ち・負けだけを見れば、普段から凄い練習をしている選手は、少々の穴があってもクリアすることもあるけどね(失敗することももちろんあります)。

 だから引退してからの方が、練習は計画通りいくようになったね。実際に引退してからの方が、1試合だけでいいのなら、強くなっていたと思う(トーナメントだと、一日に何試合もしなければならないから、回復力がモノを言うんだよね。そして回復力はやはり年齢とともに低下してくるものらしい。昔はすぐに治っていた…自分で「俺はプラナリアかと思ったこともある…)怪我なんかでも、最近はさすがになかなか治ってくれない。困ったこっちゃ。

 いつも言うように、私は練習で自分の健康状態をコントロールする人間だから、練習ができないと体調は上がらない。だから風邪などは厳禁なのである。だから今日も、僅かな暇をみつけて、ちゃんと練習しましたよ。本日は特に有酸素系の運動に重きを置いた練習だった。

 それから着替えて、あわてて医者に行ったら(閉院時刻寸前、滑り込みセーフだった)、「血圧を測りましょう」と仰る。すでに本ブログにお付き合いしてくださっている方はご存知かと思うが、私は外見はメタボ体型である(血液検査などは、まったくの正常である)。一般的に見たら高血圧でなければならないはずの体型だ。

 どうして太ると血圧が上がるのかというと、身体の末端まで血液を送らなければならないから、高い血圧だいるのだそうな。そういえばキリンなんか、あの長い首の先についている頭まで血液を送らなければならないから、200~300mmHgだと言う。まあ高血圧でぶっ倒れないためのメカニズムがあるらしいから、キリンさんは大丈夫なんだろうけど、人間だと大変だ。

 キリンはスリムだけど、これで太っていたら大変らしい。だからお医者さんは「痩せろ、痩せろ」と言うんだろうけどね。まあどんなに標準体型でのお話ばかりをしても、私のような体型のものにはそんな理屈は通用しない。ザマぁかんかん!といつも私が言っている通りである。

 でも今日はちょっと驚いたよ。たしかに有酸素系の運動をしたら、血圧が下がるのは知ってはいたけど(自分の身体で確かめていた。運動している人間の身体は、なかなか不思議だ)、今日は最高血圧が100切っているんだよ。わたしは思わず「へっ?」と言ってしまった。

 私が最も健康で、体力があった頃、最高血圧はだいたい110より少し少なかっただろうか。最低血圧は50はなかった(もちろん安静時)。よる年波には勝てず、それから多少は上がっていったのだが、最高血圧の二桁はいまだかつてなかったなあ。

 ごく親しい知人(高血圧)の間で、高い血圧について「血圧は知能指数に比例する」などと馬鹿話をして笑い飛ばしていたが、今日の私は知能指数が平均よりもだいぶ低いの? どうりでブログのネタが出てこないと思った。

 看護婦さんも不思議がって、何度となく測定しなおしてくれたけれど、やっぱり私の外見は、身体の本当の状態とはかなり落差があるんだろうね。でもますます思ったよ。「ザマぁ見ろ、メタボ」ってね。あんな杜撰な定義で、人を判断されてたまるか。

 次は、『太りながらメタボにならないトレーニング法』なんて本でも書いてみようか。どうですか?もしご希望があれば。Photo あんまりファッショナブルじゃあないけどね。でも「メタボ追放」を叫んで、トレーニング中に死んでしまうかも知れない危険を冒すよりはいいと思うんだけどなあ。

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2009年1月 6日 (火)

何でも実験癖・9 ~変形・飄香咸骨粥を作る!~

 トレーニングを再開して4日目である。少しずつ質と量を上げ始めた。日が短いので、どうしてもスピード勝負になる。走らないで歩くことも立派な練習だ。なぜならば、走ってしまうと失われる感覚があるからである。気がつかないで終わってしまうことも少なくない。

 今日は「すり足」の日であった。途中で散歩のおじさんを追い抜いて行ってしまったが、帰りにすれ違ったとき言われた。「あんた、歩くの速いなあ」 いかにも感心したように言われたので、「変わった歩き方でしょう?」と返事した。実はそれが「すり足」なのである。

 もちろん「すり足」は「ナンバ」がベースになった歩き方だ。「ナンバ」ができなかったら、「すり足」は難しい。そしてよくお相撲さんが「すり足」の稽古をしている風景が、テレビなんかで放映されることから、「すり足」=「あまり速くない歩き方」という変なイメージを持っている人がいるらしい。

 でもこれがまったくの勘違い。「すり足」は大変にスピードの上がる歩き方である。もしも「すり足」の練習をしていてそれに気がつかなければ、やっている「すり足」が間違っているか、大切な要素を何か失っていると考えた方がよい。

 ちょうど帰りにおじさんとすれ違ったのは、一番乗っていた時だった。「すり足」は、地面や床と足の間に、薄い紙が一枚入ったような歩き方と言われているが。見事に身体が浮いていたときだったので、おじさんと話をするのに立ち止まるのが億劫だったくらいだ。でもコミュニケーションも大切なので、僅かな時間だったけど、挨拶代わりの会話をした。

 こうしてトレーニングできるのも、日ごろから体調管理に気をつけているからではないかと思う。社会人になると、どうしても周囲に影響されて、自分の体調をいい状態に保っておくことが難しくなるが(だから社会人になっても競技生活を続けている人は大変だと思う。私にもそういった時期はあったが、人は他人の都合なんか考えてくれないからね。自分で何とかして練習できる状態を作らなければならない)、私の現在の考え方は、まず自分の身体が一番である。

 体調が良くないのに、いい仕事は絶対にできない。これが私の信念だ。そして私のように練習量で自分の健康状態をコントロールし続けてきた人間は、いくつになっても練習を続ける。「雀百まで踊り忘れず」というやつである。練習の妨害でもしようものなら、長らく封印してきたモノが出るかも知れない。

 もう一つ、健康管理に欠かせないのが食事である。我が家では私と母は、お酒ですら健康を維持するための食材である。いわゆる「酒は百薬の長」状態なんですな。だから禁酒などすると健康状態が狂ってくる。これも広義には「アルコール依存症」なのかも知れないが、知ったことではない。

 誰でも似たようなものだ。何かを食べないとどうも調子が出ないという人は、すべて「依存症」である。昔あったアニメの『ポパイ』なんてのは「ほうれん草依存症」かも知れない(ただ大力を出すためだけの食材なんだけど)。

 今年は食生活を改善する計画を立てた。夕飯のお粥である。もちろん毎晩というわけにはいかないだろうが、それでもかなりの割合でお粥になるはずである。幸いなことに、今回始めた「何でも実験癖・お粥篇」は、かなり出来がいい。昨夜はテキストの材料が揃わなかったので、日本で普通に手に入るもので代用した。するとこれがまた大変に美味しかった。まPhotoったくどうしてくれる!? という感じだ。

 まずテキスト(中国の料理本)にあるものを紹介しよう。名前は『飄香咸骨粥』という。

 材料は、お米100g、羊骨100g、食塩、生姜、葱白各適量で、まず羊の骨を洗い、これを小さく切って鍋に入れ、水を注いで1時間ほど煮ろ、とある。その後羊の骨を取り除き、これにといだお米を入れてお粥にし、食べるときに葱とた生姜とかを入れ、お好みでお塩を加えて食べなさいと書いてある。

 ところが日本では一般に羊の骨などは手に入りにくい。何でも同じだが、手に入りにくいものを無理やり作ろうとすると、作るのが苦痛になってしまうので、日本でもものすごく手に入りやすい鶏で代用することにした。

 まず鶏のPhoto_2手羽元を三つ、出刃包丁で骨ごとぶつ切りにする。 ちょっと昨日はピンボケになってしまったが、左の写真のような状態である。あまり細かくするのが面倒だったので、一つの手羽元を四つに切った。重さを測ったら180gあってテキストの羊の骨と比べたら倍近い量だったが、気にしないことにする。細かいことを気にし始めたら、料理がちっとも面白くなくなる。素人の料理なんて、楽しみがなければ絶対に長続きしない。今年は出来るだけこの調子でPhoto_3頑張りたいので、今から嫌になったりするような経験を積みたくはない。

 これを土鍋に入れて水を加え、コトコト炊く。 炊いているうちにアクが出てくるので、これは丁寧に取り除く。また1時間加熱するので途中で水が減る。減った分だけ足すが、最初は900ml入れたはずの水に、途中で720mlも足した計算になった。でも空焚きはよくないので、このあたりはこまめにしなければならない。

 もちろん1時間もただ待っているのは賢い方法ではないので、次の準備をする。Photo_4 葱は長ネギを白根を中心にして刻んだ。重さはだいたい40gあった。生姜も遠慮しないで千切りにする。これまた重さは10gほど。お米は例によって5勺(半合)である。これをざっとといでおいて、あとは暇になる。

 これだPhoto_5け準備したら、さっさと缶ビールの栓をプシュッと抜き、適当なものをつまみにぐびぐび飲り始める。何しろ食事前の飲酒は、我が家恒例の通過儀礼みたいなものだ。酒がなくて何の人生か? 「対酒当歌 人生幾何」である。

 そうこうしているうちに1時間が経過する。酒を飲まないで待っていたら、さぞかし待ち遠しかったことだろうが、酒を飲んでいさえすれば、時間なんてあっと20言う間に過ぎ去っていく。 そして1時間が経過すると、といだお米を入れる。例によって最初は強火、噴いたら(噴きそうになったら)弱火である。

 だいたい20分ほどでお米は粥状になる。それに残った材料を加える。 そして蓋をし、僅かな時間煮込む。すると葱も生姜も適当な状態になってくる。あとはよそおって食べるだけである。Photo_6

 ここで初めて塩を振る。量はお好みだが、最初からドっと入れないほうがいい。量が足りないのは加えればいいが、多すぎるのは矯正しようがない。少しずつ食べながら自分のお好みの味にしていく。

 ところPhoto_7がこいつが旨かったんだなあ! 今年になって作ったお粥の中ではベストでございましたな。そして生姜と葱の効果なのか、身体が温まる。これは風邪のひき始めにもいいのではないか、などと思わせる。

 しかもこれにちょっと辛い系の漬物があると、ますます良い。これは間違いなく我が家のメニューに入ったぞ。母に聞いたところ、☆12個!! だそうである。それはともかくも、 生姜と葱の味がさっぱりしていて、それを煮込んだ鶏のダシが見事に包み込んでくれる一品であったことは間違いない。

Photo_8 http://review.rakuten.co.jp/item/1/213310_13086398/1.0/

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2009年1月 5日 (月)

何でも実験癖・8 ~山薬蓮子粥を作る!~

 お正月はどうしてもお酒の機会が増えたり、御節料理を食べ過ぎたり、運動不足になってお腹が重たくなりがちな時期だと思う。実はこれは私もまったく同様で、1月3日に少し練習っぽいことをやって、やっと自分らしくなったくらいだ(それからいつもの練習モードに帰りつつある)。

 もともと練習量で健康をコントロールするところがあるので、私に練習をさせないのは、私を殺しているのと同じである。マグロや鮫のように、泳いで(運動して)いなければ息が詰まってしまうし、身体のバランスが崩れてしまう。

 運動量が少ないときには胃袋が食べ物を受け付けない。そういうときに「ご馳走」を出されても、ちっとも「ご馳走」がご馳走に相応しい機能を発揮してくれない。ご馳走が本当にありがたいのは、身体をよく使っているときだと思う。運動量が少ないときには、むしろ粗食のほうがありがたい。

 ということで、傷んだ胃に優しいものを探しているから、お粥をあれこれ作ってみようと考えたのである。そういえばもうすぐ「七草粥」のシーズンだけど、このお粥にも似た効果を期待したりすることもあるよね。

 昨夜は『山薬蓮子粥』を作ってみた。基本的に中華粥に共通の弱点は、味だと思う。あちら(中国)でもよく食べるが、ほとんどが味らしい味はついていない。お塩や黒酢なんかがついてくる場合もあり、これでお好みの味をつけて(勝手に)食べろという考えなのだろう。

 ところが多くの場合、日本人である私の味覚には合わない。だから私が食べる中華粥はきわめて限られてしまっていた。ところが今回お粥の研究を始めて、いろいろと助言をいただいて試してみると、「おお、これは豊かな!」と感心するものができることがわかった。

 私は中華料理を作って喜ぶのでなく、今までの私の食生活の中になかった味を新しく導入することで、私の食生活を豊かにすることを目的にしている。だから「ここは改善した方がいい」と感じたら、どんどん変えていくことにしている。そうして自分の人体を作る「食事」の改善を考えていこうと考えているのだ。

 ちょうど昨夜は一昨夜鍋料理を作ったスープが残っていたので、これを利用する方向で考えた。もちろん鍋のあとのスープを使えば「おじや」とよく似てくる。でもこういったちょっと残ってしまったものを上手に利用するのも、無駄をなくすという意味では大きい。

 まずPhoto最初にテキストに載っているのを紹介しよう。きっと以前「お手軽中華シリーズ」で紹介したと思うので、簡単におさらいをする程度である。

 準備するのは山芋と蓮の実各25g、白米150gとテキストに載っている。これらを洗って、山芋は短冊に切り、一緒に鍋に入れて加熱すると、大変簡単に説明しているだけだ。

 きっとこの通りに作ったら、上の写真に紹介しているようなものにはならなかっただろうし、大して美味しくはなかったのではないかと思う。先日から我が家では、鶏粉(中華スープの素)と塩で味付けをしているが、これがあるとないとでは大違いである。ただし昨夜は鍋の残り物のスープを用いた。

3070  こんな具合に準備した。蓮の実は30g、山芋は70gくらいある。お米は5勺(半合)である。全体的にテキストに出ているのと比べれば、お米が少ない。これはいろんな理由がある。大方の中国の人は、日本人よりも大食だから、あちらのテキスト通りだとたくさんできすぎてしまうのが一つで、二つ目は、このテキストはいったい何人分を作るのか、どこにも書いていないからである。あるところでは5~6人分であったりするのに、別のあるところでは1人前しか書いてなかったりするからだ。一応我が家では3人で食べるつもりで作っている。

 まずPhoto_2お米をざっと洗う。3回くらい水を替えたかな。そして昨夜の残りの鍋のスープの量を調べた。 だいたい2合あったので、これを全部使うことにする。残しておいても、我が家に餌を食べにくる近所のネコが太るばかりだからである。このネコ、来はじめの頃からくらべたら倍以上の大きさになってしまった。飼い猫ではないのだから、これ以上甘やかすのは良くないのだが…… 我が家のチャーちゃんは人間の残したものなど見向きもしないから、こういった状Photo_3況になってしまう(誰がここまで甘やかした? ……母である)。

 そうしてといだお米にこのスープ(2合)と水3合を加えて浸しておく。浸しておくことにたいした意味はない。これは私と母が酒を飲むために生じる、 空白の時間が存在するためである。お急ぎの場合には、こんなことを20する必要はない。

 そうして加熱を始める。最初はお粥を炊くときの基本で、強火でがんがん炊く。土鍋だとこの加熱がとてもうまい具合にいく。 噴いたら火を弱めるが、噴いたときには中は左のようになっている。これからゆっくりと弱火で炊き込むのである。20_2

 20分後、こんな感じになった。もうお米はお粥状になっている。これから蓮の実と山芋を加える。このとき蓮の実の固さに若干の不安を覚えた。これはもしかしたら炊くのに時間がかかるかも…? 逆に山芋はすぐ炊けてしまいそうな気が……Photo_4

 でもいまさら後戻りはできないので、「ええいっ!」とばかりに蓮の実と山芋を投入する。後は野となれ山となれである。だいたい蓮の実なんて日本ではめったなことにお目にかからないから、料理法なんか知らん、知らん。固かったら放棄すればよい……(半分やけくそである)。Photo_5

 それから15分後である(相方の言では10分だというが)。山芋は熱が完全に通っているやしいけど、蓮の実がなあ…… 不安を打ち消しながら1個食べてみたところ、まあ食べられないことはない固さだったので、私は火を止めた。Photo_6

 さあ、食べよう! 食べ始めてみると、まあ出来のよい「おじや」感覚であった。ただし鍋のスープが濃かったらしく(反省点その一である。この割合ならば鍋のスープ1合にして、水を4合にすべきであった)、旨いことは旨いんだが、何かくっきりとしたところがない。Photo_7

 そこで私がよくやる、ポン酢を少しだけ加えてみた。これでしっかりと味が際立ってきた。たった一つの弱点といえば、私には良かったものの、母と相方には蓮の実が少しばかり固かったらしいことである。これは反省点のその二になってしまった。

 蓮の実は、最初から米と一緒に入れるか、さもなくば最初に米が噴いたときにすべきではないだろうか。さらに鍋のスープを利用すると「おじや」っぽくなってしまうので、やはりここでも鶏粉(中華スープの素)と塩味にしておけば、もっともっとあっさりした「お粥」っぽい味になるのではないかと思う。

 まあそれにしても、胃には大変優しい。漢方的効用としては、脾と胃を健やかにし、生長を促進するということである。これで身長が5㎜伸びた……?

Photo_8 http://review.rakuten.co.jp/item/1/213310_13086398/1.0/

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2009年1月 4日 (日)

なりたい自分

 2009年も1月4日である。里帰りしておられた方、旅行などに出かけてあられた方、里帰りもしなかった方、どこにも行かなかった方、様々な人がおいでだと思うが、そろそろ日常への復帰が近づいてまいりましたなあ。もちろん私もそうである。

 今年もなんとなく景気が上向きそうな気配が感じられないけれど、それでも一所懸命に生きていかなければならないのが我々人間だと思う。だいたい自国が世界の中心であるかのような振る舞いばかりが目についたアメリカに、いつまでも追従していたのでは、なかなか本当の日本の繁栄にはつながらないと思う。

 現在の日本は、自国の繁栄ばかりを考えない、稀有な国を目指しているのではないかと思うが、そうすると日本が繁栄することは、それだけで世界に貢献しているのではないかと思ったりするけれど、これは手前味噌かなあ? まあ、どんな国にもいい人もいれば悪い人もいるから、全部が全部そうとは言い切れないよね。

 でも私は日本が繁栄することを、切に願っている一人だよ。そうすると、若干(どころか!)今の日本の舵取りをしている人たちに不安を感じているけれどね。いや、個人的にはいい人もいると思うよ。でも公のことを取り仕切る能力が不足しているのは、否定できないんじゃないかな。

 まあそんな人たちに取って代わろうなんて野心はまるでないので、私は私の生きたい道を、今年もまっしぐらに生きようと努力するだけだ。苦しくても自分の生きたい人生を生きることが「幸せ」だと信じているからね。その代わり、私が生きたいと思っている人生の邪魔をするモノ(案外、これが多かったりする)には遠慮はしないからね。

 昔から私はそうだった。今の自分がなりたい自分を目指して努力する。努力しなければなれないのと思ったのは、両親をはじめ周囲の人たちが教えてくれたからかもしれない。事実、生まれたままの私では、自分が「こうありたい」と思った姿からは程遠かった。なんでも「できるようになりたい」と思うものは、自然に練習したりするものだけど、この練習こそが努力の最初の姿だと、私は思っている。

 練習が深まってくると、勉強したり、研究したりという行為が始まる。同じことに興味を持った仲間が集まって、いろんなことを話し合ったり試してみたりしはじめる。こうなると努力の第二段階に進んでいるのではないかと私は思う。

 そして自分と同等か、それ以上のレベルの人と一緒に活動しはじめたりすることもあるが、これは努力の第三段階かなあ。ある程度以上のレベルにまで上がると、どうしても一人では破れない壁ができたりすることもあるので、優れたお師匠様とか、素晴らしい同僚とかライバルとか、献身的なスタッフとかが必要になってくるものだけど、ここでいつまでも「我流」にこだわっている人は壁が「永遠の存在」になったりするので要注意だ。

 私は、人生のある時期には、たいていの場合(例外がまったくないとは言わない)いいお師匠様について修行を積む必要があると思うが、それは「壁」ができたときに、それを超えることができるかどうかがかかっているからだ。超天才みたいな人がいて、それを自分で超える人がまったくいないとは言わないけれど、だいたい「修行」を真正面から行っていない人は、「壁」の前でもろくも崩れてしまったり、「壁」に出会うと右往左往してしまう。

 とくに完全に「我流」の癖がついてしまうと、それから「お師匠様」に出会っても、なかなか癖が取れないのが普通である。「素直な人間が伸びる」とよく言われるが、実は「癖」がついていない人が伸びるということじゃないかと私は考えている。

 もちろん「お師匠様」だって人間だったら完璧ではない。完璧でない以上、必ず欠点はある。だからあるレベル以上になれば、少しの疑いを持つことや、自分だけでひそかに実験を始めてみなければならない。なんでもかんでもお師匠様の言うことが絶対だと信じると、お師匠様を超えることはおろか、自分を見失ってしまったりする。

 我々は何かをするとき、自分を否定して、他の何かになろとするわけではない。あくまで自分というものが持って生まれたモノを最大限活用し、発揮する方向で考えた方がいい。そう考えると、「自分を否定する」ことは絶対に避けなければならないことだと思う。だいたい自分を否定した人生なんて、なんのためにそんな生き方をしなければならない? 自分を否定することの極致は自殺につながってしまう。

 たくさんの人間の「自分」が社会を構成するわけだから、「自分」を否定した人間の構成する社会なんて、きっとおそろしくつまらないものになってしまうと思うよ。大きな目的のために一時的に自分(の欲望)を殺す(我慢する)ことは誰だってやることだけど、それが当たり前になってしまったのでは、世の中はくだらなくなってしまうと思う。もちろん反社会的な行為は基本的にダメだけどね。

 今の社会が息苦しいのは、社会があらかじめ枠組みを作ってしまっていて、社会人になったらその枠組みに、強制的にはめ込んでしまおうとしているからではないだろうか。そこでは決められた役割をこなしているだけしか許されない。そして枠組みから少しでもはみ出す人間には厳しい。まさに人間を社会の歯車にしてしまっている。

 こんなことは今から何十年も昔から言われてきたことだが、いつまでもそれが改善されなかった。社会が順調ならば、それである程度までは能率的に社会が運営できるから、きっと誰もがそれを変えようと、真剣に取り組まなかったのだろう。こんなことは私は『動き革命』(スキージャーナル社刊)でも触れている。

「規則正しい生活の持つ罠」という言葉で表現したが、人間が作った、形の上での「必然」などは、大自然のほんの僅かな異常で、あっという間に崩れ去っていくというようなことを書いたが、今の社会は今まで一応の効率で動いていたはずのものが動かなくなっているのだと思う。機能的に動かすには、今までとは異なった能力が要求されているのに、それを今まで通りのやり方でやろうとしているところに最大の問題があるのではないか。

 こんなことはどんな世界でも、いくらでもあることだ。そして一度変化が起こってしまうと、それ以前の世界で最も適応していたはずのものが、最も適応するのに遅れてしまう。そこで一番必要とされるのは、状況に応じて自在に自分の姿を変えていくことができるものかも知れないし、自分の現在持っている能力を新しい環境に適応させる能力かもしれない。

 学生時代に「進路指導」なんてものを受けたことはないだろうか?(○○になるためには、△△の資格が必要です、なんてことを調べたり、実際にその職業についている人たちに、インタビューしたりする、アレですな) 私が「進路指導」を受けた頃には存在していた職業で、今はもうなくなってしまった業種だって少なくない。こんな時代に何が有効といえるのかは、何か専門的な、機械ではできないことをする能力(それも飛び切り優れているとよい)を身につけることではないだろうか。

 あとはその能力を受け入れてくれるところを探していくことになるけど、飛びっきりの能力は魅力的だから、自分を売り込む努力さえ厭わなければ、きっと生きていくことにつながるだろうね。問題は放っておいても身につけられる能力はすくないということだ。やっぱり努力しないとね。そして努力は自分から進んでするから努力なんだと思う。

 自分で進んでするには好きでなければならない。嫌いなことを進んでする人は、きっといないだろうし(練習が嫌いでも進んでする人はいるけれど。それは練習した結果が好きだからなんだね)。今はもしかするとそういった時代なのかも知れないよ。

 2009年の年頭にあたって私が改めて考えたのは、やっぱり私は私の好きなことをできるように生きていこうということだった。身体運用の研究はライフワークと定めているし、そのためには健康でいなければならないし、ある程度の練習時間は確保しなければならない。そうすると自分の周囲の状況が変わっても、自分がやりたいことができるような状況を作らなければならない(これに一番労力がかかるんだけど)。

 社会人になった頃、私はまだ格闘技の現役選手だったので、なんとかして自分の練習時間をひねり出そうと工夫していた。その経験が今でも活かされているけどね。それでも時間をひねり出す努力を妨害するモノに対しては、断固とした対決姿勢を示してきた。今年もきっとこの姿勢は変わらないと思うよ。

 動物園に行けば、檻の中に様々な動物が入れられている。私の住んでいる岡山にある池田動物園では(だいぶ昔のことで恐縮だが)、ライオンの檻(10畳くらいはあったかな)の隣にコヨーテが、同じくらいの広さの檻に入れられていた。ライオンは檻の中で寝そべっていたが、気の毒にコヨーテはイライラと神経質そうに、檻の中をひっきりなしに歩き回っていた。

 ライオンは餌さえ不足しなければ、歩き回ったりしない生き物だが、コヨーテはコヨーテとして生きるには岡山市全域くらいの広さが必要だ。コヨーテは移動する生き物だからである。でも今までの社会って、まさにこの動物園なんだよね。コヨーテさんもライオンさんも兎さんも、同じ檻に閉じ込めてしまおうってね。

 でもこれからはきっと変わらなければいけないと思うよ。コヨーテはコヨーテの生き方をしなければ生きられないし、もし社会がそれを拒んだら、社会を破壊する必要はないと思うけれど、あえて社会の枠(檻)から出て行かなければならないかも知れないね。だって社会はコヨーテがコヨーテとして生きたときにだけ発揮できる能力を必要としているのかも知れないからね(それが今までの社会になかったから、こんな社会になってしまったのかも知れないし)。

 少なくとも私のライフワークは、身体を自由自在に使う上で、人類社会に貢献はできるだろう。人が人として生きるのは、人として最も大切なことだと考えているし、私の身体運用ならば、スポーツ選手はもちろんのこと、年齢や体格に相応(不相応なくらい活発な?)の活動を可能にしてくれるだろう。ならば私もますます自分の研究を大切にしていかなければならない。

 総理大臣が、口をゆがめて喋っているテレビを見ながら、やっぱり遠慮なく自分らしく生きてやろうと決意を固めた年頭だった。

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2009年1月 3日 (土)

何でも実験癖・7 ~大米葱白粥を作る!~

 正月といえば胃袋が変調をきたすほど、食事と運動のバランスが崩れやすい時期である。朝から飲酒したりするのも、その大きな原因の一つではないかと思うが、なにしろ寝たり起きたり、食ったり飲んだりの生活は、心身の健康にいいはずがない。

 そこで今年の正月は、夕食はお粥(中国風の)という方針を決めたのであるが、テキスト通り作っても、それは中国人の味覚に合わせたものしかできないから、少しずつ変化を加えて、日本人の口に十分に合うものを作ろうとしている。

 私はよく訪中しているけれど、特に中国ファンというわけではない。どんな国であっても、尊敬すべきところがあれば十分にその点については尊敬する。そして自分の生活に取り入れて活用させていただく。だからあまり「かぶれ」たりはしない。私はいつだって日本人だからである。Photo

 ということで、昨夜は最も簡単そうな、「大米葱白粥(お米と葱の白根のお粥)」に挑戦してみた。漢方的な薬効は、「発汗を促し、皮膚を活性化し、寒気を除き、解毒作用がある」なんてことがテキストには 書いてあった(まあ、葱の薬効そのものだけどね)。

 まず最初Photo_2にお米を洗う。テキストにはお米が50gに対して葱25gなどと書いてあるが、今回は昨日の反省を活かして(とんでもなく大量になってしまうと、やっぱりお腹を壊すからである。それにしても50gは少ない。いったいこのテキストは何人前を書いているのか。どこにも書いていないのがとても中国っぽい)、5勺(1合の半分)である。どうせ土鍋で炊くので、今日は面倒だからいきなり土鍋の中で洗う。

 たったこPhoto_4れだけ? と思ったけど、今日は水の割合も米1に対して水10にする。何事も実験である。つまりお米は90㏄なので、水は900ccである。これも昨日の反省を活かして、ここでついでに鶏粉(中華だしの素)を小さじ1杯弱、お塩を小さじ半分くわえて放置し、忘れないうちに、葱の白根をぶった切る。

 ここで相方の助言があった。葱は加熱すると「鉄砲」になって危険なので(熱い中身だけが飛び出す。これがとてPhoto_5も熱い)、更に真っ二つに切っておく。量はお米と同じかそれよりも少し少ないくらい。漢方的薬効の大部分は葱にあるので、葱をたっぷり使う。そこまでやっておいて、酒を飲み始める。

 酒もいい加減進んだ頃、忘れないように加熱を始める。最初は強熱し、吹き始めると弱火にしてことこと煮込む。合計して約25分というところだろうか。とにかくここまでは鶏粉が入っているだけで、お粥と同じだ。Photo_3 大切なのは酒に夢中になって忘れてしまPhoto_6わないことである。吹き零れて無茶になってしまうからね。

 もちろん吹き零れそうになったら、蓋を少しずらしておくのは常識だよね。

 そしてお粥が出来上がった頃に、葱を投入する。ちょうどこんな感じである。Photo_7 ここでは葱に熱が十分通ったほうがいいので、少しかき混ぜて葱がお米に沈むようにする。そうすると、少しくらい歯が弱った人にもらくらく食べられるようになるから。Photo_8

 こうなったら出来上がり。あとはお椀によそおって食べるだけである。楽しみである。今回のは水を多めにしたので、スプーンの方がいいかも知れない。わくわく……

Photo_9  こんな感じ。で食べた。

  旨かった! 日本のお粥のように、力が抜けていくような感じがない。さっぱりしているけれど、ちゃんと力が入ってくる感じがする。ここへ合い方が更に溶き卵を加えてくれた。10

 するとなお更美味しくなった。これって反則? でも美味しかったから勝ちだよね。食事の最大の目的は、栄養補給である。こうすると栄養補給の面でも効果が大きい。

 今回のも中国で一般的に食べるお粥を☆3つとするならば、☆10個である。卵を加えたのは星12というところだろうか。飲みすぎ、食べすぎで胃がもたれている方には、お勧めの一品になったよ!Photo_10

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2009年1月 2日 (金)

何でも実験癖・6 ~小米南瓜粥を作る!~

 年末に「理科系のお粥」などという生意気な内容を打ったので、ここは実際にやってみるほかはない。お粥の製造実験である。ただし最近の私には、大変強力な味方ができたので、失敗の危険性はきわめて低くなっているはずである。私は妥当な助言には、きわめて従順に従う人だからである。

 まず、なんという理由もないのだが、とても気になっていた小米(粟)を用いたお粥を作ってみようではないかと考えていた。粟の色はきれいな黄色であって、なんとなく金色につながるところがあり、めでたそうに感じるではないか。今は正月である。めでたいのは何よりもいい。Photo

 以前にも紹介したと思うが、テキスト(中国で買ってきていた料理本)によれば、原料は粟250g、カボチャ150gとだけある。これを一緒に粥状になるまで煮るとしか書いていなかった。細かいことと言えば、最初は強火で、後は弱火でという当たり前のことしか書いていない。これではテキストとしては非常に不親切である。

 そこで相方の助言を活かしながら(途中から相方が大活躍したが……)、量を大幅に変更した。まず3人で食べるということなので、250gもの粟は多すぎると判断。100gちょいに変えた(大正解!)。そのかわりにカボチャを多めにした(店で売っていたのが230gあったので、これから種を取り除いただけで使った)。250gに対し、150gとあるので5:3だが、きっと比率は逆転するぐらいになったのではないだろうか。

 それにテキストでは調味料を加えるとは書いていない。だが粟を炊いただけのおPhoto_2粥では、ぱさぱさした感じで美味しくなかったので(左写真、昨日アップしたっけ)、少し味をつけることにし、相方の助言で、鶏粉(いわゆる鶏精)を小さじ1杯弱、お塩を小さじ半分加えることにした。ここからは実際に行った手順の通りを述べてみることにしよう。

 まずは準備物である。Photo_3 左がわざわざ中国で手に入れてきた小米(粟)である。近所の中国食材店に行ったらなかった。店主に「いつごろ入荷するか?」と聞いたら、「わからない」という優等生(?)のような答え。昨年からさまざまな食品衛生上の問題があったので、入荷が難しくなったのだそうだ。それならばとあちら手に入れればいいというのが私の発想である。右側に見えるのは鶏粉、いわゆる中華だしの素みたいなものである。驚くなかれ、クノールが作っていた。もちろん中国の工場で作っているのだろうが。

 まず粟を約100gほど洗う。洗い方はざっと洗う程度でよい。Photo_4 2~3回水を替えるが、上澄みを洗うくらいにしておく。このとき目の細かい茶漉しのようなものがあれば大変洗いやすい。テキストでは、混じっているごみなどを取り除くと書いてあったし(実際に少しあった)、洗ったあとはよく水を切っておくと書いてあったが、そこまで神経質になる必要はない。どうせこれからお粥にするのである。

 次はこれPhoto_5を土鍋に移す。この「土鍋」を使用するのは譲れない。中国人のLさんの助言である。私は納得がいく助言には、きわめて素直である。 お粥には土鍋が最適だ。これは日本のお粥でも同様ではないかと思うが、お粥専用のものはインターネット販売で調べてみても法外な値段を取られるようなので、鍋料理用の土鍋で十分である。もちろん、あまり安価すぎるのは若干の不安があるので、まあ普通のお値段のものを使うのがよいと思う。

 次にこ4_2れに4倍量の水(約1ℓ)を加えて強火で加熱するのだが、本当はここでの水の量はもっと多いほうが良かったように思う。今回最大の反省点である。次回は1.5ℓくらいにしてみようか。

 ついでにここで、小さじ一杯弱の鶏粉(中華だしの素でも可だと思う)と、小さじ半分の塩を加えておく。これまた相方の助言である。いつも私が中国のお粥を食べPhoto_6て「不足」を感じるのはこの点であったから、明らかな改善点だ。

 そしてまず強火にかける。基本的に最初は強火である。 蓋をしておくと加熱の能率が上がるが、泡が吹くのでそうなったら弱火にしておく。ちなみに左上は加熱後5分であり、下は10分後。昨夜のケースでは粟はだい

10たい12~13分で概ね炊き上がった。あとは寝て待つだけであって、暇なことこの上ない。私は思わず、ビールでも飲みながら作ろうかと思ったぐらいである(実際に飲みだした)。

 その間に種を取り除いたカボチャを適当に切る。加熱Photo_7時間を短くしようと思えば薄めに切ればいい。じっくり加熱を楽しみたかったら、でっかいブロックにすればいい。そのときの気分しだいである。

 粟が炊き上がったら、これを鍋に投入する。相方によれば、粟を炊くときにあまりかき混ぜないほうがいいということで、これを入れる時も、かき混ぜるのは最少必要限度に留めておく。Photo_8

 ちょうどこんな具合ですな。そしてカボチャに熱を通すため、少し火力を強くする。後はカボチャが煮えたら出来上がりなので、のんびり待つ。もちろんその間にビールを飲んでいる。これは食前酒でもある(飲酒の理由など、いくらでも考えられるぞ~っ!)。Photo_9

 カボチャが煮えあがったらそれで完成。簡単だけど、一般的な日本風のお粥よりなんとなく贅沢な感じがするのが不思議である。本当は粟なんて、今の日本では小鳥の餌?と思われかねないような穀類を使っているのにね。Photo_10

 こんな感じで、「はふ、はふ」と蓮華でいただく。お好みで塩を加えてもいいし、昨夜はクコを3粒ほど散らして食べた。中国で食べた小米粥の何倍も旨かった。中国で食べた小米粥を☆三つとすれば、☆10個は超えていると思う。

 反省点は、水はかなり多めにしたほうがいいのではないかと思う点くらいだったが、まあ本筋とはあまり関係ないよね。またカボチャの変わりにサツマイモなんかも合いそうに感じた(粟とサツマイモと棗のお粥は実際にある。またそのうち作ってみよう)。

 この粥の薬効をテキストから訳してみると、「香りがよく、かすかな甘みが口に嬉しい。陰を養い、血を増やす」と書いてある。きっとダイエット効果と同時に、美容と健康に効果があるのではと思う。

 これで我が家の料理は一品増えたね!Photo_11

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2009年1月 1日 (木)

ちょっと変わった食性・30 ~老北京風味~

 新年あけましておめでとうございます。

 今年もよろしくお願いいたします。

 昨日は例によって格闘技番組に終始してしまった。もうここ数年も歌番組は見ていない。これは何も最近いい歌がないからではない。相変わらずいい音楽は作られ続けている。でも超マンネリ化してしまった演出には、ずいぶん前に飽きてしまっていた。それにひきかえ格闘技は、一瞬先は見えない世界である。私は男の子なので(それが理由になるのかどうかはわからないが)、そちらの世界のほうが面白い。

 でまあ久しPhotoぶりに、『ちょっと変わった食性』をやってみようかと思う。今回紹介するのは『老北京風味』という店で、実際に私がいただいた料理が中心である。外見はこんな感じの店であって、特に目立った店ではない。でも、人はその外見と財布の中身で評価してはならないのと同様、店も外見で判断してはいけない。美味しいものを食べ損ねる。外見などで差別すると結局自分が損するのは人生でも、食べ物でも同じである。Photo_2

 ここに座っていろいろと注文し(莫さんの友人のMさんの奥さん、Sさんがすべて手配してくれた)、最初に出てきたのがこれである。名前は「酸溜土豆糸」という。「土豆」とはジャガイモのことだから、ジャガイモの料理なんだね。

 作り方をざっと説明しておくと、まずジャガイモを細く切っておき、水洗いして粉を除去しておく。それを湯に通して炒めるのであるが、酢の風味があるので、きっと湯通しする湯の中に酢が入れてあるのではないかと思う。さらにニンニクの風味もあるので、炒める油の中にあらかじめニンニクをいれて、風味をつけているに違いない。

 基本的に簡単に作れそうなものなので、また暇なときにでも作ってみようと思う。ジャガイモの野菜っぽさが残っていて、普段あまり食べない(私は)食感があり、面白かった。Photo_3

 ついで出てきたのが、「木耳白菜」。読んで字の如く、キクラゲと白菜の炒め物である。基本的に塩味だったように思うが、例によって油の中にニンニクやなんかの風味付けがしてあったり、塩だけではなくいろいろと胡椒の類が使われていたのではないかと思っている。さらに「とろみ」があったので、加熱した最後の段階で水溶き片栗粉を使っているのではないかと思われる。味はまあ標準的。特に可もなし不可もなし。Photo_4

 次にやってきたのは「鍋仔羊肉」。羊と野菜の炒め物である。私が視認したところでは(もちろん食べてもみたが)、羊肉、香草、赤ピーマン、ピーマン、タマネギなどが入っており、孜然の味は強烈にしていた。さらになかなか辛かった。

 ということから推測するに、唐辛子(粉末)、胡椒などは当然、ニンニクなども使っていることだろう。まあまあ食えたけどね。Photo_5

 このででんとしたスープは、「酸菜魚」という。(たぶん)淡水魚の薄切りの身に細長く切った葱、当然白菜のような野菜も入っているし、ワカメや生姜などが確認できた。風味としてはニンニクの風味がきつく、塩、胡椒の味がし、とろみがついていたところから、こういったものが材料として使われていたのだろう。

 味のほうは特に可もなく不可もなくといったところである。こちらの魚料理は、けっこう淡水魚を材料として使う場合が多く、その分、身に「締まり」がないように感じる。その割にはぶった切っているだけなので、骨が刺さって苦戦することもある。Photo_6

 左は「麻婆豆腐」、右のは「香菇餃子」である。マーボー豆腐の方は、あまり感心しなかった。これだったら日本で売られているインスタントの方が…と思ったくらいである。こちらで食べたマーボー豆腐の中では最も美味しくなかった部類。

 香菇餃子はこれに比べてよかったよ。だいたい餃子は北方の食品なんだけど、入っていた具だけで、シイタケ(あちらでは香菇と呼ぶ)、豚ひき肉、生姜、ニラ、葱、ニンニクなどで、塩味がした。

だいたいこの店に来た理由は、Sさんが私に北京ダック(北京烤鴨)食べさせてくれるためである。そこで当然のように注文していた。出てきたのを見ると、左のようであった。Photo_7 

 ご存知のように北京ダックは、皮の部分しか食べない。私はいつも身のほうはどうなっているのかと心配してあげているのだが、「郷に入っては郷に従え」という言葉の通り、出てきた薄皮に、タレをつけた葱の白根の細切り、キュウリなどを乗せた後、北京ダックの皮を2~3枚Photo_8乗せてくるくると巻き、そのままぱっくりこと食べてしまう。

 これが何度目かなあ。でもこの店は初めてなので、この店の味は初体験であった。まあ有名すぎる名前ほどではなかったが(これを食べる以前に、Sさんに餃子をご馳走してもらっていたし、ここまでに紹介した料理を食べていたので、ほぼ満腹状態だった)、美味しかったことは間違いない。

 それよりも驚いたのは「東北早飯(東北部の朝ごはんという意味)」というもの。こいつは美味しかったねえ。何しろ、胃が落ち着くような、ほっとする味だった。Photo_9 まあ中国東北部といえば旧満州で、日本の料理の影響を強く受けている地区である。私も東北料理は一般的に好きだ。

 これはすいとんのような小麦粉で作ったとおぼしき団子が、レタス、トマト、赤ピーマン、葱のみじん切り、ニンジン、豚ひき肉などの具の入ったスープに溶き卵を散らしたスープに入っている。味は基本的に塩味であって、後口もさっぱりしている。こいつは予想外の美味しさだったね。前日、白酒を飲みすぎて傷んだ胃には、とても優しく感じた。

 もちろんPhoto_10私はこれらを食べるだけではない。日本で再現するものもあるので、まずはオリジナルを食べておくことにしている。そして今年のテーマは「お粥」である。そこで「小米粥」を注文してみた(小米とは粟のことである。日本では小鳥の餌ぐらいにしか思われていないよね)。

 これは粟だけ(!)のお粥である。他のものはまったく入っていない。つまり粟の味だけで、塩味も何もないということだ。さすがにパサパサするばかりで、塩でも振り掛けて食べたくなったよね。まあそれでもこんなものを食べていたら、カロリー数は低いだろうね。

 有名な料理だから、いつでもどの店でも美味しいとは限らない。無名な料理だから、美味しくないというわけでもない。人生と同じように、何でも実体験してみないと、味はわからないよね。Photo_11

http://review.rakuten.co.jp/item/1/213310_13086398/1.0/

http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sv=2&sitem=%a4%a2%a4%ca%a4%bf%a4%cb%a4%e2%a4%c7%a4%ad%a4%eb%21%c4%b6%bf%cd%a4%ce%c6%b0%a4%ad%20%c6%b0%a4%ad%a4%ce%a5%a8%a5%cd%a5%eb%a5%ae%a1%bc%b3%d7%cc%bf&p=0&v=3&f=O

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AB%E3%82%82%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B-%E8%B6%85%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%8B%95%E3%81%8D%E2%80%95%E5%8B%95%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E9%9D%A9%E5%91%BD-%E3%82%88%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%