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2009年3月31日 (火)

誕生日っ!

 いや昨夜は遅くなってしまった。花より仕事などと言っているうちに、午前様になってしまった。慌てて帰宅してお粥を作ったが、何を隠そう、昨日は我が家のチャーちゃんの満6歳の誕生日だったのである。誕生日なのに、午前様になる悪いお兄ちゃんを、どうか許してくれ……Photo

 なんて気持ちで玄関を入ったら、こんな感じの顔でいてくれた。本当はもう眠いんだよ、きっと。本来ネコは夜行性なんだろうけど、人間と一緒に暮らしていれば、ネコ本来の生活習慣は狂ってくる。もちろん1日に何度にも分けて、うつらうつらするのが彼らの基本的スタイルなんだろうけど。まあ食事の心配がいらなければ、どんなライフスタイルでもOKなんだけどね。

 帰るやPhoto_2らいきなりお粥を始めた。材料なんか考えてもいない。ありあわせのもので、さっさと作る。シイタケとエノキダケがあったので、残っていたご飯とで、適当に鶏粉とお塩、生姜でそれらしくしてしまう。 なんでもいいのである。夕食というには遅すぎるから、胃に堪えなくて、それなりに食べれればいい。

 だからPhoto_3さっさと鍋に湯を沸かして、ご飯を入れて…という作業をした後、岐阜のNさんから、なんとお酒を贈ってくださっていたので、さっそくいただく(もちろん、その前に缶ビールはプシュっとやっているんだけど)。この瞬間があるから、生きていく意欲が沸くんだよね。

 本来は今日はチャーちゃんが飲まなければならない日なのに、人間さまの方がくいくい飲んでしまう。くいくい飲んでしまえる酒は、いいお酒なんだよ。本当は両方とも味見したかったんだけど、なにしろ午前様、あまりたくさん飲むわけにもいかないので、千代菊のほうをいただいた。

 美味しゅPhoto_4うございました。Nさん、素敵なものをありがとうございました!! また面白そうなものがあったら贈るね!

 そんなことをしていたら、お粥は確実に出来上がる。それでさっさと食べる。  さあ、食うべし、飲むべし! お粥はこれができるから強いなあ。そしてさあ寝ようと思ったら、午前二時だった。でもこれならまだ早いほうかも知れない。昔なら午前二時と言えば、さあもう一働きといった時間だったもんね。でもいつまでも無Photo_5理をしてはいけないから、適当で止めとく。

 大器晩成ではないが、人よりも長く頑張れれば、人よりも遠くへいくことができるかもしれないからね。

さあ寝ようと思って、チャーちゃんを探したら、やっぱり大好きなかあにゃんの椅子の上にいた。 やっぱり、かあにゃんが一番さっ!! とでも言いたそうな顔で、やっぱりうつらうつらしていた。

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2009年3月30日 (月)

花より仕事!

 岡山でも桜がちらほら咲いていて、桜祭りなんかも後楽園周辺では行われているらしい。遅い木には、まだ咲いていないんだけどね。日本人という民族は、本当に桜の花に踊らされているみたいに感じてしまう。

 もちろん、その中の一人が私なんだけど。でもまだまだ風情が、ちょいと、ねえ…… 桜は八部咲きとか満開とかがいいという人もいるが、花びらがちらほらと風に舞い始めると、最高の風情だよね。花見をしていても、お酒の中に花びらでも舞い込もうものなら、なんだか儲けたような木になってしまうもん。

 散りぎわの見事さが、なんだか日本人の感性とぴったりくるんだろうね、桜という花は。でもまだまだ、私はそんなに簡単には散ってあげないよ。これからだからね、私の人生は。

 ということで、まだまだの桜の下で、平日だというのに、桜を見ないでドンちゃん騒ぎをしている人たちに見向きもしないで、倉敷市内某所に籠もって仕事の鬼と化していました。仕事に熱中できる環境がほしかったのね。ついでにアドバイスも。

 今日中の仕事になるかならないかわからないけど(若かった頃は当たり前だったなあ)、できるだけ前に進まないといけない。そして自分に足りない何かは、誰かに助けていただかなくてはならない。幸いなことに、私の周囲には、口は悪いけど、心のキレイな人はたくさんいて、能力が不足している私が甘えると、助けてくれたりするんだよ。友達は宝だなあ。まったく私に過ぎた友人達だと思う。

 間違いなく私の人生は、こと友人に関する限りは、幸せだといえるんじゃないだろうか。しかも自分から進んで友人を作ろうとしたわけではないんだよ。でも気がついたら友人になってくれていて、大切なときに手助けまでしてくれる。本当にありがたいことである。

 ということで昨夜は「山芋と大根のお粥」で遊んでしまった。Photo すでにこれは紹介したかも知れないが、化学調味料を使わなければならなかったと記憶しているので、今回はアミにした。それとテキストでは大根を3㎝角に刻むなどと書いてあるが、それを1㎝角にした。母の歯の具合が悪いからである(少しよくなったそうだが)。Photo_2

 米を炊いている間に大根と山芋を切っておく。大根は1㎝角、山芋は雑な短冊である。こういったものには、日本人的にはアミのダシが合うはずだ。そしてちょっと塩味が聞いていれば、それだけで十分。Photo_3

 お米が噴き始めたら大根を入れる。ついでにお塩も入れておく。そうして10分くらい経過したら、今度は山芋を入れる。一番最後に化学調味料代わりのアミを入れた。順番的におかしいかも知れないけど……

Photo_4  そうして5分ほどで火を止め、まだお酒が終わっていなかったので、結果的に5分ほど蒸らすことになった。いつも土鍋を使っている理由が、お酒が終わっていないときに、ちょっとの時間を蒸らしに使えるからだ。金属製の鍋だと、温度が下がってしまうことがあるので、やっぱり土鍋がいい。Photo_5

 あとは食うだけである。なんと、美味しいったらありゃしない。上品な味に仕上がっていて、味もなかなかである。大根の風味と山芋の食感がなんとも言えない。もちろんそれらを支えているのはアミの旨みである。簡単にできて、なおかつ美味しいお粥が、またしても誕生した。

 さて、これからまた仕事である。今日はとりあえず、できるところまで進んでおく。帰ったらまたお粥である。だから体調がいい。

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2009年3月29日 (日)

大器晩成?

 今日も朝から大変に忙しかった。てんてこ舞いとはこのことである。別名、貧乏暇梨なしともいうらしい。それで今日の取り組みを見ていないが、重量の琴国関は勝ったのだろうか? 岡山の真庭出身ということで、遅咲きと言われているので、早く幕内まで上がってこないかと楽しみにしているんだが。

 遅咲きという言葉があるけれど、遅かろうと早かろうと、花が咲けば、それはそれで立派な人生だと思う。どんなことをやっても大成するのは、そんなに容易いことではない。みんなしたり顔でよく言うんだよ。根性があれば、忍耐力があれば、なんでもできるみたいなことをね。

 でも世の中はそんなに簡単じゃない。自分が頑張って頑張って、それでもなかなか日の目を見ることができないで、それでも頑張っているうちに、やっと日の目を見たような人ならば、なんとなくわかるんじゃないかな。

 私は根性はあるけれど、そして努力はしているけれど、いつまでも花が咲かないで、とうとう諦めていった人を、何人も知っている。成功を攫んだ人は「それでも私は頑張った」と自賛するかも知れないけれどね。

 どんなものでも、なかなかうまくいかないと「諦めよう」と思うことはある。これはさっさと成功してしまったような人以外なら、たいていの人が知っていることじゃないかな。単純な根性論ですむような、そんな世界じゃないんだから。

 たとえ三度の飯よりも好きだったものでも、何もかもがうまくいかなくなったら、好きでなくなってしまう。「自分にはこれしかない」と思うことで続けられる人もいるだろうが、止められない何らかの理由があるから、人は続けることができる。どういう理由であれ。

 私もなかなか物事がなかなかうまくいかない方だ。そして根性があるほうではない。ただし私は少しずるかった。というのはやりたいことを習慣化して、生活の一部として取り込んでしまったのだ。すると生きてさえいれば、嫌でもそれをすることになる。だからいつも意欲満々で取り組めていたわけではないんだね。

 でも継続は確かに力になる。偉いもんだが。でもまだまだ大成などとは口が裂けても言えない。現実的、客観的に見て、「吾日莫途遠」である。『史記・伍子胥列伝』にある言葉通りだ。もう日が暮れようとしているのに、目的地は果てしなく遠い、といった意味だが、あまりに目的地が遠ければ、最初に始めるのを躊躇してしまうかも知れない。

 でもあの頃は生きが良かったからねえ、私も。で、なかなか成果が上がらないと、人は焦ってきたりする。どうしても自分と他人とを比較してしまうんだよね。自分よりあきらかにつまらないと思う人が、さっさと日の目を見ていたりすると、気分的に腐ってしまったりすることだってある。

 だからあまり辛抱しすぎると、伍子胥(ご・ししょ)のように、「吾故倒行而逆施之」ってことになったりすのかも知れない。まあ自分に残された時間がないと悟れば、誰だって焦ってくるから、悠長なことは言っていられなくなるわけだ。

 辛抱は大切だけど、辛抱しすぎるのもまたよくない。もちろん辛抱をまったくしないのは、論外である。ま、なんとか自分の行き着きたいところに、自分が行き着きたいときまでに到達してPhotoいたいもんだよね、人生は。

 ということで、昨夜は母が口がいたいということで、またしても私の出番となった。昨夜は『生姜羊肉粥』であって、基本的には以前紹介した『羊肉粥』とほとんど違わない。材料は、羊肉100g、お米100g、調味料として生姜20g、料理酒大匙2杯、お塩小匙半分である。

 作り方も羊肉を2㎝角に切り、お米をといで、お米、羊肉、生姜、お塩、料理酒を一緒に鍋にぶち込んで、適量の水を加え、炊くだけという、えらい大雑把な解説しかかいていない。昨夜は母は口が痛いといったので、それを考えに入れて、作り方を変えた。Photo_2

 材料は基本的にテキスト通りである。料理酒の代わりに白酒、羊肉約100g、生姜約20g、お塩は小匙に半分、お米も約100gであって、大して考えもしない。

Photo_3 お米をといで煮ている間に、羊肉と生姜を細くきっておく。歯が痛かったり、口が痛いときには、噛むことが苦痛なので、噛まなくてもいいくらいにしておればいいのだ。本当はもう少し小さくしてやろうかと思ったが、あまり小さすぎるのもへんがないので、この程度で勘弁してやった。Photo_4

 鍋には水を900ml入れて炊いている。そして噴いたらこれにお塩と生姜と羊肉と料理酒を入れる。ただしお酒は少し少なめ(テキストにある半分くらい)にしておく。あちらの酒は濃厚なので、入れすぎると、少々(どころか!)きついのだ。Photo_5

 当然、お肉を入れるとアクが出てくる。ここではけっこう丁寧にアクの除去をした。つまらないことで味が悪くなったら、それこそつまらない。羊の脂が一緒にいくらか棄てられるので、そっちの方が気になってしかたがない。昔は私も大変な肉食いだったのだ。Photo_6

 お酒を飲みながら作っているので、時間はいくらでもたっていく。気がついたら最初の加熱開始から35分も経過していた。それでもお酒が終わっていなかったので、5分くらいは火を止めて蒸らしたくらいである。あとはお茶碗に装って食うべし!である。

 なんとも生姜の香りが清清しい、なかなかの逸品に仕上がってしまっていた。えらいもんだなあ。

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2009年3月28日 (土)

春の知らせ……

 やっと家の庭を裏まで見てまわる時間的余裕があった。あ~、なかなかに忙しい。ちゃんと異常はあったので、すぐに直しておく。自分の家の異常に気がつかないなんて、なんということだろうか。野生動物だったら、一番に自分の巣の異常は点検しておくよね。その点、現代人の方が、「異常がないのが当たり前」になってしまっているようで、実に無防備である。ちょっと生き方を考え直さなければならないね。

 そのついでに、もう新芽を出していたコゴミを発見した。この子を山から連れて帰ってから、もう何年になるかなあ。10年ではきかないような気がする。最初はなかなか我が家の庭になついてくれなかった。3株移植したのだが、いつまでたっても3株のまま。こりゃ、やっぱり山でないといかんのかねえ。でも3株は維持できているからいいのかねえ、などと思っていたら、ここ数年、かなりの勢いで株を殖やし始めた。

 増えPhoto始めたら偉いもんで、こちらが、「ここまで、ここを過ぎず(刑事コロンボシリーズのファンの方だったら、有名なせりふですな)」と作っていた枠なんか、完全に無視。もう枠の外に何株もできちゃったよ。時間はかかったけど、ちゃんと我が家の庭に適応してくれたんだね。なんとなく、こちらが嬉しくなっちゃった。だから枠からはみ出しても大目に見ちゃう。 適応してくれたのが嬉しいからね。

 もともとこのコゴミは、山のコゴミが新芽を出す時期を家にいて知るために移植した。最初の数年は、山のコゴミよりも1~2週間ほど早く新芽を出していたので、いい目安になった。でも今は完全に、ふるさとの山のコゴミを無視して、見事に我が家の庭のペースで新芽を出す。だから目安にはならない。でもそれって、我が家の家族になったってことだからね。だから以前は食べたこともあったけど、今では見事に観賞用になっている。我が家の庭の風景の一部である。

 コゴミを見て気がついたけど、タンポポも咲いていた。昨年移植したシロバナタンポポは芽は出ているけど、まだ咲いていない。シロバナタンポポは日本の在来種だから、どこがどうなろうと、我が家ではきちんと維持していくつもりである。ムラサキサギゴケも小さな花をつけていた。そうそう昨年末から我が家は大改造したので、今年のジュウニヒトエはどうなるかと心配していたが、なんとか蕾をつけているようである。

 この花を見るたびに、これを下さったOさんのことを思い出す。Oさんは3年前の春、若くして他界した。彼女の生きたかった意志、花をつけたかった意志が、我が家の庭で毎年春になると紫色の可憐な花をつけているように感じる。花は枯れても毎年咲くが、人は一度死んだら、二度とは戻らない。

 そういえばこれも3年前だった。Oという、本当にいい男が亡くなった。彼は不遇だった。私は彼を励ますのに、とんでもなくアルコール度数の高い酒を贈ったら、彼から長い電話が来た。彼が不運に見舞われたとき、誰も励ましてはくれなかったのだそうだ。私がバカな贈りものをしただけだったのだそうな。

 その通り。だいたい世の中はそうなっている。勢いがあるときにはみんな寄って来てくれるけど、不運に見舞われたら、日ごろ口先できれいごとを言っている人間ほど冷たいものだ。だけど私はOくんのことは忘れない。彼を「悪い男」と言った人間は見たことがない。だが不運に見舞われたとき、誰も助けなかった。私も元気づけようと思ったが、忙しくて酒を贈っただけだった。そしたらある日突然、彼が死んだという知らせが入った。

 本当のことを言うと、彼は何度も私の夢枕に立った。そして今、彼がもしかしたら望んでいたかも知れないことを実現するために、私は少しだけ行動を起こした。友人としてOくんは私を許してくれたかな? 本当はもっと早く動きたかったんだけどね。時期が来ていなかったし。

 夢枕に立つなんていうと、ちょっと科学的じゃあないけどね。でも世の中には、まだ科学で解明されていない不思議な現象があるからね。私はそれまで否定しているわけではないよ。科学は寛大だから。長い時間をかけて、不思議な現象が解明されるときは、きっと来ることだろう。

 春である。新芽は伸びる、花は咲く。だが花が咲いた後に、立派な実や種を残せるように、頑張って生きていきたいものだ。

 ということで口中傷だらけの母のために、急遽、お粥を作った。なんてことを言ってもいつも準備はできているんだけどね。先日あまり好評でなかった、咸痩肉皮蛋粥のリターンマッチを行った。評判の悪かったピータンの代わりに咸鴨蛋を使ったのである。Photo_2

 準備物は一晩塩をしておいた豚の赤身肉、お米、白酒、お塩、咸鴨蛋。これを米をといで、強火で加熱し沸騰したら豚肉を固まりのまま入れる。その間に咸鴨蛋の皮を剥いておく。何しろ簡単で、すでに慣れからか手抜きが始まっている。A

 咸鴨蛋を刻むのに横着をしてやれと、ゆで卵をスライスする道具を使ってみたが、なんと卵がぐじゃぐじゃになってしまった。卵を切るのに失敗したA級戦犯は、この道具である。もう半分やけくそで包丁を入れる。Photo_3

 今回は酒を飲みながらのんびりやったので、豚肉は中まで熱Photo_4が通っていた。おかげでスライスしやすかった。やっぱりこの程度(あるいはこれ以上)まで茹でなければならないのね。おかげで小さく刻むのも難しくはなかった。 遠慮はいらない。かえってこちらがしんどくなるだけである。

Photo_5 でおPhoto_6粥に豚肉を入れ、白酒を入れてから、10分ほどして咸鴨蛋を入れる。これでさらに10分ほど加熱を続けるのだが、こちらはお酒が入っていたので、都合15分以上は煮たような気がする。でもこれも歯が悪かったり、調子が悪い人のためにはかえっていいんだよね。お粥は消化器官にかかる負担を軽くしてくれるから。Photo_7

 さて、あとは食うべしである。食うべし、食うべし! 脇を締めてえぐりこむように食うべし!!  そんなことはない。脇をあまくして、がっつくように食うべしである。

 間違いなくこれはピータンを使ったものより美味しかった。やはり日本で売っているピータンはまずい!!

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2009年3月27日 (金)

汗をかき始めましたぞ!

 やれやれ、どうやら汗をかき始めましたぞ。私の身体は、汗をかかなければ調子が悪くなるという悲しい体なので(そりゃそうだ、運動し始めてからの年数が長すぎる。その間、いつも汗の量で体調をコントロールしてきたみたいなものだから)、なんらかの理由で汗がかけなくなると、とても体調が悪くなる。

 体調が悪くなると、精神的にとてもよろしくなくなる。精神的によろしくなくなると、やることなすこと、流れがよくない方にいく。金銭的に余裕ができたら、花粉症の時期だけでも杉の花粉などが存在しないところへ逃亡するかも知れない。それともエアロックつきの、宇宙船のような家の中に住むようになるだろうか。外部から太陽光線だけははいるようにして。

 とっても「自然な」暮らしで、涙が出てきそうになるけど、実は私にとっては切実な問題なのである。汗をかくといっても、サウナにはあまり頼りたくないし(サウナが嫌いというわけではない。じっとしていて汗をかくのが嫌いなだけである)。昔々若かった頃、旅行で飲みすぎた翌日も、また飲もうということで、サウナでお酒を抜いて飲んでいた頃があるけど、あれって危険だったんじゃないかな。今では絶対にしたくないことだもの。

 きっと若いからもったんだよね。今なら生命が危ないかも。というのは、明らかに脂汗なんだよね。ガマの油なら脂汗でもいいのかも知れないけれど(自分をハンサムだと信じていたガマに鏡を見せ、自分の本当の姿が醜いということを悟らせ、それで全身から脂汗を流させて採取したのが「ガマの油」なんだそうだが、どうして切り傷に効くのだろうか?)、人間が脂汗を流すのは、あまり好きではない。

 冷や汗もいやだよね。精神的発汗とかいうらしいけど、やっぱり汗は動いて体温を上げて、それで気持ちよくかかないと。中には我が母上や、我々のクラブの事務長N氏や、メンバーのS君のように、食事をするだけで汗びっしょりになる人もいないではないけど(決して辛いものを食べた時だけではない。太らなくでいいのかも知れないけれど、そうなると「限りある地球資源の無駄使い」にちかくなっちゃう。何しろ摂取した栄養分を、あっという間に熱エネルギーに変えて、二酸化炭素と水にしてしまうんだから)、体温が上がってかく汗は、体調をよくしてくれるような感じがする。

 体温を上げるには運動が一番だ。運動、運動。我々は生きている。生きている証は、動いていることである。これは細胞レベルでもそうだし、循環器系統をみてもそうだし、生きているものはみんな何もかもが動いているんだよ。落ち着きがない? 落ち着きがなくってけっこう。生きているから落ち着きがないんだから。

 ま、そういうことで、できるだけ時間を作って、落ち着かないことにしてしまいました。子供の頃から「この子は落ち着きがない」とよく叱られていたけど、いつの頃からか「落ち着いている」なんていわれることがあったりして(きっと体型で判断したのではないか。あんな体型では動けないと想像したためではないかと思う。でもこの人は体型に関係なく、動くんだよ)、我ながら不思議に思っていた。自分では落ち着いた感じなんかちっともなかったからね。

 なぜこう考え始めたのか、はっきりしたことはわからないけど、きっと夕食を今では完全お粥に変えたからかも知れないよ。だって身体が軽いんだもの。柔軟体操なんか、ここ数年まじめにやったこともないのに、足が軽々上がる。昔腰痛に悩んでいたことなんか嘘みたいだ。楽にあがって、しかも動くのが軽い。

 神様は私にもう一度青春をくださるのかも知れない。もしもこれがお粥のおかげだとすると、お粥にに神が宿った? 偉いこっちゃ。 昨夜も練習から帰って、遅かったけど、口が痛かった母のためにお粥を作ったからね。翻訳するのも面倒だったので、適当に。

 昨夜のPhotoは「ホウレンソウと鶏ミンチ肉のお粥」でございましたよ。ご飯が少し残っていたので、それを片付ける意味も含めて。材料は簡単。冷凍庫でカチンコに凍っていた、先日使った残りの鶏肉ミンチと(量も知らない)、残り物の葱と、偶然あったホウレンソウと、残り物のご飯と生姜少々、それに鶏粉に塩だけである。簡単すぎて涙も出てこない。Photo_2

 こんな感じで刻んで準備、このときには冷凍していたミンチ肉は鍋の中で、鶏粉と塩味で炊いている。そのアクをとりながら、次に入れるのは生姜である。そして冷凍でカチンコだった塊がほぐれてきたら、ご飯を入れる。後は知らん顔してお酒を飲んでいるだけだ。

Photo_3  思い出した頃に、ホウレンソウと葱を入れて弱火で5分間ほど煮込み、蓋をしてしばらく忘れていたら、こんなになっていた。あとは食うだけである。もう手抜きも手抜き、なにしろ途中で作っているのを忘れるくらいなんだから。でも不思議なことにちゃんと出来ている。お粥とは便利な食べ物である。Photo_4

 でこんな感じで、けっこうたっぷりあったよ。お腹いっぱいになっちゃいましたけど、ころが一晩あけたら、結構お腹の調子がいいんだよね。こういうのが一番なんだわ。

 この調子で、毎晩適当に作ってしまおう、お粥の夕食。また今晩も、先日ピータンで作ったらあまり受けなかったのを、咸鴨卵を使ってリターンマッチである。いろいろと我が家に適した味に変えていきはじめたよ。 ま、これも楽しみの一つかな。

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2009年3月26日 (木)

やっぱ、汗かかないと! ~芹菜海米粥~

 あまり不健康なので、花粉が入らないように締め切って、室内でできる練習を、ちょっと汗が出るくらいまでやった。トレーニングをきっちり続けていると、いつも汗は適度に搾られているからいいのだが、花粉なんぞというもののお陰で、体内は水でどっぷりである。ぼうふらが湧いたらなんとしよう(ちょっとぼうふらには早いか?)。

 だからすぐに汗でぐっしょりになってしまった。でも最近の私は、練習中でもプーアール茶(しかも熱いの)しか飲まないから、身体のなかはすぐに洗い流されてきれいになっていく感覚がある(ただの勘違いかなあ? でもコレステロールとか中性脂肪とかの数値は、すくなくとも私のメタボ体型とは無関係に、まったくの正常値…正常値の上限と下限の、ちょうどど真ん中…だよ)。

 体重は増えたかな? と心配していたのだが(怖くてヘルスメーターに乗らなかった)、あらあ、トレーニングしないでまったく絞っていないのに、これだと1ヶ月もあったら、そんなに無理をしなくてもいい感じのところまでは落ちそうだ。つまり運動量が極端に減っているのに、体重は水の分くらいしか増えていない。ほっほっほ… きっとこれは今の食生活がいいのだ。

 減量するために体力まで落としてしまっては元も子もない。だから、ほしくないものは食べない。ほしいものは食べる。お酒は、やっぱり止める気にもなりまへんな。酒なくて何の人生か? 「対酒当歌 人生幾何…」である。酒を止めるくらいなら、人生をやめてしまったほうがいいかも知れない。……おいおい。

 昨夜は私も母も用事があって忙しかったので、簡単に済ませた。私が作ったのは、『芹菜海米粥』である。超簡単なので、誰でも出来る。時間もかからない(お酒を飲んでいると、急いで飲まなければならないほどである)。そしてあっさりと美味しい。不思議なものである。今年になって夕食をお粥にしてから、けっこう身体が軽い(だからといって、そんなに細くなったわけでもないが。もちろんトレーニングさえしていれば、少しは体重も落ちているのだろうけど)。動きやすいのがはっきりとわかる。

 今日など階段を何十段、何往復したかなあ。全然堪えないよ(もちろん、それなりの身体運用はあるのだが)。きっと私と同じくらいの年齢の人なら、半分もいかないうちにダウン?したかも知れないくらいである。同僚の女性がいつも不思議がる。私はいつも階段の上りは2段か3段ずつ登る。足音はない。足音を立てるような、エネルギーの無駄遣いはしない(だから痩せないのか!)。

 エネルギーの無駄は身体運用上の無駄である。無駄になったエネルギーがすべて身体の外側に逃げてくれればいいのだけど、身体内部に戻ってきたら、長い間に身体が壊れちゃうこともある。たかが階段のぼり、されど階段のぼりである。小学校の体育や、リーダー講習会では、行進練習はやっても階段の無理のない登り方は教えてくれない。どうして? 教えるほうが知らないから? だろうね。少なくとも行進練習を見ていれば、無駄な動きばかりだもんね。

 元気よく見えることよりも、実際に元気が長続きするような動き方が優れているんだけどね。少なくとも行進練習を見ているとこの軍隊を持たないことになっているはずの日本でも、軍隊式の動き方はちゃんと残っている。きっともともとは日本が明治維新前後に導入した、フランスやドイツの陸軍でやっていた動きがもとになっているんだろうけど。

 まあいいや。私は平和主義者なので、軍隊風のやりかたには口は出さない(兵法は好きだけど。これは人生を生きるために活用できるから)。まあときにあの動き方も、かっこよく見えPhotoることもあるし。

 さて『芹菜海米粥』だが、まずはテキストである。材料は新鮮なチン菜(なければセロリで代用可)90g、アミ30g、お米100g、調味料としては白糖大匙2杯(おぞましい~。私はお粥はお塩のものだと思っている)。作り方は簡単、チンサイは洗って長さ2㎝ほどに切っておく。アミ(乾燥アミ)は水に浸しておき、米はといでおく。そしてこれを一緒くたにして適量の水を加え、最初は強火で、噴いたら弱火で、粥状になるまで炊き、それからお砂糖を加えて混ぜ、完成という代物である。

 私も面倒Photo_2だったので、 アミとセロリとお塩、それからお米しか準備しなかった。そしてお米をといで、水(5合)を加え、セロリを2㎝よりはだいぶ短めに刻んで、アミはほんとうは水にかしていなくてもいいんだけど、水に浸した段階で、缶ビールをプシュっとやった。酒なくて何の人生か。当たり前である。さけに酔わないで生きていられるような世の中か…(悪酔いした…?)。Photo_3

 あとは私の仕事ではない。鍋を加熱するのはレンジがやってくれる。こちらがしなければならないのは、時間つぶしだけだ。ただ時間を潰すのでは能がないから、その間にお酒を飲んで、浮世の憂さを忘れるだけである。「酒にむかいて歌うべし、人生いくばくぞ…」 気分はすでに曹操孟徳である。

 そして後はお米が噴いたら、まずアミとお塩を入れる。アミを入れるのだから化学調味料はいらない。最近の私は、化学調味料を使う代わりにアミとか鶏ミンチ、豚ミンチなどを少量使うことにしている。化学調味料は便利はいいんだけどね…… 味覚検定の試験で私が間違ったのは、化学調味料を使った「旨み」だけだった。どうもこいつは落ち着かない。

 10分足Photo_4らずでセロリを投入する。薄く切ったので、加熱時間は短くても十分である。少しくらい歯が弱くても、十分食べることができる。そして何よりも、セロリの香りが死んでいない。これが大切だ。そうでなくてもアミを炊いた香りは強いんだから。

 あとは食うだけである。まだ終わっていなかったお酒を飲みながら食べても、これまたけっこう! 明日も元気で生きていける。

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2009年3月25日 (水)

経済効果 ~ついでに咸痩肉皮蛋粥~

 なんとサムライジャパンの優勝で幕を閉じたWBCは、経済効果550億円なのだそうである。凄いね、この数字は。実際、驚くほどたくさんの人が(仕事中であっても)、観戦していたのだそうで、見ていた人たちは随分勇気づけられた人もいたのではないだろうか。そうすると、単純な経済効果だけではないような気がしてくるね。

 気分が高揚するだけでも凄いことだが、やる気が出てきたり、「ようし、俺も」なんて気合が入るのは、新たな経済効果を生み出す可能性があるよね。いやあ、私も末端のほうにいさせていただいているが、やはりスポーツの持っている力は大きい。とても定額給付金では、ここまでの経済効果は期待できないかも。

 大切なのは人の心だもんね。昔から言われているように、一年先を考えるなら稲を植えよ。十年先を考えるなら樹木を植えよ。国家百年の計を立てるなら、人を育てよというが、人がすべての根幹だもんね。ただ小遣いを(それも本来我々が納めた税金から)少し貰っても、そんなに元気がでないけど、困難な戦いを闘い抜き、見事栄冠を手にしたサムライジャパンの活躍は、野球なんかあまり知らない人にまで元気を与えたんじゃないかなあ。

 選手の何人かが「日本のために」という言葉を出していたけど、確かに日本のためになったと思うよ。日ごろ日本にいない人は、よけいに日本のためにという意識が強かったのかも知れないよね。私は立派なことだと思った。そして少しは元気をもらっている。お陰で困難な自分が抱えている仕事にも取り組めそうである。

 なんてことを考えながら昨夜は、一昨日仕込んでいた『咸痩肉皮蛋粥』を作った。日本風に言えば、「塩漬け赤身肉とピータンのお粥」って感じである。なんとこのお粥は、豚の赤身肉を一晩塩に漬けていなければならなかった。本来は一昨日作るはずだったのだが、下ごしらえPhotoで一日ずれ込んだのである。

 まずはテキストの紹介だ。 準備するのは豚赤身肉150g、白米300g(何人前だ?)、ピータン2個。調味料として料理酒大匙1杯、お塩と化学調味料それぞれ小匙三分の一ずつ。

 作り方である。① 豚赤身肉を一晩お塩に漬けておく。 ② お米をといで、少量のお塩を加え、まず煮ておく。 ③ 炊きかけのお粥に豚赤身肉を入れ、一緒に炊いたあと、赤身肉が煮えたら取り出し、小さく切る。 ④ 刻んだピータンをお粥に入れ、一緒に煮る。 ⑤ 粥がよく煮えたら切った豚肉をいれ、化学調味料で味を調えて完成、なんだそうな。

Photo_2  まず私が準備したものである。左上から化学調味料(結局使わなかった)、アルコール濃度56度の白酒、お塩、お米(90gくらい)、豚赤身肉、ピータン。我が家はそんなに大量に作ったりはしない。白米300gなんて、どうやって食べるの? 無理無理(きっと5、6人でいいくらいじゃないだろうか)。Photo_3Photo_4

 まず何よりも先 にお米を研いだ。豚肉は前夜塩をして寝かせておいたので、次はピータンである。私の母はピータンなどというものは見たことも食ったこともなかったので、ついでだから記録を残してしまった。 まず泥まみれ(その外側には籾殻みたいなのがまぶしてある)のピータンで、これはあらかた指で落としてから水で洗い流す。すると現れPhoto_5たのはこんな感じの卵である。中がどす黒いのを除けば、まあゆで卵だ。

 殻を剥くPhoto_6ときにはゆPhoto_7で卵と同じで、殻にあちこちひびを入れて、水道の水を流しながら剥いていく。剥けたら次は真っ二つに切る。真っ二つの次は小さく刻む。でもなんか変。私があちらでよく食べるピータンに比べると、ちょっと弾力がたりない。どことなくぼそぼそという感じだ。若干の不安が芽生える。   

 この頃にはすでに缶ビールをプシュっである。酒の肴は母が作ってくれているので、私はるんるんである。まあなんとか食えるお粥を作ればいい。Photo_8 強火で水5合にお塩をほんの少し加えてお米を炊き、噴いたら豚の赤身肉を入れて茹でる。ただしちょっとばかし分厚かったので、完璧に茹でるのはやめておいた(時間がかかるし、なにしろこちらは飲んでいるし)。

 お粥は茹で続けるが、適当に表面が白くなったので、豚肉はあげる。そしてこれを小さく切っていく。切ったらまだまだ「たたき」状態だった。Photo_9 でも面倒だったので、そのまま切る。切りにくくてちょっと苦労したけど、まあ私のやることはこの程度のものだ。

 この時気づいたのだが、テキストには料理酒が必要と書いてあるのだが、どこで使うのか書いていない(こんなことはよくある)。う~ん…と悩んだがそれも一瞬、ええい、豚肉と一緒に入れてしまえと勝手に決めて、ほいほいと納得してしまう。Photo_10

 こんな感じで豚肉を入れたあと、白酒を大匙半分程度加える。テキストには大匙1杯とあったが、それはお米が300gの場合であって、ここは半分に抑えておいた。いくらお酒を飲んでいるとはいっても、白酒の独特の風味に染まったお粥は、そんなに美味しくはないだろう。Photo_11

 これはわざわざ中国物産店で買ってきた。私が家においてある白酒は、料理に使うにはあまりにももったいないものばかりなので、こういうときに使う気にはならない。料理に使うお酒は、お酒自体を味わうのではないから、もっと品質的に下でよい。高かったのはアルコー10ル濃度だけである。

 このまま蓋をして10分ほどしてから、ピータンを入れる。先ほど感じた不安がどうも気になる。それに日本のピータンはまずいという噂も聞いていたし。私は中国でしかピータンを食べていないから、美味しくないピータンを知らない。11

 そして約10分後、ついにできあがりである。なんとなくぱっとしない外見だが、スープをすすってみると、まあ食べれないこともない、というよりか結構いい味である。それでわしゃわしゃと食べ始めた。豚はやはりもう少し煮てから切ったほうがいい。これなら豚ミンチでもいいかな、くらいの感じである。12

 ただやはり問題はピータンであった。あちらで食べたものよりも味がピュアでない。食感もあまりよくない。どうしてこんな違いが出るのかなあ。やはりピータンも、旅をさせてはいけないのだろうか。

 韓国マツタケを日本で食べたときは、たしかに「これ、マツタケねえ…」と思ったけど、ソウルまで行って食べた韓国マツタケは、立派にマツタケだったしね。でも生鮮食品ではないから、あまり影響を受けそうな気もしないんだけど。

 まあ後何度か、ピータンを使ってみる予定があるので、そのときには美味く感じられるといいんだけどね。

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2009年3月24日 (火)

何でも実験癖・26 ~間違えちゃった! 松花苦苣粥~

 WBC、勝っちゃいましたね! えらい、えらい! 確かにアメリカがベストメンバーを組んできたかどうかって問題はあるんだろうけど、二連覇の日本、北京オリンピックの成績がまぐれじゃないって証明した韓国、ともに凄い試合だったね。選手のみなさん、感動と喜びをありがとうございました。

 ということで、相変わらずそれなりに忙しい日々を送らせていただいております。忙しくないと私のような男は横道にそれたりするかも知れないから、適度に忙しいのはいいことなんだけどね。自転車と一緒で、走っていないと立ってられないのね。

 岡山の県南では杉の花粉は峠を越したなんてことを言う人もいるけど、いやあ結構しんどいですよ。それに私は松にも檜にも付き合ってしまうからね。決して付き合いがいい人間だとは思わないけど、春先の花粉には付き合ってしまうんだよね。こういう時には体調を狂わせないために、やっぱり夜はお粥である。ここんとこ毎晩だ。お陰で母は酒の肴に専念してくれている。

 さてそういうことで、昨夜は『松花苦苣粥』に挑戦しようとしてみた。日本風にいうと『ピータンとレタスのお粥』というところだろうか。ただ我々の知っているレタスと苦苣が、なんとなくちょっと違うんだよね。しかもなんということか、慌てものの私はピータンを買ってきたつもりで間違えて咸鴨蛋を買ってきていて、しかも作り始めるまで気がつかないんだ。もう作り始めてから気がついたから、引き返すことはできない。

 こういう時は黙って前に進むだけである。始まってしまったものは仕方がない。いまさらくよくよしてもどうにもならないから、思い切ってやってしまう。もしかしたら勘違いからいいものができるかも知れない。フレミングのペニシリンの発見の例もある(そんなに凄いことではないにせよ)Photo

 ではいつも通り、テキストの紹介である。材料はピータン個、レタス50g、お米100g。調味料としてはお塩と化学調味料がそれぞれ小匙に三分の一である。手順も簡単、① まずレタスを小さく切る。 ピータンも同様に小さく切り、お米はといでおく。 ② お米、レタス、ピータンを鍋に入れ、適量の水を加えて加熱する。③ 食べるときにお塩と化学調味料を加えて味を調整する。実にいい加減である。

 私はPhoto_2化学調味料をできるだけ使いたくないので、鶏なんだからと、鶏ミンチ肉(約50g)を準備しておいた。左の時にはもうピータンと咸鴨蛋とを間違えたのに気がついてはいたが、知ったことではない。鶏ミンチと鴨が鍋の中で喧嘩しなければいいんだけど、などと軽口を叩いてどんどん作る。左から、鶏ミンチ(50g)、お米(約90g)、レタス(約100g。葉が傷んでいたので、どんどん剥いていたら、こんな量になっていた)、咸鴨蛋(1個)、お塩(小匙半分)である。

 レタスPhoto_3は切るのが面倒だったので、手でちぎっておしまい。咸鴨蛋は包丁で刻んでおく。  準備が楽なので、もうこの時点で缶ビールをプシュっとやる。そうこうしているうちにお米が噴いてきたので、鶏ミンチとお塩を鍋に投入する。テキストはなんもかんも一緒に炊いてしまうように書いているが、加熱に適した時間はそれぞれ異なるだろうに。だから私は勝手にこのあたりの順番は変えさせてもらった。10

 ミンチ肉を入れて約10分ほど経過したら、咸鴨蛋を刻んだのを入れる。黄身が崩れたら悲しいので、あまりかき混ぜない。幸いなことに鍋の中では、鶏vs鴨の喧嘩は起こらなかった。あとは弱火でことこと煮込むだけである。100

 それからレタスをドバっと入れて、さらに10分ほど炊き込む。こうすれば野菜は少々多くてもいくらでも食べることが出来る。レタスは加熱しても案外美味しい野菜だよね。でも野菜が多すぎると、水がたくさん出るので、実はお塩を小匙半分よりもほんの少しだけ増やしておいた。Photo_4

 蓋をして5分ほど煮込んでから見たら、こんなふうになっていた。どんな味かさっぱりわからない。途中で味見をする習慣がないからだ。というのも味見しているうちに味の違いがわからなくなり、もう少し、もう少しと食べているうちに、中身が減ってしまう。ついでにこちらのお腹Photo_5も太ってしまう。あとは食うべしである。

 どんな味なのかわからないと、食べてみるにも勇気がいる。先に食べ始めた母が「案外おいしい」というので、「そんなら食べてみようか」と食べ始めた。まるで『今昔物語』の、貴族にフグを貰った乞食のようである。

 味はけっこう美味しい。もしかしたらピータンを使ったよりも美味しいかもしれない(そのうちピータンで作って比べてみよう)。おかげでまた昨夜の夕食も豊かなものになった。感謝である。

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2009年3月23日 (月)

何でも実験癖・25 ~案外さっぱりと、羊肉のお粥~

 相変わらずコーヒーを飲んでいる。いつものことだが、これがどう意味か、私にとても近しい人は理解しているだろう。でもなんとなくこのコーヒー飲用は、長くなりそうな気がする。やっとコーヒーが喉を通り始めたくらいのところだからね。

 コーヒーを飲み続けていると、胃がおかしくなることもある。そこでやっぱり夜はお粥だ。昨夜も作った。ちょうど羊の肉を手に入れたので、こいつを使ったお粥である。一般に羊はラムでないと美味しくないと思いがちだが、いやいやそんなことはございませんぞ。マトンだって食べ方(料理方法)を間違えなければ、結構美味しくいただけます。

 まずは例によってテキストの紹介から。Photo ほっほほ、テキストの写真だけでも、けっこう美味しそうでしょ? 材料は羊肉150g、お米100g。調味料としてお塩小匙三分の一、生姜、葱を各少々といったところ。

 作り方。① 羊肉を洗い(日本だと、肉を洗うという感覚がよくわかりませんが。なにしろ清潔な国だから)スライスしておく。 ② お米はといでおく。生姜、葱も適当に刻んでおく。 ③ 鍋に羊肉、生姜、葱、お米、お塩を一緒にぶちこんで、適量の水を加える。 ④ 最初は強火で、噴いたら弱火にして、粥状になったら完成。 ずいぶん簡単な説明だな、と思ったが、実際簡単である。

 まず準備物から紹介しよう。Photo_2 左から羊肉スライス(ブロックもあったが、とんでもなく大きな塊だったので、最初からスライスしているこいつにした。これでも1㎏ある)、生姜、葱、奥にいってお塩である。この中から羊肉はテキスト通り150g。生姜は2~3g、葱も少々使った。生姜の使命といったら、羊肉の臭みを消すぐらいだろうし。Photo_3

 お米は6勺(1合の十分の六)で、さっさとといでおく。あとは葱を刻み、生姜を刻み、羊肉を適当な大きさに切っておく。ここで缶ビールプシュっと、いつもの通り。缶ビールが終わったら、また「月の桂」である。酒は百薬の長だ。ただし花粉症の影響か、あまり量は飲めないが。Photo_4

 火をつけて強火でお米が噴き始めたら、さっきの羊肉をどばっと入れる。もちろんお塩、生姜も一緒である。アクが浮いたら丁寧に除去する。お粥だから、アクがでて変な風味になったら困るからである。テキストにはなんもかんも一緒に入れるとあったが、なんとなくそんな気になれなかった。それだけのことで、若干の時間差をつけた。Photo_5

 あとの仕事はすべて機械がしてくれる。私と母は、酒を飲みながら待つだけ。そして弱火で加熱しつづけていたら、さらに生意気にももう一度噴きそうになったので、こんどは火を止め、刻んだ葱を入れて蓋をし、1分間だけ蒸らした。蒸らしたほうが、なんとなく葱がいいぐあいになるんだよね。あとは食うべし!Photo_6

 なかなか脂がギラッとしてきつそうでしょ。ところがどっこい、食べてみたら案外あっさりとしているんだよね。それに身体が温まる。お酒とお粥で身体を暖め、血管は適度に広がって、すくなくとも食事の後は快調でございますよ。

 ついでながら、お粥の暖かさと水分で、花粉症で参った喉や鼻の奥が、調子いいんだよね。もう来年から、この時期は迷わずお粥だね! そのためにもレシピを増やしておかないと。

 今晩も作るぞ~っ!!

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2009年3月22日 (日)

何でも実験癖・24 ~もっと早く食いたかった、カボチャとユリネのお粥~

 花粉症は立派な病気である。その証拠に、疲れ方が尋常ではない。アレルギー反応は全身にダメージを与える。とくに肝臓あたりはしんどいらしい。だからいくら寝ても寝たりない気がする。全身がだるい。あ~、さっさと花粉の季節が終わらないものだろうか。

 などと言いながらも、今日はお墓参りであった。天気は時々雨が降っていたけど、晴れきって風でも吹いて、花粉でも舞ったひにはこちらがお墓の中に入りそうになってしまう。でも母と一緒に墓参りをしていると、どことなく心が落ち着く。多くの祖先がいて、今の私がいる。生命のつながりというものは偉大なものだ。

 それから中国物産店まで足を伸ばし、食材を購入した。一番買いたかったものはなかった。でもいろいろと買い込んだから、またお粥のバリエーションが増えるはずだ。店のおじさんと、最初は中国語でやりとり。途中から日本語で応じてくれたので、私も日本語で話をする。まあどっちゃでもいいけど(どうせ日本では手に入らない食材を求めて行ったのだから、日本名で言おうにも、余計わかりにくかったりするんだけどね)。

 ということで、今日も「何気ない毎日が、風のように過ぎてゆく。この街で君と出会い…」という感じの日が過ぎていった。何度も言うが、こういった日こそが、実は本当の幸せな時間なのである。何か劇的なことがあって、嬉しくて幸せなわけではない。何気なく自分の傍を、時間が過ぎ去っていく。これこそが私が幸せに生きていることの証である。

 ということで昨日は『南瓜百合粥』に挑戦した。ちょうど出来上がったときに、餌を届けてくれたニロチカの近藤店長がやってきたので、一番美味しいところを近藤店長が食べて行った。(私と母は、少し送れて食べたので、ちょっとどびていた。残念無念、桃栗八年、柿十年)Photo

 とりあえずこのお粥をテキストに忠実に紹介しておこう。 まず材料である。白米カップ1杯、水カップ5杯、カボチャ250g、ユリネ150g。調味料はお塩と化学調味料をそれぞれ小匙三分の一ずつ。

 作り方である。①まず、カボチャは皮を剥き、種を取って適当な大きさにカットしておく。ユリネは洗って一枚ずつ剥いたあと、ざっと湯通しし、あとは水を切っておく。 ②米はといだ後、30分間水に浸しておく。その後鍋に入れ、強火で加熱する。③噴いたら、カボチャを入れ、弱火にして30分煮る。④それからユリネと調味料を入れ、約5分煮込んだら完成! なんだそうだ。

 漢方的薬効だが、一応こんなことが書いてあるね。カボチャはデンプン、糖分、カロチンなどのほかに、カルシウム、リン、鉄などのミネラルが豊富で、多種にビタミンも含んでいる。これは気(気が何であるか、私はよくは知らない。ただ忠実に翻訳しているだけである)によく、炎症を消し、痛みを止め、解毒殺虫(どんな虫なのかは知らない)作用があるのだそうな。

 薬効はまあいいとして、白粥とは違って、様々なものを入れて作る中国粥は、確かに消化がよく、栄養補給にも効果的だろう。だからこそ私はこれを夕食(朝は忙しいので)として採用しPhoto_2たのだ。

 ということで私が準備した 材料である。カボチャは店で四分の一にカットして売っていたのをそのまま使った。300gちょっとあったが、種を取ったので300gよりは少なくなったと思う。ユリネは1パックが100gほどだったので、ええい面倒とばかりに2パック使った。芯の部分は使わなかったので、きっと170gくらいになったのではないだろうか。Photo_3

 最初は水に30分浸しておかなければならないお米をといだ。その上でカボチャをカット。テキストには皮を剥くように書いてあったが、そんな面倒なことはしない。だいたい、一番いいところは皮と身の間なのだ。それからユリネを解体する。Photo_4

 解体したユリネは沸騰させておいた熱湯の中にボチャンっ! 再び沸騰しはじめたら、約1分間そのままにしておく。あまり茹でてほにゃほにゃになってしまったら情けないもんね。その後ですぐに籠に上げ、水を切っておく。Photo_5

 当然、ここまで準備が終わったら缶ビールをプシュっである。料理なんてものは飲みながら作るんだよ。男が作る料理なんてそんなもの。ただし中国では今でも化学調味料を使うのが当たり前のようになっているけど、日本では「むかちょう」である。料理で化学調味料は使わない方向へ進んでいる。そこで今回の私は、使い残しがあった干しアミを化学調味料の代わりに使ってみることにした。Photo_6

 我が家の場合は、お米を入れてから5分少々で鍋が噴くことになっている。噴いたらそこに刻んだカボチャを入れて弱火にし、蓋をしてことこと気長に煮込む。もちろん気長などと言ったけど、別に待っている感じはない。とりPhoto_7あえずお酒を飲んでいたら、勝手に時間になっている感じ。退屈でなくてとてもよい。

 30分煮込んだらこんな具合になっている。そこで後はユリネを加えて、調味料を入れるだけだ。何も考えない。お酒はいまや宴たけなわである。特に「月の桂」とくれば言うことはない。Photo_8

 こんな感じですな。カボチャとユリネで、思いのほか量が増えてしまった。こりゃあ今晩はお粥でお腹一杯かななんて考えが頭の片隅を過ぎったが、ちょうど5分後、我が家のダトぽん(ダトニオ・イデス)の餌を持って近藤さんがやってきてくれた。いいタイミングである。Photo_9

 上の状態で5分待つと、こんな具合になる。どうです? なかなか美味しそうでしょう? で近藤さんを招き入れて「まあ食いねえ」(ちなみに近藤さんは、お酒は一滴も飲まない)。感想というと、「おお、ユリネが甘くて美味しい」「アミがいいなあ」だって。ありがとね。

Photo_10 実は母はユリネがあまり好きではなかったんだそうである。でもこれは結構気に入ってもらえたみたい。いろんなバージョンがあるけれど、今までの我が家の食卓にはなかったパターンができたのは、大きな収穫である。まだまだ作るぞ。私の場合、体調があまり優れなかったら、夕食はお粥が一番いいみたいだし。

 それに今日は新しい食材を仕入れたことだしね。

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2009年3月21日 (土)

何でも実験癖・23 ~久しぶりのお粥、蟹マネスティックのお粥~

 どんなご家庭でも出るのが、食べ残しではないかと思う。食べ残しを出さないようにといっても、人間の体調は毎日刻々と変化しているから、ほしいものが変わる。それを「我がまま」として我慢して残り物を食べるか、「食べたいときが美味いとき」と割り切るかは、とりあえず今の日本では、個人の自由であると私は考えている。

 ほんとは食料難になれば、こんなことは大変な贅沢なのだろうが、まあ豊かならば豊かさを楽しみ、貧困ならばなんとか生き延びる方法を考えるのが、人としては自然じゃないかと思う。私は食べることに関しては、結構享楽的であって、どちらかというと「食べたいときが美味いとき」という発想をする場合が多い。

 だいたい食べるという行為は、身体内部に異物を入れる行為である。異物である以上は身体に変調を来たすこともある。ほしくないものをほしくないときに食べれば、ほとんど例外なく体調が悪くなるが、ほしいものをほしいときに食べれば、食べていて美味しいし、食べすぎさえしなければ、体調が悪くなることはない。

 これがわれわれと食べ物との関係を、非常に端的に物語っていると、私は考えている。もちろん食に関してはいろんな考え方があると思うので、他の考えの存在を否定はしない。ただ我が家は今までもそうであったし、これからもそうである(はずである)。

 ということで一昨夜食べた後に、鍋物のスープが残ってしまった。一昨夜は「おじや」も作らなかったし、うどんも入れなかった。こういうことって、たいていのご家庭で起こりえる状況だよね。そこで私は考えた。昨夜のことである。そこで面倒なので食べてしまうことにした。問題は、それを「いかに食べたいもの」に変身させるかである。

 そうそう、そういえば中華粥に「蟹柳豆腐粥」があったと思い出した私は、そこで使われる高湯の代わりに、このスープを使ってみてはどうだろうかと思った。適当に応用していけば、なんとかそれなりに食べられるものになるのではないだろうか。

 というこPhotoとで、例によって、テキストの紹介である。名前は「蟹柳豆腐粥」。蟹柳は我が家では一般に「蟹マネ」と呼んでいる、蟹風味の練り製品である。豆腐は豆腐だから、簡単に言えば、「蟹スティックと豆腐のお粥」という意味である。

 材料は白米カップ1杯、高湯カップ4杯 、蟹風味スティック1本(あちらで売っているやつは、巨大だったような記憶があるが)、豆腐1かけ、オロシショウガ少々で、調味料としてはお塩小匙半分、鶏粉小匙1杯。

 手順は簡単。① 蟹風味スティックと豆腐は、適当な大きさに切っておく。 ② 鍋に高湯をいれ加熱しておく。 ③ そこへおろし生姜を入れ、引き続き白米を入れ、豆腐と調味料を加えた後、弱火で20分加熱する。 ④ 蟹風味スティックを加え、撹拌して5分加熱を続ける。 ⑤ お椀に盛って食べる。 なんてことはない。

 漢方的には、脾臓によく、胃を暖めるのだそうな。そして豆腐であるが、煮込むことを恐れてはいけないなどと書いてある。弱火でじっくりと煮込めば、しっかりと味が染み込んで美味いのだそうな。(ちなみにあちらでは「千炖豆腐、万炖魚」という言葉がある。どちらもじっくりと煮込Photo_2めという言葉である)

 鍋の残り物のスープであるから、そのままご飯をぶち込んでも「おじや」になる。それでは能がないからと、一工夫(目先を変えただけ)するのであるから、ベースはこの「蟹柳豆腐粥」であっても、いつものようにかなり変更するPhoto_3

 ちなみに我が家では、このような材料を準備した。どこのご家庭でもたいていのものはあるようなものばかりである。まずお塩、鶏ミンチ(先日お粥を作った残り物)、豆腐、葱、鶏粉、蟹マネスティック、おろし生姜である。

Photo_4 鍋の残り物のスープにお湯を入れて火にかけておく。それが沸騰する前に他の準備である。蟹マネスティックを切り、葱を刻んでおく。量も適当である。重さなど面倒だから測らなかった。こんなものは雰囲気で十分! 雰囲気で作れなかったら、とても調子が悪いかセンスがないなのどちらかだ。Photo_5

 ついでにご飯も準備する。ご飯も残り物で十分。いつもはお米から炊いてお粥にするが、今回は残り物シリーズみたいなものであって、食べ残しから簡単に作ってしまおうという試みだ。ご飯の量は、普通のお茶碗に1膳足らずくらいかな。

Photo_6  スープが沸騰したら、まず最初におろし生姜を入れる。次いでご飯を入れ、お塩少々(鍋のスープにお塩が入っていれば、たくさん入れると辛くなりすぎるので、注意が必要)、鶏粉は入れても入れなくてもいいかなと思ったが、面倒だから入れてしまった(手元にあったもので)。そしてお豆腐を1.5㎝から2㎝角に切って入れる。ちなみに上の準備した豆腐の半分しか使わなかった。

 これから弱火にして蓋をし、約20分加熱をするのである。当然その間、酒盛りになっている。それが我が家のスタイルである。のんびり待つような時間の無駄使いはしない。20 飲んでいると時間はすぐに経過してしまう。とくに昨夜は久しぶりに『月の桂』を飲んだので、「美味しい、美味しい」「二酸化炭素に勝った」などと騒いでいるうちに、あっという間に20分が経過する。

 そこで切っておいた蟹マネと、刻んでおいた葱を入れる。そうして適当にかき混ぜ、蓋をして弱火のままで5分間加熱を続ける。Photo_7 すると、こんな感じになってくるんだよね。何の変哲もない残り物と、冷蔵庫の片隅にでもありそうな材料だけで作った中華粥である。

 ところが酒盛りはまだまだたけなわになったばかりなので、酒を飲みながら、お粥をいただくといういつものパターンになってしまった。でもそれが案外イケルんだよね。ご飯だとこうはいかない。中華粥だから許される食事のスタイルだ。Photo_8

 あとは食うべし! といったところだが、この時私はまだ飲んでいた。お粥とお酒のどちらが先に終わったのか、よくわからないくらいである。まあこれくらい具だくさんのお粥なら、いろんなことが許されるとは思うけどね。

 暫く忙しかったり、ごたごたしていてお粥が作れていなかったけど、久しぶりに作ったら、まあ現金なもので、今日は体調がいいよ(花粉症は除く)。今晩もまた作ってやろうと、実のところ手ぐすねをひいているところだ。お粥万歳!!

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2009年3月20日 (金)

何気ない一日

 朝から風が強くて、テレビや新聞のお天気予報を見なくても、花粉が非常に多いということはわかっていたので、朝はだらだらとした。こんな日は一年に何日あるだろうか。そしてWBCを見終わって、先日来の溜飲のほんの一部をおろして、母と買い物にでかけた。

 まず先日来お世話になった方々へのお礼を送る。お酒の好きな方もおられたので、まずは道順の関係で酒屋へ。久しぶりだったが、おばさんに引き立てのコーヒー豆をいただいた(今飲んでいる。さすがに美味しい。豆が酸化する前に、さっさと飲んでしまおう)。ちょうど今はコーヒーを必要としている時期なので(私とごく親しい方は、これがどういう意味かお分かりのことと思う)、ばんばん飲むぞ~っ!!

 それから知り合いの薬局へ。ここのおじさんは大の中国ファン。以前お土産に白酒(baijiu)をさしあげたら、あっと言う間に飲んでしまったという豪の者である。なにしろそれはアルコール濃度が53%というもので、私の畏友Iさんなんか、半分も飲んだら酔拳を始めてしまうような代物なんだから(Iさんは酔拳は知らないはずなんだが…)。

 そこで中国話で盛り上がってしまったが、暫くで切り上げ、今度はこれまたよく知っている和菓子のお店へ。これまたお礼関係のものを買うのであった。いつもここでは私はバカ話ばかりして、格調高い和菓子の老舗の雰囲気をぶち壊してしまうのだが、今日は他のお客さんがいなくて良かった。

 それから夕食の準備などを兼ねて、近くのスーパーに買出しに行った。今日は何のせいか、やたらと車が多くて、あそこここで渋滞している。まだ桜には少し早いような気がするのだが、もう人は待ちきれなくて出ているのかなあ。そういえば後楽園は、昨日すでに桜祭りの準備がしてあったっけ。

 それで家に母と荷物を降ろし、仕事場へと出張ってきたのである。そして忘れていた仕事を、さっさと片付ける。忘れていたというより、よりポイントを絞り込むために必要な作業というべきだろうか。人間という生き物は(特に私の場合)、時間をかけないと見えてこないものが多すぎる。

 たいてい後から、「あっ、あそこでこうしておけば良かった!」なんて気がつくんだよね。こういったミスが多いうちは、まだまだ向上の余地があると、気楽に考えているけど、いつだって完全を目指そうという気持ちはあるんだよ。だからこそ、「ここをこう直して、あそこをこうして…」なんてことを考えるんだよね。

 そうしているうちに時間が過ぎていく。なんということはない一日である。でも今の私には特別な意味がわかり始めてしまった。なんということはない一日こそが、本当は一番大切な時間なんだってことが。何かがないと、あまりに当たり前の日なんて、記憶にも残りやしない。でも目の前で人が生きたり死んだりすると、否応なく、「そうか、こういう日が本当は幸せなんだな」ということを知らされる。

 昔、中村雅俊さんが「何気ない毎日が、風のように過ぎてゆく」と歌っていたけど(実はこの歌は大好きな歌の一つである)、その風のように過ぎていく日々が、本当は一番値打ちがあったと感じるのは、たいていそういった日々がなくなってからのことだ。

 人はものを失うまで、それの大切さに気がつかないという。病気になれば、身体に異常がない状態のありがたさに気づくし、お金がなくなって初めて、お金のありがたさを感じたりすることもある。日本にいたらお茶漬けなんて当たり前すぎて、ありがたくもなんともないけど、日本を遠く離れてしまうと、お茶漬けとタクアンがやたらと恋しくなったりする。

 何かがなくなって初めてそのありがたみに気づくのだが、私もこれからは、何気ない時間を大切にしてやろうと、最近唐突に思い始めた。何気ないってことは、とりあえず心を動かすような大きな出来事がないってことだよね。実はそれが大変に幸せな時なんだって気づいてしまったからね。

 自分がとんでもない偉い人だなどと自惚れてしまうと(人間、気がつかないうちに、こういった自惚れを持ってしまうことがある。誰しも自分はこの世で一人で、自分しかできないものがあると考え、自分の貴重さを知っているからだ。我々は誰もが確かにオンリー・ワンである)、平凡な一日に退屈さを感じたりするものだけど、本当はその退屈さこそが宝物なんだよね。

 自惚れは自己を過大評価していることだけど、相対的に他のものを過小評価してしまうという現象が起こる。これは兵法的に見れば、己を知らず、彼を知らない状態を作り出しているんだよね。こういった状態で何かをやり始めれば、『孫子の兵法』には「不知彼、不知己、毎戦必殆(彼を知らず、己を知らざれば、戦うごとに必ずあやうし)」とある。

 毎日が平穏無事であることの幸せを感じる謙虚さが、もしかしたら知彼知己者、百戦不殆」の第一歩かも知れないね。そうとなったら、毎日が平穏無事なことを知って、なおかつそれを深めるための努力をすればいい。これがなかなか難しいんだ。なぜって?

 誰でもできることでチャンピオンになるのは、簡単なことではないからね。100m走ることなんて、健康だったら大抵の人にできる。でもだからこそ、陸上競技の100mのチャンピオンになることは難しいんだ。誰でもできるってことは、底辺が大変広いってことだからね。

 でも救いはある。平穏無事な日常を深めていくことは、他人との競争ではないから。私には私の幸せがある。その幸せをしっかりと味わいながら、時がたっていくのを静かに感じるだけでいいのだから。

 最近、妙に哲学的なことばかり考えるようになった。でも悪いことではないから、そういう時期が来たのだろうと思っている。

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2009年3月19日 (木)

病入膏肓

 いい意味でも悪い意味でも、なにかに取り付かれると、「病、膏肓に入る(やまい、こうこうにいる)」と言われる。私なども随分といろんなことで、病、膏肓に入っているなあと思う。死ぬまで治らない好みとか趣味という意味ではね。

 自分が使っているのに、この言葉の語源がわからないようでは情けないと、ちょっくらあちらの本を調べてみたら、あらあ、この言葉、随分古いのね。なんと原典は『左伝』なんだよね。『左伝』というと、春秋戦国のころのことを書いたものだから、今からざっと二千数百年前のことだ。

 いつも思うことだけど、文字が早くから発達しているということは、凄いことですな。そんな頃からの記録があるんだから。まだわが国は弥生時代でございます。卑弥呼も生まれておりません。卑弥呼さんの5~600年前のお話ですな。調べたついでだから、ざっと紹介しておきましょう。

 昔々、中国の戦国時代(しかも前期)の話でございます。晋という国に景公という人がおりました。この人が病気になったとき、景公は晋の王様みたいな立場の人ですから、国内の名医という名医に自分の病気を診せ、治させようとしました。

 ところがどんな名医という人が来ても、一向に好転しません。どんな妙薬もちっとも効きません。景公はそれで大変にお怒りになり、「どんな名医と言っても、余の病には何もできんではないか。奴らは大法螺吹きの、ペテン師じゃ!」と、彼らを殺してしまったのでございます。

 現代の日本でも、医療ミスやなんかかが時折問題になることがありますが、患者としてはお医者さまの言うことをきくしかありません。それこそ「溺れる者」ですから、「藁」であろうと葉っぱであろうと、すがるしかございません。でも医師法も何もなかった時代のことですから、きっと針小棒大な宣伝をしていたお医者もいたのでしょう。それで景公は怒り狂ったのかも知れません。

 がしかし、自分の病を治せない医者を殺したからといって、自分の病が治るわけはありません。そういった状況で、一人の御典医が「秦国は土地も広く、物産も豊かで、様々な人材が豊富だと聞いております。秦に人を遣わして、良医をお探しになってはいかがですか」と言上いたしました。

 なにしろ藁にでもすがりたい景公ですから、すぐにこの献策を取り上げ、秦に使者を遣わして、名君として名高い秦の桓公に「どこぞに良い医者はおりませぬか?」とお尋ねになったのでございます。

 秦の桓公は事情を知ると、秦の国内に良医探しをお命じになりました。ちょうどその頃、秦には秦緩という名医がおり、この人に治せない病気や怪我はない、と言われておりました。もちろん秦緩も自分の腕に絶対的な自信を持っておりました。そこで桓公の呼びかけに応じ、晋に行くことになったのでした。

 ところがいよいよ明日は秦緩がくるその日の夜のことです。晋の景公は寝ていて夢をみたのでございます。夢の中では彼の病気は二人の子供の姿をしておりました。そのうちの一人がこう言って嘆くのです。「明日はとうとう秦の国から、秦緩がやってくるよ。あいつは腕がいいから、僕らをやっつけてしまうに違いない。どこへ逃げればいいんだろう?」

 ところが途方にくれる子供とは別の、もう一人の子供はこう言ったのです。「怖がることなんかないよ。君と僕が二人に分かれて膏と肓の上と下に分かれて隠れちゃえばいいんだよ。ここに隠れたら、どんな名医が来たってへっちゃらさ」

 翌日、晋の景公のところへ、秦緩がやってきました。彼は晋の景公の全身を調べた後、大層すまなさそうに景公に告げたのです。「あなた様の病状は大変重うございますな。病が膏肓に至っておりまする。膏肓という場所は、どんな良薬も鍼灸も届かないところにございます。ここまでにならなければ、なんとか打つ手はございましたが、今となっては私めの手には余りまする」

 秦緩の話は前夜、景公が見た夢と完全に合致していた。と同時に彼の医術の腕に驚いた。そして自分が助かる術は、もうないのだと悟った。「そなたは名医と聞いたが、まさに名医である。余も病が膏肓に入れば、手の施しようがないことは知っておる。じゃから余を治せなんだと、そなたが恥じる必要はない。余の病を治せなんだとはいえ、原因を教えてくれたのはそなたである。余は感謝しておるぞ」

 晋の景公は、秦緩に礼をたくさん持たせ、秦国に送り返した。それから暫くの後、景公はこの世を去ったのでございます。

 最初は一歩からのスタートでも、たくさん積み重ねれば千里となるし、どんな小さな川の流れでも、無数に集まれば大河となり、海になっていく。どんな物事が発生しても、最初はほんの取るに足りないような小さなことであったに違いない。それが積もり積もって、大きな事件になってしまったのである。

 これは病気と同じである。景公も病が軽いうちに治療をしておれば、重症にはならなかったはずだ。我々も日常生活の中で、悪いことは小さな芽のうちに発見し、大きくなる前に好転するように努力しなければならないんじゃよ。

 なんて今日はとってもありがたいお話でございました。ちなみに膏肓ってツボは肩甲骨の上にありますな。ここは肩が凝ったときに、適当な刺激を与えるととても気持ちよいけど、強烈に一発パ~ンチっ!なんてことをすると、暫くは腕が上がらなくなるところなんだけどね。

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2009年3月18日 (水)

解説者

 世の中にはいろんな解説者がいるものだ。ニュース解説、スポーツ開設、もちろん芸術にも解説者はいるし、その他多くのことに、ほとんど解説者がいるような気がする。あまり聞いたことがないけど、解説者を解説する解説者も、きっといるんではないかと思っている。

 自分の感情を語るだけなら解説者ではないだろう。だから私なんか解説者には向いていない(かも知れない)。どうしても自分の感情が入ってしまうからだ。でも解説者が自分の感情をまじえて語り始めたら、その解説を聞いている人は、解説者の感想を聞いていることになって、解説を聞いているわけではなくなってしまう。

 面白いかどうかという点から見れば、解説よりも感想を聞いている方が面白いということはよくある。自分が見ても気づかなかったことまで気づいて、そこを面白おかしく話してくれたら、それまで気がつかなかった面白さに目覚めたりするかもしれない。それを喋った人の感情が混じっているから、客観的ではないかも知れないけれど、面白いのが好きな人は、それでも十分満足するかも知れない。

 客観的にものごとを見るのは科学の基本だけど、別に科学だけで世の中が成り立っているわけではないから、私のライフワークの研究なんかでなかったら、私も素直に他人の主観が混じった意見を聞いたりして、ケラケラ笑っていることがあるよ。笑うことは好きだからね。

 でも笑う余裕がないときもさすがにある。いつも余裕を持って生きなさいと、誰かさんに言われたような気がするけれど、人には余裕がないときはあるものだ。体力的な余裕がないとき、経済的な余裕がないとき、時間的な余裕がないとき、感情の余裕がないとき。

 でも余裕がなければ人生はいつだって、尻に火が着いたような生き方をしなければならないから、意地でも余裕を持とうとする。それでも時々は爆発した方がいいけどね。こちらがへらへら笑っていると、いくらでも好きなことをしてくる輩がいるから。こういった輩はだいたい他人の気持ちを考えない。

 他人の気持ちを思いやれなかったり、偶然自分が持った力(権力、経済力、体力、知力などなど様々な力があるけれど、こういった輩が振り回したがるのは権力が多い)で相手を困らせてやろうなどと考える人間は、自分がその権力を失うことを、何よりも恐れている。失うものがなければ、怖いものはそんなにたくさんないのだけど、こういった人間には失うものが結構たくさんある。

 失うものがたくさんあるということは、今はずいぶん恵まれた立場にいる証拠かもしれない。その立場を失いたくなければ、どんどん自分の地位を固めていく。そうして生きながら銅像のような自分を作り上げていくのだろう。

 ところがどっこい、強さとは弱さである。私はずいぶん前からそう言っていた。強さと弱さが隣り合わせになっているという意味ではないよ。強さとは弱さだということだ。強さを裏から見れば、なんて難しいことも言わない。強いは弱いのである。

 強い人はいつも勝ち続けなければならないし、戦いがあったら戦っていつも強いということを証明しなければならないからね。しかも負けられないし。昔々、まだヘビー級の世界チャンピオンになる前のマイク・タイソンの試合前の映像を見たことがある。なんと驚くなかれ、あれだけKOの山を築いていたころのタイソンがべそかいていたんだよ。対戦相手が怖かったんだね。

 こりゃ、強いってことは大変だなと感じた。そしてチャンピオンになって、オレってもしかしたら強いのかもと思ったら、行動は傲慢になるんだろうけど、腕のほうは錆びついていく。だから強いってことは弱いのと同じなんだよ。まあ物極即反(物極まればすなわち反る)って言うけどね。

 お金を持っていても維持したり、増やしたりするには、いろんな活動をしなければならないだろうから、けっこう危険なんじゃないかな。現代は税金だって馬鹿にならないしね。私なんか、お金の計算がまったくといっていいほどできないから、できるだけ触らないようにしている。私が触ってしまったら、何が何かわからなくなるからね。

 自分がわからないことには触らない。これはこれで心が安定することだ。でも時々心の平安を脅かすものがくるんだよ、外から。「○○と△△のお支払いがまだなんですが……」すんまっせ~ん、ちっともわからないもので……

 こういった生活態度の人間に、お金はどうなって私のところだけ桂馬のように避けていくのか、解説してくれる親切なひとはいないものだろうか。希望を言えば、今まで桂馬のように、次は私の番だと期待していたら、突然、全然別のところに飛んでいったりしないで、全部私のほうに集中してやってくるように指南してくれる人はいないものであろうか。

 でも私のことだから、聞いても一言半句も理解できないんだろうなあ。

 だいたいお金儲けが上手い人は、私なんかが一つ一つ考えているようにトロトロ考えないよ。いっぺんにあれもこれも省略して話してくれるから、さっぱりわからない。超優秀な生徒のノートを覗き込んだ劣等性の気分を味合わせてくれるだけだ。

 こういったときの劣等性の心なら解説はできるけど、ノートを見られたほうの生徒の心はわからないなあ。だって経験ないもん。でも優等生には優等生ゆえの弱点があると思うよ。優等生ってバカはできにくいだろうしね。その点私なんか、自分を隠すことさえしなければ、見事にバカだから怖くはないよね。

 弱点も決して弱点ばかりじゃないね。

 権力を握って人の嫌がることばかりをやりたがる連中は、権力を手放したら、自分が弱くなって、それまでいじめていた連中から報復されるのが恐ろしいから、汲々として生きているんだろうね。でも権力というやつだって、決して強さだけじゃあないんだよ。何か失敗が起きたら、一番責任を問われやすいもの。

 まあその時は醜く責任逃れをしたりするんだろうけど。でも逃げられる場合と逃げられない場合があるからね。そういうとき、かつて持っていた力を奪われた人間が右往左往する様子を解説してくれる人がいたら、これは結構受けると思うよ。

 まあいいや。今日のWBCの解説をしていた清原さん、ご苦労様でした。私だったら1回で解説が嫌になったかも知れないのに、さすがに我慢強く解説しておられました。やっぱりプロは偉いですね。感心しましたよ。

 明日はどんな試合を見せてくれるのかなあ? しょっぱい試合はやだよ! 頑張れ、ニッポンっ!!

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2009年3月17日 (火)

あちいっ!

 なんとなくこのブログを打つ頃になると、小腹(私の腹を「小腹」と呼ぶには、若干の気兼ねがあるけれど)が減っていることがほとんどである。それどころか、自分の手足でも食べてしまいそうなくらいおなかが空いていることもなくはない。

 こういったときに何を食べるかというと、とりあえずその時あるものである。買い置きがなにもないと、とても悲惨なことになる。ひもじいと人は卑しくなってしまう。まさに衣食足りて栄辱を知る、そのものである。空腹は人が人でなくなるのに十分な理由になる。

 だから食料の備蓄は、私的には非常に重要な問題だ。もちろん古くなったらインスタント食品でも味が落ちるから、適当に入れ替えなければならない。入れ替える行為といえばほかでもない、食べることである。

 でも食べてばかりいたのでは仕事にならないから、仕事をしながらむしゃむしゃやれる食べ物が最適だ。インスタント食品でも食べるのに努力しなければならないものは、仕事をしながら食べるのには向かない。インスタント麺の最大の欠点は、3分待っているつもりで仕事をしていたら、知らない間に10分くらい経過してしまっていることである。

 待ち時間が超過したインスタント麺は、食えたもんじゃないよ。それでナッツの類をポリポリと、リスかハムスターにでもなった気分で食べたりする。でもナッツはなあ、なかなかお腹が落ち着いてくれないからなあ。

 昔々、私は韓国から、唐辛子で真っ赤になるインスタントラーメンを取り寄せて食べていた頃がある。職場の同僚にも勧めたら、中の一人が鼻血を噴いたことがあって、それ以来そのラーメンの名前は「鼻血ラーメン」ということになったが、本当の名前はもう忘れてしまった。でもパワフルなラーメンだったよ。今だったらこんなものを職場で食べたら、家で夕食なんか食えないと思う。

 当時は私は肉体労働が主体だったので、こういったものでも身体が受け付けていたのだろう。でも今はどちらかといえば精神労働の方が多いので、こんなどぎついものよりはむしろ甘いものを食べたりする。

 もちろん私は辛党なのだが、こういったところを見られると決まって「辛党ではない」とか「転び甘党」だとか言われてしまうのである。私は転んだりしてはいない。今でも大福餅を出されて、これを踏んづけなかったら死刑にするといわれたら、さっさと大福餅を踏んづけると思う(食べ物は大切に!)。

 踏み大福餅なんて私にはなんでもない。というのはひどく疲れていなかったら、甘いものがそれほどほしいわけではないからだ。でも頭脳労働の前には、最近では積極的に甘いものを食べるようになってしまった。

 そのまま甘いものを食べっぱなしにしてしまったのではあまりよろしくない。大体もともとが辛党だから、口の中が甘いままになっているのが好きではない。甘いものを食べたあとの口は、どことなく酸っぱくなってきてしまったり、妙に粘ってしまうものだ。こいつが嫌なんだよ。

 そこで甘いものを食べるときには、必ずプーアール茶を飲むようにしている。もちろん中国で莫ちゃんのところで買ってきたものだ。不思議に思われるかもしれないが、私は日本のプーアール茶を飲んだことがない。中国で莫ちゃんに教えてもらい、莫ちゃんのところのものばかり飲んでいて浮気はしていない。もともと私は浮気性ではない、何事においても。

 今日の空った小腹を埋めるものは、ブ○ボンのア○フォートであった。こいつは美味しい。二種類あるみたいだけど、私はミルクチョコレート&ダイジェスティブビスケットが好きである。そしてこの甘さは、プーアール茶で流したとき、美味いのだ。

 それでさっきプーアール茶を淹れていた。するとちょっとした目分量に違いで、カップ一杯になってしまい。少し飲もうとしたときにこぼれて指にかかってしまったのである。

「あっちい~っ!」 それは本日の仕事の始まりの合図であったかも知れない。さあチョコレートを食って頑張るぞ~っ!!

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2009年3月16日 (月)

どうして物事は重なるの?

 忙しい、忙しいと思っていたら(自分の望んだ忙しさなら、大歓迎なんだけどね。望んだ忙しさが来たと思ったら、望んでいない忙しさまで一緒に来てしまいやがりました)、とうとう叔父まで亡くなってしまった。今朝のことである。

 長いこと体調が芳しくなかったのだが、先月の8日に顔を見たのが、最後になってしまった。父の年がはなれた弟で、叔父というより、兄貴のような付き合い方をしてくれた人で、悲しい。今年の桜ももうすぐだというのに。

 私が一番嫌なのが、この種の別れである。人とは濃く付き合って行きたい方なので、取っ付きにくいけど、付き合い始めたらとことん付き合うのが私のスタイルだが(これが知人は多く、友人が少ない私の本音)、他人はどう思っているか知らないけど、付き合いは大切にしたい方だ。

 この世はいろんな縁で結ばれているけれど、もしもその縁に意味があるのなら、大切にしたい。むしろ縁を意味があるものにするのは、人の努力なのかも知れない。もちろんその努力がいつも期待通りの結果につながるかどうかはわからないけど。

 努力しても昨日書いたように、「一歩走錯」してしまったら、努力しても努力しても「歩歩皆錯」ってことにもなりかねない。努力がすべてを解決しないということだが、それでも努力しなかったら何も起こらない。それを「いい」と感じるか「良くない」と感じるかは、本人の自由かも知れない。でもそれを「いい」と感じたり、「良くない」と感じたりする人を見た人も、これまた「いい」とか「悪い」とか感じるものなんだよね。

 人は自分それぞれのものの感じ方があるから。

 でも実り多い一生になればいいんだがね。人は誰かのために良かれと思ってしても、逆に悪く解釈されることがあるから。

 私の高校時代にもそんなことがあった。当時の友人の一人がえらい悩んでいるような顔をしていたので、「どうしたの?」と尋ねたら、「だからお前は嫌いなんだ」と胸倉をつかまれて、二の句が次げなかったことがある。

 理由も何もわからない人間に、それはないだろうと思ったが、それからもそいつとは付き合わないことはなかったが、次第に疎遠になっていった。今は生きているのか死んでいるのかさえ知らない。

 人には口にしてはならない言葉がある。それを口にしたら、人間関係が二度と元には戻らない類の言葉だ。その人と絶交してまったく気にならないのなら、何を言ってもいいのかも知れないが、人生とは不思議なもので、もう関係が切れたと思っても、意外なところで再会したりするからね。

 一寸先も読めない我々人間は、やっぱり一人ひとりと、きちんと付き合うものだと思うよ(これは相手に気に入られようとしたり、自分をよく見てもらおうと演技することではないよ。自分を誠心誠意相手に伝えるなんてことは、大切なことではないかと思う。その結果、合わなければ付き合わなければいいんだし。それだって相手を大切にしていることだと思う)。

 とにかく叔父の突然の逝去に、いろんなことを考えさせられた。野球が大好きだった叔父である。今朝の日本がキューバに完勝した試合を見て旅立ったのであろうか。なんでもいいから、最後を華やかに飾ってあげるものがあったらよかったと、心の中で望んでいる。

 さすがに今日は元気がない。ごめんなさい。

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2009年3月15日 (日)

科学的思考のススメ・27  ~「一歩走錯、歩歩皆錯」~

 もしも我々が小学校のとき「九九」でめちゃくちゃを覚えたら、その後はどうなっただろう。「ににんがまち」「にさんがしち」「にしがく」「にごじゅうさん」なんて具合に。後の算数は大変だったというより、生活そのものも大変になったのではあるまいか。なにしろこの有様だったら、買い物も難しかっただろうから。

 科学でも同じようなことが言えるよね。一番基礎的なデータがめちゃくちゃなところへ、その上に大きな理論を打ち立てようとしても、どうにもならないだろう。どうにもならなくてもきっと人は生きているだろうけど。だからといって、「人が生きているんだから、科学はいらない」なんていわれても、ちょっと困るんだけどね。

 科学がないと冷蔵庫はないし、コタツもないし、伝統もないし、テレビもビデオも、な~んもないっ! おらこんな村嫌だ、おらこんな村嫌だ~ってことになるよね。もちろん都会があることを知らない人は、そうは考えないかもしれないけど。

 最初のデータがいい加減だったら、その上に科学は成り立たない。まだあるよ。最初に物事の解釈を誤って、それを基本にして物事を判断しようとしたら、これまた凄いことになってしまう。頑張れば頑張るほど、本当の姿からは遠ざかっていくかもしれないよね。

 人間関係でもそんなことはよくあるよ。最初の出会いが誤解から始まったために、実りある人間関係が築けなかったなんてことは、比較的よくある話だ。誤解なんてものは、よく付き合って見れば「あれえ? なんでこの人、こんなことを言うんだろ。この人はこういうことを言わないはずなのになあ」なんて疑問点がいくつも沸いてきて、そのうち、最初のが誤解だったって気がついたりするもんだが、最初の誤解を「真実」だと思い込み、そこから先へと付き合いを進めなかったら、いつまでたっても誤解は誤解のままだ。

 ま、それも運命なのかも知れないけどね。

 科学の場合だと、最初のデータがいい加減だと、次の実験が必ずといっていいほどめちゃくちゃになる。「ええ~っ!?」って二度目をやってみると、これがまためちゃくちゃ。「おかしいぞ~」って最初のデータを取り直してみると、「はは~ん、ここが目茶なんだ」なんてね。

 こういうことはままあるよ。私も何度かそういう目に遭ったことがあるからね。でも科学ってのは、「おっかしいぞ~」って元に戻ってやり直すことが出来るのが強みかなあ。それは科学の方法論としての強みだと思うよ。

 客観性、普遍性、再現性の3要素を満足するというところからスタートすれば、何処でやっても、何度やっても、誰がやっても同じ結果が出れば、そいつは一つのデータとして信用できる。ある人がやった時しかできなかったとして、その人がいつも失敗しないのであれば、きっとその人が他の人にできない何かをやっているとしか考えられない。

 そういったケースでは、その人が何をやったかの方に焦点を当てて研究することになる。これまた科学のやり方だ。その結果その人がつまらないトリックを使っていたりすると、「あ~あ…」と科学の世界では抹殺される。まるでスプーン曲げみたいだね。

 科学って厳しいけれど、とてもシンプルだ。何でもそうだけど、シンプルなものほど誤魔化しにくいけどね。必要以上に複雑にすると、いろいろと誤魔化しがきくから、大変だよ。本来のテクニックなんかより、誤魔化すテクニックの方が発達したりして。

 最初の一歩を間違えると、後は何もかもすべてが間違ってしまう。「一歩走錯、歩歩皆錯」は私の大好きな『孫子の兵法と三十六計』の第33話で、斉威王の息子の一人を担いで謀反を起こし、平定されたとき、高将軍が自殺するときに叫ぶ言葉である。

 最初を間違えたら、あとはいくらやってもうまくいかないものだ。それが人生なのかなあ。でも私は理科系だからね。科学にはちゃんとした手法があるんだ。おかしいなと感じたら、最初に戻ってやり直せばいい。人生を考える上での問題といえば、何処まで戻ってやり直さなければならないか、くらいのものかな。

 やっぱり科学っていいね。私は理科系に進んだことを、いまさらながらのように感謝しているよ。

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2009年3月14日 (土)

転がる石

 いやまあ、よくもよくもこの体調の悪い時期を狙ったかのように、くだらないことばかりが立て続けに起こるものだ。理由はだいたいわかっているんだけどね。それは私が少しばかし丸くなったから。って体型のことだけではないよ。

 以前の私は、とにかく動きが激しかった。それは身体の動きもそうだったし(身体運用的に下手だっかのね、きっと)、感情もよく表に出していた。昔は「○ロ△瞬間湯沸かし器」と呼ばれたこともある。もっとも最近この会社の湯沸しは、いろいろと面倒があったようだけど。

 もういい年なんだからと、人が大人らしくして見せようと動きをセーブしたら、人の内面まで見えていない奴が集まってきて、ろくでもないことばかりあれこれ仕かけてくる。でも言っとくけど、私は社会人になったときに誓いを立てている。「生涯大人にはならない」ってね。

 だから見せ掛けが大人しく見えても、そんなものをそのまま認識してはいけないんだけどね。もういい加減大人しくしておくのには飽き飽きしたので、またそろそろ動き出して、私の本質を解放しようかなんて気が起きてきた。冗談じゃないよ、まったく。

『転がる石には苔はつかない』という。今の私は転がっていないように見えているのかも知れないが、中まで腐っているんじゃないよ。いわゆる「活体」というやつだ。触れた瞬間、瞬間湯沸しだということを見せないとわからない人が多すぎる。見ないとわからない奴はあまり賢くはないだろう。賢くないものが、それでもあんたも賢いからなどというおだてに載せられているから、自己の客観的認識ができないのだ。

 客観的認識がすべてのスタートだというのに、どうしてこうもわからんちんが多いのだろう。と日がたつほどに私の感情を逆なでするようなことが増えている。まったく、転がる石と一緒にいられるのは、やっぱり転がっている石だけなんだ。そんなこともわからないとは、嫌になってしまうよ。

 そろそろ大人しく見せているのにも飽きたから、好きに動かせてもらおう。

 というのは世間の「大人しい」に対する見方がおかしいからだ。誰も彼もが、何も言わないと、それだけで大人しい人だと解釈したがる。大人しいのは情報を発信していないだけのことだと、何度言ったらわかるんだろう? 情報を発信していないってことの怖さがわかっているのかねえ。(こんなブログを毎日更新していたら、発信していないとは言えないけどね。でもあまり感情を出さないようにしているから)

 ということで、休みであるとないとに関係なく、忙しいことや、嫌な知らせが入ってきたり(少しはいい知らせもあったけど……)するので、私はまたしても以前の私、『転がる石』に戻ることを宣言する。あ~、忙しいぞ!! 楽しいなっと!

 先日、岡山の新聞に 『岡山県「夢アスリート」頓挫』 という記事が載った。そんなもん、知らんという人のためにざっと説明すると、これは「ポスト岡山国体の競技力アップへ」ということで、「メダリスト養成プラン」を岡山県が打ち出したのである(2005年)。それも2004年アテネオリンピック代表が岡山県からは一人も出なかったからという理由で始まった(そりゃそうだろ、私みたいな指導者に声がかからなかったくらいだから。岡山国体の強化では私の腹を立てさせてばっかだったし)。

 そして五輪などを目指す子供達に夢と希望を与え、成果も見せ始めていた(地元S新聞に書いてある通りを打っている)矢先、県の財政困難で計画が頓挫したということである。まあ無理やりお役所主導の強化をしたのでは、なかなかうまくいかないだろうと思うけどね。

 だって財政困難なら一番に予算が削られるところだもん。それは有名な実業団チームだってこの不況で、廃部しているところが多いんだからね。大変だと思うよ。まして小学校3年生を集めてトップアスリートを目指させるなんて、先が長すぎるよ。ましてお役所は担当のお役人がどんどん入れ替わる社会だからね。

 始めた人は情熱があったとしても、その次の人の情熱がどうだかはわかりゃしない。そしてあの社会のなかの出世とかで、どんどんポストは変わっていくものなのだ。せっかく選手の卵達が気合が入って意欲的になってきても、役人は予算しだいだから、立場の保証はないよ。(役人は自分の立場を保証するだろうけど)

 まあ気の毒なのは選手を目指したちびっ子たちかな? でも私は小学校3年という年齢を、若干の危うさを感じていたけれどね。というのはある種の競技では始めるにはすでに遅いし、ある種の競技ではまだ早すぎるし、一番中途半端な年齢なんだよね。

 私が今までに自分のところで指導して凄いと思った子は(オリンピック確実と思っていたら、岡山県のお偉いさんに壊された。この指導者は彼の指導を始めた頃には嬉しそうな顔をしてテレビに出まくっていたんだけどね。今じゃあ陸上競技もしないでゴルフ三昧らしい)、小学校3年の頃には、女の子に負ける程度の走力だった。彼の言によれば、小学校5年頃までは早熟の女の子(運動神経が悪くはなかったけど、そんなにずば抜けていたわけでもない)に勝てなかったらしい。

 凄い子ってのは伸び始めたときが凄いんだよ。私はよくコントロールテストをしたからわかるけど、だいたい13歳から14、15歳あたりの伸びが著しい(特にスピード領域)子は、とんでもなく強くなることが多かった。もちろん競技種目によるよ。繊細な神経とか超速い運動、超巧緻性などが要求されると、練習開始は低年齢化する傾向がある。

 でもお役所は、9歳なら9歳、10歳なら10歳と、明文化した規則によってすべてを判断しようとするから、さまざまな競技に合わせることは難しい。それに予算しだいだからね。いくら強化活動が順調にいっているとしても、予算がなくなれば「はいお終い」。これじゃあ最初からしないほうがいいかも知れないわな。

 本当にトップアスリートを目指すなら、自分の意思でやるしかないんだよ。ほんとはね。自分の強い意志で、お役所の援助があろうがなかろうが関係なく、どんどんやるのしかないと私は思う。誰かに援助してもらって選手になるというのなら、それこそ一頃の中国や韓国みたいに、ナショナルチーム予備軍という形で、合宿生活を送りながら、勝ち残ったものだけが国際試合を目指せるという形にするしかないんじゃないかな。

 その間の生活やなんやかやは国庫で負担する。下手をすれば全国民に12000円出すよりきついかも知れないくらいだけど、そのくらいの覚悟で取り組まなければねえ。ちょっとお金を出しますから、それで将来のトップアスリートを育成してください。予算がないので、残念ですがこの事業は止めます。そんな態度で、何でもうまくいくはずがないだろう。

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2009年3月13日 (金)

恵みの雨?

 今年の春は、比較的天気が悪くて、よく雨が降ったりするけれども、杉もなかなかやるもんで、雨が降ろうとどうしようと、しっかり花粉を撒き散らしているようである。今日は先月に続き、13日の金曜日なのだが、雨が降っている分だけは、花粉のほうもいいのだろうか(その割には、案外しんどいんだけどね。これを打つ腕を重く感じるくらいだから、結構重症)?

 先日から民主党の党首の資金管理団体の話題が騒がれているけれど、だからといって内閣の不支持率は下がったりせず、なんだかもうみんな政治に飽きてきたんじゃないかななあなんて気がする。天が与えるときにこれを取らなかったら、かえって咎を受ける「蓋聞天与弗取、反受其咎、時至不行、反受其殃天の与うるを取らざれば、かえって其の咎を受け、時至って行わざれば、かえって其のわざわいを受く《史記・淮陰侯列伝》)」なんて言葉もあるけれど、このケースでは若干そんな匂いがしたね。

 でも我々にはわからない駆け引きがあったりするんだろうから、詳しいことはよくはわからないけど。何事でも、プロしかわからないことがあるもので、大原則はなんでも同じだと考えて、大原則以外のことを過小評価したり、無視していたりしたら、大失敗になっちゃうだろうしね。

 誰でも鼻歌くらいは歌えるけど、人様に聞いていただいて、お金をいただけるような歌を歌おうと思えば、大変な努力が必要なんだろうし、誰でも落書きくらいはできるけど、人様を感動させるような絵はなかなか描けない。大方の人なら走ることくらいするだろうけど、見ている人を感動させるほどの走りは、やはり専門的なトレーニングを積まないとできないようなもので、政治だった、それなりの勉強や駆け引きをして経験を積まないとわからないだろうね。

 私はむしろ、「私になんかわからないくらい、高度に専門なことをやってくださいよ」と願っている。我々が幸せで、文化的な暮らしさえ、大した苦痛なしに送っていけるんなら、彼らが少々お金を儲けても「まあ、いいんじゃない?」なんて考えかねないような、たわけ者なんだからね。

 昔から王様や貴族や、それに類した為政者がいて、政治をしている人は清貧な人もいたんだろうけど、庶民よりはいい暮らしをしていたと思う。彼らがある程度いい格好や、いい服を着て、いい車に乗っているのも、そんなにめちゃくちゃなことではないと思う。我々の暮らしさえ守ってもらえればね。

 むしろ「日本の顔」なんだから、海外の政治家なんかと並んだときに、貧相に見えるよりは威厳がありそうな方が、見ていて気持ちいい。だから少しくらいは儲けてもいいけれど、お願いだから、こちらの生活を犠牲にしないでね。その程度の思いだよ。

 でもなあ、チャンスを逃すと、なかなか物事はうまくいかないものだよ。長期包囲戦をしていてもいいのは、相手に援軍が現れないときだよね。ゆっくり自壊するのを待っていれば良い。もう一つ、何も名案が生まれないときにも、どうしても長期戦になるかなあ。下手に動けないし。流れがよくないときには、焦るとますます悪くなったりするからね。

 こんなときには、自分のやらなければならない最低限度のことを、きちんとやっておくことだけだよね。花粉症に悩まされているときの私みたいな状態だよね。動こうったって、動き気にもなれないんだもの(でも花粉が入ってこないようにして頑張ろうって気持ちはあるんだよ。でもよく疲れている。いくら寝ても睡眠が足りない。きっとアレルギー反応を体がなんとかしようと頑張っているせいだ)。今の私ができることといえば、悪戦苦闘している身体が、対アレルゲン戦を有利に展開できるように応援することぐらいのものかね。

 そういう面から見れば、今日の雨は恵みの雨かもしれない。でも雨が上がった後はきついんだよ、かなりね。それにさっきから、ティッシュの消費量は増えているし、はっくしょい、はっくしょいと連発しております。でもこれはもしかしたら、悪口なのかな? 

 明日天気になれ…… さすがに今の時期は、言えないわ。

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2009年3月12日 (木)

兵家思想・3

 鼻の通りが良くなったと思ったら、今度は花粉(きっと花粉を含んだ痰も)が直接体内に入ってしまうのか、とても体調が悪い。悪いときには悪いことがかさなるようで、その他にも(現時点では)あまりよさそうに思えないことや、情けないことが重なってくる。弱り目に祟り目というやつだろう。

 まあそれでも時間は確実に過ぎていく。過ぎていく時間の中で、多くのものは、それが悪いものであったとしても、思い出に変わっていく。でも大切なことは、思い出したくもない思い出にしないようにする努力だと思う。というのは今までにもいくつか、思い出すのも嫌なことがあったからだ。

 もちろんそれによって得るものはあった。昨日の本ブログに書いたように、物事にはすべて二面性があって、どんなに悪いことにだって、一つや二つはいいこともあるからだ。それが私の「結果プラス思考」のもとになってくれてはいるのだが、何事でもそれが「現在進行形」で「結果」になっていないときにはしんどいもんだよね。

 まあいいや。本論に入ろう。今日は孫臏(そん・びん)は孫武(そん・ぶ)とどう違うかからだった。

『孫子兵法』と『孫臏兵法』の最も大きな違いは、成立年代と場所の違いである。『孫子兵法』を書いた孫武は春秋時代後期の人で、長江下流の呉の国で活躍した。それに対し孫臏は戦国時代中期の人で、主に中原で活躍したのである。そしてこの二人の孫子の間に、彼らと並び称せられる呉起(ご・き)という天才的兵家がいた。

 呉起という兵家はまた後で少し取り上げるが、戦国前期の兵家である。彼は実はいくつかの改革を行った。その中に「将軍の専業化」というものがあったのだ。今でこそ戦うことは専業化しているのが当たり前になっているが、大昔には、戦わねばならないときには誰だって戦った。ところが呉起の出現によって、専門的な戦い方を知らないものが軍を指揮することなど考えられなくなっていたのである。

 さらに春秋時代と戦国時代では人口が違う。人口が増加していたのである。また中原ではさまざまな地形の場所があり、単純な戦い方では通用しなかった。もう一つ、某漫画雑誌で描かれているほどではなかったにせよ、北方遊牧民族の騎兵をみて、騎兵という兵種が確立されてきたことであろう。

 春秋時代の戦は戦車が主体であった。それに対して人口増加と呉起などの改革によって、一般市民が兵になっていたのである。そして軍の主力は戦車から歩兵へと移っていった。戦闘地域が平原だけでなくなったことによって、むしろ戦車戦は衰退していった。これに騎馬戦術までがからんできたのである。

 人口の増加は多くの都市を生んだ。中国の昔の都市は城壁に囲まれており、城であった。そんな城が中原のあちこちに出来たのである。必然的に孫武が「やらない方がいい」と言っていた「攻城戦」も、避けて通れなくなっていたし、三種の兵種の戦術が普及することで、戦闘は長期化し、総力戦、消耗戦の傾向が強くなっていったのである。

 長期戦になればお互いが陣を作って対峙することもある。総力戦、消耗戦であるから、増加した人口によって一つの戦闘に動員される兵の数も数十万単位で増加する。結果として一つの戦闘での死者の数も数十万にのぼることもあった。この傾向は紀元前221年に秦の始皇帝が中国を統一するまで続く。

 このような中で成立した『孫臏兵法』では『孫子兵法』には見られなかった、騎馬戦術にかんする記述が現れ、攻城戦についての記述、陣形などについて述べた部分も出てきた。ちなみに標準的な布陣は、軍を3つにわけ、前に先鋒の陣を一つ置き、そのうしろに二つの陣を置いたが、これは次第に左右に展開されるようになり、全体としては「八」字形になっていった。これを「八陣」と呼ぶ。そしてこの陣形からは後世の「魚鱗の陣」が生まれる。この他にも『孫臏兵法・十陣篇』では、特殊な陣形までの10種が紹介されている。

 さらに武器も進化した。弩が普及したのである。弩は矢を発射するという点では弓と同じだが、弓に比べて射程距離が長く、殺傷力が強い。また命中精度が高く、大変に威力のある武器であった。このような変化の中で、『孫臏兵法』は『孫子兵法』を受け継ぎ、発展すると同時に、戦闘の新しい形態に適応しながら発展したものである。

 さてさて、それでは『孫子兵法』以前の戦はどうだったのだろうか。上博楚簡中で見つかった『曹沫之陳』には、春秋時代の主流だった戦車戦が述べられている。

『曹沫之陳』では曹沫が魯の庄公(在位:紀元前693~紀元前662)に対して、隣国斉に奪われた土地を奪い返すように進言したところから、庄公と曹沫との問答形式で話が進む。ここでの戦いは斉・魯の国境付近でのものでなければならず、斉に勝つことで、できるだけ魯に有利な和睦に持ち込み、奪われた領地を奪還しなければならない。

 当時の軍編成は「率車以車、率徒以徒」といわれる編成で、戦車部隊を主力とし、その後ろを歩兵が進むといったものであった。ここで戦車の戦闘には平原が適している。従って両軍の主力が戦車である以上、両方とも平原での会戦を望んでいた。ここでは背後や側面に伏兵をおいたりしないで、ただ徹底的に正面衝突を繰り返すだけである。『孫子兵法』に見えるような、敵を欺いたりする発想がない。だから勝敗は、いかに兵士の士気を上げるかにかかっていた。

 この当時の一般的な布陣は、戦車と戦車の間に歩兵をおき、横一列にする。これを「行」といい、前、中、後の三行でもって正面衝突を繰り返すわけである。考えてきればちょっと滑稽にさえ見えるような戦い方だが、当時としてはこれが当たり前だったようだ。当たり前のものには大抵の人が「疑念」を持たないから、その中から『孫子兵法』のような傑出した兵書が現れたことの方に、私は驚嘆する。

 さてさて『孫子兵法』を取り上げて呉起を取り上げないのは、片手落ちのような感じさえある。呉起には孫武に対する孫びんのような後継者こそいなかったが、実績といった面では孫子に勝るとも劣らないからだ。俗に「孫呉」と並び称される通りである。

 まず呉起だが、戦国初期の衛の人である。この人は若い頃から用兵を論じるのを好み、功名を追求し、各国を数年間歩いた。けれどもどこの国でも仕官できず、その間に家財を失ってしまった。郷里の者達がそれを嘲笑したので、激高した彼はその場で三十人あまりを切り殺してしまう。

 その後母親に、「もしも宰相になれなかったら、二度と衛には戻りません」と」いい、その足で、孔子の弟子、曾参の門を叩いた。しかしその後、母の死を知っても郷里に帰らなかったことを曾参に咎められ、その門を去り、兵法を学んだ。衛で30人も人を殺したら、とても帰れなかったろうし、「宰相になるまでは…」と母に誓ったとすれば、無理からぬことだが、儒家の曾参には許せなかったのかも知れない。価値観が異なると、こういったすれ違いはよく起こる。

 その後魯に仕えたが、あるとき斉が魯を攻めた。魯君は彼を将軍に任じ、戦わせようとしたが、彼の妻が斉国人であったため、彼は裏切るのではないかと反対を唱えるものがいた。呉起はそれを伝え聞いて、これを逃せばもうチャンスはないとばかりに妻を斬り、身にかかる疑いを晴らした後、さんざんに斉軍を打ち破った。これで小国魯も天下の耳目を集めるようになったのであるが、呉起と衛との友好関係について讒言するものがあり、とうとう魯君は彼を辞任させてしまったのである。

 信認を得るために妻を斬ったというのは、ちょっと惨い気もするが、それだけ呉起も必死だったのであろう。なにしろ彼は功名を立てるしかなかったのだ。「宰相にならなければ二度と帰らない」と誓った母を失っていたのだから、是が非でもという気持ちであったかも知れない。また成功した者を讒言する人間は、今も昔もいる。以後も同様であり、呉起の生涯は、成功と讒言による失脚の繰り返しである。気の毒なことこのうえない。もちろん、功を焦った呉起にも、「つけこまれる隙」はあったのだろうが、何もかも完璧にできる人間がいない以上、無理もない話である。

 次に呉起は魏の文侯に仕えた。文侯は彼を西河の守将に任じ、秦と韓に対する守りを行わせた。この時彼は、たった5万の兵で、それに10倍する秦軍を打ち破ったのであるが、これは中国史上でも有名な「寡をもって多を打ち破った戦い」である。この戦によって魏は、戦国時代初期の最も強大な諸侯国となることができた。

 けれどもここでも呉起の名声を嫉んだ宰相・公叔の姦計にかけられ、魏にとどまることができなくなってしかたなく楚に出奔した(このあたりは本ブログ『鬼谷子見~つけたっと!』で少しだけ触れている)。楚の悼王は彼を大変高く評価していたので、彼を宰相として迎えた。呉起もその信認に応えようと、法令を明らかにし、出費を節約するために無駄な官吏を廃し、疎遠な公族・貴族たちから特権を奪い、全力で戦士を養成し、楚の軍事力の強化に努めたのである。

 ここでPhoto彼は楚の国力を飛躍的に伸ばしたのであるが、やはりそれまで遊んで暮らしていた特権階級の恨みを買ってしまった。そして悼王がなくなった後、彼らの謀反に遭い、王の遺体を安置している部屋で射殺されたのである。(①BC415年、26歳。衛から逃亡。曾参に師事する。②BC410年、31歳。魯の将軍となり、斉軍を撃退する。③BC406年、35歳。魏の将軍となる。④BC381年、60歳。楚で宰相となるも、反乱によって射殺される)彼の兵書『呉子』は、魏の文侯と呉起の問答形式で、魏周辺国の国情と対応方法を書いたものである。

『漢書・芸文志』には『呉子』は全48篇と記されているが、現存しているのは僅か6篇しかなく、しかも魏晋以降の偽作ではないかという説があって、研究はあまり進んでいない。しかし内容的には、将軍みずからが兵士の鼓舞激励し、また少数精鋭による勇猛果敢な戦闘を行えなどとあり、多くが呉起の伝記と符合する。そのため、今でも真偽論争は続いている。

『呉子』最大の特徴は、少数精鋭主義を徹底して主張している点である。その為には軍を選りすぐりにしなければならず、戦闘力を高めるために様々な工夫をしている。その一つは同じような特徴を持つものを集めて、それぞれ部隊を作った。まず戦闘力の強い兵として、○勇気と胆力に秀でる者 ○戦いに積極的に参加し、功績を立てようとする者 ○身体能力に秀でる者 の三種類を挙げ、ついで戦闘意識の高い集団として ○かつての地位を失い、手柄を立てることでもう一度その地位を得ようとする者 ○雪辱を願っている者の二種類を挙げている。こういった同じような特徴を持つ人間を集めて部隊を作り、それで戦わせれば競い合って大きな戦力となる。

 これはもちろん身体的・精神的特徴にもおよび、例えば身長の低いものには戟を持たせ、身長の高いものには弓や弩を持たせ、頭脳明晰なものには作戦を担当させるといった具合である。

 たしかにこれは素晴らしい発想の転換であっただろう。さらに彼は兵士達が勇猛に戦うように様々な工夫をした。軍功を上・中・下の3等級に分け、君主からのねぎらいを受けさせるようにしたのである。もちろん功のないものには、「無言の圧力」がかかり、よりいっそうの奮起を期待したのだ。また毎年戦死者の家には、戦死者の父母の慰問に使いを遣わし、君主は戦死した兵士を忘れているわけではないという気持ちを、態度で表した。

 呉起は3年こういった政策を続けることで、秦が侵攻してきたときには、徴兵を行う前に、すでに万を越える志願者が集まっていたと言う。『呉子』では繰り返し、いかに兵士を発奮させるかについても述べている(「吮疽の仁」という有名な逸話も呉起の話でしたな)。

 こうして機能を高めた上で、兵士達にやる気を出させ、最後に将軍たちにハッパをかけるのである。将軍達には一般の兵士以上の必死の心を要求した。誰よりも死ぬ気で任務を全うさせようとしたのである。一般兵士達には「進死為栄、退生為辱」「必死則生、幸生則死」と説いた。

 こうすると『孫子兵法』と『呉子』との決定的な違いが見えてくる。『孫子兵法』では敵を欺くことで戦いのリスクを減らすことで勝ちを得ようとしたのに対し、『呉子』では徹底的に軍隊の機能を高めることで勝ちを得ようとしたのである。

 人様々、やり方も考え方も様々であるが、孫武が人生の終わりを全うしたらしい(その代わり無位無官)のに対し、呉起が宰相でありながら、謀反によって射殺されたのも、なかなか象徴的なように思う。

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2009年3月11日 (水)

兵家思想・2

 昨日はとうとうマスクとブリーズライトというものを買った。マスクは「お、このくらいの値段なのね」だったが、ブリーズライトは10枚入りが680円と驚いた。しかも使い捨てである。1枚68円だ。早速鼻に貼って寝たが、なんとなんとか寝られるようになった(朝は鼻が詰まっていたけど)。68円で毎晩寝られれば、高いとは思わない。だってガソリン1ℓは108円だし…(これは比較してはいけない。両方とも用途が違うし、どちらもなくてはならないものだから)。

 さてさて昨日の続編である。今日は孫武の勝ち方への考え方からである。

 孫武は勝ちを得るにも4等級あるとした。これは有名なことだが、まず一番良いのは敵国の意図を看破し、それを未然にくじくことで、戦争にならずに自国の利を守ることができるもので、これを伐謀と言った。二番目は敵国を同盟国から切り離すという外交手段で、伐交と呼んだが、この二つの方法は兵士を出しての戦闘行為にならず、非常に優れたものとした。

 三番目は伐兵というもので、会戦で敵国の軍を打ち破るものだが、この際も必ず相手を城からおびき出して行う。ここではいかに上手に戦ったとしても、必ず自軍にも損害は出る。一番最後が城攻めである。これは相手が堅固な城砦に籠もっているわけだから、自軍に被害も出れば日数もかかる。これでは敵軍の城を落としたとしても自軍の戦闘力の低下も免れないので、これを最も良くない方法とした。これを『孫子兵法』では「攻之災也」と述べている。

 さて戦闘行為をあまり良いとはしなかった孫武ではあったが、具体的な戦闘でも非常に有効であったところから、『孫子兵法』は古今東西の軍略家に尊敬の念を持って学ばれた。戦闘で彼が重視したのは「虚実」である。できるだけ戦いは避ける。そして万策尽きたときには戦うが、いざ戦えば絶対に負けない。それが『孫子兵法』の最大の魅力といえなくもないかも知れない。

 ひとたび兵を起こせば、敵に守らせる余裕も与えない。そのためにはどうするか? それは敵の「虚」を衝けばよい。決戦を行うにしても、敵が戦いやすい場所ではなく、自分に有利なところまで相手を誘い出して行う。これが戦闘という大変リスクの大きなことをやるための条件なのだ。

「虚実」は「勢」の一種である。分散・集結、包囲・迂回などの手段を用いて、予定した決戦が行われる地点で、常に自軍が多く、敵が少ない状況を作り出す。このとき自軍は「実」で敵は「虚」となっている。この「実」で「虚」を叩くのである。ここではちょうど、石と卵がぶつかったような現象が起こる。軍全体の規模では相手に及ばなくとも、戦闘が行われる局所では常に、自軍が大勢いて、敵が少なくなるようにする。これが数の上での虚実の理屈である。

 この他にも「敵が元気であれば疲れさせ、食料が十分であれば飢えさせ、安定していれば動揺させ」るなどというのも「虚実」を作り出す方法を述べており、これもまた「勢」であって戦闘の勝敗に大きな影響を持っている。その一つの例として、孫武の子孫と言われている孫臏の桂陵の戦いを見てみることにしよう。『三十六計』で「囲魏救趙」の計として記されているものだ。

 孫臏は孫武の戦略思想を継承し、発展させただけでなく、「避実就虚(実を避け虚に就く)」を極致まで発揮し、歴代の軍事家の賞賛を浴びた人物である。

 まず魏はPhoto趙の国都・邯鄲を攻めた。趙は斉に救援を求めたので、斉は救援軍を派遣した。 ① 魏軍が趙都・邯鄲を攻撃した。 ② 斉の救援軍は趙へは向かわず、まず魏の平陵を攻めた。魏の主力軍を避け、残っていた軍を打ち破ったのである。 ③ 斉軍は平陵を包囲すると、ついで魏の国都・大梁に向かった。

Photo_2  魏軍は斉軍が魏本国に侵入したのを知ると、邯鄲の囲みを解き、平陵にとって返した。 ① 平陵が斉軍の攻撃を受けているのを知ると、魏軍は邯鄲の包囲を解いた。 ② 斉軍、魏軍は桂陵で激闘を展開した。

 これなども問題解決(あるいは目的の達成)のために、直接的行動を取らない好例であるが、もう一つ『孫子兵法』にある特徴的な考え方として、「以迂為直(迂をもって直となす)」というものがある。

 直接的な行動をとらなければ、相手にこちらの真意を見抜かれにくいという利点がある。直接的な行動しかとらなければ、相手にこちらの意図はミエミエになっている。意図を察知されれば妨害は受けやすい。意図を察知されなければ、妨害は受けにくい。この妨害とは例えば山を登る方法で、距離は短いけれど断崖をよじ登っていくのに似ている。妨害を受けにくい方法とは、距離は長いけれど、平坦ならせん状の山道を登っていくのとよく似ている。

 距離的にははるかに遠いはずの山道を歩いたほうが、断崖絶壁を登るのよりもはるかに損失も少なく、早く登ることができるのである。このように一見遠回りをしているように見えても、早く目的に到達できる方法はある。これを知らなければならないと孫武は述べている。

 重要なことをたくさん述べていて、そのため『孫子兵法』は世界中で今でも読まれているわけだが、まだまだいくらでもある。その中の一つに物事には必ず利害の両面、得失の両面があるという。智者之慮、必雑于利害というものである。

 どんなものにも長所と短所があるように、利益があると思うものにも実は損害があり、不利と思えるものにでも、実は有利なものがあるということであって、優秀な将領ないしは人物は、利益の中に損害を、不利の中に有利を見出して考慮することができるというのだ。

 戦では小利で敵を釣って奔走させ、疲れをまって叩くという方法になるが、世の中のことの場合はもう少し高度になってくる。どんな自分に利益がありそうなことにも、必ずマイナスの一面がある。プラスの面ばかり見て「これでうまくいく」と行動を起こしても、あっという間にマイナスの要素が顔を出し、思惑が崩れていくのである。これが事業なんかだったら、作ったと思ったらすぐにマイナス面が現れて失敗してしまうといったものだろう。

 利益にはかならず損失がついてくる。これは表と裏のような関係である。表しか見ないで行動すれば、必ず裏が出てくるのである。でもだからと言って恐れてばかりいて行動しないのであれば、何事も行えない。考えていなければならないのは、マイナスと思えるものの中にもプラスの面が必ずあるということである。もしもそのプラスが大きなものであれば、あえてマイナスと思えることでも取り組んでみなければならない。こういった見込みがあればむしろ積極的に行動すればいいのである。

 何事によらず、自分に都合のいい展開だけを予想して欲を貪るものは、予想していなかった損害を蒙るものであり、自分に都合がいいことだけ考えるというのは、物事を多面的に見、考える習慣を持っていないということである。利益を得ることによって失うものもあるということを知らない者は、目の前の利しか見えなくなっているわけだから、最終的にはすべての利益を失ってしまう。

 つまり対極的な利益が見えているかどうかという問題である。その為には必ず、物事の両面を考慮することである。そして目先の利益ばかりを追いかけてはならないということである。これについては兵書以外でもいくつも戒めの言葉がある。

 例えば『老子・第三十六章』には「将欲廃之、必故興之。将欲奪之、必固与之」とある。これを亡ぼそうと思えば、まず暫くはこれを栄えさせ、これを奪おうと思えば、まず先にこれを与えよということだし、『戦国策』にも「将欲敗之、必姑補之」とある。これを潰そうと思ったら、まず先にそれを補佐せよということである。

 ものごとの両面を見なければならないのは、我々のような凡人でも、一国のトップでもそんなに状況は変わらない。プラスがあれば必ずマイナスがある。お金が儲かれば、泥棒の心配をしなければなくなるという話が落語か何かにあったと記憶しているが、似たようなものであろう。

 孫武が繰り返し戦争を戒めたのは、失敗してしまうと取り返しがつかない結果になることもその理由の一つであろう。そして君主や将軍は、一時の感情に任せて戦いを始めてはならないと強調している。憤怒は歓喜に、悔しさは嬉しさに変わることもあるだろうが、国家は滅びてしまえばもう二度と元には戻らないし、死んだ人は二度と帰ってはこない。だからこそ明君や賢明な将領は、たやすく戦いを始めたりしない。

『孫子兵法』はその名の通り兵書なのだが、戦争についてだけを語っているのではない。一番重要視されているのは、君主や将帥の国家や人民に対する責任についてである。特に現在のように大規模な殺傷能力を持った兵器が存在する世の中では、孫武の教えの意味は大きい。

 孫武は、戦争は国家の存亡に関する重大事だと言った。だから国君や将帥は一時の感情にまかせて軍を動かしてはならないと言ったのであるが、では軍を動かしてもよいのはどういうときであろうか。それは国益と国民の利益になるときあるいは危険を避けるためである。

 一つの例として、戦場でよく敵軍をののしるという方法がある、これはかなり頭にくることだと思うが、本来ののしる側は、自分が有利と思ってののしるのである。もしも相手が城の城壁などでこれを行った場合、相手は自分が戦う上で圧倒的有利にたっていることを承知の上で行っているのである。

 もちろんののしられた場合、ののしられたほうは腹がたつから討って出たい。でも怒りにまかせても態勢を整えた敵の前では怒りは何の武器にもならない。こういう時は臆病といわれようがどうされようが、逃げて自分を全うすることが大切である。これは臆病な行為ではなく理性的な行為である。逆に怒りにまかせて突撃でもしようものなら、まったく理性のない行為と言われてもしかたがない。

 自分の身を全うして次の機会にかければ、最終的勝利を握るチャンスはある。このように利があれば動き、利がなければ動かないというのが絶対的原則なのである。

 さて孫武の子孫には孫臏という傑物が現れた。斉の鄄というところの出身である。

 彼は若い頃龐涓(ほうけん)と一緒に兵学を学んだが、先に魏の将軍になったのは龐涓であった。彼は孫臏を嫉妬のあまり無実の罪に落とし、顔に刺青を入れ、膝蓋骨を切除するという臏刑を与えたのだが、斉の使者に秘密裏に斉に連れ帰ってもらい、斉の覇業のために威王と田忌将軍の軍師となった。

 紀元前353年に彼は魏軍を桂陵に破り、それから12年後、趙と連合して韓を攻めた魏と戦って、馬陵に魏軍を破った。この馬陵の戦いで魏は太子は戦死、龐涓は自殺といった大敗を喫し、中原の覇者となる野望をすてなければならなくなるのだが、ちょっと馬陵の戦いを覗いてみよう。

Photo_4  紀元前341年、龐涓(ほうけん)は魏軍を率いて韓の国都・新鄭を包囲した。韓は斉に救援を求め、孫臏は出奇に出て、不意をつき、魏の国都・大梁を攻め、その後龐涓を馬陵に破ったというものだが、ざっと説明すると次のようになる。

 ① 孫臏は斉軍を率い、新鄭ではなく魏都・大梁に向かった。 ② 龐涓は斉軍が大梁を攻めると知ると、兵を分け、大梁向けて出発した。 ③ 龐涓は斉軍を打ち破り、小部隊で(騎兵、軽戦車主体といわれている)斉軍を追撃した。 ④ 孫臏は撤退するに際し、自軍の兵が逃亡して減少しているように見せかけ、魏軍を欺き、馬陵に向かった。 ⑤ 馬陵は道が狭まり、大軍を迎え撃つのに適した地形になっている。孫臏はここに兵を伏せ、魏軍を徹底的に打ち破った。

 これこそ「虚実」を極めた戦の典型であると思われる。次回の兵家思想は、「では孫武と孫臏は、どこが違ったの?」という点に焦点を当てて話を始めたい。

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2009年3月10日 (火)

兵家思想・1

 昨日はさすがに勇気挫けてしまった。ティッシュの山を築きながら、やっと「でけた!!」と保存した瞬間、画面が「あらおかしい?」。登録されたかどうだか見てみよう。「あれえ、乗ってへん!!」 この瞬間、私の忍耐力は吹っ飛んだ。それで仕事のほうをあわてて一きりつけて(その内容も、今から見ると感心できない。悪いときには悪いことが重なるもので…)、帰って酒飲んで、鼻のメンテを入念にやって(午前二時頃になってしまった)寝た。

 今日もやっぱり鼻は死んでいる。ちょっと今年は何なのよ、と勇気をなくしかけたが、まあ昨日打っていたものでも載せますか。もちろんそこは私のこと。二度と同じ文章は打てません(その時のタイミングで微妙に変化したり、大きく変化したりする。疲れてくると省略するのは当たり前だよね)。その日、その日がすべてです。

 さて兵家思想なんて聞くと、なんと野蛮なと思う人も少なくないだろう。確かに戦に勝つことに的を絞ったものもある。しかしながら私が20年ほど前に熱中していた『孫子の兵法(中国には平仮名がないので孫子兵法と言います)』は、用兵の術のレベルが高いけれど、人をいかに動かすかなどと言った点で素晴らしく、今でも日本ではビジネス書のところでよく見かける。

 ちょうど20年ほど前、私がこれに熱中していた頃、実は私もビジネス書棚のところにへばりついていたものだ。当時は中国語学の「ち」の字もわからなかったけど、今や「病入膏肓(やまいこうこうにいる)」で、あちらから本を買ってきて、じかに読みまくっている。でよく読んでみると、少なくとも『孫子兵法』は、徹頭徹尾「できるだけ戦を避けましょうね」と主張していたりするので、ついでだから紹介しておきましょう。実は私も戦は大嫌いなのだ。(時代劇は好きだから、なんと矛盾した性格だこと!)

 まあ今では誰でも知っていることだけど、実は長い間『孫子兵法』は、春秋時代後期の呉の将軍だった孫武(紀元前6世紀~紀元前5世紀初)が書いたのか、戦国時代中期の斉の軍師、孫びん(紀元前4世紀)が書いたのか謎とされていた。これは史記を書いた司馬遷(紀元前2世紀の人)ですらわからなかったらしいから、本当にわからなかったのだ。

 文字という、記録に適した手段を発達させていた中国で、どうしてこんなことが起こったのかというと、実は二人ともが兵書を残していて、どちらも「孫子」と呼ばれたからである。区別するためにわざわざ孫武のことを「呉孫子」、孫びんのことを「斉孫子」と呼び分けたりするが、いずれにしてもややこしい。結果として「風林火山」などで有名な13篇の『孫子の兵法』を残していたのがどちらかわからなくなっていたのである。

 ところが1972年になって、山東省臨沂県銀雀山の前漢の墳墓から出土した竹簡に『孫子兵法』と『孫びん兵法』があったことから、2000年以上も謎とされていたことが一発でわかってしまった。これも文字を持つお国柄の利点だろう。わが国の邪馬台国論争(そろそろ解決に近づいているようだが)みたいに、推理につぐ推理を必要としないから、白黒がはっきりする。その結果『孫子兵法』13篇の作者は、「呉孫子」すなわち孫武ということに決定した。

 さて『孫子兵法』といえば私も長い付き合いになるが、なかなかこれをわかりやすくまとめてくれたものがない。そこでうまい具合に中国で簡潔にまとめていたものがあったので、さらにそれを簡潔にして紹介してみよう。出典は『完全図解 諸子百家』である。この本は本当によくまとめてある。スグレモノである。

 まず孫武は『孫子兵法』の中で何を主張しているかということを箇条書きにしてみよう。

① 戦争は国の経済状況に悪影響を与える。戦争は政治手段の一つであるが、人的資源、物的資源の損失が多いものだと知らなければならない。

② 国家にとって戦争とは、敵国から利益を奪う行為である。可能な限り大きな利益を得るには、主力軍の正面衝突を避けなければならない。そのためには詐術を用い、敵国を欺かねばならない。

③ 戦争は経済的損失を招く。損失を少なく抑えたければ、短期決戦に持ち込まねばならない。

④ 短期決戦という大原則を守る上で、城攻は避けなければならない。攻城戦になりそうなときには敵を誘い出し、野戦に持ち込んで、短期で収束させなければならない。

⑤ 自国内での防衛戦は避け、敵国に遠征する。自国内での防衛戦では、兵士たちに里心がつきやすく、戦況によっては大量逃亡を招く。これに対して敵国への遠征では、逃亡しようにも逃げる土地がなく、結果的に団結が強くなり、闘志を高めることができる。なお侵略的な国家に対しては、主力を派遣し、侵略軍が自国内に侵入するのを阻止する。

⑥ 敵は策略を用いて分断し、戦闘中は常に自軍が相対的優勢を占めるようにし、各個に撃破していく。短期決戦を重視するあまり、主力同士を直接対決させれば損害が大きくなりすぎる上、勝算も成り立ちにくい。それには奇襲や撹乱戦法を用い、敵国の主力を惑わし、勝利を得るようにする。

⑦ 経済的に大きな負担をかけることなく敵を策略にかけるには、敵の情報を集め、事前に十分に検討しなければならない。と同時に、自国の内情は厳重に漏れないようにしなければならない。そのためには各種の情報員を敵国に潜入させ、情報戦に勝利しなければならない。

⑧ 軍力を用いる際してはくれぐれも慎重でなければならない。様々な利害得失を秤にかけた上で、勝算がたった場合だけ用いてもよい。ようするにいずれの国も軽々に戦争などを起こしてはならない。

 なんてことなんですな。これ以外にも「感情にまかせて戦いを起こしてはならない」とかは強調されていて、それではどんなときに戦ってもいいの? というと、今風に言えば「国益」のためには戦ってよいということになっている。この時代風に言えば「君主の国民の利益」のためというところであろうか。

 この思想は大変な先見性と洗練度を持っており、戦国時代の魯、魏、楚の国で大活躍した兵家・呉起(ご・き)や、斉の孫びん、尉りょう(うつ・りょう)ら多くの著名な兵家に絶賛され、『三国志』で有名な曹操は、自分以前の『孫子兵法』研究者の研究をまとめ、さらに自分でも整理して『魏武(魏の武帝、つまり曹操のこと)註』あるいは『略解』と呼ばれるものを残しているし、宋代に編纂された『武経七書』の第一部に収録され、科挙の際に行われる武科理論の試験に出されるほどであった。これは現代でも経営や企業の戦略を考える上でも使われていたりする。

 さてさて、このように『孫子兵法』では軽々しく戦ってはならないとしているが、孫武の戦を慎むという考え方はどのようなものであろうか。

① 兵者、国之大事、死生之地、存亡之道、不可不察也(『計篇』)…… あまりにも有名な『孫子兵法』の冒頭の部分だが、孫武は「戦争は国家の存亡や、軍民の生死にかかわる大事だから、起こす前に十分な検討が不可欠だ」と述べている。

② 非利不動、非得不用、非危不戦。主不可以怒而興師。将不可以愠而致戦。合于利而動、不合于利而止。怒可以復喜、愠可以悦、亡国不可以復存、死者不可以復生。故明君慎之、良将警之、此暗国全軍之道也(『火攻篇』)……孫武は春秋時代の後半、戦乱が次々に発生したのは、戦争自身によって巨大な損失が生じたことが原因であると考え、君主と将帥たちに、戦を慎むように訴えた。

③ 凡興師十万、出征千里、百生之費、公家之奉、日費千金(『用間篇』)……孫武は戦争が国家と民衆に大きな経済的負担をかけることを熟知していた。

④ 進不も求名、退不避罪、唯人是保、而利合于主(『地形篇』)……孫武は将帥が勝利の功名をむさぼるのを戒め、同時に君命に背くのを恐れる必要もないと主張した。戦う戦わないを決めるのはただ一つ、軍民と国家の利益になるかならないかだけによって決めるべきである。

 これからみてもわかるように、孫武の戦を慎めという思想のもとにあるのは、国を安んじ、民を利し、軍を全うすることであった。彼は軍事指導者であったが、戦を避けることを最大の願いとしていたのである。そして「伐謀」「伐交」などの策略を用いて、「不戦而屈人之兵」「兵不頓而利可全」という目標を達成しようとしていたのである。

 ただし彼は「義」のない戦には反対したが、すべての戦いを否定したわけではない。彼の「非危不戦(危うきにあらざれば戦わず)」の思想は、裏を返せば、危うきにあれば戦うということであって、もしも国家に危難が及び、民衆の安全が脅かされたりして避けがたい状況になれば、敢えて戦えとしたのである。

 これはなんと、2500年前の人の思想とは思えないくらい素晴らしいものではまりませんか。だからこそ、今でも読み継がれているわけなんだけど。その次に、じゃあどうしても戦わなければならなくなったらどうする? という問題があって、またしても有名な言葉が出てくる。

 孫武は「兵者gui道也」と言い放った。所詮戦いなんて騙しあいだというように受け取られているが「gui」という文字には「賢い、ずるがしこい」などと言った意味があり、ただなんでも騙せばよいよいう風に解釈するのは、少し誤解の危険がある(もちろん孫武も欺くという意味でよく使っているのだが)。特に我々日本人は「gui」と「奇」の文字にあまり良いイメージを持っていないことすらある。

 では何のために敵を欺くのかというと、こちらの情勢を読ませないためであって、これまた最小限度の損失で戦に勝利するためである。これについては孫武は、「戦争は規則性のない騙しあいであって、そこには倫理や美徳を考慮する余地すらない。guiには規定に違反すること、相手の信義に背くこと、相手を騙しうちにすることなども含まれ、「正」と対極にあるものとして定義した。用兵には「正道」と「gui道」があり、正道とは平常のもの、gui道は変化したものとした。別の言い方をすれば、正道とは直接的な方法であり、gui道は間接的なものと考えてもよい。

○ gui道……● 自軍の意図を隠す ● 離間と奇襲 ● 敵の隙に乗じる

○ 正道……● 自軍の意図を明らかにする ● 正面衝突 ● 正々堂々と戦う

☆ 示形・出奇・用変……『三十六計』の兵法は基本的にgui道的な内容になっている。「変法」と「常法」は相対的なもので、常法を知ることで変法を用いることができるようになる。『孫子兵法』でも「能因敵変化而制勝者謂之神」とあるが、ここでいう「神」は一種の次元の高さを表現したものであり、「熟能生巧、巧能生妙、妙能生絶、絶能生神」の「神」と同じように考えればよい。智謀ある戦略家は情理を越えて、非常に独創的なアイデアを考え付くものである。

○ 示形……真意を隠すこと。軍事上は偽装といい、戦略偽装、戦術偽装を含んでいる。示形の原則は敵に「彼知(情報を流し、知らせる)」ことで「彼信(それを信じさせる)」させ、相手の決定に影響を与える(もちろん間違った決定をさせるわけである)。

○ 出奇……「奇」と「正」は相対的なものである。奇法は「無法」ぬ属するもので、限りなく変化することができる。「出奇」と「示形」には密接な関係があり、出奇的な行動は示形的外形から出されることが多い。出奇の目的は攻撃の突然性であって、相手の不意を衝いたり、想定外の場所を叩いたりする。

○ 用変……用変はgui道の本質と核心であり、法を臨機応変に用いることは、戦場で主導権を握ることにつながる。これが軍事技術の巧妙さを必要とするところである。

『孫子兵法』のgui道論理で強調されているのは、戦争活動中での「不確定性」である。この「不確定性」を把握する上で最も重要になるのは、自らの積極的な意志であり、我が方の変化によって敵の変化を誘い、行動の自由権を制するものである。

 さて戦いで負けないためには、事前によく準備する必要がある。その第一歩は彼我の戦力分析である。これを『孫子兵法』では「廟算」と読んでいるが、現実には春秋時代にはすでに祖廟で検討したわけではなく、朝廷で行っていたらしい。勝敗を決めるものは「道」「天」「地」「将」「法」であると孫武は言っている。これについては手近な『孫子の兵法』でも読んでいただけばよい。

 次にPhoto短期決戦の重要性についてである。これは先に述べたように、戦争そのものが膨大な出費を必要とするものだから、やるにしてもできるだけ短くするということである。ここに面白い図が載せてあったので、紹介しておこう。 孫武が「長期戦を避けよ」と主張した理由を図示すると、左のようになるらしい。

 持久戦(長期戦)の弊害としては次のようなものが考えられる。① 将兵の士気と戦闘力の低下 ② 戦費が増加し、国家経済が悪化する さらに孫武は二国が相争っている間に、両国の国力の衰退を狙って侵攻し、漁夫の利を得る危険性があると説いている。戦が長引くことによって国家が得る利益は何もないということである。

 ふいいいい~ こPhoto_2れでもまだまだつづきます。でも今日もこれから仕事をしなくちゃならないので、とりあえずはこのあたりで。

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2009年3月 9日 (月)

無気力!

 大量のティッシュペーパーを消費しながら、やっと打ち終わったと思ったブログが、何の手違いか、登録されてなかった!! こういうのは本当にがっくりくる。午前中、花粉症の症状が酷くて、下も向けないありさまだった。

 当然こんなコンディションでは、何をやってもろくなことになるはずもないのだが、やっとのことで空いた時間で読んだ古代中国の思想について書いていたのだが、消えた、消えた、どこに消えた~? う~んっっと、 怒、怒、怒である。

 今日の鼻の具合はこれまた最悪で、メガネをかけると(私は本を読むときはメガネ君である)、メガネの足が鼻を押さえてちょうど鼻の奥の道をふさいでしまうらしく、呼吸ができなくなる。仕方がないからメガネを上下さかさまにかけて、足が当たらないようにしてやっとのことで読んだというのにである。

 なんか最近こんなことが多くないか? でもないか。まあいいこともあれば、悪いこともある。どちらかだけの人生なんてたぶんないと思う。でも洟をかみながらやっと打ち終わって保存を押した途端に異常が起こるって、ある? 普通、悪態をつきながら、機械に1発や2発はパンチも出ようというものである。

 でも今日はそのパンチも出す気になれないよ。あ~しんど。まだ今日は月曜日、一週間が始まったばかりだ。先は長いぞ、安心するな。でもさすがに打ち直す気にはなれない。「も~、ど~でもえ~もんね~。わしゃ知らん」 そうでなくても花粉のお陰で微熱があって(なんと昨夜は頭痛までした)喉が渇いているのだ。

 こういうときはさっさと帰宅して、ビールをプシュっ! これに限るもん。後は何も考えないようにして、とっとと夢の世界に逃避するに限る。まあこの夢の世界もなかなか思い通りにはならないもんですがね~。

 でもこのところ夢の世界で悪夢とか、自分に都合が悪いようなものに出会ったことがない。よく考えてみればここ2年以上、悪夢や冷や汗をかくような目には遭っていない。きっとこれは私が、自分に嘘をつかないでいきているからだろう。

 昔、いろいろと口実を考えてサボったりしていたころは、決まって夢で叱られていたり睨まれたりしていた。不思議なもんだったなあ。罪の意識は、表面上どんなに上手に言い訳を考えて自分を納得させたとしても、夢の中では許してくれないのね。

 まあそういった心配がないだけ、この花粉症の中でも救いといえば救いだ。もう一区切りだけ仕事して、とっとと家に帰って、美味しい晩御飯でもいただこう。っと、そういえば昨夜からまったく嗅覚がなくなってしまった。これも花粉である。嗅覚と味覚は密接な関係があるから、Img222美味しいかどうかもわからなくなるんだね。こりゃ参った、まいった。

 ではもうひとっ働きしまして、ドロンします。そういえば今年も、もう少ししたらこんな風景が広がるんだよね。その頃までには、今よりは少し楽になっていたいけど。

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2009年3月 8日 (日)

春なのに、はっくしょいっ!!

 今年は花粉症がことのほか酷い。一日のうち数時間は、花粉症との格闘である。相手が空気の中に目に見えないサイズで漂っているから、始末が悪い。もちろん、屋外へ出た瞬間に、「今日は花粉が多いな」という感じはする。しかし一日中家の中にいたのでは、何もできないので、どうしても少しは外気に触れる。その後が大変なんだね。

「はくしょんっ! はっくしょんっ!!」 二度続くことが多いから、きっと誰かが悪口でも言っている? 三度続いたら○ル三錠というやつだが、花粉症のくしゃみは私の場合、全身に響くから即わかる。車なんか運転しているときだったら大変だ。

 昨夜はこれとは別件で、ちょっと悔しいことがあったので、鼻との相乗効果が出て眠れなかった。弱り目に祟り目というのは確かにある。きっと私が死ぬのは、一年のうちこの季節だと思うが(花粉症で傷めつけられた上に、さらに凶暴なものがくれば)、できることなら西行法師のように、「願わくは 花の下にて春死なん その如月の望月のころ」ぐらい優雅でありたいものだ。

 実際に西行は如月の望月の頃死んだといわれている。本来なら如月は花の季節ではない。閏如月でないと花の季節には間に合わない。ということは自分の死期を、正確に閏如月の年と読みきっていたのだろうか。鋭い感覚を持っていたのだろうか。

 さて花といえば桜である。相変わらず一本の桜の定点観察を続けている。今は週一のペースだが、もう少しすると二日おきになり、毎日になる。今年の岡山の桜の開花予想は3月27日ということだから、そろそろ気合を入れて撮影をやらなければならない。

 なんでも同じだと思うが、「根気」が一番である。持久力の乏しい人は、多くの場合何もつかむことはできない。持久力といえば大層な能力のように思ったりするけれど、何のことはない、ただの「習慣」でしかない。でも理科系ではこの「根気強さ」というのが強く要求されたりする。

 データというのは気長に取らなければならないものもあって、これはどんな偉い人でも同じである。偉い人だからというので、観察対象の変化が倍速、三倍速になってくれることはないからである。偉い人でも、観察を始めたばかりの人でも、目の前の対象の変化は同じ速さでしか起こらない。少し違うところがあるとすれば、どこまで詳しく(特にポイントをはずさないで)見ているかぐらいのものだろう。

 それを大急ぎで進めようとすれば、どうしても「無理」がいく。変化にはそれぞれに相応な時間が必要である。急いで失敗した例はいくらでもあるだろう。急いてはことを仕損じるというが、変化を焦るとろくなことがない。

 まあ、そんなこんなで、はくしゅんっ! はくしゅん!!と連発しながら、今日もおんもに出かけていく。後が怖いけど……

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2009年3月 7日 (土)

キャッチボール

 ここ十年ほどというか、まあ比較的最近の話であるが、二人で話をしているのを横で聞いていて、一応会話のリズムを保っているにもかかわらず、話の内容がまったく異なった内容を、ただ交互にお互いが喋りあっていただけというのが何度かあって、驚いたことがある。

 それは若い人の間で多かったが、私よりも年配の方の会話の中にもあって、もしかしたらもっともっと昔からこんな現象があったのではないかと想像してしまった。同じようなことは二人の会話だけでなく、3人、4人の会話でも見ることができた。

 言葉は意味を持った音である。音がしたら、それを会話のタイミングで返していく。これは案外簡単にできることかも知れない。そしてそれを行っている人は、一応相手とおしゃべりをして時間を過ごしたと感じているに違いない。(もしかしたら、相手が喋っていたことの内容も、ある程度は理解しているかも…)

 会話時の音は、空気の振動だから、空気中に消えていく。よほどの大声でもない限り、それを正しく受け止めて、正しく返さないと、怪我をするなんてことはあまりない。これがキャッチボールだと、正しく受けないと、受け取ることができない。そして正しく返さないと、今度は相手が正しく受け取ることができない。キャッチボールというものは、「ボール」という物体が飛んでくるので、それをいい加減に受けてしまえば、捕り損ねたり、ひどい場合には怪我をすることもある。

 言葉は大きさよりもその内容が大切だ。内容が相手にダメージを与えるようなものであれば、正しく受け止められなかったり、相手を傷つけたりする。私もこうして毎日のようにブログなどを打っているし、会話はほぼ毎日、誰かとしている。なかなか自分の言葉ですら自信がもてない。きっと誰かを不愉快にしたり、誰かを傷つけてしまったりしているんじゃないかと思う。空気中に溶けてしまって、消えていく言葉と違って、文字は残るから、特に気をつけなければならないなあと思う。

 もちろん、空気中に消えていく言葉であっても、相手が傷つくと、傷つけられたときの感情と記憶は残るから、後始末がなかなか厄介だ。だから人を傷つけないように話すのが一番良いのだろうけれど、これまた容易なことではない。

 キャッチボールなら相手が捕り損ねたボールは、誰かが拾いにいけばよい。怪我さえさせていなければ、すぐにキャッチボールを再開することができる。ところが会話で相手に捕球できないほどの剛速球を投げたり、癖球を投げてしまうと、誰が逸らした球を拾いにいけばいいのかさえわかりにくい。それでも気がついた人が拾いに行き、上手にフォローすれば、また会話のキャッチボールは再開できるかも知れない。誰もが拾いに行かなければ、キャッチボールは終わるし、傷つけていたりした場合には、二度とキャッチボールは再開されなくなってしまうかも知れない。

 どんな球を投げればいいのかは当然相手次第だ。私が大学時代、プロ野球のテストを受けた男がいて(残念ながら不合格だったそうだけど)、彼は高校時代剛速球で鳴らしたのだそうだ。たまに休みにキャッチボールをして暇を潰したことがあるけど、「ゆっくり投げないと、二度と遊んでやらないぞ」と言ってから始めるのが当たり前になっていた。彼もそこはよく理解して、私にでも捕球できそうな球しか投げなかった。お陰で彼が同じアパートを出るまで、我々はいつも楽しく遊んでいた。

 相手に捕球できる程度の球を投げてやる。相手が受け取ることができる程度の言葉を投げかける。これは人間関係を良好に保つ上で、大変大切なことではないだろうか。みんな誰でも、自分の自慢の球を投げたいのだろうけど、それはどこかでの試合用にとっておくべきではないのかなあ。

 突然、バスケットボールでパスをしているときに、似ているからというのでハンドボールの選手が、ハンドボールを持って割り込んできたらどうだろうか。確かにドリブルはするし、パスもする。強引に似ていると言われれば、似ていなくもないけれど、やはり違和感で一杯になるのではないか。そこでハンドボールのテクニックや考え方を披露されても(長い時間をかければ、その中の優れたところを吸収できるかも知れないけれど)、おそらくは戸惑うばかりなんだよね。

 最初そこでバスケットボールのパスをしていたのなら、そこはやはりバスケットボールの集団だと思う。似ているからと言ってハンドボールの人が入ってきて、ハンドボールのテクニックをハンドボールを使って見せたとしたら、バスケットボールの集団ではなくなっているのではないだろうか。

 なら最初はバスケットボールをハンドボールに変えてパスを行い、次第にハンドボールのテクニックを入れていけば、次第にそれはハンドボールに変わっていくだろう。もしもバスケットボールにハンドボールのテクニックを導入したいと考えたら、このバスケットボールからハンドボールに変わっていく過程に一番美味しいものがあるのではないかと私は考える。

 だから異質なものが出会えば、必ず変化は流動的になる。この流動しているところが一番美味しいところであって、どちらかでなければ満足(または安心)できないのであれば、その人は他のことをやってはいけない人なのかも知れない。

 歴史を見ても異文化の遭遇は、衝突になって、お互いがお互いを攻撃しあってしまうことが多い(当然、片方が潰れてしまうこともある)。日本という国は、様々な文化を融合させてできたといわれているけれど、それでも最初に衝突が起こったケースはたくさんある。仏教伝来などは有名だけれど、そのほかにもごまんとあるはずだ。

 でもそういったものが無事に融合したとき、何が生まれたか。さまざまな独特のものが生まれなかったかな。そしてそれは我々を豊かにしてくれたはずだ。そこでは新しい発想が当たり前のように生まれ、従来は解決することが不可能だったことが、いくつも解決できるようになっていたはずだ。もちろん、それまでには発生したこともない問題の解決に苦労はしただろうけどね。

 むしろ苦労しながら問題の解決を行ったから、新しい能力が芽生えたのではないかと思えたりするけどね。だから困難を乗り越えるたびに、人は新しい力を獲得していけるんだ。もちろん困難から逃げたら、永遠に乗り越えられないけど。

 だからいつも私は言っている。「まずは実践」。実践こそが様々なデータを与えてくれる。先に先に、今の自分が持っているだけの情報から、見えもしない将来を予想するなんてことをするのは、ただの時間の無駄。やりもせず(本当のデータは得られない)、悲観的に考えるなんて、ただの時間の無駄にしかならない。

 考えることが無駄だというわけではない。考えなければならないのは当たり前だ。人は獣や鳥のように、牙も爪も嘴も翼も与えられなかったけど、その代わり頭脳を与えられたのだから、考えないのは人間として最大の武器を放棄しているのと同じだ。でもいくら考えても、精度の高い情報をたくさん持っていなければ、ただの妄想になってしまう。

 キャッチボールだってまったく同じだ。ボールを持たずに、お互いが捕球動作と投球動作を交互に繰り返して、キャッチボールをしているような格好をすることはできるけど、それではキャッチボールはいつまでたってもできない。あれはボールを持ってお互いがお互いに投げ、捕球するからキャッチボールになるわけだから。

 ま、誰もいなかったら、ボールを壁に向かって投げつけて遊ぶこともできるわけだけど、これは大変に孤独な遊びだよね。そしてこういうことをして遊んでいると、知らん間に自分でぶつぶつ独り言を言い始める。「さっきのボールはよく曲がったんだけどなあ」「ようし、いまのはいい」 一人で二人分(自分と捕球側の人)、三人分(+評論家)の会話を始めてしまうPhotoのである。それこそが、キャッチボールは一人でするものではないということを表す、最大の現象なんだけどね。

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2009年3月 6日 (金)

イラブー

 昨夜、畏友Iさんが沖縄旅行のお土産に、「イラブー」の燻製を持ってきてくださった。イラブーというPhotoとエラブウミヘビのことである。残念ながら調理法は知らないので、一所懸命インターネットで調べた。

 とりあえずイラブーシンジーにでも挑戦してみようかと思うが、必要時間を見て驚いた。なんと一日仕事ではございませんか。よほど暇な日を、まるまる一日使わないと無理っぽい。それでもせっかく買ってきてもらったので、ぜひ作ってみたい。

 もともとエラブウミヘビには、エラブトキシンという猛毒があって、万一噛まれたら即死ものらしい。昔テレビか何かでやっていたので、アメリカの海洋学者が手袋を二重にも三重にも嵌めて怖々扱っているのに、沖縄の漁師の方は勢いがよかった。素手でつかんで投げていたのである。

 もともとエラPhoto_2ブウミヘビは大人しく、口も小さいので、滅多に噛まないのだそうである。それをよく知っている漁師さんは、平気で素手で触っていた。でも「万が一」というのがあるよね。万が一、キングコブラの毒よりもはるかに強烈という猛毒で噛まれたら? もちろん、噛まれたらお医者さんは間に合わなだろうから、打つ手はないんだろうけど、でも怖くないのかねえ。

 今まで蛇は何度か、そして何種類か食べたけど(実はイラブーも食べたことはあります)、一番美味しかったのは、マムシくらいの毒蛇だった(場所は中国)。こいつは大変上品な味で、ほとんど一皿(何人前なんだろうか?)を一人で食べた。「きついから食べ過ぎるなよ」と言われていたが、別に身体に異常は出なかった。

 むしろ蛇関係で変調を来たしたのは、ニシキヘビの胆嚢を入れた白酒を飲んだ時かなあ。これはその夜、戻した(お食事中の方、すみません)。これは果たして胆嚢が効いたのか、白酒が効いたのかわからない。似たようなことはすっぽんの生き血でもあったから、基本的に生き血の胆嚢のといったものが苦手な体質なんだろうと思う。

 こういったものは強い食べ物だとは思うけど、今までで一番大変だったのは、日本で食べたスッポンである。疲れ切って食べた時に、激しく異常が起こって、関節という関節がはれ上がったことがある。もちろん激しく戻した(重ね重ね、お食事中の方、すみません)。

 こうなると強壮剤なのか、よけいに身体を傷めつけているのかわからない。暫く寝込んだくらいだから、結果的には休息になったかもしれないけれど。でもまあ休息は健やかな状態でとりたいものだ。「うんうん」うなりながらの休息なんて、様にならない。

 それ以外で、爬虫類を食べて異常が起こったことはないなあ。昔の道場仲間がマムシをくれたことがあって、食べたけど、私には何の変化も起こらなかった。彼は夜も眠れなくなったらしいけど。

 その他の強壮作用のあるものも、ほとんど影響なかったよ。でも身体にはいいんだってね。きっと大抵の場合は私にとって、「身体にいい」程度で収まっているんじゃないのかな。すると「いい食材」ってことになってしまうんだけどね。

 まあそのうちゆっくりと、時間をかけていただきます。Iさん、珍しいもの、どうもありがとうございました!! ゆっくりと時間をかけていただきます。

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2009年3月 5日 (木)

何でも実験癖・22 ~ほっほっほ、これぞ中華粥の香葱鶏粒粥~

 ということで、本日の2発めでござります。ただいま隣で、必死こいてプリンタが働いておりますが、こういった同時進行は私はよくやるので、あまり気にしないでやってしまいましょう。忙しければ結構よくあることでございます。

 最近、週に一度しか粥を作っていない。これはよくないと思っていたところ、偶然、私が主食を作ったほうが良さそうなシチュエーションができたので、かねてから作ってみたかった「香葱鶏粒粥」というのを作ってみることにした。ただし!本物は鶏肉の干し肉を使うようなのだが、日本ではほいほいスーパーで売っているわけでもなく、作ろうにも最近の天気では難Photo_2しく、仕方ないからひき肉で代用することにした。

 まずはテキストの紹介である。左のような出来上がり図だが、もとよりこんなものは気にもしていない。美味ければそれでOK。それが私の料理の基本的コンセプトである。

 お米カップ1杯(1合)、シイタケ、葱各適量(この適量というのがミソだ)、水13杯(1升3合)、鶏干し肉100g。それに調味料(A)塩と化学調味料ともに少々、(B)塩小匙四分の一、鶏粉小匙1杯、片栗粉、胡椒粉、ゴマ油ともに少々。これらを準備し、次は手順である。

 ① 鶏の干し肉は小さく刻み、これに調味料(A)を加えて15分間ほど置いておく。 ② シイタケ(あちらは干しシイタケがほとんどなので、水で戻さなければならない)は小さくスライスしておき、葱が刻んでおく。 ③ お米はといだあと30分間みずに浸しておく。それから水を切り、鍋に入れて13倍の水を加え加熱。噴いたら弱火にして40分間煮る。 ④ それから刻んだ鶏の干し肉、シイタケ、調味料(B)をいれ、よくかき混ぜて10分加熱し、最後に刻んだ葱を入れて完成。

 なんでもPhoto_3テキストは大切だが、その通りに作れないときもあるので、すべては臨機応変に対応していく。私が準備したのは左のようなものである。右奥から反時計回りに、鶏粉、片栗粉、塩、胡椒、ゴマ油、シイタケ、鶏ミンチ肉、葱、生姜である。お米は6勺ちょっとにしておいた。

 まずお米を研ぐ。30分も水に浸しておかなければならなPhoto_4いので、こいつが一番。ついで鶏ミンチ肉に味塩をふりかけ、これを手でにっちゃら、くっちゃら混ぜ合わせる。次に、シイタケをスライスし(固くないので、細切れにはしない)、葱は半分はぶった切りにして半分に割っておく(鉄砲にならない工夫)。 生姜はみじん切りにしておき、片栗粉は相方のアドバイスに従って、大匙1杯を大匙1杯の水で溶いておく(あらかじめ溶いておかないと、とんでもないダマになるんだそうな。泣きをみたくなければ、こういうことはキャリアの豊富な人に聞いておかないと、ね)。 

 それからPhoto_5少々待って(当然、その間に缶ビールをプシュっといわせるのだが)、土鍋にお米を入れ、10倍の水を加えて加熱を始める。だいたい私のやりかただと、7~8分かかるが、それから弱火にして暫く煮込む(蓋はずらしておく)。最初から30分あまり加熱して、お粥っぽくなってくると、それに鶏ミンチ肉を加える。ミンチ肉は干し肉と違って固まりやすいので、ここで適当な大きさにしておくとよい。私はこれをお粥の中でやる羽目になったけど……

 それから10分ほど炊いて(蓋を閉めて弱火にしちゃいました)、それからシイタケ、ぶつ切りにしPhoto_6たほうの葱、刻んだ生姜、鶏粉、塩を混ぜたものを入れ、更にゴマ油を加えてから、再び弱火で蓋をして加熱。これが約10分ほどでしたかな。

 最後の最後に刻み葱を投入、それから火を止めて水溶き片栗粉をぐるぐる回しながら入れて、これをダマにならないようにかき混ぜ、少しの間蓋をして蒸らしておく。(お酒のほうはこの頃にはすでに熱燗に移行していたが)

 あとはお椀に盛っていただくだけである。Photo_7 こんな感じでございますな。まず最初の一口で、生姜の香りが清清しい。テキスト通りでは絶対にないはずの味である。そして生姜の味は葱が中和してくれ、なかなかに優れた味になっている。さらにごま油の香りが香ばしく、片栗粉のとろみとのコンビネーションで、見事に「中華!!」という味になっている。相方も母も、「今までで一番の出来」と絶賛である。

 それでPhoto_8も相方は、ちょうどあった半熟卵をこのお粥に載せ、更にゴージャス感を出している。 私も頂き、真似をしてみたが、なかなかに美味しい。これはこれはの中華味と言うことができた。これなら後は具の刻み方とか、見てくれを調節すれば、中華料理店でもなかなか味わえない美味しさである(少なくとも、中国本土で、こんな美味しいお粥を食べたことは、私はない。もちろん私のところで今まで作ったお粥のどれもが、本場中国で食べたお粥よりは美味しかったのであるが)。こんな贅沢なお粥を食べていたら、次に中国に行ったとき、お粥は食べられないかも知れない。

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至福の時・3 ~瞬きする瞬間が惜しい~

 いやあ、昨夜は遅くなってしまいました。つい至福の時を享受していると、時間がたつのを忘れてしまいます。実は昨日は大阪のミキハウス・スポーツ・スタジアムにお邪魔しておりました。そのため、一日ブログに穴を開けてしまいました。

 いつも助手をお願いしているS君と一緒に、山陽インターから一路、大阪へ。いつも通りにつもりだったのに、きっちりウェストポーチを忘れてしまって、花粉症グッズをその中に入れておいたので(ついでに免許も! だから昨日は免許不携帯でございました。気がついたのが高速に乗って、すでに兵庫県に入ったあたりだったので、もう運を天にまかせて、シカトしてしまうことにしましたが)、いつまで鼻と目がもつか心配でしたが、なんとか帰りまでもってくれました。

 ある程度まではこちらの精神状態で、症状を抑えられるのかな?と思ってしまうくらいでした(帰りの車の中で、目は痒くなりましたが、そこはいつも携帯している、通常の目薬でなんとか代用してしまいました)。もちろん、屋外に出なかったのが大正解だと思いますが。

 スポーツスタジアムに到着してから、ちょっとだけ準備運動をして(これは毎日のようにやっている独特のもの。きっと人が見ても何をしているかわからないような代物)、早速練習風景を拝見いたしました。どんな競技でも同じだと思うけれど、やはりレベルが高いところで練習を見させていただくと、こちらの勉強になるんですな。それにスポーツだ、武術だ、武道だなどと、分野をわけて考えるのが無意味にしか思えなくなります。

 一つだけ言えることは、「いいモノはいい!」だけですな。誰にでも自分がやっていることが世界で一番価値があるものだという自負があると思います。むしろそうあるべきかも知れません。でもどんな人もそうだと思ったら、やはり尊敬の念を持って接するべきだと思います。

 私個人は、どんなジャンルでも(それがお茶やお花、書道、囲碁、将棋などなどであっても)、凄いものは「凄い」と認めることにしていますし、その時自分が得られるものは、どんどん吸収させていただくことにしていますから、まず相手を尊敬することは当たり前なんですよね。

「○○からは学ぶべきものはない!」なんて格好よく言い放ちたいものですが、とてもとても。私の周囲には学ぶべきものばかりが山盛り存在しています。まして日本のトップばかりがいたりして、一所懸命に練習していたら、「瞬きするのも惜しいくらい」必死で見て、聞いて、感じていますよ。自分の周囲に展開するすべてのことに、ね。

 卓球部監督の大嶋先生には、いつも私が周囲の人にはよく漏らしていることを尋ねられました。それは身体運用に関する、非常に根本的かつ重要な事柄だったと思います。わりとみんなそれを避けて通ろうとするんだけどね。でも「競技」とか「勝負」をする人だったら、絶対に気になる部分だったと思います。

 私は常々、「必ずしも大力がなくても運動が可能にしてくれることはたくさんある」と言っていますが、「力が不要」だなどとは一度も言っておりません。その証拠に昨年11月に出した『あなたにもできる! 超人の動き』(スキージャーナル社刊)では、「筋トレなどは不要だ」という人のほとんど(全員?)が話題に乗せたがらない、ウェイトリフティングにも言及したしました。

 素晴らしい理論と指導実績をお持ちのS先生のところにお邪魔させていただき、「いったい筋力は最低限度どのくらい必要か」という点について考えてみました。試合、競技会、勝負などの場では、「筋トレはいらない」と言っても、勝てなければ自分の理論の正当性を証明はできません。極論ですが、100㎏のバーベルを挙げなければならない状況で、100㎏のバーベルを持つこともできなければ、絶対に挙上することはできないのです。

 ここには「現実」というものが存在します。頭の中でだけ作った理論では、不可能な世界が存在するのです。理論はつねに実証して、理論の正当性を証明していかなければ、理論として成り立ちません。実証できた理論だけが、その上にさらに理論を積み上げていくことができるものになるのです。

 試合では「筋トレ」をやって成功する場合があるでしょう。「筋トレ」は正しく行えば、ある程度の成果を残せるものです。私だって若い頃は、筋トレに狂奔していたのですから。それでも越えられない壁があることは、実戦形式の練習や、試合に出てみることで嫌というほど知らされました。

 だから「筋トレ」をすることで、その人が目標としたラインまで届くのなら、そしてそこで満足するのであれば、「筋トレ」だって決して悪いわけではないのです。(その証拠に、筋トレに取り組む人はたくさんおられますよね)でもそれで自分が満足できないのなら。あるいはもっと上を望むのであるのなら、または「わざわざトレーニングジムにまで通わなくても」と思われるのなら、「筋トレ」よりも価値があるものはあります。

 だから私は「筋トレ」を否定するつもりはまったくありません。私自身、筋トレに狂奔した時期があったからこそ、筋トレの限界を感じたわけですから(だから「筋トレ」について語れ、と言われたら、それは1日8時間喋るとして、きっと1週間なんかでは語りつくせないくらい喋り続けると思います)。やっていない人はただ観念だけで「筋トレなんか…!」と言っているだけでしょうけどね。

 俗に「塩と砂糖は舐めてみなければわからない」と言いますが、その通りです。似ていてもまったく異なるものは、いくつでもありますからね。ただし選手はそういうわけにはいきません。あれこれ、いろいろと試してみて、失敗や成功を繰り返していたのでは、時間が不足してしまいます。成功や失敗を繰り返して、そのたび治療院のお世話になっていればいいのは、現役を引退した後も、まだあれこれと試行錯誤を繰り返しながらでも、「上を目指し続けている」私みたいな人間だけでいいのです。

 私にとっては失敗は恐れるものではありません。数多くの失敗は、その結果成功したときのものを、大変強いものにしてくれます。何気なく突然成功なんかすると、失敗したときの対応法がわからなくなります。これでは「理論」を形成する上での背景が弱くなってしまいますからね。

 だから選手に何か語るときには、何度となく検証したものを言います。そうでなければ責任が持てないのです。私の人生ならば自分で責任が取れますからどうとでもなるのですが、相手が選手であるなしに関係なく、自分以外の人ならばやはり検証しておくことは必要不可欠だと考えています。

 それでも「なかなかできない」「難しい」などといわれることもありますが、まあ私も何年も練習してできるようになったことが多いですから、やはり「練習」という過程も必要かなとは思いますよね。

「練習」を必要とするものだから、「努力」の大切さがわかるのです。聞いてすぐできるものもあるかも知れませんが、それは自分の身体の中で、すでに成功のための条件が整っていたためでしょう(その証拠に、日ごろ最高の練習をたっぷり積んでいる人の中には、私が言ったことを5分でやってしまった人が何人かいました。そしてその人たちの何割かは、日本記録保持者であったり、日本記録をそれから樹立したりしました)。

 こう考えれば、「努力」は何かを樹立するための「必然」だということができますよね。「研究」「理論」「実証」などなどを繰り返して、確実に進歩していく「科学」を私が信奉している理由がここにあります。

 天才的な人はひとたびスランプに落ち込むと、抜け出すのに大変な苦労が必要だったり、永遠のスランプになってしまって、そのまま引退したりします。天才的から「的」の字を取るためには、自分が何も考えたり悩んだりしなくても、できてしまうことの意味を、よく考えなければならないのです。それが自分を本当に理解することだからです。

 その意味がわかれば、スランプが来ても何とか乗り越えていくことができるでしょう。そのためには「自分よりも自分を理解してくれている人」が必要になります。そういった人がいることで、独りでは越えられない障害であっても、越えていくことができるのだと思います。

 だから「一人の勝利は、その人を支えた人たちすべての勝利」になるんですよね。どこまでも自分ひとりでやっていく、昔の武芸者のような生き方も格好いいけど、人と人との係わり合いの中から、素晴らしい結果を出していく人たちも、素敵だと思います。

 ほんとうに昨日は、瞬きする時間すら惜しいような、素敵な時間を過ごすことができました。今日は今日で、私たちのクラブチームの練習日です。これまた素晴らしい時間なので(短時間であるのが玉に疵)、私は幸せな時間を生きていると実感しています(花粉症は嫌だけど)。ありがとうございます!!

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2009年3月 3日 (火)

ほんとの自分のものにする

 なんと朝起きたら雪でっせ! 新聞を見たら、どれもこれも「暖冬」で困ったもんじゃと書いてある。朝から新聞の内容と、窓の外の風景を見比べて、ため息をついていた。三月三日のひな祭りの日だからって、風情を出す必要はないの。もっとのんびりできるようになってから、風情を出してもらえれば。

 昼間は暖かいけど、夕方から急に寒さを感じる日が多い。これは太陽の光が差し込む角度は春にちかくなっているけれど、大気そのものはまだまだ気温が上がっていないことを意味している(暖冬傾向で、次第に暖かくはなっているんだろうけど)。だから天気のいい日の昼には少し動いただけで汗が出ることもあるけど、夕方にはその汗がとんでもなく冷たく感じるんだ。

 こういう時には風邪を引きやすい。そして風邪だけでなく花粉症もある。やれやれである。そこへもってきて雪だ。「なんじゃあ、こりゃあ!?」 懐かしい『太陽にほえろ』のジーパンの殉職シーンのような叫びをあげたくなる。とても「汽車を待つ君の横で僕は時計を気にしてる~」という雰囲気にはなれない。なごり雪じゃあないぞ。

 さすがに昼前から雪が雨に変わったけど、やっぱり寒いよ!! 「ネコはコタツで丸くなる」といきたいね。こんな日はコタツでごろごろと…… おっと今日は火曜日だ。そんなことをしている暇はない、絶対にない!! しかたがないので、今日は珍しく「ほうじ茶」を淹れて飲みながら、キーを叩いていた。

 実は何を隠そう、私が最も好きなお茶は「ほうじ茶」なのである。もちろん気分しだいでその時に一番美味しい(つまり飲みたい)お茶はコロコロ変わるけど、丁寧に淹れてもらった「ほうじ茶」くらい、私にとって美味しいお茶はない。普段飲んでいる中国茶は、いわゆる健康用だ。私はやっぱり日本人だと思う。

 自分が興味があって、いろんな国のいろんなモノを勉強するのは好きだけど、少なくとも根っこを日本に置いてあるから、そんな勉強がやくにたつのではないだろうか。もしも自分というものがない人だったら、ちょっと優れたものに出会った段階ですぐにそれにかぶれてしまい、そちらへ行ってしまうだろうから。

 どんな海外の優れたものを取り入れても、それが日本に適応しなければ、日本では大々的に受け入れられることはないだろう。海外のものの素晴らしさを認めるにはやぶさかではないが、それを日本に導入するとなると話はまた別問題になる。上っ面だけだと、いずれ遠くない将来に消えうせてしまう。

 もともと日本人は海外の文化を取り入れるのはたくみであった。それはどうしてだろうかと、時々考えることがある。それは日本人はやはり日本人だったからではないかと思う。自分の立っているところがよく理解できているから、どの部分を導入し、どの部分を棄てるかが判断できるんだろうね、きっと。

 もともとそうしなければ生きていけなかったのではないかとさえ思う。もちろんいろんな方が研究しておられるように、日本列島には様々な民族が流れ込んできたのだろうけれど、そしてその過程で、受け入れるべきものはどんどん受け入れ、シャットアウトすべきものはシャットアウトするということをしてきたのだろう。

 むしろそれどころか、無条件になんでもかんでも取り入れてしまう人間を見て、嘲笑するようなところさえあった。曰く「○○かぶれ」である。私が子供の頃にはまだ「西洋かぶれ」「アメリカかぶれ」なんて言葉があった。まだまだ「三種の神器」がどうのこうのと言われていた時代でもある。

 でも便利がいいから、当時のアメリカの文化を象徴する「テレビ、冷蔵庫、自家用車」は今やほとんどの人が当たり前のように接している。自家用車なんて見事に日本という国土や個人個人のライフスタイルに適応したものに進化しているし。もうどれも完全に日本のものだよね。

 外国から入ってきたものだって、日本で使っているうちに、日本に適したものになってくるんだよね。使わないでいたら、いつまでたっても日本のものにはならないだろうけど。だから実用してみないとダメなんだよ、きっと。

 身体運用なんかでもこれは同じだよね。いくら身体が器用に動く人でも、持って生まれた身体の機能を上手に開拓していたとしても、それだけでオールマイティなわけじゃないから。たとえば物凄く上手に動ける身体になったからといって、その人が生まれて一度も深い海や湖、川なんかに入ったこともないのに、川に投げ込まれたら、きっと溺れて死んじゃうと思うんだよね。

 べつにそんな危険なことをしなくてもいい。いくら身体が動けるようになったからといって、100mを9秒台で走れといわれたら、これは難しいだろう。身体の動きができるようになったからといって、いきなりバットを持たされて、プロ野球有数の速球派のピッチャーが投げる球が打てるかというと、無理な相談だろう。

 どんな価値のあるものを導入しても、それを与えられた条件のもとで使ってみなくては、本当に使えるものにはならないというのは、ちょっと考えただけでもわかる。でも日本人は導入したものを今まで上手に日本に適応させてきたからねえ。もちろんそういった人たちが、人並みはずれて賢かったのかも知れないけれど。

 ま、何を導入してもいいと思うよ。法律で禁じられていたり、人道的に考えてみて問題があるもの以外は。あとは実際に使ってみて、少しでも早く、少しでも日本や、自分のやりたいことに適応した形にするのが大切だよね。

 これはどんな技術にしても文化にしても同じだよね。

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2009年3月 2日 (月)

何でも実験癖・21 ~実験というよりも冒険? 干果黒米粥~

 ずいぶん前から気になっていたお粥がある。それが黒米だけで作るお粥だ。相方に聞いたところでは、黒米はもち米の一種だという。もち米のお粥もそのうち作ろうとは思うが、何しろ黒米は黒い(当たり前か…)。イカ墨などという、見た目は真っ黒でも美味しい食材もあるが、果たして黒米はどうなるであろうか……?

 でも作ってみたかったんだよね。変わっているし。で、やっと昨夜頑張って作ってみた。結果からいうと、うん、新しい食感の開発でございました。まあそんなことより、いつものパターンで、とりあえずテキスト通りに紹介してみよう。Photo

 お粥の名前:「干果黒米粥(カシューナッツと黒米のお粥)」。材料:黒米200g、カシューナッツ30g、白ゴマ5g。作り方:① まず黒米を洗う。洗った後、鍋の中で水に1時間浸しておく(もち米の一種だからね)。その後適量の水を加えて中火で30分加熱する。② カシューナッツを砕いておく。③ 炊き上がったお粥をおわんに盛り、カシューナッツ、白ゴマをふり、紅糖を好きなだけ加えて、できあがり。

 だいたいお粥に砂糖など、と私は思っているのだが、中国では砂糖、蜂蜜、黒糖、紅糖などなど、甘いもので味を調えるものは少なくない。でも私は日本人である。日本人が日本で料理を作っているのに、どうして砂糖などという「危険な!!」ものを使わなければならないのだ? という思いが強かった。

 いままで作ったお粥の中にも、本来は砂糖を使うものがあったが、あえてお塩に変えさせてもらった。その結果、きっと砂糖を使ったら食えなかっただろうものが、美味しいものに変わってきたと思っている。そこで今回も、極めて身勝手な理由であるが、紅糖を使わず、お塩を使うことにした。

 その他にもいくつも条件を変える。食べ物は「美味しい」のが一番である。それは冒険であればあるほどである。冒険をしても美味しかったら、結果オーライというものだ。美味しくなかったら、せっかく(花粉症で)疲れきった身を鞭打って作った甲斐がない。だから準備物からして大きく変更を加えた。

 まずは材Photo_2料である。 左から白ゴマ(5g)、カシューナッツ(30g)、その後ろに隠れているのがお塩(小匙半分)と鶏粉(小匙半分)、その前が黒米(6勺)、鶏肉(約50g)である。もうお分かりのように、鶏のダシで食ってしまおうという予定だ。これが一番無難だけど、同じような発想をすれば、魚のダシでもなんでもOKということになるかも知れない。

Photo_3  まず黒米を洗う。相方のアドバイスもあって、ざっと2度しか洗わない。ゴミが残ってさえいなければそれでいい。でも水を捨てるときに出て行く水、もううっすらと紫色に染まっているんだよ。なかなか強烈だ。イカ墨ほどではないけれど。こいつを面倒だから土鍋の中で水に浸しておく。テキストには1時間と書いてあったが、ここで障害になったのは、私の帰宅Photo_4時刻であった。

 なにしろ日曜日だというのにあれこれと忙しく、帰宅してから夕食の準備などする間はない。もうこの段階でビールをプシュっ!はいいとして、水に十分な時間、浸しておくだけの余裕がないのだ。でも40分経過したころこのような状態になっていたので、「40分って四捨五入(???)したら1時間じゃん!」などとわけのわからないことを言って火をつけた。

 この後、カPhoto_6シューナッツは指で潰す。潰して木っ端微塵になったものばかりだと絵的に麗しくないので、少しは原型を留めた状態にしておく。ゴマは5gだけ計っておく。まあカシューナッツ(これは今中国では人気がよい。でもあちらでは比較的高価なので、持って行って勧めると喜ぶ人もいる。特に若い子には好きな子が多いみたい。これをぽりぽりやりながらお茶…中国茶…を飲むのである。ちなみに私の仕事場ではこのスタイルが導入されている)にしてもゴマにしても、ミネラルが豊富だから、栄養価は高くなるんだろう。

 10分もPhoto_5経過しないうPhoto_7ちにぐらぐらと煮Photo_8立ち、噴いてくる。これに鶏粉とお塩を加え、さらに鶏肉(小さく刻んである。本当は鶏ひき肉でもいいくらいだ、と思う)を入れ、蓋をしてから火を弱めにして、後は仕事を鍋と火に任せておく。アクが出てきたら丁寧に取り除く。

 このままで談笑しながらお酒をいただく。火は弱火にしておいた。後は時間が過ぎ去っていくのを待つだけである。今回のものは菜っ葉の類を入れていないので、どんなことになりますやら……

Photo_9  ところがどっこい、玄米の恐ろしさ。水を吸って膨らんでくれないのである。黒米は長粒米だが、なんとスマートな体型を保ったまま。でも40分も煮続けたから、もう許さん!!とばかりに茶碗によそおって白ゴマをふり、砕いたカシューナッツを加えてさあ、あとは食うだけ!!である。

 ん? 何かお粥っぽくないぞ。変に黒米なぱさぱさしているし。でも歯の弱くなった母でも食べられるという。そして不思議なことに、この黒米がカシューナッツと妙にフィットする。ついでにゴマの香りが香ばしい。食べているうちに不思議な食感に次第に好感が持ててくる。

 確かにこういったお粥は、日本にはないよ。少なくとも私は未経験のお粥だ。でも面白い。特に食感は面白すぎる。見てくれは黒っぽくておいしそうには見えないけれど、それでも食べられないことはない。

 一応☆10個という声がかかったけど、私的には、今回は評価なしということにしたいと思う。この食感なら、もっともっと面白いものが作れそうな気がするし。ちなみにテキスト通り、微量の紅糖を加えても面白いかも、と思ったのも事実である。もしかすると、砂糖があうお粥もあるのかも……

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2009年3月 1日 (日)

私とアクアリウム・24 ~久々でございます~

 花粉症は立派な病気である! 最近、この認識が強くなった。たしかに今年はヘマをやった。予防的に病院に行くのが、(私の感覚で)3~5日遅かったような気がする。それで毎日毎日、どうしてこんなにしんどいんだ?

 先日など、点鼻薬がなかっただけで、一晩中眠れなかった。まったくこれからが本番だというのに、どうせいっちゅうんじゃ? それから某薬局で勧められた目薬が、値段は立派なものだったが、効き目がない。毎年お世話になっている目薬を買って、やっと落ち着いた。もちろんどんな薬でも、効くのは人によって異なるであろう。でも困るのは私なんだよ!

 今朝も魚の水換えをしていて、花粉を途中からモロ吸い込んでいる気がしていると思ったら、案の定きやがった。まさに花粉に「キャフン!」と言わされているような気がする。咳だって「カフン! カフンっ!!」から「キャフンっ! キャフンっ!!」になってきちゃったよ。

 暫くお魚のことを取り上げていなかったので、どうしたのだろう? もしかして殺した? なんて思われているのではないかと心配したりするので、近況を紹介しよう。だいぶ前にアロちゃんによるダトぽんの殺魚事件があったが、あれからは至極平和であって、私は毎週一度は水換えをしている。相手は生き物なので、どうしても世話をしなければならない。でもそれが生き物を飼っていることの喜びでもあるので、頑張るしかない。

 まずディスカスちゃんたちである。Photo Photo_2 Photo_3 こんな感じでございます。奥のほうにいるのは最古参のもので、もうこの子は10年近くいる(10年は経過していない。でも記憶をたどってみると7年より短いということは絶対にない)。

 ディスカスという魚は一体何年くらい生きるのだろうかという質問を時々されることがあるが、「だいたい十年くらいじゃないかな?」程度のあやふやな答しかできないでいた。この子は他の魚との比較から推定して、だいたい8年以上、9年くらいは生きているように思う(勿論ワイルドものなので、我が家に来るまでにどれくらいアマゾン川を泳いでいたかは、サイズや目の大きさとなどなどから推測するしかない)。Photo_4 Photo_5 Photo_6

 どんなきれいだったディスカスであっても、晩年はこんなに黒くなっていく。病気になれば若くても真っ黒になっていくけど、年齢も老人ならぬ老魚になれば黒くなっていくのである。我が家ではけっこう長期間飼育したディスカスがたくさんいたので、どれも最晩年になれば黒くなることを、当たり前の現象として受け入れている。

 ワイルドものは稚魚の時には稚魚の良さ(きゃわいらしい)が、若魚には若魚のよさが(まだ美しくはなりきっていないが、将来の可能性を感じさせる)、成魚には成魚のよさが、晩年には晩年の味があると私は思っていて、だからこそターコイズでなくてワイルド一辺倒になっていったのだPhoto_7

 この中で一番写真を撮らせてくれない子(ここでも一番奥にいる)なんか、買ってきて数ヶ月でロイヤルタイプだと確信したが(買うときに「きっとロイヤルだろうな~」と思っていた。『熱帯魚ニロチカ』の近藤博店主は、私がロイヤルより、ベタっとして…ストライプが入らないで…、縁取りが鮮やかなものを好むのを知っているので、輸入元にそういう注文をつけてくれるのだが、アマゾンを出るときにはほんのおチビさんなので、どうしてもいろんなタイプが混じってくる)、こうして何年もかかってロイヤルになると、それはそれなりに可愛いし、きれいだと思う。今では体の真ん中あたりまで、うっすらとストライプが入っているし。

 ちなみに私は「ブルー・ディスカス」を希望したのだが、どうもグリーンっぽいのが多い(あるいは昔風にいうとブラウンか? 最近、ブルーらしいブルーをとんと見かけなくなってしまった。ブルーディスカスの野武士のような面構えが好きなんだけどねえ)。グリーンのなんとなく優しい顔が受けるのかなあ? 白状すると、昔は私もそんな時期があったけどね。最初は単純なきれいさを求めても、次第に「個性重視」に変わるのかなあ。

 アロちゃんは元気ですよ。巨大化しながら、Photo_8 Photo_9 もう餌の魚を食べてくれないんだけど(驚くなかれ、コリドラスの餌を食べる!!)。だから餌で入れた魚が巨大化しちゃって。フナなんか20㎝を越えるのがざらにいるし、キレイなカネヒラが泳いでいたり(なんと餌としてやったんだよ)。先日なんかフナにペアができて産卵場所を探して180㎝水槽狭しと泳ぎまわっているのを見て、非常に複雑な気持ちになった(フナを殖やすのも面白いかも、と思ってしまったのである)。

 この子は私が水換えしていると、私について泳ぐ。これを10回以上繰り返さないと満足しない(繰り返しても満足していないかも)。あとは手で撫でてやる。撫でてやらなかったら、あちらから身体をこすっていく。可愛いのでいつも相手にしてやっている。

 ダトぴょんも母が丁寧に世話をしてくれているので、元気にしている。こちらは餌食いは大変良い。チビダトも母によれば、4倍(長さ)くらいになったそうなので、体積なら64倍(?)になっている。もうすぐでかいダトぴょんと同じ水槽に入れると、広くて自由に泳げるようになるPhoto_10ぞ。

 グッピーも適当に増えている。糸くずみたいな稚魚がたくさん泳いでいるが、なかなか大変である。暇になれば新種を作って固定しても面白いけど、今の私にはとてもそんな暇はない。左はそのほんの一部だが、以前ほどではないね。以前はプラケース だけでも数十(50以上)はあったから。でもこうなると魚を生かすために、こちらの生命が縮んだりすることもなくはないから、やりすぎには要注意。

Photo_11  屋外を見てみると、ウオーターカーナミンが早くもいい葉をつけていた。最近地球温暖化の影響下どうか知らないが、本来熱帯とか亜熱帯に生えている植物が、日本で越冬できるようになっているのではないかと思う。カーナミンは本来温帯でも生育すると、私のうろ覚えの記憶Photo_12ではなっているが、恐ろしいのは左のほうにアマゾンソードプラントが、枯れたような葉ながら存在していることである。

 もう一つ、アマゾンチドメグサが屋外でどうなるかという試みもしてあって、葉っぱは見えないものの、茎だけは残っている。もしももう少し暖かくなって新芽が出るようだったら、日本で越冬することが可能だということになる。外来種の帰化について環境省がますます神経質にならなければならなくなるね。

Photo_13  これは我が家では当たり前の光景。セリと競り合うグロッソス・ティグマである。我が家ではもう何年も(10年は越えている)、この植物は屋外に放置されたままである(他人が入りにくく、外部水系とはまったく切り離されたところなので、我が家から外来植物が流出する可能性は、非常に低い)。それでも毎年花を咲かせている。

Photo_14  睡蓮は新芽を出し始めましたな。もう少ししたら広めの鉢に植え替えてやろうと思う。今年はちょっと派手に花を咲かせてみようかしら。睡蓮は肥料が大量に必要なので、それなりの方法で対応しないと(でも鶏糞は臭いし。入れるのなら今なんだけどね。暖かくなるとものすごく臭いから…)。で適当に富栄養になると、またミジンコが大量発生するんだよね。するところがまた他の魚の餌になったりして……

 まあいPhoto_15かにも横着なことを考えそうな私のやり方だ。なんてことを考えていたら、時々くる鳥さんがPhoto_16いて、あまり人を怖がらなかったので写真を撮っておいた。本当はもの凄く多種多様な鳥が来るんだけど、多くはカメラを嫌うんだよ。

 私の家ではさすがに無理だけど、近くの河川にはカワセミだっている。でもカメラを準備する間に、いつも消えてしまう。撮影されたって減るもんじゃないのに、ケチな鳥達である。でも向こうにそんなことを期待する方がわがままなのかな?

 こうしているうちに今に春がやってくるのだろう。私にとってはそれよりも、一日も早く、花粉が飛ばない日になってほしいのだけど。春は好きだけど、花粉は好きくない。美味しいものは好きだけど、太るのは好きくない。これって似ているかなあ?

 でも人は本来、手前勝手な生き物だからね。

 水換えした水を何かの植物にやろうと見たら、今年もジュウニヒトエがたくさん花芽をつけていた。また春がやってくる。

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