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2017年3月 4日 (土)

旅立ち

 三月も四日となると、わりと春めいている。(同時に、花粉の害が酷くなるってことでもあるんだけど)明日くらいから、春でも見つけに行きますか、天気がよければ、なんて気分になれる一日だった(では、今日は何してたのかというと、身体の調整をしておりました。身体が歪むと、歪んだ世界しか見えないから。客観的事実は、受け取り手がまっすぐなら、まっすぐに入ってくるけど、歪んでいたら、どんなまっすぐなものでも、歪んでしか見えないから。ちなみに私は、客観的事実を歪めてしかみない国には、科学は育たないと思っている。何故かってえと、客観的事実を客観的に見ることが、科学の土台だと考えているからだ)。

 毎年同じことの繰り返しだけど、それでも毎年が新鮮に感じて飽きないのは、繰り返しているようで、実は繰り返しなんかではないからだと思う。毎年同じような光景を見ているはずだけど、微妙な違いを我々の感性が捉えていて、大脳が「だいたい同じ」と言っていても「いいや、違います」と言っているからではないだろうか。

 桜の花は美しい、桜にアブラナがつくと、さらに美しい。その下に青い鼻が咲いていたりすると、これはもう奇蹟ではないかと思える美しさだ。でも毎年それを見ていたら、5~6年もしていたら飽きるのではないかと思うけれど、全然飽きないよ。それは大まかな記憶では、毎年繰り返されているような認識しかなくても、細かい部分まで記憶している感覚にとっては、同じものは(同じ瞬間)は、二度と来ないってことを、敏感に感じ取ることができているからかも知れない。

 私は「記録魔」的なところがあって、同じ木を記録し続けることがある。すると一年違いの同じ日の、だいたい同じ時間帯での写真を撮影したりすることもある。こうやって比較すると、同じように見えても、細部は全く異なっていたりするんだよね(これが「理科系」なのかも。文科系だと「年年歳歳花相似 歳歳年年人不同」なんて捉え方で終わってしまうのかも。ようするに細かいところに、どこまで注視できるかってことだよね。その分、理科系はコツコツと積み上げる。文科系は。一瞬の閃きで動くことができる。どちらがいいとは、一言では言えない)。

 一般生活で、感覚的にしか捉えられないこんな瞬間を、カメラという道具は、比較できる形にしてくれる。実に便利かつ、、他人には見せたくない瞬間でも、情け容赦なく記録してしまえるのが、カメラという文明の利器の持つ力だ。

 ま、明日は天気が悪くなくて、体調と気分が悪くなくければ、少しだけ春を探しに出てみよう。そしてそろそろ春の釣りを楽しむ具体的計画を立て始めよう、なんてことを考えております。本ブログを始めた頃、「ハヤの味(ハエの苦さ、だったかも)」というタイトルだったかなあ、今は亡き祖父の思い出を書いたことがあったけれど(それを読んで、とんでもなく感動してくれた母も、今はいないけれど)、あの味は、おそらく私がお墓に入るまで忘れることがない(感覚が残るとすれば、死んでも残るかも)ものだ。

 久しぶりに、あの味を再現したくなった。もう春かな昔のことだけれど、味は、妙に鮮明に覚えている。残念なのは、今の自分が、あの味を伝える存在を持たないということだけれど、まあ再現してノスタルジーに浸るのも悪くはない。どうせいつかは消えていくしかないのが、この世に生を受けたものの宿命だ。

 あの頃の私は花粉症ではなかった(というか、花粉症という症状すら、世間一般では知られていなかった)。今は花粉症の時期が終わってからの再現になるのではないだろうか。鼻が詰まってしまうと、味も風味もわからないからね。

 おそらく、早春のハエを焼いただけの、生臭さを伴った苦さを味わった瞬間、私はきっと○十年の過去に戻ることができるだろう。

  感覚の記憶は、不可能だと思われているタイムトラベルを可能にしてくれる。その瞬間には、私は小学校の低学年に、一瞬で戻れるのだ。そして一瞬後には、嫌でも今の現実に引き戻されるに違いない。現実は、不可能を瞬間に「それは不可能なことなんだよ」と教えてくれる。

 そして次の瞬間に私は溜息をついて、二度と過去に戻れないということを思い知り、現実を再び歩み始めるに違いないのだ。

 ではその行為は無駄か? 決して無駄ではないと思う。溜息をつきながらでも、もう一度歩き始めることができれば。それはそれで、立派に旅立ちだからだ。

 旅立ちは、必ずしも歓喜や期待に包まれるものではない。さまざまな旅立ちがあるのだ。

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