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2017年4月13日 (木)

金〇脱皮の計(金蝉脱殻の計??)

 風は強く、桜の花びらはどんどん散っていくが、相変わらずの花粉でございます。これさえなきゃ、いい風情なんだけどねえ。ま、杉にしても子孫を繁栄させなきゃならないので、花粉を飛ばさないわけにはいかないだろうし、いったい誰が悪いんだろうねえ。

 ちなみに私は、悪ガキの頃には、どんなに杉の花粉が多そうなところでも、何の症状も現れなかった。やっぱり「何か」が変わっている。それはもしかしたら、私の身体かもしれないのだが。

 子供のころはサルだった。とにかく木を見れば登りたがった。親父はそんな私を見て、「お前はサルか?」と、しょっちゅう小言を言った。時には拳骨ももらった。今では私もすっかり体重が増えてしまって、子供のころに登れたはずの木が、まったく登れそうにない。

 登れた頃には、登る道筋が見えた。あの枝に右手をかけて、ここに左手を置いて、足をこうひきつけて…なんて具合に。もちろんその頃はそんなことなど考えず、ただ自然に登っていた。今はその道が見えなくなっているということは、身体が動かなくなっているのだろう。

 肉体は賢いからね。自分の持っている能力によって、自分が通れる道を教えてくれる。だから登れなくなると、見えていたはずの道が、見えなくなる。それはもうすでに、それができなくなっているということだ。

 だから能力的に優れた人には、たくさんの道が見える。一つの道がなんらかの理由で通れなくなったとしても、別の道がいくらでもあったりする。こういう人には「余裕」がある。どうにでもできるからだ。

 逆に能力が劣った人には、道はなかったり、あったとしても限られている。限られているということは、それを封じ込められてしまえば、既に選択肢はないということだ。選択肢がなくなれば、ギブするしかない。

 問題はギブするときに、どういったギブの仕方があるかということだ。「わかった! 私が悪かった。謝る」と素直に諦めれば、相手が人間だったら、もしかしたら寛大な処置があるかもしれない。相手が大自然だったら、人間の謝罪なんか認めてくれないから、もう何がなんでも頑張りぬくしかない。結果がどうであろうと、自分の持った能力を全部発揮してもがくか、快川和尚のように「心頭滅却すれば火もまた涼し(この時は、相手は織田軍だったんだけどね。でも勝頼さんをかばっていたら、こういう選択肢しか残されていなかったのだろう、きっと)」と、従容として死を受け入れるかしかない。大自然は怖い(経験者?は語る…)。

 相手が人間であった場合には、大自然とは異なり、いろんな駆け引きが可能だ。例えばメンツを重んじる場合だと、諦めたふりをして一瞬の隙を見つけ、一気に逃げるとか、全滅覚悟の徹底抗戦を命じておいて、自分だけはひそかに逃げるとか、漢の劉邦が項羽に対してやったように、替え玉(影武者)に降伏させておいて、自分は逃げる(トカゲの尻尾と原理的には同じですね)など、いろんな対処法がある。

 そこに自分がいるように見せかけておいて、実はちゃっかりと脱出しているのを、『兵法三十六計』では第21計「金蝉脱殻」の計と呼ぶ。セミの幼虫は、地中で数年過ごした後、だいたいは夜間に出てきて、木に登り(我が家には玄関の上に、昨年夏のがありますが)、明け方数時間かけて脱皮し、羽がしっかりと伸びきったら、どこかへ飛んでいく。

 おそらくは昔の人は、このセミの抜け殻を見て、「おっと、見いつけた!」と捕まえたら、仲がすっからかんだった経験から、この計の名前を思いついたのではないだろうか。(我が家なんか木が多いので、いくらでもありますけどね、セミの抜け殻なんか。私が子供のころは圧倒的にニイニイゼミが多かったのに、最近では全部クマゼミだ。クマゼミは亜熱帯性のセミなので、やっぱり温暖化なのかなあ、などと思ってしまう。最近じゃ、もう少ししたら氷河期が来るなんていう説もあるけれど)

 でこの金蝉脱殻の計を成功させるには、絶対に守らなければならない大原則がある。それは「気配を見せないこと」なんですな。それまでやっていたことを変更したりすると、「何故変更したのか?」なんて相手に疑わせてしまいますからね。疑われると、この計に対処されることがありますから、たいていは脱殻の段階で失敗する。

 だから平静を装うことは重要ですね。もう一つ方法があります。圧倒的に小勢で劣勢なのに、やたらと攻勢に出たとき。これは退くための最大の好機ですね。小勢の攻勢は長期にわたって継続することは困難です(万一継続したら、そのための仕掛けがあるはずです)。それでも敢えて攻勢に出るということは、有利な条件での講和を狙っているか、金蝉脱殻のチャンスを作ろうとしていることが多いと考えられます。

 一般的にはどんな人でも、死ぬよりは生きているほうがいいですから、なんとかして生き延びる方策を考えるものです。杉だって子孫繁栄のためには、大量の花粉をまき散らすのですから(風媒花は、必ず自分の花粉が、目的としためしべにたどり着けるという保証がないので、やたらとたくさんまき散らすんですね)、人間がお頭を使うのは当たり前です。

 で、金蝉脱殻を相手にさせようと思えば、それは強烈な圧力をかけ続けながらも、退路を断たないことですね。『孫氏の兵法・九変』でいう「囲師必闕、窮寇勿迫(囲師には必ず闕き、窮寇には迫るなかれ)」という奴です。相手をぎゅうぎゅうの目に遭わせてしまえば、相手は無茶をすることがありますからね。

 逃げ場とか、好条件での講和のチャンスをちらつかせれば、人はそちらに食いつきます。ただし現代では『孫氏の兵法』なんて誰でも知っていますから、簡単にはいきません。そこはそれ、意地と意地がぶつかり合う、チキンレースもあるわけで。

 ましてや争いあっている者同士での単純な戦いでなく、その裏で糸を引いている存在があったりしたら、問題はさらに厄介です。なぜかというろ、裏に黒幕がいたら、その黒幕が窮地に陥らない限り、平気で自分が操っているものを切り捨てることだってありうるからです。(逆に言えば、黒幕をとっちめれば、それで大きな部分が片付くことも。問題はそう簡単ではないでしょうけどね)

 ま、それでも相手に金蝉脱殻させようとしたら、やっぱり鞭だけでは難しいですね。飴がないと。だって昆虫の蝉とは異なり、人間の場合には脱殻するってことは、今の環境のすべてが変わりかねないってことでもあるんですからね。(私なら、それまでのしがらみを捨てて、自由に飛べる生活を選びますが、それでも蝉は一週間しか生きられないしねえ…)

※ 今月の『○○を語る会』は明後日、15日の第三土曜日でございます。よろしくお願いいたします。

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コメント

 大変ご無沙汰しています。明日15日(土)の「○○を語る会」に参加したいと思っています。桑田中の歓送迎会に参加した後になるので、P.M9時頃になると思います。よろしいでしょうか。3月28日(火)~4月5日(水)までネパールに行っていたのでそのときの話などしたいと思っています。

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